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これは、創生師がまだ【カゲ】だった頃のお話――。 風見鶏静花、彼女は壱ノ笠に居を構える名家の一人娘で大切に育てられたが故に、外の世界にあこがれを抱いていた。 三条光弥、静花が外出した際に悪い奴に絡まれていた所を助け、何時しか静花へ恋心を抱いた青年だ。 創生師誕生と長い年月へと至る、始まりのお話である。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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翌日、風見鶏静花は玄関の端に置かれている傘入れから日傘と、壁にかけている帽子を取り、部屋に戻るや、箪笥の物影に居た【カゲ】に向かって言った。 「日の下に歩けないのならば、自ら影を作りだせばいいだけのことよね」 #風見鶏の暗影

2021-05-15 20:26:06
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まさか、自らそのような提案をしてくるとは思わなかった【カゲ】は、いきなり高笑いするような声を上げた後『こりゃあ、ニンゲンに一本とられたな!』と言い返すのだった。

2021-05-15 20:26:06
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帽子を被り、日傘と外靴を持ってきた静花を見た【カゲ】は『やれやれだ』と言わんばかりに首をふりつつも『そんなに外へ出たいかね?』と聞いた。 「勿論、外にはまだ、私の知らないモノが沢山あるんですもの」 『成程、その気概はキライじゃあないぜ』#風見鶏の暗影

2021-05-16 20:10:33
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そう言いながらも、昨日と同じように静花の手をとりながら、影の中に引き入れたのだった。

2021-05-16 20:10:34
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■月※日(◎) 天気:晴天 今日はやけに暑かった。 この季節は暑くもなく、寒くもない気温になるにも関わらず、今日に限って気温は高く、予め持って来ていた水筒の麦茶を何杯も飲んだか解らないし、自らの身体から吹き出る汗を手ぬぐいで何度拭いたかもわからない程だ。 #風見鶏の暗影

2021-05-17 19:04:09
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そんな中で、僕は久しぶりに風見鶏静花さんに再会をした。 炎天下の中で、彼女は大きめの帽子を被りながら日傘をさしながら、紫色の長袖のワンピースを着ていたのだから「その格好、暑くないですか?」と聞いてしまったほどだ。

2021-05-17 19:04:09
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「えぇ、暑くないわ」 「僕はこの暑さは敵わないですね、今日は何度も汗を拭いたり、麦茶を飲みましたから」 他愛のない会話をしているだけなのに、彼女は笑ってくれる。 その顔を見る度に、僕は貴女に惹かれてしまっている…。

2021-05-17 19:04:09
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あのニンゲン……カザミドリ シズカのスキマに入って気づいたこと、それは『好意を寄せるニンゲンがその眼に入る時点でスキマが満たされる一方で、好意を寄せぬニンゲンは見ただけでスキマが出来てしまう事』だった。 #風見鶏の暗影

2021-05-18 19:17:10
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他のニンゲンもそうなのかと思い、シズカが寝たのを見計らい、俺は少しだけ喰った力を使いながらシズカによく似たような姿になり、ニンゲンの様子を眺める事をはじめた。

2021-05-18 19:17:10
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俺達の世界――いわば、影の中というのは真っ暗闇で、誰かしらが必ずいるのは当たり前だが、自分の知っているヤツに会うかどうかはわからない。 まぁ、それはどうでもいい。 この中の特徴をもう一つ上げるならば、他の物影などにもつながっており、自由に行き来も出来る。 #風見鶏の暗影

2021-05-19 19:30:13
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『よよっ、こん中にニンゲンがいやがるぜ?』 『いいや、あれは喰ってる最中のヤツじゃねーか?』 『あー、確かに。ぱっと見はよーく出来てるが、よく見たらボロが出てやがる』 『まず、お天道様の前には出れねぇな』 『ってか、俺達の本領を発揮するのは夜っていう時なんだから、それ関係なくねか?』

2021-05-19 19:30:14
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『そりゃあそっか!』 聞き耳を立ててみればこれだ、おそらく、俺の事を指さして笑っていたに違いない。 が、俺は気にする気もないし、留める気もない。

