違法タイムトラベラーこと、リリア・ノーランスが盗んだのは過去の発明品でもある「ヒトの記憶を奪い、操る懐中時計」だった。リリアはとある過去の時代へ向かい、一人の少年が居る屋敷へ行ったが、空気以外何もない白の世界へ誘われたと思えば、そこに現れたのは最初に出会った少年に似た者で、リリアはその子に懐中時計を埋め込ませたのだった――。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
0
前へ 1 ・・ 3 4 次へ
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

今にも泣きそうな表情を浮かべてしまう紗南であるが、その口から真実を発しようとした時であった、事務所の呼び鈴が鳴り「すみません、竜誠さん。もしかしたら依頼人かもしれないので、私、出ますね」と断りを入れる。 「あぁ、構わない」

2019-01-26 19:19:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

頭を下げた後、竜誠の前を通りつつ階段を降りながら目から溢れそうになっているものをポケットに入れてあったハンカチで拭い、それをポケットに戻し、自身の頬を軽く叩き、玄関の前に立つ。 ――仮に依頼人だとしたら、今は所長が出れないってことを伝えなくちゃ…。

2019-01-26 19:22:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そんなことを思いつつ、紗南は「今、開けますね」と言いつつ、玄関扉を開けた。

2019-01-26 19:24:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

目の前に立っていたのは一人の少女で、雨でぬれていたことは勿論の事、どこもかしこも泥だらけの姿だが、紗南を見て「貴女は、秋山愁治ではありませんね?」と聞いてきたのだ。 「そ、そうですけども…」 ――何故、私が秋山所長じゃないって事が解ったのだろうか?#事務所物語

2019-01-26 19:29:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

紗南はそう思いながらも、少女の姿を改めて見て「今、タオル持ってきますから!」と言い、奥の方へ向かおうとした時であった。 「待って下さい」と、見た目とは裏腹な声で紗南を呼び止めたのである。 「私は、依頼があって来ました」

2019-01-26 19:32:31
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「依頼…」 でも、今は秋山所長は出られる状況ではないという事を伝えたら、この子はどう思うだろうか? そんな時だ、階段から誰かが下りてくる足音が聞こえ、紗南はその方を見た。 「その話、聞こうじゃねぇか」 竜誠の肩を貸しながらではあるものの、愁治が階段を降りて来たのだ。

2019-01-26 19:37:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「秋山所長、大丈夫なんですか!?」 「話聞く位は出来るぜ、長身」 「無茶はするな、愁治。その状態で動ける事自体、奇跡に近いようなものだぞ」 愁治は改めて玄関に居る少女を見つつ、応接室の方を指さして言った。

2019-01-26 19:40:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「とりあえず上がってくれ、話はそこで聞く」 少女はゆっくりと頭を下げ「ありがとうございます」と礼を言い、事務所へ上がった。

2019-01-26 19:41:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

リリア・ノーランスは既に秋山事務所が見える近くの建物の物陰におり、相も変わらずの雨模様だが、そんなことはお構いなしで、その様子を望遠鏡で覗きながらに思う。 ――どうやらアタシの妹は、あの事務所に辿り着いて、中に入ったか…。 #事務所物語

2019-01-27 20:18:31
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

何を話しているかは分からないが、少なくとも自身の監視対象でもある「あの男」について話すことは予想出来ている。 ――止めるか?しかし、アイツらには既に顔を知られている。それに、先ほど見たもう一人の男が何者かも気になるな…。

2019-01-27 20:21:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そんなことを思いながらも、リリアは物陰から出て事務所の方へ向かおうとした時であった。 「待て、タイムトラベラーの女」 聞き覚えのある声が聞こえ「あぁ?」と言いつつ、ゆっくりと振り向けば、そこに居たのは【記憶の死に神】ことキサラギであった。

2019-01-27 20:22:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「おやおや、どうした?死に神殿、この雨でずぶ濡れ姿になっちまってさ」 「そんなことはどうでもいい」 「で、何用かな?」 その視線は一切の曲がり方もなく、真っ直ぐと向けられており、思わず視線を逸らしそうになるものの、そんな余裕さえない発言であった。

2019-01-27 20:26:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「お前の記憶を、奪う」 その発言を聞いたリリアは、鼻で笑ってすぐにキサラギの方へ近づいて歩きながらに返す。

