p.19 (監訳者まえがき) 数値がもつ順序性は、数値を価値の表現手段にしてしまう。
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『統計データの落とし穴 ~その数字は真実を語るのか?~』Peter Schryvers著、土屋隆裕監訳、佐藤聡訳、ニュートンプレス、2021.8.10. p.19 (監訳者まえがき) 数値がもつ順序性は、数値を価値の表現手段にしてしまう。そしてその結果には誰も異論を挟めない。 pic.twitter.com/pyexu8lVts

2021-09-21 14:52:44
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しかし、何事であれ、あらゆる価値を数値で表現できると考えるのは傲慢である。ものごとの真に意義ある側面は、その軽重で順序づけられるものではない。  データ依存がもたらす弊害を知り、データの強大な力に翻弄されないようデータと適切に距離を保つ力が必要なのである。

2021-09-21 14:52:45
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P.9- (はじめに ハーバート・アーサー・クライン) 本書で答えたいのは、私たちの測るものが私たちの行動と行動の仕方にどう影響し、私たちが何かを測る方法が、私たちの考え方や行動、価値観、さらには達成するものをどのように変えるのか、ということである。

2021-09-21 14:59:28
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p.10 本書では間違った評価指標を使う時の落とし穴と、評価指標を正しく理解しないことで生じる弊害を扱う。評価指標には負の側面がある。評価指標を誤用、誤解、誤表示することは、逆効果をもたらす努力、無駄な活動、時には完全な破壊行動を引き起こす可能性がある。

2021-09-21 15:05:23
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世界を理解、分析するのに用いるのと同じ道具が、判断を曇らせ、焦点を誤らせ、真実を見えなくさせる恐れがあるのだ。 p.12 評価指標を用いることで、非生産的な行動が引き起こされる場合がある。評価指標は最終的に重要でないものに焦点を当てる場合がある。

2021-09-21 15:10:53
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間違った評価指標を選ぶことで、効果を生まない活動に膨大な時間と資源を費やすことになる。評価指標は世界の見方を歪める恐れがある。実際に達成しようとしていたことを忘れ、測定値がどれだけよい値になっているかを重視しすぎると、死のスパイラルに巻き込まれたアリのように評価指標の奴隷になる。

2021-09-21 15:16:39
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p.13 私たちはさまざな形で評価指標の使い方を誤る。人々が評価指標にどのように反応するかを誤解する。得られるものではなく投入するものに焦点を当てる。長期的なものより短期的なものを優先する。分母を誤用する。全体の一部だけを取り上げる。測定値を検証しない。測れるものだけを重視する。

2021-09-21 15:21:12
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大事なものがすべて測れるわけではないことに気づかない。評価指標はそうやって私たちを道に迷わせるのである。  第1章「特別試験対策」では、学校の共通試験に焦点を当て、評価指標に対する行き過ぎた崇拝が、非生産的で、不必要で、時にきわめて有害な慣習を生み出すことを示す。

2021-09-21 15:28:14
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生徒の能力を示す一つの評価指標が過剰に注目されることで、教育の質が落ち、教材が広く浅いものとなり、生徒は真の理解よりも丸暗記で評価され、深く考える生徒がないがしろにされ、教師が不正に駆り立てられる様子を示す。さらに重要なのは、この現象が教室にとどまらないことを示している点だ。

2021-09-21 15:33:03
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どの評価指標も、それだけを徹底的に追求すると、ビジネス、医療、経済、スポーツ、その他私たちが努力を傾けるすべての場面で、意に反する結果をもたらす可能性がある。 第2章では、インプット、アウトプット、アウトカムを間違えて測ると、努力をしても実を結ばない場合があることを説明する。

2021-09-21 15:37:49
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ビジネスの世界では労働者を何時間働いたかで測定しているが、努力に焦点を当てた評価指数が的外れなものであり、成果を上げるという本来の目的を阻む様子を示す。 第3章では、評価指数が短期的な成果を過大評価し、長期的な価値を犠牲にする様子を示す。定量化できるものは確実だという考えに基づく

2021-09-21 15:45:29
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評価指数は、不確実な未来を扱うことが不得意で、短期的な成果を過大評価する。 第4章では、私たちが分母を無視したり、誤用したり、使いすぎたりする傾向を示す。 複雑な全体の一部分だけを測定することの危険性は、第5章で論じる。