2021-05-19 19:30:14
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風見鶏静花の姿をした【カゲ】は、適当な物影から姿を現し、辺りを見渡した。 ――流石にこの時間帯だと、ニンゲンが出歩いている数は少ないが、カゲはいるみたいだな。 そんなことを思いながら、適当に道を歩いていると誰かに肩を叩かれ、その方を振り返る。 #風見鶏の暗影

2021-05-20 19:55:01
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「お嬢さん、こんな時間にお出かけかい?」 【カゲ】の気配を感じないニンゲンである事は間違いないが、自分よりかはタチが悪そうな輩だなとは思いながら『出かけちゃあ、悪くて?』と言い返す。 「なぁに、こういう時間にお嬢さんを見るとねぇ、誘いたくなる訳よ」

2021-05-20 19:55:01
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相手の顔が、ニヤついている。 あぁ、ニンゲンってロクなもんじゃないな。 向こうがコチラの肩に腕を乗せようとした寸前、俺は相手の足元から伸びる影の中に入って背後をとるや、首元目掛けて一発食らわせると、相手はあっという間にその場に倒れたのである。

2021-05-20 19:55:01
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『よぉ、新入り!』 自分を見て呼び止める声に反応し、その方を振り向くと、そこには一人の男が立っている。 『お前は誰だ?』 『やだなぁ、俺もお前と同じ【カゲ】だよ。ニンゲンを喰ってる最中のな』 『成程』#風見鶏の暗影

2021-05-21 20:19:07
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自分と同じく、人間を喰っている最中の【カゲ】はこちらにやって来るや『にしても、随分とか弱いヤツ喰ってんだなァ。喰う相手、間違ったんじゃねぇの?』と聞いてくる。 『俺の近くに入れるスキマがあった、それだけの事だ』

2021-05-21 20:19:07
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『まー、そりゃあねぇ、俺達ってそういう風に存在してる訳だから、言い分としては解るぜ』 『用がないならば、俺はこの場を去るぞ』 『ちょい待ち』 『なんだ?』 『いやね、君。ニンゲンを少し喰ってる割には成り切ってるみたいだけど、カゲ法師には気を付けた方が身のためだぜ』

2021-05-21 20:19:07
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『カゲ法師?』 聞いたことが無い言葉に反応すると、向こうは待ってましたと言わんばかりに話を続ける。 『風で聞いた噂だと、俺達を滅するニンゲンらしいぜ』 『成程、留意しておこう』

2021-05-21 20:19:08
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街灯に当っている建物の影へ入り渡り、喰い主でもある風見鶏静花の居る影の手前まで戻った【カゲ】だったが、人の気配を感じると、寸前の所で近くにあった箪笥の物影に身を潜めた。 #風見鶏の暗影

2021-05-22 18:45:24
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「お嬢様は今、就寝なされておりますので」 「おや、君は私を誰だと思っている?」 「それは、解っていますが…」 「やれやれ、だ」 その後に二人の会話は途切れたかと思えば、先程まで話していたうちの一人が先程とは異なる声色で言い放つ。

2021-05-22 18:45:24
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『今日からオマエは、オレの手駒だ。いいな?』 すると、もう一人の方もまた、雑音が混ざったような声色になりながらに返答する。 「リョウカイ、致し、ました』

2021-05-22 18:45:25
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何時ものように朝が来れば、風見鶏静花は自然と目を覚まし、上半身をゆっくりと起こす。 【カゲ】という存在が自分の中に居るせいなのか、前よりも身体に重みを感じるものの、それ以外は今まで通りに機能しているから、そこまで気にはしなかった。#風見鶏の暗影

2021-05-23 18:59:14
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むしろ、静花にとって【カゲ】が居るという事は「外に出るチャンスが出来た」も同然だった。 ――人に見られる事が無ければ、大丈夫よね。 そう思いつつも、静花はベットから出て、寝間着から普段着に着替え始めるのであった。

2021-05-23 18:59:15
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着替えを終えた静花は部屋を出るものの、何時もならば外の出迎えのように使用人の松家が居るにも関わらず、今日は別の使用人が居たものだから、挨拶をかわしつつも「松家はどうしたの?」と聞いた。 「松家ですか、…体調が悪いと申しまして、今日は一日休んでおりますよ」 #風見鶏の暗影