2019-01-27 20:29:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「それでどうするつもりだよ、アタシがタイムトラベラーだってことを忘れさせ、都合の良いようにするってか?そしたらアタシはアタシでなくなるかもな、こんな性格も言動も都合の良い物にすり替えらちまうんだからさ…」 そして、キサラギの元についた途端、胸倉を掴み、蔑むような物言いで続けた。

2019-01-27 20:32:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そんな事しても無駄だぞ、キサラギ君?」 リリア・ノーランスの性別は女だが、身長はキサラギよりも頭一つ分大きく正に上から目線のような状態で言っているようなものだが、キサラギはそんな事を気にせずリリアの眼を見て「その方が、あの子の為にもなるだろう」と返したのである。

2019-01-27 20:34:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

パッと胸倉を掴む手を放す。 「なんだよ、マリヤもお前に当てられたと思ってたが、お前もお前で妹に当てられたのな?」 「どちらにせよ、あの子には今よりも良い環境が必要だ」 「かぁーーっ、笑わせてくれるわね。アンタも妹にも!」

2019-01-27 20:38:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

#事務所物語【依頼人メモ】 名前:マリヤ・ノーランス(マリヤ・ノーランス) 性別:女 年齢:13 職業:?

2019-01-27 22:15:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その少女は青緑色の髪に特徴的な前髪、先ほどは泥などで見えづらかったが顔や腕などに目立つように傷跡があった。 愁治は何時ものように応接室の窓際にある机の椅子に座り「色々と気になる所はあるが、俺が見た限りだと、お前はこの時代の人間じゃないな?」と開口一番に聞いた。

2019-01-27 22:18:33
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「えっ?!」紗南は驚きを隠せないような表情を浮かばせ、思わず声が出るものの、当の本人は至って冷静に返答する。 「やはり、多彩能力者である貴方には隠せないようですね」 「そこまで解ってると来たもんだ」

2019-01-27 22:20:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「確かに、貴方の言う通り、私はアナタ達よりももっと先の時代…。言ってしまえば、未来という名の時代からやって来ました」 「そんな未来人が、何用でこの時代へ来たんだ?」

2019-01-27 22:23:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「私は、あ……」一度言葉を詰まらせるものの「…ある人と共に、この時代よりも少し過去の時代から、今にかけて現在を共に過ごしてきました」と返す。 「タイムトラベル能力があるのか?」と、竜誠が問うが「いいえ、違います」と速攻でマリヤは返す。 「その能力を持つのは私の連れの人ですから」

2019-01-27 22:25:38
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「つまり、その人と一緒にこの街に来たって、事ですよね」 「その通りです」 「成程、んでもって本題は?どうして少し過去から今にかけて壱ノ笠に居るんだ?」 目線を下に向け、膝の上で両手に握り拳をつくるものの、マリヤは何かを決意したかのように目線を上げ、愁治に言った。

2019-01-27 22:30:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「私は、何処へ居ても【一度定めた相手を最後まで監視する能力】者です、その為に呼ばれ、ある人を監視していました。が、その人は、人間のようで人間ではなかった…」 「人間のようで、人間じゃない…」

2019-01-27 22:34:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

口を噤むものの「その人は右目を失った代わりに、あるものを埋め込まれました…」と言い、再びその口を震えさせながらに話続ける。 「そして、その人の意思を反し、次々にあるものを奪い、操る存在へと変わっていきました」

2019-01-27 22:36:49
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

愁治はその話を聞いた時点で、何者なのか、を理解した。 「おい、それってまさか…」 マリヤは黙って頷き続きを話そうとした時である、雨は徐々に止んでいたからこそ気づいたからだろう、玄関の方で激しい音が聞こえ、皆がそちらを見る。

2019-01-27 22:45:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

椅子から立ち上がり外の様子を見に行こうとして「竜誠、頼むわ」と言い、手招きをしたが「無理は禁物だぞ、愁治」と返すが「何、外の様子を見るだけだすぐに済む」と言い、ともかく来いと言わんばかりに手招きをするものだから、竜誠は分かったとは言わず、再び肩を貸し共に応接室へ出ようとする。

