#青の楽園空想の街:とある冬の一日② ’20

#空想の街 #青の楽園灰間から受け取った包みを抱いて、ララはせんろと静かな東区をゆく。だいぶこの道にも慣れてきた。本当は今夜にでも出発するつもりだったが、生憎の雨だ。バイクはまだ灰間の屋敷の軒先で眠っている。 #さるカフェの二人に会ういい機会だろう。

2020-01-25 01:09:08

@IrhnIhht 「こんばんは」灰間から借りた傘を畳んで #さるカフェに入る。今日は先客がいたようだが、そのためなのか店の二人はとても元気そうだ。「挨拶にきました。えっと、今いいかな」「初めまして」せんろも頭を下げている。 #空想の街 #青の楽園

2020-01-25 01:12:17

@nowhereao ふと、ろろがつぴぴと顔を上げた。あ、この仕草はろろの知ってる人だわ。誰かな、誰かな。#空想の街「バイクのおにーさん！！いらっしゃいませ！」私より先にろろが飛んで行く。#青の楽園あっ、ララさんだ！あともう1人可愛い女の子。ろろに任せて大丈夫ね。#さるカフェ

2020-01-25 01:14:40

@IrhnIhht 「ろろ！よっ、こないだぶり」初対面のぎこちなさを露ほども思わせずろろが笑うので、ララもつられて口角をあげてしまう。 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園「色々あってさ、こいつと旅に出ることにしたんだ。しばらくはバイク押しながらだけど」「ろろくんっていうの？わたしせんろ」

2020-01-25 01:25:05

@nowhereao 「ららさん！…と…せんろ、さん。はじめまして、いらっしゃいませ」#空想の街「いつもの席？」#青の楽園「ららさん、あいぼう？(コソッと耳打ち)」#さるカフェ

2020-01-25 01:27:55

@IrhnIhht せんろは食べ物の匂いに夢中だ。「ララ、暖炉のそばにしよう。火は旅路にかかせないから」 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園ろろに耳打ちされてララは少しだけ跳ねる。癖の強い髪がゆさっと揺れるのを自分でも感じる。「…まだわからんけど、ケンカしないようにする。相棒になれると思う」

2020-01-25 01:36:39

@nowhereao 「あいぼう！やったね！」#空想の街お見送りを終えてララさんのもとへ行くと、なにやらろろがガッツポーズをしている。「あら、今日は可愛いお連れさまがいるのね。お腹の気分は？」#青の楽園今日はセルフサービスがあったから、軽食もあるわ。それ以外でも何でも好きなもの言って！#さるカフェ

2020-01-25 01:39:54

@IrhnIhht 「初めまして店主さん、わたし、せんろっていいます。甘いものお願いしていい？」せんろは首飾りを整えて背を正した。「俺も甘いものにしようかな」甘いものといえば灰間のところでココア、あとは街で汁粉などをもらったが、 #さるカフェの甘味も食べてみたい。 #空想の街 #青の楽園

2020-01-25 01:50:58

@nowhereao 甘いものね、了解！「カフェモカとキャラメルラテおすすめ。るるのてづくり！」ろろはこの２つがお気に入りよね。チョコはともかく、キャラメルソースは自家製よ。それとも飲み物は違うもの？#空想の街後のオーダーをろろに任せ、甘いものを作りにカウンターへ。#青の楽園 #さるカフェ

2020-01-25 01:54:01

今日焼いたシフォンケーキをちょっと外側がサクッとするくらいにオーブンで温める。#空想の街ソースは別皿に『南国で日向ぼっこ』のベリーソースをたっぷり。『門出のスキップ』の蜂蜜も添えて。#青の楽園ろろはララさんの席で楽しそう。#さるカフェ

2020-01-25 02:00:14

@IrhnIhht 「わたしはカフェモカ、ララがキャラメルラテ」いいよね、とせんろがララを小突いた。ろろにあんなことを宣言した手前、その舌の根も乾かぬうちに言い返すことなどできず同意する。まあ異論などないのだが。 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園「そうだ。二人にプレゼントがあるんだ」→