2021-05-24 19:08:03
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「あら…、大丈夫かしら……」 「なので、今日は私がお嬢様の事を見ますので、何卒」 「そう、よろしく頼むわね」

2021-05-24 19:08:03
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松家の場合、最近入ってきたばかりだからというのもあり、何処か抜けている所があって、隙さえあれば部屋を出たりすることも出来たりするが、今日の使用人は訳が違う。 数居る使用人の中でも、先日辞めた者の次に風見鶏家に仕えている篠木田という使用人は静花の隙を見逃さない者だった。#風見鶏の暗影

2021-05-25 19:14:32
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「ねぇ、篠木田さん…お茶にしましょう?」 「お茶ですか?今、私がご用意いたしますが」 「私が用意するから、椅子に座って待ってて下さいな」 そう言って部屋を出ようと試みるも、篠木田は静花よりも速足で目の前に立ち「お嬢様、その隙に外出されるおつもりですね?」と聞いてくる。

2021-05-25 19:14:32
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「そ、そんなわけないじゃないですか」 「誤魔化したって駄目ですよ、お嬢様」 ムスッした表情を浮かべる静花を見ながらも「今から紅茶を淹れますが、お菓子は如何なさいますか?」と、篠木田が聞けば「イチゴジャムが乗ってるクッキーがいいわ」と静花は答えた。

2021-05-25 19:14:32
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篠木田が紅茶を淹れている中、静花の足元から伸びる【カゲ】がその様子を黙って見ている。 ――俺と似たような気配はあるが、夜の時に聞こえた声のヤツ…ではないな。 「お待たせ致しました、お嬢様」 「ありがとう」#風見鶏の暗影

2021-05-26 19:10:09
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紅茶を一口飲んだ後、皿に置かれているイチゴジャムが乗ったクッキーを一つ取って食す。 ――美味しい、けど、なんでだろう。前みたいに、食べただけで何かを感じにくくなっているような、そんな感じがする…。

2021-05-26 19:10:10
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思いつめた表情を浮かべている静花を見るや「お口に、召さなかったでしょうか?」と、心配そうに篠木田が聞いてくるので「大丈夫です、篠木田さんの淹れた紅茶と、このクッキーとても合っているから」と、少しだけ不自然な笑みを浮かべながら返答するのであった。

2021-05-26 19:10:10
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流石に使用人の篠木田と言えど、風見鶏静花のプライベートな所まで足を踏み入れる事はなく、静花は部屋に戻ると一つ深い溜息をついた。 『お前、息苦しそうだな』 一人勝手に動き始めて聞いてくる【カゲ】に対し「わかる?」と聞き返した。 #風見鶏の暗影

2021-05-27 20:38:22
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『多少はな』 「つまらない生活でしょう、小さい時からそうなの。両親と以外の外出は殆どない。本来だったら、学び舎で習うべき事も家庭教師とかから教わって……そんなに外の世界を見せたくないのかしらね。私だって、色んなことを知る権利はあるのに――」

2021-05-27 20:38:22
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書棚に沢山並べられている本を一冊取り「私の知識は、家庭教師らと、この棚に並べられている本達から知る所があるけど……やっぱり、私の眼で、見て知りたいだけなのに」独り言のように呟く静花を見た【カゲ】は言った。 『ひとつ、お前に提案がある』 「提案?」

2021-05-27 20:38:22
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【カゲ】からの提案、それは『昼間に外出する際は身代わりになるが、その代償として、お前を喰らう量が今以上に増える』という事だった。 勿論、直ぐに首を縦には振らずにいる姿を見て【カゲ】は呟いた。 『お前ならば、良い返事を聞けると思ったんだがな』 #風見鶏の暗影

2021-05-28 20:01:28
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「昼の時間帯も確かに魅力的だけど…、私、もっと見てみたい時間帯があるの」 『ほぅ?』 「真夜中、だって、昼間は百歩譲ってアナタに頼まなくても外へ出してくれるかもしれないけど、夜の外出は誰も許可をくれないんだもの」 『成程、そりゃあ、かえって俺にとっても好都合な話だ』

2021-05-28 20:01:28
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「そうなの?」 『あぁ、夜って言うのは俺達にとっては最も行動しやすい時間帯なもんでな』 どうしてと考えるも、静花は自らの足元に伸びる影を見つつも、夜の景色を思い浮かべながらに答える。 「夜は、暗いから?」 『正解』

