これは、創生師がまだ【カゲ】だった頃のお話――。 風見鶏静花、彼女は壱ノ笠に居を構える名家の一人娘で大切に育てられたが故に、外の世界にあこがれを抱いていた。 三条光弥、静花が外出した際に悪い奴に絡まれていた所を助け、何時しか静花へ恋心を抱いた青年だ。 創生師誕生と長い年月へと至る、始まりのお話である。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
0
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

#風見鶏の暗影 は風見鶏静花とその周辺の方々、そして(後の創生師となる)一つのカゲを巡るお話です。 (※メインは静花やカゲではありますが、自創作『カゲ法師 対 創生師』に分類される作品でもありますので、カゲ法師らも登場する予定です) twitter.com/5jyouTsukito/s… pic.twitter.com/BM32B8aN0r

2021-03-21 20:37:21
拡大
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

風見鶏家、それはかつての壱ノ笠に居を構えていた名家でもあり、いまや忘れ去られた一族の苗字。 風見鶏家が所有していた邸宅や建物は、今でも一部残ってはいるものの、今や寂れている上に、建物も何時崩壊するか解らない程、危険で、誰も近づきやしない存在だ。 #風見鶏の暗影

2021-03-21 20:29:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そんなある日、夕陽が傾く頃、今にも崩壊しそうな建物の中に一人の人間が入ってゆく。 人目を気にしながらも、その者はかつての頃を思い出し、小さな声で呟いた。 『ココは、何時でも変わりない…が、前よりも壊れかかってるのは確かだな』

2021-03-21 20:29:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

腰まである長い黒髪に、暗い色の服装に反するように白い肌…。 その者は奥まで進むと、一つの部屋に辿り着つくものの、その部屋の壁にもヒビが入り、窓は大きく割れている上、辺りには窓ガラスの破片が落ちている有様。

2021-03-21 20:29:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

しかし、その者は細かい事を気にせず近くにあった椅子に座ると、過去を思い出すように瞼をゆっくりと閉じ始めるのだった。

2021-03-21 20:29:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

風見鶏家の一人娘であった静花は両親をはじめ、召使の者達ら、周りの大人たちによって大切に育てられていた。 やがて、ある程度の歳をとり自分で出来る事でさえも、周りの大人たちから手を差し出す姿を見ると、静花は「子供じゃないですから」と静かに言い返すようになった。#風見鶏の暗影

2021-03-22 19:00:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「しかし、旦那様から「お嬢様を何事からも守り、手を貸すように」と言われています」 一言一句間違いない言い返しに対し、静花の中で何かが降り積もってゆくのを感じ、立ち尽くしていると、大人たちは当たり前のように静花がしようと思っていたことに手を出すのであった。

2021-03-22 19:00:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ある日のこと、静花は付添人と一緒に買い物をしていたものの、隙を狙い、自分が本当に行きたかった場所へ向かおうとしたものの、途中で道が解らなくなり、立ち往生していた時であった。 「そこのお嬢さん」 「私、ですか?」#風見鶏の暗影

2021-03-23 20:22:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「その通りですとも、もし、よろしければ俺と一緒にお茶でもどうですかね?」 一見すると、身なりは良さそうな男ではあるものの、近づくと煙草の匂いが伝わり、静花は思わず距離を取ろうとした姿を見た男は、力強く静花の手首を掴み「そんなに嫌なのです?」と、わざとらしく耳元で囁く声で問う。

2021-03-23 20:22:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「離してください!」 「いやぁ、俺、そう言う風に抵抗するの嫌いじゃあないんだわぁ~」 何としてでも離れようとする静花に対し、相手は益々と力強く握るものだから、静花が諦めかけた時「探したよ」という声と共に一人の男が現れ、静花の手を引き、その男から離れさせたのである。

2021-03-23 20:22:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

灰色髪の男が風見鶏静花の手を取って「大丈夫かい?」などと会話する様を見た男は「おやまぁ、そこのお兄さん。俺達に何か御用でも?」おどけたような声色で問う。 「彼女が嫌がっているじゃないか」 「そうかねぇ?」 「少なくとも、僕の眼にはそう見えましたけども?」#風見鶏の暗影