2021-09-21 15:49:36
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第6章では、異なるものを単一の測定値にまとめることで私たちが欺かれる様子を論じる。病気を死者数で評価すると全体像を見失う。地図に情報を組み込むと実際に起きている現象を誤解する。

2021-09-21 15:54:25
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第7章では、測定に対する執着が深刻な結果をもたらした例を見る。多くの組織で測定はそれ自体が目的となり、組織の本来の目的が数字ゲームの中で失われる。多くの指導者が最終的に数字に固執した様子を示す。数字に固執したのは、定量化できない混乱した世界に対処できないか、したくなかったからだ。

2021-09-21 16:08:39
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組織が数字ゲームに没頭することで悲惨な結果をもたらした2つの事例(ニューヨーク市警察とベトナム戦争における米軍)が取り上げられている。  今の日本ならば、さしずめ、このワクチン担当大臣が脳裏に浮かぶ。😱lite-ra.com/2021/09/post-6…

2021-09-21 16:16:55
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第8章では、まず、評価指数が変化を促し、人々を動機づけるという考え方を検証する。評価指数と報奨が不適切に使われた場合に、実際には人々の意欲を削ぎ、逆効果となるアウトカムをもたらす可能性があることを検証する。  この章では続いて、GDPに対する批判を検証することで、

2021-09-21 16:24:48
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評価指数の欠陥が、指標自体ではなく人々の使い方に起因していることを示す。多くの評価指数がGDP同様、当初意図されたようには使われていない。さらに重要なこととして、GDPの開発者から学ぶべき教訓がある。「何かを測ることができるからといって、それが重要だとは限らない」という教訓だ。

2021-09-21 16:30:09
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第9章では、評価指数を用いる理由を再検討する。私たちが評価指数を使う動機となる複雑性、客観性、確実性、信頼と、そうした要素がそれぞれの形で、評価指数が本来奉仕するはずだった目的自体を損なう様子を検討する。

2021-09-21 16:33:54
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単純性、客観性、確実性、信頼に対する願望が、評価指数を有用な道具から忌まわしいキメラに変身させる可能性があることを検証する。また、この章の後半では、読者が評価指数を用いる際に役立つ14の教訓を示す。

2021-09-21 16:42:37
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最後の第10章では、カーン・アカデミーという組織を取り上げ、評価指数を見直すことで効果的に方向転換した様子を見る。サルマン・カーンが、「学校で生徒を試験するのはなぜか」という素朴な疑問を考え直すことで、教育に対するまったく新しい手法を開発することができた様子を語る。

2021-09-21 16:45:47
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この章では、評価指数が私たちの主人ではないことを再確認する。  本書で重視するのは次のような問いだ。そのデータは分析する価値があるのか? 測定に値するものなのか? 指標自体は完全に正確であったとしても、その指標が、測ろうとしているものの全体像を的確に捉えているとは限らない。

2021-09-21 16:50:50
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努力と結果を、強度と大きさを混同していないという保証もない。正確な測定値は、適切な測定値とは別のものだ。そのことが忘れられている場合があまりに多い。   「私たちは適切なものを測っているだろうか?」 「私たちが測っているものは本当に重要なのか?」

2021-09-21 16:56:00
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p.21 第1章 特別試験対策 ~グッドハートの法則と評価指標に関するパラドックス #共通一次 p.23 学校が共通基礎プログラムとそれに伴う助成金制度を採用している場合、学校が受け取る助成金の額は試験の点数によって決定される。

2021-11-17 10:04:50
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教育委員会もプレッシャーを受ける。地区内の学校の成績が生徒や寄付金を集めるのに影響するからだ。州議会議員、教育局長、知事から州議会議長に至るまで、教育改善を求めるプレッシャーにさらされる。この場合の教育改善とは、「試験の点数が低いなら高くしろ」という安易な要求であることが多い。

2021-11-17 10:17:13
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問題なのは、多肢選択式の設問がとりわけ多く、時間制限があり、非常に重要な位置を占める共通試験が、生徒の理解や能力を測定するには不十分である点だ。おまけに共通試験は学習を阻害している。  問題は、多肢選択式の設問の利点がすべて試験の採点を楽にするためのものであって、