2020-01-25 02:00:59

@nowhereao @IrhnIhht →「籠もってる花屋のおじさんから買ったんだよ。根付、キーホルダーってやつ。二つあるからさ、よかったらるるさんと二人でそれぞれ使って」鳥籠や羽の細工のあるそれを、包みごとろろに渡す。 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園

2020-01-25 02:04:18

@nowhereao 「カフェモカ、キャラメルラテ、かしこまりました。」#空想の街「わぁ！きーほるだー！あけていい？かっこいい！ありがとう！」#青の楽園飛んできたろろがオーダーもそこそこに差し出してきたそれに思わず声を上げる。シフォンケーキを持って席へ！#さるカフェ「ありがとうララさん！→

2020-01-25 02:08:01

@nowhereao いいの？鍵に付けるわ！」飲み物も聞いたわ。すぐ作るから待っててね。#空想の街「せんろさん、ららさんと、せかい、行くの？」「なにになりたい？」「おはなし、ききたい」#青の楽園「ろろー！飲み物おねがーい！」「はーい！…おまたせしました、カフェモカとキャラメルラテ、です」#さるカフェ

2020-01-25 02:10:55

@IrhnIhht 「せんろねー、にんげんなんだけどにんげんじゃないからにんげんになりたいと思ってさ。いただきます」ケーキを前に手を合わせ、事も無げにせんろはそう言った。 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園ララが慌ててフォローに回る。「俺たち、ろろに旅のこと話せるようにまたここに来るからな」

2020-01-25 02:20:16

@nowhereao 「たびのはなし！ききたい！」「ろろも人間じゃない。とり。るるはにんげん」「違ってもだいじょーぶ。」「でも、なれるといいね！」 #空想の街 #青の楽園「ごゆっくりー！」#さるカフェ「るる、たびのはなし、こんどきく！」「あらそう！旅に行くのね。楽しみね」「うん！」#さるカフェ

2020-01-25 02:23:29

@IrhnIhht #さるカフェ #空想の街 #青の楽園ろろが店主のもとへ去り、ララはせんろを軽くにらむ。とうのせんろはララのキャラメルラテをこっそり飲んでいたところで、それを見ると言いたかったことが霧散してしまう。「せんろ」「なに」「そういうときは素直に言え」「ごめん、両方飲みたくて」→

2020-01-25 02:30:35

@nowhereao @IrhnIhht それにしてもケーキがうまい。 #さるカフェはいつでもどんな料理でもうまい。 #空想の街 #青の楽園せんろがろろたちに声をかける。「おいしい。シフォンケーキってふわふわしただけかと思ってた、サクサクしたのいいね」「俺、蜂蜜が好きだな」ララも店主にそう言ってみる。

2020-01-25 02:34:47

@nowhereao 「「ありがとう！」」#空想の街「そうね、表面だけサクッとしてると、ソースがよく合うわ」「さくっとしてふわふわ、いいでしょ！」美味しそうに食べる2人に癒されながら、カウンターの中から答える。#さるカフェ「ろろ、とりでもるるすき」いきなりろろが言う。「え？！どうしたの？」#青の楽園 →

2020-01-25 02:38:36

@nowhereao 「…ないしょ」え？#空想の街「ろろ」「ん」私もろろ大好きだけど、私に内緒にするなら、他の人にも絶対言っちゃダメよ。お客様の秘密は絶対よ。 #さるカフェいつもはしない真面目なことを言うと、「わかった」と、大真面目な顔をして頷き返してくるろろ。その顔なら覚悟はあるのね、よし。#青の楽園

2020-01-25 02:42:07

@IrhnIhht あっと言う間に食べきってしまった。楽しい時間はいつも過ぎるのが早い。 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園灰間から預かっていた金を出して、ララは二人に改めて向き直る。「ごちそうさま。じゃ、元気で。また」「ろろくんろろくん」食器をしっかりと寄せ、せんろがろろに手招きをする。

