約5年前までは両親が居た日々を過ごしていた少女、しかし、その日々は突如して終わった。一人の少女としての日々を過ごす事になったちひろ、そんな中である者達と出会い、一人で居た日々が少しずつ変わっていくのであった。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「短気は余計だ、一つ聞きたい事がある。画鋲を拾ってないか?」 「画鋲?あぁ、あるにはあるけど」 「どこにある?」 「部屋の所にあるよ、ちょっと待ってな」 そう言って家内に入ろうとした時、セルクも入ろうとしたのを見て、ちひろは「ちょっと待て」と入りそうな足を止めさせる。

2018-01-15 19:34:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「なんだ」 「いくらその姿とはいえ、男が女の部屋に入ろうだなんて、失礼にも程があるんじゃないのか?」 「……」 「ちゃんと持ってくるから、そこで待ってなってーの」 「必ずもって来いよ」 「解ってるってーの」

2018-01-15 19:35:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ちひろは家内に戻り、昼間に拾った画鋲を手に持ち、セルクが居る屋根へ上がった。 「画鋲って、コレの事だろ?」 「その通りだが、もう一つ聞きたいことがある」 「何さ」 「この画鋲を手に取って、何か違和感を覚えなかったか?」 「違和感?」#一人の少女と二つの世界

2018-01-16 19:43:31
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

セルクの言う違和感とは何のことだろうか、ちひろ自身に感じる事と言えば「刺されば痛い」それだけの事だ、それ以外に何を思うだろうか。 「別に、なんともない、ただの画鋲だな~って思ったけど。それがどうかしたのか?」 「……そうか」 「てか、なんでアンタがコレ探してたのよ」

2018-01-16 19:51:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「別にいいだろ」 「あー、そうやって逃げる気だ?」 「逃げてなんかない、ある人に頼まれただけだ!」 つい、ムキになって嘘ではない事を言ったセルクは途端にそっぽを向く、その姿を見たちひろが「さっすが短気なセルクだねぇ~」と煽るような口ぶりで、わざとらしくセルクに話す。

2018-01-16 19:56:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「だから、短気は余計だと言ってるだろうが!」 「まぁ、今の場合は素直に答えなかったセルクが悪い気がするけどね~?」 どうも、この少女と居ると何時もの自分よりも調子が狂うような気がしてならない――と思ってしまうセルクであった。

2018-01-16 19:59:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

フローリーは足を休める為、軒下で立ちながら休憩している時であった。見覚えのある者の姿を目に捉え「三田村さんじゃないですか」と声をかけた。 「フローリーさん、お久しぶりです」 三田村はその声ん気づき、挨拶をした。 #一人の少女と二つの世界

2018-01-17 19:44:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「さっき、セルク君にお会いしましたよ」 「そうですか、彼、どちらの姿で三田村さんに会いましたか?」 「白烏でしたね、僕と別れた後もそのまま飛び立っていきましたけど…」 「…そうか」と小さな声で呟くフローリー、その声を聞き逃す訳もなく、三田村は「それが、どうかしましたか?」と問う。

2018-01-17 19:48:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「【能力の源】がこの街にも流れているのは三田村さんもご存じですよね」 「えぇ、こちらに来る同僚や後輩や上司達も言ってましたね」 「あの子の場合、白烏になる時の消費量はそこまでじゃない。しかし、【異界な存在】と対峙する際の消費量はかなりのレベルなんです」

2018-01-17 19:55:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「もし、セルク君の使用量が限界値を越えた場合、どうなるんですか?」 「…怪物になりかねない」 どう言おうか迷った末であった、三田村は迷い顔のフローリーを見て「そう、だったんですね…」と静かに返したのでった。

2018-01-17 19:59:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「それにしても、何故お前はこのような場所に居るんだ?親御さんは心配してないのか?」 「最初の質問に答えるなら、ココが私の家だから。次の質問に答えるなら、父さんと母さんは5年前に消えた」#一人の少女と二つの世界

2018-01-18 19:28:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

淡々と答えたちひろに対し、その回答に対しどう反応したらいいか迷うような表情を浮かべるセルクであるが、少し間を置いてから「…そう、だったのか」と、ようやく返した。 「この5年間、何度も聞かれたからね。鬱々しく言うのもイヤだったから、こーんな風に答えるようになったんだ。気にするなよ」

