
不在時は象のほうへ。 @azukiglg@mstdn.jp 陰謀論に村を焼かれたので、「陰毛論」と呼んで辱めています。タイポではない。 陰毛論に毛を染める奴はファスナー上げる度に挟めばよいと思うよ!

「不謹慎」とか「ハラスメント」とか「弱者救済」とかを口にして表現規制を正当化する言説にアンテナ延ばしがちなんだけど、これはホラー分野にとって「いつか来た道」だからなんだよなあ。
2022-12-01 08:08:57
怪談の読者、そして著者各位ともに高齢化wが進んでいるので、80年代のことをつい最近の出来事として覚えている人も多かろうけど、ここ何年かで商業デビューを果たされたばかりだと、「自粛を強要される」「違法ではないが企画や描写が通らなくなる」などの現場を経験したことのある人は少なかろう。
2022-12-01 08:10:56
ホラー、つうか実話怪談は、 1)体験者(体験談を自身の経験として語った人)が実在する 2)現実にあったることとして取材され描かれる 3)起きた事をできるだけ正確精緻に再現するため、好ましくない表現が不可避 4)著者各位は慎重に言葉を選んでも、促されるシーンは救いがたい
2022-12-01 08:12:41
単純に凄惨なスプラッタシーンというだけでなく、時に人の狂気の残滓に踏みこんでそこを隈無く描かないと、起きた怪異が説明しきれないような場合もある。 90年代だと、まだ「大規模災害、事故に纏わる話は配慮する」など暗黙の了解があったけど、今はあまりない。
2022-12-01 08:14:11
例えば、信仰の暗部に関する話であるとか、児童虐待に至る狂気であるとかが、オカルティックな怪異に導かれる前奏部分で、そこを省略できない、とかがある。 発表する機会があまりないからそんなに世に出ないけど、閨の怪談の類だと「そこに至る状況の説明」が怪異の描写と不可分だったりするしね。
2022-12-01 08:16:07
じゃあ、そういう凄惨な部分、狂気の部分、閨に纏わるパーソナルな部分を省いて怪談を成立させ得るのかというと、「オバケが出ました。怖かったデス」という、小学生の夏休みの絵日記みたいなものしか書く事は能わず、伏せた部分は読者が頑張って想像して下さい、みたいなものになってしまいかねない。
2022-12-01 08:17:41
幸いにしてというかなんというか、怪談の世界は著者の潤沢さの割に市場規模はそんなに大きくないので(全然幸いじゃないなw)、ぶっちゃけ利権やら被害者の代弁者やらが大々的にキャンペーンを張って「正義の商人」がハイエナよろしく押し寄せてくる世界、には今のところなってない。
2022-12-01 08:19:07
でも、市場の規模、売り上げの多寡なんかとは関係なく、「正しさ、清らかさ、公正さ」のために生け贄を求めている人々が、「自分達の正しさのために吊し上げやすい奴に目星を付けて吊し上げる」というようなことが、起きないとは限らない。
2022-12-01 08:20:23
いつかの幼女連続殺人事件の犯人の部屋、犯人の傾倒した狂気のシンボルにされたスプラッタムービーみたいに。描写の精緻さや状況の狂気、それらの生け贄になる人々の悲惨さを詳細に描くことに我々怪談作家は個々に腐心し、日々切磋琢磨している訳だが……
2022-12-01 08:22:27
それらの努力がある日突然「不謹慎を金に換える輩」「可哀想だと思わないのか」「同じような苦しみに置かれている人々に対して優しさがない」みたいな感じで蹂躙される日が来るかも知れない。というか、以前来たことがあるんだから、恐らく今後もいつかは来る。
2022-12-01 08:23:35
それらについて、備えているか覚悟しているかいざというときにすぐに諦めて撤退できるようにしておくか徹底抗戦するか、生存戦略をどう考えるかはこれまた個々の著者の有り様の問題なので、「こうせよ」とは言えないんだけど、「そんなことになるなど考えてもみなかった」というのだけは避けたい。
2022-12-01 08:26:19
性愛表現であるとか、不謹慎発言であるとか、ある種の「偏屈で身も蓋もない発言が駆逐される様子」であるとかは、常に【明日は我が身】と思ってしまうんで、できうる限り轡を並べていたいな、とは思う。 困ったときに誰かに助けて貰えるのは、誰かを助けてきた奴だけなんじゃないかとは思うので。
2022-12-01 08:28:19
なので、表現規制問題、フェミニズム・LGBTQ関連問題、それらに隣接する諸問題については、「いつかそれは怪談の世界を押し潰しにくる」という前提で今後も注視していきたい。
2022-12-01 08:30:51
怪談はアングラだったりラジカルだったりアウトサイダーだったりする分野であることもあって、「キワを攻めてこそ」っていう風潮がある。まあ、これは昔からだし、そういうボーダー踏み越えて向こうの世界を覗き見てキワッキワを攻めて帰還してきた人々の記録であるからこそ面白いってのはある。
2022-12-01 08:32:22