2020-01-25 02:51:14

@nowhereao 「お粗末様！いつもありがとう。あのお連れ様にもよろしく伝えてね！いつかもらった種、メニュー決まりそうです、って」#空想の街ん？ろろ、呼んでるよ、行っといで。#青の楽園「せんろさん、なぁに？」#さるカフェ

2020-01-25 02:55:07

@IrhnIhht さっきはなんだかごめんね、とせんろはもどかしそうに言う。「ぜんぜん友達とかいなかったから、うまく言えないんだけどね。それでもしよかったら、ララだけじゃなくて、わたしとも友達になってくれる？」 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園

2020-01-25 02:58:26

@nowhereao 遠目にもパァッとろろの顔が輝いたのが判る。まぁでも、ここは我慢。ろろは私の部下ではなく相棒だもの。ここから先はろろの領域ね。#空想の街「ともだち！なる！ありがとう！」「ひみつ、ぜったい！だいじょぶ！」#青の楽園「ららさん、あいぼう、よかったね！」ばいく、がんばって！」#さるカフェ

2020-01-25 03:02:26

@IrhnIhht 「ありがと！」 #さるカフェ #空想の街 #青の楽園実はそんなに秘密でもないよ、とせんろは説明した。似たような人を探したいのだから隠していても仕方がないか、とララも思い直す。「せんろがいいならいいや――るるさん、壊れた家電とかあったら俺に教えてよね。じゃあ、みんなお休み」

2020-01-25 03:06:25

@nowhereao そうね、その時はぜひ頼むわ。逆に、なんかあったらよかったのだけど。今度来た時はまたぜひ顔が見たいわ。旅の話もね！。#空想の街「…せんろ、さん。るるにははなしても、だいじょぶ？」#青の楽園「ろろ、るるのあいぼうだから」#さるカフェ

2020-01-25 03:09:58

@IrhnIhht いいよ、とせんろは返した。「わたし情報集めたくて。だからみんなに知っててもらってもいいの」 #空想の街 #青の楽園ごちそうさまとありがとうを残し、二人は今度こそ、 #さるカフェを後にする。

2020-01-25 03:17:12

#空想の街 #青の楽園傘を二人でさしかけ歩く。雨は朝まで降り続きそうだ、きっと出発は次の夜あたりになる。ぬかるんでいるのもかなり困る。ただ野宿の練習もしなくてはならないだろう。ララは外で寝るのは慣れているが、せんろは違う。これからは冬でも外にいなくてはならない日もあるのだ。

2020-01-25 03:09:50

#空想の街 #青の楽園森へ出て、そこで火をおこして野宿のやりかたをせんろに教え、それから。それから。「ろろくん、いい子だねえ。鳥なんだね。――いいな。飛べるのすてき。――わたしも頑張らなきゃ」せんろが数歩先でターンしてそんなことを言う。「俺も頑張るよ」だからララも、そんなことを言う。