2021-11-17 10:30:17
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この試験方法が学習の習熟度を適切に反映するかどうかとはまったく無関係な点である。  ブルース・C・バワーズは次のように述べている。  共通試験の目的は、大勢の生徒をできるだけ効率的に振り分けることだ。試験が短答式や多肢選択式の設問で構成されていると、書く、話す、演ずる、絵を描く、

2021-11-17 10:40:04
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ものを組み立てるといった、学校で教えられる、あるいは教えるべき技能が、自ずと副次的な位置に追いやられる。  多肢選択式設問は生徒の短期記憶の能力を測定するものにすぎない。それは生徒に自ら答えを考えさせるという要素も欠いている。

2021-11-17 10:46:24
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多肢選択問題は生徒の短期記憶の能力を測定するものにすぎない。生徒が教科書の特定の記述を読み、記憶しているかどうかを問うものだ。多くの子どもが教育システムに幻滅し混乱するのも無理はない。

2021-11-18 09:48:55
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多肢選択式の設問には、明確な選択肢を示すために題材を簡略化するという性質がもともと備わっている。設問を作成する過程で、あらゆるニュアンス、複雑さ、創造性、多様性がテーマから失われる。個人差や文脈を踏まえて議論すべきテーマが、画一化された解答にまとめられてしまう。

2021-11-18 09:49:54
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「バナジウムの元素記号は何か?」これに対する反応は次のどちらかだ。「どうでもいい」か、化学者なら「忘れたら机の上の周期表を見ればいい」というものだ。これが共通試験のもう一つの欠点である。採点が簡単というだけの理由で、何の役にも立たない設問が含まれることが多い。暗記のための暗記だ。

2021-11-18 10:00:33
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こうした設問で理解力や仕事に対する準備具合を評価することはできない。上司に「おい、バナジウムの記号は何だ?」と聞かれて、答えを知らないとクビになるとすれば、これほど馬鹿げたことはないだろう。こうした設問は一つとして有用な知識を評価していない。

2021-11-18 10:06:30
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元素の周期表を覚えるよう求めているだけだ。この設問に、覚えているかどうかを確かめる以外の如何なる価値があるだろうか。  時計の針が進むにつれて不安が高まると、正しく答えるのではなく、速く答えることが優先される。時間制限のある試験では、知識と学習が暗記と即答に置き換えられてしまう。

2021-11-18 10:16:19
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ネット社会で暗記が役立つかは疑問だ。外科医やアスリートを除いて、問題に即座に対応することが必要な職業がどれほどあるだろうか?アルフィー・コーンが問うたように、同僚に助けを求めることはどの程度禁止されているのか?仕事に関する情報へのアクセスが禁じられている仕事がどれほどあるのか?

2021-11-18 10:28:17
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職場からマニュアルを排除した会社では、まともな仕事などできないはずだ。  時間制限のある多肢選択式の統一基準試験が何のためかといえば、真の目的は生徒の選別と順序づけだ。SAT、GRE、GMAT、MCAT、LSATといった共通試験の第1の目的は、誰がどの大学に受かるかを判断するために生徒を順位づけする

2021-11-18 10:38:36
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ことなのだ。そのための最も費用対効果が高い(つまり安上がりな)方法が試験の活用なのだ。試験は、生徒の能力や可能性を正しく評価する道具ではなく、「子どもにレッテルを貼り、無理矢理分類し、将来を限定する」道具なのである。

2021-11-18 10:43:56
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全員が満点を取るような試験は難易度が足りず、できの悪い生徒をふるい分ける判別能力も不足している。しかし、すべての生徒がすべての試験で満点を取ることを期待してはいけないのだろうか?それこそが教育の目的であり、その科目を学ぶということではないのだろうか?