2021-03-24 19:27:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「俺はそういう顔、見るの嫌いじゃあないけどねぇ?」 そう言って、男はまた静花の手を取ろうとした時、真っ先に灰色髪の男が手首を掴んだまま、力強く捻らせたのだ。 「いっでぇ!?」 相手が悲鳴を上げている隙を見て、灰色髪の男は黙って見ていた静花の手を引き、この場から離れさせたのであった。

2021-03-24 19:27:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

灰色髪の男に助けてもらった静花は「あ、あのっ…」と声をかけると、男はようやく足を止め、改めて静花の方を見て「す、すみません!」慌てた様子で静花の手を離し、頭を下げた。 「いいえ、頭をあげて下さい。……改めまして、私を助けて下さり、ありがとうございました」 #風見鶏の暗影

2021-03-25 19:01:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

深々と頭を下げて礼を言う静花に対し、男の方も慌てた様子で「あ、頭をあげて下さい!そ、それに僕、あの時は君を助けたいと思って、無我夢中だったので――」頭を掻きながら言う姿を見た、静花はクスリと小さく笑うと、男もつられて笑い、二人とも笑い合った。

2021-03-25 19:01:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「お嬢様ー!どこにいらっしゃるのですかー?」 すると、遠くから付き人の声が聞こえ、静花は鞄に入れていたハンカチーフを取り出し、男に手渡し「今度、私の家に来てください。その時に、お礼は致しますから」と言い残しながら、静花は頭を下げ、その場を駆け足で去って行ったのだった。

2021-03-25 19:01:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

男の手に渡された一枚のハンカチーフの端っこには、風見鶏の刺繡が施されていた。 ――丁寧だな…。 そう思いながらハンカチーフを見ていた時、中から一枚の紙がひらひらと落ちたのが目に入り、その手で拾い上げると、その紙にはこう記されていた。 #風見鶏の暗影

2021-03-26 20:39:33
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

もし、このハンカチーフを拾った方は、こちらの住所まで送付、もしくは直接お届けして下されば幸いです。 その後に住所が、最後には風見鶏静花という名前が記されており、男は静かな声で「風見鶏、静花…さん」と呟き、改めてハンカチーフを見つめるのであった。

2021-03-26 20:39:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

翌朝、男は渡されたハンカチーフの中に入っていた紙に書かれていた住所を頼りに、路面電車に乗っていた。 ――無事にたどり着けるだろうか…。 どういう家に住んでいるかという期待と、迷うことなく向かえるかという緊張と不安が頭の中を巡る中で目的地に向かっていった。 #風見鶏の暗影

2021-03-27 19:08:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

道を迷いながらも、なんとか無事に風見鶏静花の住む家に着いた男だったが、家の前には大きな門があるのだから(場違いな所に来てしまった…?!)などと思いつつ、男は門の壁に備え付けられている呼び鈴を押した。 #風見鶏の暗影

2021-03-28 19:02:53
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

しばらくすると、重い門が自動で開かれるや、一人の女性が男を見て「いらっしゃいませ、ようこそ、風見鶏家へ」と頭を下げて挨拶する。 「あ、あの…このハンカチーフをお届けに……」 男が手に持つハンカチーフを見た女性は言った。 「お話はお嬢様から伺っております、どうぞ中へお入りください」

2021-03-28 19:02:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

屋敷の中へ通され、待合室で待つように言われ数分。 外観は勿論のこと、通り道に建っていた家々も風見鶏家に勝るに劣らない屋敷が並んでいた事を思い出しつつも、男の額にじわりと汗が垂れ始めた時だった。#風見鶏の暗影

2021-03-29 18:47:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ノックの音が耳に入り「はい!」と、思わず上ずってしまった声で返してしまったものの、向こうは「入っても、大丈夫ですか?」と聞いて来た。 「だっ、大丈夫、です…」 その返答を聞いてか、ゆっくりと待合室の扉を開けて入って来たのは、自分が助けた女性――風見鶏静花その人であった。

2021-03-29 18:47:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

風見鶏静花に思わず見とれてしまうものの、男はハンカチーフを取り出し「あの、これをお返しに来ました」と言いながら渡すと「わざわざ…!ありがとうございます」と、静花は頭をさげながらにお礼の言葉を述べる。 #風見鶏の暗影

2021-03-30 20:43:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

男は今日一番の用事を済ませたのだから、これ以上長居して恥をかくわけにはいかぬと思い「では、僕はこれで…」と言いながら去ろうとしたものの「よろしければ、お茶でもいかかがですか?」静花が提案してきたのだ。 「えっ?」 「言ったじゃあ、ありませんか。私の家に来た時は必ず、お礼をすると」