2020-01-25 03:13:24

わたしたちの死へ

＊＊＊

　雨の夜を越えた、その次の夜のことだ。

　もうすぐ消えそうなほど小さな火に向かって、白い靴に覆われた灰間の足がゆっくり近づく。
　灰間の手元で揺れる青紫のランプから漏れる光と焚き火の光がぶつかり、明るさが白に近づいた。街の西側にある大きな森は異様なほどに静かで、わずかにひらけて切り株が点在する場所、物言わぬ黒いバイクに寄りかかって目を閉じているララはひとつの彫刻のようだった。
　ララの頭の上、バイクに寝そべるようにして体を横たえていたせんろが目を開ける。まとっていた毛布がひとつのいきもののようにせんろの体をすべる。どうやら灰間の立てる足音に気づいたらしい。
「すみません。起こしましたね」
「大丈夫、目を閉じてただけ。いろいろ、なんだかねむれなくて」
　はいまもそうなの、と訊かれ、そんなところです、と返す。この数日で取り巻くものが変わって混乱しているのは灰間も同じだ。
「ありがと」
　せんろから出し抜けに礼を言われ、意図するところが汲めなかった灰間は何回かまばたきをする。起き上がってバイクに横座りするかたちになったせんろの、足をゆらゆらさせる影が車体に映り、火の赤を伴ったそれはどこか知らない国の儀式のように灰間の目に映る。
「あのさ、灰間がこの街に残ること、せんろは薄情とは思ってないよ。だって灰間が帰る場所になってくれるんだから」
　返す言葉がなくなり、灰間はわずか下を向いた。たしかに――たしかに灰間であればいつまでもここで出迎えることができる。いつまでも――そのつもりではいたのだが、しかし。
「もしせんろとララがけんかしたりしても、この街に灰間のお屋敷があるなら誰も孤独にならないもの。わたしたちがどこかではぐれても、ここにくればきっと大丈夫だと思う。そう思って言ってくれたんだよね？　だから、ありがとう」
「買いかぶりすぎですよ。私はただ臆病なだけで」
　結局のところ孤独になるのがいやなのは自分だった。だから最初から独りでいればいいとそう思っているのに、それができない。責任と自由を放棄し、そのかわりに保険をかけている。
　視線がどうにも定まらず、足下の冬草に話しかける形になってしまった灰間を見ても、せんろは大人びた無表情を崩さなかった。どうやらこれが彼女の素の表情らしい。
「いい。わたしもどうせ勝手なこと考えてるからおあいこだよ。灰間が好きに生きて、それでせんろたちも助かるからいい、そう思ってるだけ」
　どうにもこの少女と一緒にいると、せめてこの二人を守れる大人であろうと強がる自分がとにかくばからしくなる。実際そうなのだろう。本当のところ、灰間とララとせんろの間に、守られるだの守るだのの差はない。が、それでも彼らは永遠に灰間よりは年下で、そして灰間よりも先に死んでいく以上、灰間だって彼らに何かをしてやりたいと思ってしまう。――それに。
「あのね、“命いじり”の話をしたでしょう」
　ふいに話題を変えられ、しかしそれについて彼女と話さねばならないだろう予感のあった灰間は頷いた。彼女に従うように、裁かれるように、かすかに。
「不老不死になる方法があって、大昔、それをされたひとがたった一人いたらしいって。せんろ、ちょっと思ったんだけど、怒らないで聞いてね、――灰間はララみたいな外部の生まれじゃないんだよね。どうやって内部から逃げてきたの？　そんな人がいるなんて一度も聞いたことがない――それで、それで……もしかしてなんだけど」
　そこで一旦、あどけなく低い声が途切れた。せんろは目配せをするように忙しなくまばたきをしたあと、そっと息を吸う。