2018-01-18 19:31:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「それだから、あのパン屋に行ってたのか?」 「それもある。ていうよりあのオヤジ、前はパンの耳を捨ててたんだぜ?せっかく食べれるのに、勿体なさすぎるでしょうが。それなのに、少し前からあんな風に追っかけきやがってさ、そしたらヘンなのを飼ってて自分までもヘンだったてオチだよな!」

2018-01-18 19:36:04
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「他のモノは食べてないのか」 「それは近くに居る大人たちから分けてもらったりはしてたかな、でもさ、そっちも最近全然食べてない感じはするけどな」 「そうか…」 「それにさ、セルクは空飛んでこの街見てそうな気がするから解りそうな気がするけど、この街って妙じゃん?」

2018-01-18 19:38:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

この少女が言う「妙」とは一体なんのことだと首をかしげるような素振りをする白烏であるが、実際問題、どういう事だと思いながら少女の話を聞く。 「私の言葉で言うと、キレーなモノがどんどん前に出て、キレーじゃないモノが埋められるってか、ほっとかれて忘れ去られてしまうような感じなんだよね」

2018-01-18 19:44:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

誰かが呟いた――。 あのコは心がカラッポでスキマだらけ、正に狙い目。 他に喰うヤツが居なければ、俺が喰ってやろうじゃないか。 あのコという存在を跡形も無くし、俺があのコに成り代わってやろう。 #一人の少女と二つの世界

2018-01-19 18:26:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

フローリーと三田村は表通りから少し外れた道を歩いていた時、三田村はふと思い出したかのように会話を始める。 「そういえば、セルク君に会った時にある事を頼んだんですよね」 「ある事、ですか?」 「僕が使っている画鋲を探してくれと頼んだんです」 #一人の少女と二つの世界

2018-01-20 19:33:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「【カゲ】や【異界な存在】を滅する武器の画鋲ってことですね」 三田村は黙って頷き、話を続ける。 「僕がこの街に来た時、【カゲ】を見かけ追っかけようとした際に女の子とぶつかって、その子に拾ってもらったんですが、その後に数えたらどう合わないなと思ってセルク君に話したんです」

2018-01-20 19:37:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そしたら、セルク君はその女の子に見覚えがあると言ったので、自分が行って返してもらうよう言ってくるという話なのですが…」 「なるほど、因みにその女の子はどういう感じの子か覚えてますか?」 偶然なのか師弟だからなのか、二人共同じ風に問うのだなと思いつつ、三田村は答える。

2018-01-20 19:39:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「その子、緑のセーラー服を着て、髪の毛がハネていたんですよね」 「……きっと、セルク君も私と同じ子を浮かべてますね」 「フローリーさんも、その女の子に会ってるですね」 「昨日会ったばかりだけど、かなり特徴的な子ではありますね」

2018-01-20 19:43:50
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

三田村の右目は黒から紅色へと変わった、その様子を見て、フローリーは「近くに居るんですね?」と聞けば「どうやら、そのようです」と返す。 「どちらの方角にいますか」 「東の方ですね、【カゲ】達は活発的になる時間帯に近づきます、一刻も早く滅さなければ…」#一人の少女と二つの世界

2018-01-21 19:41:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

セルクが「それでは、失礼する」と言って、空に飛び立とうとした途端である。白烏から人の姿に変わり「どうかしたのか?」とちひろは問う。 「何かが居る…」 「なにか?」 「この気配は近くにヤツらが居る、いいか、俺から離れるなよ」 「あぁ…」#一人の少女と二つの世界

2018-01-22 18:50:27
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

セルクは辺りを見渡す、ちひろもそれに合わせて辺りを見てみるも、セルクの言う「ヤツら」の姿は一切見えなかった。 「なぁ、セルクが言うヤツらって何者なんだよ?」 「ヤツらは、この時間帯が最も活発的になる存在だ。音もなく忍び寄り、気が付けばヤツらに喰われてしまうのがオチだ」

2018-01-22 18:54:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ソイツらの名前、なんて言うんだよ?」 セルクはちひろの手首を握れば、 「ちょ、なんだいきなり!?」 「中に入るぞ!」 その勢いで家内に入り、窓の戸を閉めれば、ちひろの問いに対し「ヤツらの名は【カゲ】、【異界な存在】だ」と簡素に説明した。