2021-03-30 20:43:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

女性の誘いを……ましてや、自身が助けた者の誘いを断るなんて、それこそ失礼に値する。 男は改めて静花の方に向き直し「で、では…お言葉に甘えて……」と答えていた。

2021-03-30 20:43:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

静花が紅茶を淹れている間、男は(自分の名を名乗っていなかった…)という事を思い出し、タイミングを見計らって伝えようと試みたものの、自分と同じ所ではなしかけるものだから、男は何度も静花に話す事を譲ってしまう。 #風見鶏の暗影

2021-03-31 20:37:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その度に「お話は大丈夫ですか?」と聞かれるものの「だ、大丈夫です!僕の話は、大したことではないので!」と言い返す始末。 だが、静花の話は聞いていてとても興味がそそられることばかりで、思わず聞き入ってしまうし、話をしている時の彼女はとても生き生きしていて、思わず見とれてしまう。

2021-03-31 20:37:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

だが、急に自分はハッとして気づかされる。 今日は、ハンカチーフを返しに来ただけの来客なのだから、最早自分の名前伝えなくてもいいのではないか?…これ以降、会う事もないのだろうしと思った時だ。 「もし、よろしければ……、貴方の名前を教えていただけませんか?」

2021-03-31 20:37:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「もし、よろしければ……、貴方の名前を教えていただけませんか?」 風見鶏静花の視線はまっすぐで、目を逸らそうにもそらしきれないものだった。 男は固唾を飲みつつも「三条光弥、といいます…」と、静かな声で名乗る。 #風見鶏の暗影

2021-04-01 20:43:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

静花の方もゆっくりと男の名前を復唱した後、改めて頭を下げ「改めまして、今日は…本当に、ありがとうございました」と、礼を述べた。 「いいえ、僕はただ、当然までの事をしたまでですから!」

2021-04-01 20:43:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

静花と屋敷に居た使いの者達に見送られながら風見鶏家の屋敷を出た三条は、帰り道を歩きながら、今日の出来事を振り返っていた。 ――それにしても、僕はとんでもないお方とお近づきになってしまった…。 #風見鶏の暗影

2021-04-02 19:00:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

これが、夢だったら…なんて思いながら、自らの頬をつねると「いたたた」と小さな声を上げたのだから、夢ではないという事が証明された。 ――風見鶏、静花さん…。彼女は本当に綺麗で、美しかったな…。

2021-04-02 19:00:41
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

〇月×日(□) 天気:晴れ 今日は、先日、道端で助けた女性……風見鶏静花さんにハンカチーフを届ける為、外出しました。 風見鶏さんの家は壱ノ笠の郊外に建っている上に、自分よりもかなり裕福な家だったのには驚きを隠せませんでした。 #風見鶏の暗影

2021-04-03 19:22:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

風見鶏さんから見れば「一般家庭の男性」と思われたに違いありませんが、彼女は一切そのような事は口にせず、終始笑顔で僕の話に耳を傾けたり、頷いたり、返事をしてくれたりしました。

2021-04-03 19:22:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

僕の名前を口にしてくれた時は、気恥ずかしさがあった半面、嬉しい気持ちの方が上回っていました。 …そして、帰り際「また、会えますか」と、言われた時は、僕の心臓が飛び出しそうになるほど、嬉しかったという事を、次会う時に伝えるべきか迷っている次第であります。

2021-04-03 19:22:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

夜、風見鶏静花は自室に戻り、ベットの上に座り、小さな溜息をひとつついた直後、視線の先にある壁に向かって独り言を呟きました。 「不思議だった、あの人と一緒に居たら、私の空洞が……満たされるような気がしたの…」 #風見鶏の暗影

2021-04-04 20:16:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自分の胸にそっと手を当てながら瞼を閉じれば、あの人の……三条光弥の顔が浮かんでくる。 それを喜びとして感じた静花は、そのまま横になったのだった。

2021-04-04 20:16:39
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

夜の壱ノ笠、僅かな光に当るかげが一人勝手に動いたら、それは【かげ】ではなく【カゲ】である。 『今日は誰を喰おうか?』 『アイツはどうだ?』 『ダメだ、俺が先に負けちまう』 『じゃあ、アイツはどうだ?』 『いいねぇ、じゃあ、俺がいってくらぁ』#風見鶏の暗影