「せんろたちのところで三百年前に行方不明になったっていう、命いじりの成功例って、……」
　また沈黙が下りた。
　せんろの声の後を引き継いだのは薪のはぜる音だった。肯定はしないが、決して否定もしない灰間を置いて、せんろはしばらく何か言いかけてはやめるのを繰り返す。
　そのうち、白い頬に小さな指を蒔いて、言わないの、と灰間に向かって尋ねてくる。線路の目は今度は足下で布に顔を埋めているララのことを捉えていた。灰間はそこでようやく詰めていた息をほどき、立ちながら交差させていた足を組み替える。影がまた踊る。
「ええ、まあ。秘密のつもりはないんです、でも大っぴらに自分から言いふらすことでもないと私は思っていたので。同情や心配をされたいわけではありませんしね。ただ、とにかくタイミングがなくて」
　もしかするとこういう姿勢では隠しているのと変わらないのかも知れないが、灰間としては本当にそんなつもりではない。ララからも、それ以外からでも、もし今せんろからされたように自然と問われることがあればきっと教えてしまう。――たぶん。いや、隠したいのか？　――わからない。
「戻りたいとかはないの？」
「今は特に。これがふつうになっちゃったところもあるしな。いや――混乱してて正直、よくわかりません。どうでしょう――昔は貴女みたいな気持ちで研究してみた時期もありましたけど、結局何もわからなかった。こんなに時間があったのにね。ああでも、貴女のことは私の件とは別としてこれからまた調べてみます。安心なさい」
「あの、ごめんなさい」
「とんでもありません。貴女は何も悪くありませんよ。むしろ、この件に関しては、そもそも、私が」
「そうじゃなくて。わたしも置いていっちゃう」
　せんろの唇からもれたやや言葉足らずのそっけない言葉に、ほんの少しだけ自分の目が見開かれるのを人ごとのように灰間は感じていた。ああ――ああ、――やがて灰間は口元を緩める。まったくもって彼女が謝るような義理はない。彼女がそっけなく言ったその心の内まで考えるとどうしても真顔のままではいられなかった。
　冬の夜に灰間の息が白く残る。視界のまぶしさに灰間はいっそう目を細め、せんろの言葉すべてを心ごと味わうように呟く。
「いいんです、――いいんですよ、そんなこと」
　この三人のうち一人が欠けるとして、残るのは灰間とせんろだ。
　せんろとは、お互いに別れを納得する時間が山のようにあるだろう。それでもせんろが、いくら頑丈でも老衰では死ぬ体をもつ以上、彼女が治っても治らなくても、いつかは彼女とも別れなければいけない。
　誰かと出会って少しでも関わった者同士が別れた後、どうやってその空白を埋めるべきなのか、今から灰間はそれに身構える。もっと言うのならララと出会ったその日からずっと準備をしている。
　こんなことなら誰とも関わるのではなかったという後悔なら何度もしている。何も感じたくないのならあの屋敷にこもっていればいい。ララと知り合うもっと前、ずっとそうしてきたようにすればいいのだ。しかし、ララもせんろも、灰間が置いてきたあの大地からやってきた。もう二度と関われない、忌まわしくも懐かしいあの場所からやってきた。何もかも灰間のせいだった、と言ってしまうはたやすいが、それで何が解決するわけでもない、せんろは死を手に入れられず、ララの生まれが変わるわけでもない、おこがましくて図々しくて、自分が原因だったかもしれないなどとは本当はとてもではないがいえない。口が裂けても。それでもいますぐ、そう、全身を差し出して灰間は幼い二人にこんなにも裁かれたいのだ。
　首にある赤い注射の痕をなぞる。衣服でずっと隠している、あの朝から消えない痕を。