2019-01-27 22:47:05
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

紗南もマリヤもその後をついて行き、愁治と竜誠は既に玄関まで近くに行き、扉を開けようと、愁治が取っ手を握ろうとした時であった。 「駄目です!」 マリヤの注意する声が、一気に響き渡り、3人はそちらの方を見た。

2019-01-27 22:48:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

リリアはキサラギを片手で掴み、その勢いで秋山事務所の玄関扉の方へガンッ!という大きな音をたてながらぶつけさせ、力強く押さえつけながらに言った。 「お前がそう来るなら、アタシだってそういう風に対峙してやるよ。えぇ?記憶の死に神さん」#事務所物語

2019-01-28 18:40:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――息はしている、どうやらまだ、この男はくたばっていないらしい。だが、そんなものは時間と回数の問題だ。あとどれくらい持つのだろうな、この男は? そんなことをリリアは思っていた時だ、ドアノブが一回りしたかと思えば、誰かがそれを止めさせる声が聞こえ、ドアノブはまた元の回り方をした。

2019-01-28 18:45:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「何故だ?」 竜誠は後方にいる少女へ向けて聞く「外に、あの人が…」その口が震えながらも、マリヤは「私の姉が居ます、私にはわかります!」と言ったのと同時に、玄関扉の戸は外から開かれ「よく分かったな、マリヤ?」と、男の頭を掴む女が現れる。#事務所物語

2019-01-28 21:24:36
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

女はようやく片手で掴んでいた男の頭を離す、マリヤはすぐそこへ駆けつけた。 「主!」 「心配するな、コイツは生きてる」 確かに息はしているが、当たり前のようにするような息遣いではないのはすぐにわかった。 「お前、相当の野郎だな」 「野郎言うなアタシは女だぜ、目隠れ事務所長さん?」

2019-01-28 21:28:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そんなことはどうでもいい、お前は違法タイムトラベラーだろ。ならば、とっくの間に未来刑事がお前の事を追ってる筈だぜ、何故捕まらない」 「なんでだろうね、それはアタシが聞きたい事案だが、今はそんなことはどうでもいいだろ」 竜誠は「違法タイムトラベラーが何の用だ?」と険しい顔で聞く。

2019-01-28 21:34:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

リリアはキョトンとした表情を浮かべるも、喋り声はいつもと変わらずに返答する。 「アンタらには用はない、たまたまコイツらをどうにかしたいと思ってどうにかなると思った場所がココだったって話さ。コイツらの始末は、アタシがする。そういうことでいいだろ?」

2019-01-28 21:38:20
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

リリアは、マリヤとキサラギを見た。 ――あぁ、コイツら本当に〇〇だなぁ…。 そう思っていた時だ、キサラギが意識を取り戻し、右手でリリアの足首を掴んだのを見て「まだ抵抗する気か、お前」と問う。 「黙れ、タイムトラベラーの、お…」

2019-01-28 21:41:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

掴まれていない足でキサラギの手を踏みつけようとした時である、マリヤがその手を守った代わりに短く悲鳴を上げる。 「本当、二人とも相思相愛ってヤツだな?え、マリヤ、キサラギ??」 リリアは背後に居る三人を見て「アンタらもそう思うだろ?」と言った、一瞬の隙をついた時。

2019-01-28 21:45:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

キサラギは自信の能力でもある【白の世界】を作り出し、瞬く間に皆をその世界へ誘った。 なお、その世界へ飲み込まれた人間は6名となる。

2019-01-28 21:46:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

白の世界で最初に目を覚ましたのは朝松紗南で、なんとか起き上がり、歩いてみるものの、何処を見ても自分以外誰も居なかった。 はたして、この世界に出口はあるのだろうか…。 紗南は不安になりながらも、ようやく自分以外の存在が視界に入り、その場へ駆け寄った。#事務所物語

2019-01-29 18:45:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

が、その者は紗南の声に一切と返さなかった。 いいや、訂正しよう。その者は生きておらず、紗南は思わず後退りするものの、その者の手元には黄ばんだ新聞の記事を切ったものが何枚もあり、紗南は「失礼します」と言いながら手を合わせ、新聞が破れないように抜き取り、その見出しを見た。