2018-01-22 18:58:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

辺りはすっかり暗くなっていた、路地裏だからじゃない、時刻はまもなく【カゲ】達が好む時間をさしているからだ。 フローリーと三田村は【カゲ】に存在を気づかれぬよう、小さな声で会話する。 「この家に人が住んでいるとは、とても思えませんが…」 #一人の少女と二つの世界

2018-01-23 19:35:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「三田村さん、それは解りませんよ。世の中的には、人だってモノにだって見かけによらず、とも言いますからね。現に自分達だって、自分から言ったり見せたりしない限りは能力者とは気づかれないんですから」 「……確かに、フローリーさんの言う通りですね」

2018-01-23 19:39:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

フローリーは改めて【カゲ】の居る方を見ながらこう話す。 「あの家に誰かが住んでいるのだとすれば、【カゲ】はその人のスキマを喰らう。ですよね?」 「その通りです、その前に僕が【カゲ】を滅する事、それが【カゲ法師】としての務めですから」

2018-01-23 19:42:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『窓を閉めたとしても、ムダなのは知ってるだろ?』 家内から聞こえる声、セルクは聞こえる方に睨みながらも、片腕を硬質翼に変え警戒する。 「出てこい【カゲ】、俺が相手をしてやろう」 『言うねぇ…でも、お前は【カゲ法師】じゃないだろうに』 #一人の少女と二つの世界

2018-01-24 19:33:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「確かに、俺は【カゲ法師】じゃない」 ――カゲ法師?ったく、セルクのヤツも【カゲ】ってヤツも、何者なんだよ…? 『認めてやがらぁ…』 【カゲ】は家内に入っている、なんとなくだが、ちひろにも解ってきたような気がする…。

2018-01-24 19:38:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

【カゲ】はヒトの形へと変わりゆく、見た事が無いようであるような姿である。 「誰のスキマを喰らうつもりだ?」 『どっちを喰おうかね、二人共、喰らう分には十分さ』

2018-01-24 19:41:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

【カゲ】は家の中に入って行ったのを見たフローリーと三田村は、その後を追うようにその家の玄関前まで来た。 外れかけの戸に三田村が目で合図を送り、戸を開けてみるものの、そこはとても人が住んでいるとは思えぬ家内だったのだ。#一人の少女と二つの世界

2018-01-25 19:08:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

二人は家内を散策するも、三田村は「本当に、この家に人が…」と言いかけた時であった、上の方から物音と喋り声が聞こえ、二人は天井の方を見上げた。 「あの声…」 「セルク君とちひろ君、そして、【カゲ】声も聞こえますね」

2018-01-25 19:13:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『白い方も緑の方も、俺が喰って行ける分には十分。さて、先にどちらを喰おうかね?』 「……るな」 セルクの腕は硬質な翼へと変わりゆく、だが、その声と表情は初めて会った時と先ほどまでとは何かが違う。 『あぁ?』 「ふざけるなと言ったんだ」#一人の少女と二つの世界

2018-01-26 18:54:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「セルク?」 少女の問いかけには全く反応ナシ、青年は続けざまに「お前達が存在するから、俺の両親は今もなお信仰し続けているんだぞ!?」と叫ぶ。 『しったこっちゃないな、第一、俺達を崇めたのはお前達ニンゲンだろ。違うか』 「黙れ【カゲ】の分際で、俺はお前を滅する事は出来ない…」

2018-01-26 18:59:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「…だが、お前を足止めさせること位は出来る術はある人から教わっている上に、カゲ法師はこの街に来ている。それからでも遅くはない」 『足止めねぇ…、俺をなんだと思ってる?カゲ法師でもないお前の力で止めたとしても、直ぐに逃げてやるさ』 「その口、二度ときけなくしてやろうか」

2018-01-26 19:02:38
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

人間の時は普通だった、白烏の時もわりかし普通だと思った。 昨日今日会ったばかりの者で、どんな人物なのかはよく解ってない所がある。しかし、少女は思った。 いま目の前に居る者は本当に、あのセルクなのか?ーーと

2018-01-26 19:05:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

上の方が騒がしい上に、床がミシミシと音をたて、ポロポロと木屑が落ちてくる。 「フローリーさん…」 「よりによって、この狭い場所で…。彼があれ以上の姿になったら、もっと面倒な事に…」#一人の少女と二つの世界