2021-05-28 20:01:28
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今にしてみれば、カザミドリシズカというニンゲンは『退屈な事や、好いていないニンゲンと居るだけでスキマは広がっていた』ように思える。 そう考えれば、シズカにとってこの場所は『嫌な場所』でもあり、俺達【カゲ】からしてみれば『棲みやすい場所』という事になる。 #風見鶏の暗影

2021-05-29 18:47:21
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それに気づいたのが今更だと思うが、まぁ、いいだろう。 どちらにせよ、シズカは俺の提案を受け入れたのだから問題はなかった。 ただし、細かい事はキチンと伝えてはいなかったがな。

2021-05-29 18:47:21
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■月*日(⇔) 天気:曇り 今日は雨が降りそうな曇り空だったので、用心として傘を持って学校へ向かってはいたけども、結局雨は降らなかった。 学校終わり、博堂懷治くんに夜ご飯を誘われて帰りが遅くなってしまったが、まぁ、そう言う日もあるよねと僕の中で言い聞かせてた。 #風見鶏の暗影

2021-05-30 20:06:47
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「もう一件、呑みに行かないか」と誘われたけども、僕の目に見覚えのある人の後ろ姿を見つけた時「ごめん、また今度行くよ」と言い別れ、僕はその人の後を追った。 何とか追いつくと僕はその人の肩に少し触れると、その人は振り返ってくれた。

2021-05-30 20:06:47
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黒く長い髪と、ラベンダーのような紫色の帽子と長いワンピースを着た女性……風見鶏静花さん。 僕の、好きな人――。

2021-05-30 20:06:47
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見覚えのある後ろ姿に声をかけると、相手は少し遅れながらも振り返りながら「こんんばんわ、三条さん」はにかんだ表情で僕に向かって挨拶する彼女は本当、素敵だ。 「こっ、こんばんわっ。風見鶏さん!」 それに対して、僕は緊張して上ずった声が出つつも、なんとか挨拶をした。 #風見鶏の暗影

2021-05-31 19:06:33
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「ココではなんですから、二人になれる所でお話しましょう?」と言いながら、僕の手を引いて人通りの少ない路地裏へ誘ったのだ。 彼女の積極的な行動に驚きと、二人っきりになれるという嬉しい気持ちが湧きつつも、僕は彼女の手にひかれ、ついて行った。

2021-05-31 19:06:34
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風見鶏静花さんが僕の手を引き連れ、近くにあった木製のベンチに座るや、会っていなかった間を埋めるようにお互いの事を話し始めた。 正直に言えば、彼女にしてみれば僕の話はつまらない事になるだろうと思っていたけども、話をするたびに相槌をうってくれたりした。 #風見鶏の暗影

2021-06-01 19:19:07
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勿論、彼女の話をしている時は僕だって相槌をうったりもした。 この時間が何時までも続いてくれたらいいのに、そのようなを思うのは僕の我儘になってしまうから、その思いだけを募らせていると、彼女は「どうか、しましたか?」と少しだけ、心配そうな表情で僕を見た。

2021-06-01 19:19:08
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「い、いいえ!なんでも、ありません!僕は大丈夫ですから…!」 彼女は安堵したような息をひとつついた姿を間近に見て、僕の中で確信してしまった。 「彼女の傍に居たい」と――。

2021-06-01 19:19:08
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「そろそろ、私、帰らなくちゃ…」 静かな声で言いながらベンチに立ち上がる彼女を見ながらに「よかったら、お送りします!」と、僕も立ち上がって言ったが「ありがとうございます、三条さんのお気持ちだけ頂きますわ」と返されてしまった。 #風見鶏の暗影

2021-06-02 20:17:09
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「しかし…」 彼女は僕にそれ以上言葉を言わせぬかのように、指を立て僕の口元に近づかせながらに言ったのだ。 「大丈夫、ですから…ね」 物凄く近い距離に、僕は思わず瞼を閉じてしまったが、直ぐに開けた。 が、その瞬間で目の前に居たはずの風見鶏静花さんは一瞬にして姿を消してしまったのだった。

2021-06-02 20:17:09
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。

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