2019-01-29 18:53:18
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

記憶を奪う人間現る 19**年10月**日付 ----------------- 人の記憶を奪う者、またしても現る 19#★年2月--日付 --------------------------- 奪うだけではなかった、操りも出来る人間 19□+年6月++日付 ------------------------------ 当局は、本日より『記憶の死に神』と名付ける 19×=年1月==日付

2019-01-29 18:54:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

人々の記憶を奪い、自在に操る者が壱ノ笠に現れた。目撃者の証言によると「アイツ、あしがなく、宙に浮いているようにみえた上に黒っぽく、正に死に神のようだ」という。 よって、当局はこの者を「記憶の死に神」という風に呼称する。

2019-01-29 18:57:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『兄さん!』 ――誰だ? 『僕だよ、弟の――! 忘れたの?』 ――弟なんて、居たのか。 『毎日この世界で、遊んでくれたじゃないか。僕は覚えてるよ』 ――忘れたな、そんなこと。 『やっぱり、それが欲しかったんだね、兄さん』#事務所物語

2019-01-29 21:31:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その声は幼いが、何処か的確に自分の事を言うものだから「何が言いたい?」と思わず返してしまう。 『だって、兄さんは現実よりも自分の作るこの世界でずっと遊んでたからね。そういう事を知らないのも無理ないよ』 「この世界、だと?」 『そう、この白くて空気以外何もない世界』

2019-01-29 21:33:40
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自身の頭の中で、記憶が流れてゆく。 その中には、これまで奪って来た様々な感情の記憶が入り交じり、肯定と否定を繰り返す姿は、最早苦しんでいるも同然だ。 『僕はあの時言ったよ「そんな危ない物をタダであげるなんて、ヘンだと思わないの?」って、でも兄さんはそれを聞かなかった』

2019-01-29 21:41:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その声が実体化された時『ねぇ、どうして右目に【そんなもの】を埋め込んでいるの?』と、わざとらしく聞いてくる。 キサラギは手探りで、右目を触れば、冷たいモノがある。 『僕、鏡を持ってるよ。ホラ』 鏡で自分の顔を見れば、右目には懐中時計と自身が徐々に崩壊していく姿がそこにあった。

2019-01-29 21:43:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

秋山愁治が居た場所だけ妙に暗く、何かに飲み込まれそうになる中で叫ぼうとするも、誰も助けてくれる訳もなく、闇雲になる。 「………ろ」 それと同時に、自身の記憶も奪われていくのも解り、益々と気が焦ってしまう。 #事務所物語

2019-01-29 21:50:44
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――あぁ、俺はまたアイツに奪われて、操られてしまうんだろうな。 諦めという気が現れそうになった時『お兄ちゃん!』と、聞き覚えのある声が耳から聞こえ、愁治はハッとする。 ――今の声はまさか、気のせいか…。 『愁治』 ――いや、違うかもしれない。 『愁ちゃん』

2019-01-29 21:55:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――最初に聞こえた声も、次に聞こえた声も、さっき聞こえた声も、全て聞き覚えのある声だ。 『秋山所長』 愁治は暗闇の中で瞼を開けた、その目で見え、聞こえた声は、最もよく聞く声の持ち主であった。

2019-01-29 21:57:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

何時もと変わらないまま呼ぶ時もあれば、困る時にも呼んで、泣きそうな時にも呼ぶ、だが、愁治は知っている。 朝松紗南は、あの笑顔があってこそだ。 また一度瞼を閉ざし、愁治はありったけに叫ぶ。 「これ以上、俺の記憶に、手を出すな!!」

2019-01-29 22:00:33
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

マリヤとリリアは互いに向かい合って立っていた、リリアは緑色の上着のポケットに両手を突っ込んだまま妹の事を、マリヤはそんな姉の事を怪しいと思う表情を浮かべながら見ている。 「何か、聞きたそうな顔を浮かべてるな、マリヤ?」#事務所物語

2019-01-30 18:45:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ここは、何処なんですか」 「お前の大好きな主様が作り出した世界、空気以外何もないし境界線も存在しない場所さ」 「何故、このような世界へ私達が…?」 「多分だが、お前を守ろうとしたんじゃねぇの。あーなる前にアイツは言ってたぜ、アタシの記憶を奪って、今よりも良い姉にするってな」

2019-01-30 18:50:11
前へ 1 ・・ 3 4 次へ
0
まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。