2018-01-27 19:10:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

---------------- 白烏、人間、どちらもセルクだ。しかし、いま目の前に居る者は誰だ? しいて言うならば、人間と白烏、中途半端な存在だ――ちひろが黙ってそう思っていた時、セルクは中途半端な存在になってもなお【カゲ】を威嚇している。 『それが、お前の本性か?』 「……」

2018-01-27 19:16:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『これは、喰い応えが一気に萎えちまうな。そんな、ヒトなんだかトリなんだか解らんような存在、喰っちまったら俺自身が居なくなっちまいそうだしな』 【カゲ】はジロリと、ちひろの方を見て『じゃあ、喰う方はお前にするとしよう』と言い、大きく開けた時である。

2018-01-27 19:22:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ちひろは抵抗し、周りにあるものを片っ端から投げていくものの、カゲに当たるも全く痛がりはしなかった。 『おいおい、そんなので俺が居なくなると思ったか?』 「知るかよ、第一、アンタが現れたからセルクがあんな姿になったんでしょうが!おまけに私の家、壊れそうだしさ!」

2018-01-27 19:25:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『んなぁこと、俺の知ったこっちゃねぇな?』 じりじりと【カゲ】はちひろに迫り来る。 「私を喰って、どうするつもりだよ」 『お前の代わりになってやるよ』 「私の代わり?なってみなさいよ、馬鹿野郎!」 近くにあった花瓶を投げた、無論、【カゲ】には効くわけもなかった。

2018-01-27 19:29:03
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

花瓶は壁にぶつかり、粉々と砕け、その破片がセルクの方にぶつかった。 「……」 『抵抗むなしく、だな。今度こそ、おまえを――』

2018-01-27 19:33:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自分の姿がどうなっている? そうだ、【カゲ】を見て、俺は腕だけを翼にしたはずだ。なのに、体が重く感じるのは一体何故なんだ? 青年は自らを見た、何時もよりも度を超える姿に変わっている。 #一人の少女と二つの世界

2018-01-28 19:02:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

すると、その近くで二つの声が聞こえてきた。 『――おい、そんなので――思ったか?』 「知るかよ、第一、アンタが現れたから――が姿になった――が!おまけに――家、壊――だしさ!」 『んなぁこと、――――こっちゃねぇな?』

2018-01-28 19:04:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そして、【カゲ】は少女に向かってこう言い放つ。 『お前の代わりになってやるよ』 その声を聞いた時、青年はハッとした。自分の目の前に居る者が【カゲ】に喰われてしまう、その前になんとしてでも助けなければ、しかし、自分にはカゲを滅する力はないも同然だと思った時である。

2018-01-28 19:08:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「私の代わり?なってみなさいよ、馬鹿野郎!」 少女は【カゲ】に言い放つと同時位に何かを投げたが、【カゲ】にぶつかるも通り抜け壁に当たり、青年の元に小さな何かが砕けぶつかった。 『抵抗むなしく、だな。今度こそ、おまえを――』と、【カゲ】が最後まで言い放とうとした時だ。

2018-01-28 19:11:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

セルクは【カゲ】とちひろの間に居た、無論、ただ居たわけじゃない。自身の翼、ほぼ全てを使い【カゲ】の動きを一時的に止めに入ったのだ。 「セルク…?」 「すまん、反応が遅れた」 『馬鹿だ、こんなので俺を止めれたとしても、滅する事は出来ねぇってーの!』

2018-01-28 19:15:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

天井に何かが貫いた、それを見たフローリーは「三田村さん」と言い呼んだ。 「セルク君の翼、ですね?」 黙って頷きながら、フローリーは「彼はいま【カゲ】を抑えているはずです、滅するならば正に今です」と言った。 「勿論です、僕はその為にこの街に来たのですから」 #一人の少女と二つの世界

2018-01-29 19:00:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

--------------- その翼は床と【カゲ】をも貫いていた、【カゲ】は余裕こいた表情を浮かべているものの、内心、自身の状況がかなりマズイいモノだと自覚し始めている。 『お前、ホントにカゲ法師じゃないんだな?』 「違う」 『じゃあ、何故俺を抑え付けられるんだよ』

2018-01-29 19:05:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「カゲ法師に術を教えてもらい、俺なりにしているだけだ」 『へぇ~~、しかしだな、この家はお前が暴れたせいで大分壊れてんぞ。その隙に逃げる事も出来るだぜ?』

2018-01-29 19:08:06
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。