　樹木の唸りが体を通る。

　やはり、二人を無視することは灰間にはどうしてもできなかった。
　もともとの寿命ぶん、つまりあと六十年か七十年かしらないが、まずはしっかり生きてみようと、あのサーカスの夜に誓ったはずだ。だからその仮の寿命が来るまで、関わったものを何も無視しない。……どうでもいいとは思えない。
「せんろね、この街で二人に会えてよかった。ここに来てよかった。やっと本当の自由が始まった気がする」
　嬉しそうに口角を上げているせんろの、陶器のような頬が焚き火の橙とランプの青紫に撫でられているのを眺めながら、ふととある考えが灰間の胸の中で首をもたげる。
　たとえばララに灰間が色々と打ち明ける日がくるとして、ララはせんろにしたように、灰間のことも何でもないように扱ってくれるだろうか？　――期待しているわけではないのでまるで見当もつかないのだが、もしもララがせんろに約束したように、灰間にも戻るすべを見つけてやると言ってきたら――そのとき自分はどうするのだろう。それだけではない。七十年なり経ってララが、数百年かけてせんろが消えてしまったら、灰間は何を希望として生きていけばいいのか、長い長いこれからのことをまだ何も決められていない。
「ねえはいま、たくさんおしゃべりしてちょっと照れるね。――あのさ、わたし、だいじょうぶだよね。このままララと一緒に行っていいよね。わたしララを信じたいの。たとえ戻れなかったとしてもいいんだ、でもね、――ララ、ちゃんと眠れてるかな。今の、聞こえてないかな」
　せんろの声で灰間の世界は音を立てて現実へ巻き戻る。
　どのみちララは灰間のことを知る機会はないだろう。どちらから言い出したか忘れたが、ララと灰間の間には『お互い干渉しすぎない』というルールもあるのだし、ララには灰間のことを知る必要もない。こちらに隠している気がないとしても、灰間とララでは生きる世界がもう違ってしまっているのだから関係がないのだ。
　そう、灰間の望むことと言えば、彼らの旅路が明るいものであることと、それから。
　このちいさなおとなたちを灰間自身から守る方法が知りたかった。バイクに背を預けているララの、伏せられた濃い睫毛がそわそわとさざめくのを見ながら、灰間は命乞いをするように手元のランプを一撫でする。青紫の光がぐるりと手のひらでこごり、そしてまた散りみだれる。
「彼なら眠っていますよ、大丈夫」
　喉の奥からやっとの思いで出した吐息のような声は、いつもより輪をかけて掠れていた。
「行ってらっしゃい。ララくんとなら貴女は大丈夫。貴女となら、ララくんもきっと大丈夫。私もそう信じます。だから、心配しないで行ってらっしゃい」

　眠れない者たちのゆらぎを、森がそっと包んでいる。

後夜祭

#空想の街「うしおとひばりの #ここ聞ぃちゃう？！｣新年到来！いつもの2人と新コーナー「街の気になるあのトコロ」が登場して今年もますますしっちゃかめっちゃかに！初回は皆さん気になるあの人を呼んで、ねほはほ色々聞ぃちゃいます？！放送は【今夜の22時】、Don'tMissIT！ #FM時計塔

2020-01-26 13:20:01

𝚏/療養中 @nowhere72

こんにちは！ #空想の街は閉じてしまったけれど、まだまだ街を離れられないあなた！そうそうそこのあなたですよ！今夜22時からラジオ #FM時計塔の「 #ここ聞ぃ」はいかがでしょうか？なななんと、今日はゲストさんもいらっしゃるみたい！なんだかとっても豪華です。 twitter.com/gp_c_/status/1…

2020-01-26 15:24:09

𝚏/療養中 @nowhere72

リスナーの皆さんのおうちでの会話などは #空想伝言板で呟くとあの人やこの人に届くかも？たのしみですね！それでは復唱、今夜22時、街の楽しいラジオ番組 #FM時計塔の「 #ここ聞ぃ」でぜひお会いしましょう。フリーテーマのお便りも募集中！宛先は @gp_c_ さんまで！ ……では、また夜に。

2020-01-26 15:30:14

「ララ、何やってるの？」「ラジオ。灰間のとこからくすねてきた」「ラジオ？」「この街で前に面白い番組やってたことがあってさ、それ以来ここにくるたびにまた聞きたいと思って。今日こそ聴けるかもしれないだろ？」 #空想の街 #青の楽園

2020-01-26 19:23:54

「ララは他に通信端末とか持ってないの？せんろは施設で電脳アイドルとか観てた」「？電話とかテレビって意味か？そういうのはかなり小型化しないと旅には向かねえしな……俺は発明家じゃないし。まあたまにラジオ聴くだけでもいいだろ、楽しいぜ」 #空想の街 #青の楽園

2020-01-26 19:28:23

一方、とっぷり日の暮れた中央区の屋敷。「……んん……、今何時だ……。……、だめだ、完全に感覚くるっちゃってるな。はあ、……あれ、ラジオつけっぱなし。――ああ、あの人たち見送ってからつけてそのまま寝てたんだ……。んん…… ……お便りねえ。どうしようかな」 #空想の街 #青の楽園