2021-04-05 19:09:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

一つのカゲは酔っぱらって道端でうわ言を呟く人間に近づくや、その人間を大口開けてすべてを丸呑みしてしまったのだ。 周りに居たカゲ達は思う(俺達はまた一歩、ヒトになれた)と。

2021-04-05 19:09:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

壱ノ笠という街に確認される【カゲ】は、姿・形そのものは影や陰そのもので生きている。 カゲは主に、人間の心のスキマを好んで入り、喰らい尽くした後、その人間に成り代わる存在である。

2021-04-05 19:09:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

だが「カゲが人間を喰う」ならば「その人間を助け、カゲを滅する存在」も、この街には存在している。 酔っぱらった男の中に入って間もなくの事、カゲは棲み処を探している最中だった。 「お前、俺の中に入ったんだなァ?」という声が発せられたのだから、カゲは驚きを隠せない。 #風見鶏の暗影

2021-04-06 19:07:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『オマエ、まさか?!』 その人間の両目は赤く反応し、両手は硬質で真っ黒に色が変わったかと思えば、その手で自らの腹に一発拳を入れるや、中に入っていたカゲはその反動で入るべきスキマを失った上に、外側へ出されてしまったのだ。

2021-04-06 19:07:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

外へ放り出されたカゲは、近くの物影に逃げようとしたが、あっという間に男に捕まり、姿なく滅されてしまった様子を見た他のカゲ達は、直ぐに近くの影に身を潜め、対話する。 『アイツ!もしかして…』 『ちげぇねぇ、俺達を消すヤツだ!』

2021-04-06 19:07:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――他のヤツも捕まえようとしたんだがな…。 そんな事を思いつつ、男はカゲ達が居る方に向かって言い叫んだ。 「姿なきカゲ達よ、俺は管崎伊兵衛。お前らを滅する為に存在しているカゲ法師だ。…覚悟しておくんだな!」

2021-04-06 19:09:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

管崎伊兵衛は家に帰るや、真っ先に父親が居る部屋まで行き、入る目撃したカゲについてや街の様子などの報告をしはじめた。 「今日、伊兵衛が滅したのはその一体…ということだな」 「昼間にも一体滅したので、総計すると二体になりますけどね」#風見鶏の暗影

2021-04-07 20:36:43
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「だがな、伊兵衛。いくらなんでも、自身の身体を餌にするというのは少々無理があると思うが?」 「生憎様、俺の頭は単純ですからね。そう言う事位しか、思いつかないのですわ」 深い溜息をつく父親を見て、伊兵衛は何時もの調子で言い返す。 「良いじゃありませんか、結果的にカゲを滅したんだから」

2021-04-07 20:36:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「兎も角だ、カゲを滅するのが我々カゲ法師の務めではあるが……健全な体力と精神が資本が故、無理だけはしないでほしい。これは、お前に限った言葉ではないからな」 何度も聞いた言葉に、伊兵衛は生返事を言いつつ、父親の部屋を後にした。

2021-04-07 20:36:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

風見鶏静花の屋敷に行って三日が経ったものの、三条光弥は今でもその時の事が忘れられないようで(静花さん、元気にしているかなぁ…)というように、上の空の気になる事が多くなったのだ。 #風見鶏の暗影

2021-04-08 20:20:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――「また会えますか」って、向こうから聞かれたけども。あの時、僕は緊張しすぎていたから、正直に言えば、ちゃんと返答出来ていたかどうかさえもあやふやだったからなぁ……。 はぁ、と深い溜息をついた直後「どうした光弥、浮かない顔をして」と、渋い呼び声が耳に入り、三条は振り返る。

2021-04-08 20:20:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「おはよう、博堂懷治くん」 博堂懷治と呼ばれた男は、三条の横に移動し肩を叩きながら「おいおい、何時までもかたっ苦しく呼ぶんじゃあないよ。俺と光弥は同期なんだから、気軽に呼んでくれて構わないと言ったはずだがね?」と言い返す。 「それはそうだけど…、片方だけで呼ぶのも慣れなくて…」

2021-04-08 20:20:49
1 ・・ 11 次へ
0
まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話や、参加している企画創作のお話等……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?