2021-11-19 09:56:33
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大学が入学させたいのは、クラス最高の成績を収めて将来のキャリアでより成功しそうな生徒だ。これは、高等教育に投じる資源を最大の効果をもたらす生徒、つまりこの試験社会で試験に最善を尽くす生徒に与えるべきという考え方だ。

2021-11-19 09:57:21
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これこそが共通試験を推進するテスト業者、学校の管理職、政治家によって何度も繰り返されてきたメッセージである。  ここで、衝撃を受けそうな事実がある。共通試験の成績と大学における成功の間には、ほかの要素の影響を除去するとほとんど相関がないのだ。

2021-11-19 10:04:01
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MCAT(医大入試)のような試験は、学生が臨床研修ローテーション、インターンシップ、研修医といった医科大学の実際面でどれほど優秀に振る舞うかを予測することはほとんどできない。SATも同様だ。共通試験でよい成績を残した学生が卒業後によい成績を上げるわけでもない。

2021-11-19 10:12:28
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試験の点数と職場での成功の間にはほとんど相関がないのだ。ほとんどの職場で、最も有能な社員とは多くの事実を真っ先に思い出せる人ではなく、最善の決断を下せる人なのだ。特定の事実を限られた時間内に思い出す技能は、人々が容易に情報にアクセスできる場合、ほとんど役に立たないのである。

2021-11-19 10:19:23
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ピーター・サックスはこう言った。「共通試験の高得点は、共通試験で高得点を上げる能力をうまく予測できる」。  大学入試や奨学金の認定、将来の仕事のために生徒を選別できる「客観的」な基準をつくるなかで、学習の本来の目的は失われてしまった。

2021-11-19 10:25:18
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学校は試験準備センターと化し、試験の解答方法を教えることに意図的に注力し、学んでいる内容を本当に理解させることはない。共通試験は生徒に間違ったメッセージを送る。  新しい発想を学び、問題解決の方法を見いだし、この世界がどのように機能し、互いに調和するかを理解するなかで得られる驚き

2021-11-19 10:32:07
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畏怖、好奇心はすべて削ぎ落とされてしまう。  試験でよい点を取ることに対するプレッシャーが高まると授業が変質する。教師は、授業の焦点を、学ぶことから、試験でどのようにうまく解答するかに移し始める。つまり「試験対策」を始めるのだ。

2021-11-19 10:38:03
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探求心旺盛な生徒は、本当の学びにはほとんど興味を示さない生徒に試験で打ち負かされるのである。試験が子供たちに教えるのは、学校とは問題の解決策を見つける場でも、新しい概念を理解する場でも、私たちが暮らす素晴らしい世界の一面を発見する場でもないということだ。

2021-11-20 09:50:52
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試験が子どもたちに教えるのは、学校とは役に立たない事実を丸暗記し、試験のための詰め込み勉強をし、紛らわしい設問にひっかからないようにする場だということだ。学びにおけるあらゆる驚異、体験、発見は、暗記することのストレス、空しさ、無意味さに取って代わられるのである。

2021-11-20 09:51:56
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生徒は本物の学びを犠牲にして教えを受ける。教師は試験の点数が高くなるように学級編成に手をつけ始める。その教科を不得意とする生徒は、戦略的にクラスから排除されるのだ。試験の成績が悪い生徒は補習クラスに追いやられて点数計算から除外される。

2021-11-20 09:52:40
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共通試験は学校に何をもたらしたのだろうか? 共通試験は手始めに、授業の重点を本当の学びから丸暗記に移した。そうすることで、仲間よりも深いレベルでものごとを考える生徒を疎外、排斥した。選ばれたわずかな者だけが先に進めるようにした。

2021-11-20 09:59:20
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問題は、そうしたわずかな者が必ずしもほかの生徒より賢いとか能力があるとは限らない点である。彼らは試験が得意なだけなのだ。共通試験が学校に及ぼしたこれらすべてのことには一貫した共通項がある。真の学びを損なうということだ。

2021-11-20 10:03:39
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生徒の選別に重点を置くことで試験は歪んだ道具となり、単純化された思考を称え、本物の理解を阻む。試験は学びの対極に位置するものとなったのである。  評価指標は、単に簡単だからという理由で選ぶべきものではない。測定を簡略化することで、測定が適切に、重要に、有用になることはないのだ。

2021-11-20 10:09:50
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試験は学校を変える。だが、試験のために学校を変える必要はない。評価指標への盲目的な執着や追従は私たちの行動を歪め、意図したものと逆の結果を招きかねないのだ。大きな見返りがある試験では、教師が不正行為を始めることさえある。

2021-11-20 10:16:12