2020-01-26 19:34:55

「ていうかララくんが直してくれたやつがやっぱり見当たらないんですが、……持っていきやがったな、あんにゃろ……自分が直したからって私物化して。まあ他にも山のように仕舞ってあるから痛くも痒くもありませんけどね。 ――さて、どうしようかな、ラジオのお便り」 #空想の街 #青の楽園

2020-01-26 19:39:13

(ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ)＼＼ﾊﾞｧﾝ!!／／「ごめん！！！二度寝した！！！」「えっなにこのお葬式ムード」「.......あっ、あー！ひばばん生きてるありがとうございますー！」 (ですよねと思っている) (犬太郎の無事を確認した為既に帰途) #空想の街 #FM時計塔 #ここ聞ぃ

2020-01-26 20:48:22

＼波留さんそろそろこっちお願いします／「あっ、えっ？はい今行きます。なんですか？」「波留さん、ご無礼ないようお気をつけて下さいねー！」「.......？(何するんだ？)」 #空想の街 #FM時計塔 #ここ聞ぃ

2020-01-26 20:48:23

＼いやー、道わかる人がいると早いですよね！／「(地図代わりに使われてる.......！)あ、その次の角を左です。その先一方通行あるので、二町先で右に曲がります。右側によっておいてください。」＼はーい／#空想の街 #FM時計塔 #ここ聞ぃ

2020-01-26 20:55:20

＼番宣、お願いしまーす／｢え゛っ待ってまだ声寝てるん「寝坊したひばぁが悪いので、このままでまーす」#空想の街「#ここ聞ぃ春の特大号！今回は新コーナーをご用意して盛り沢山の #FM時計塔、ではひばりさんから一言！」「.......しおちゃん、怒ってる」「えぇ、とても。」

2020-01-26 21:07:06

「ではでは、お決まりの注意事項ですー」「 #ここ聞ぃは#空想の街の期間外後夜祭(後の祭り)にあたる非公式ファンイベだっ！非公式だからね、これ！ →ラジオへのリアクションは #空想伝言板をつけてツイート →お便りは @gp_c_ までDM 放送中も受け付けてるからどーんどん送ってねー！」

2020-01-26 21:14:51

「.......で、新コーナーって何」「視聴者さんからご希望のあったスポットをですね、持主さんがご紹介する感じで」「ふむふむ」「宣言費と視聴率を一緒に稼ごうという」「.......秋太郎発案？」「いえーす」#空想の街 #FM時計塔 #ここ聞ぃ (うしお.......聞いてないんですけど.......？)

2020-01-26 21:18:20

「#ここ聞ぃ、放送22時から？ゲストはどうしちゃったん？」「今回のゲストさんは今はるさんがお迎えに行ってますよー」「波留ちゃん完全にADじゃん。お給料もらって帰ってね...」「やー、御家族と一緒でもよかったのですがさすがに未成年にこの時間ちょっと」「そこは守るんだ」#空想の街 #FM時計塔

2020-01-26 21:33:15

「..............あ、あの、到着しました.......」#空想の街 #FM時計塔 #ここ聞ぃ「えっと.......こちらでお待ち下さい？へっ、あ、えっと、スタッフさんに.......僕?!」

2020-01-26 21:44:06

「そう言えば秋太郎さん、いつもかなり遠方からこられてるみたいなのですがお仕事は？」「あれ、前も言わなかったっけ。あいつ軍医よ、専門はなんだか知らんけど」「へぇー...」「確か上官に喧嘩売って今独立(？)したとか」「すごいですねぇ」#空想の街 #FM時計塔 #ここ聞ぃ

2020-01-26 21:50:52

「なあせんろ、灰間ってIQ高いのかな」「なに急に……。さあ……」「いや俺もよくわからんが。そもそもIQってなんだ？本人いわくなんでも500あるって」「えっ！？そしたらたぶんせんろたちと話通じないよ！頭いいっていってもさすがにもっと低いはずだよ」「……あいつ盛ったな……」 #青の楽園

2020-01-26 21:53:53