① 原作背景➁ 教材化採録の問題点③ 用語言語の操作性
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花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

スイミー教科書版 [素呟1] ① 原作背景 (文章・ヴィジュアル・思考の様式) └a) あおくんときいろくん └b) スイミー ➁ 教材化採録の問題点 └c) 各国語訳と谷川(日本語)訳の差異[←a] └d) 解釈の差異[←b] ③ 用語言語の操作性 └e) アフォーダンス └f) U理論 └g) 責任という虚構(小坂井), etc. pic.twitter.com/fdGm16FhZK

2023-07-05 13:03:25
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① 原作背景 Leo Lionni が始めて絵本 "piccolo blu e piccolo giallo"(1959) を出したのは49歳で、アムステルダムのユダヤ系出自の彼は、それまでに人種差別法公布(1939)によりミラノからアメリカへ、共産主義者取締法(1954)後に万国博覧会展示取消事件を経て、60年にイタリアへ戻ります。 pic.twitter.com/H7Q49oLp6B

2023-07-05 15:01:01
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それまで広告の世界でアートディレクターとして生きてきた彼は、「スペースにイメージをレイアウトすることにより起こる心理的な意味や、イメージの動きから生まれる視覚的な緊張感」などの視覚的なアイデアを具現化する手法を確立しつつありました。 artexhibition.jp/topics/news/20…

2023-07-05 15:01:42
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美術大学などで、「点」を使って感情や言葉の意味を空間の中で表現するというワークショップをよく行いました。  言葉と結びつけて、空間の中に点を配置するだけでも豊かな表現ができること、イメージを用いて「メッセージをきちんと伝えること」を説いています。 pic.twitter.com/l6PRns7Hsa

2023-07-05 15:03:27
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作品を制作することは社会的、政治的メッセージを発することに等しいと、レオは書いています。アーティストはこの重要な役割の重さをしっかり自覚する必要があると。 pic.twitter.com/tIJCISwuZ5

2023-07-05 15:09:51
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1958年、ベルギーのブリュッセルで戦後初の万国博覧会が開かれ、アメリカはメインパヴィリオンの他に、"Unfinished Business"というテーマの小規模な特設パヴィリオンを企画、レオはアートディレクターとして建物から展示内容まで深く関わりました。 pic.twitter.com/WNycetZqA3

2023-07-05 15:17:56
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第3部の「望まれる未来」の建物に展示されたのは、肌の色も様々な7人の子どもたちが手をつないで輪になり、マザーグースの "Ring-a-Ring-o'Roses" を歌う様子を捉えた写真作品でした。しかし、この写真が開催前から米国南部の一部議員の間で問題視されました。 pic.twitter.com/iZovEEcWWe

2023-07-05 15:28:59
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人種の異なる子どもたちが一緒に遊んでいる様子が、アメリカの望ましい未来の象徴とされたことへの違和感が表明されたのです。その結果、パヴィリオンは1度一般公開されたものの、3週間後には政治的圧力により閉鎖されてしまいます。 pic.twitter.com/43Mak5dMwx

2023-07-05 15:38:17
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その後、子どもたちの写真の前に「この写真がアメリカの求める未来ではない」という注意書きをつけるなどの手直しをした上で、試験的にガイドツアーでの公開のみが承諾されました。しかし、これも数日で終了し、まもなく全く異なる展示に差し替えられてしまいました。publishersweekly.com/pw/by-topic/ch…

2023-07-05 15:59:02
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後年、孫娘アニー・レオーニ氏は、"Publishers Weekly" で、レオの「未完成の仕事」は、「あおくんときいろくん」を作ることでようやく「完成」したのではないか、と述べています。 『だれも知らないレオ・レオーニ』森泉文美, 松岡希代子, 玄光社, 2020.9.10 (pp.172-3) pic.twitter.com/WDzZHfuLsE

2023-07-05 16:05:07
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レオは書体にも強いこだわりを持ち、さらにメッセージをきちんと伝えるためには文章とイラストレーションの明確な一貫性が大切だと考えていました。 「本にとって重用なのは文章の様式とヴィジュアルの様式、そして思考の様式がみな同じレヴェルにあるということです」

2023-07-06 00:42:42
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「まったくフロンタルで、あおくんがまん中にいて、まずかれが紹介される。友だちがたくさんいる様子を表すための〈たくさん〉という概念は、〈ランダム〉な概念だからきちんと並べて数を決めてしまうのではなく、デザインも〈ランダムネス〉を表現するものになっていないといけない」

2023-07-06 00:48:16
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手でちぎることによって〈生命を与えられた〉ちぎり絵、裁ち落としによる空間の広がり、形だけを1色の空間に配置することによって醸し出される三次元性などが利用されています。

2023-07-06 00:53:15
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So often there are doubles in Leonni’s work. And with each pair, there is curiosity about the other. Wishes and imaginings and often coming back to being content with who they already are. thispicturebooklife.com/leo-leonnis-pi…

2023-07-06 00:55:59
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(p.194) レオの4冊目の絵本スイミーで、一番多くページが割かれているのはスイミーが海の中を泳ぎ回り、その世界の美しさを味わう場面なのです。これは自分が生きている世界の美しさ、すばらしさを知ることの大切さを伝えています。youtu.be/ZUKJjVXT0Ko

2023-07-06 01:15:35
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そのことはスイミーが感じている恐怖や好奇心などが黒目のちょっとした変化で巧みに表現されていること、ページをめくるたびにスイミーと一緒に物語をどんどん泳ぎ進んで行くような動きのある構成からも伝わります。  最も大切なことは、主人公が自らの意志で行動する異質な存在だということです。

2023-07-06 01:21:26
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ドキュメンタリーでレオは、「この黒いおさかなはアーティストみたいじゃない?」と問いかけています。 「子どものための絵本の作者は、他の人のために〈見る〉責任があります。作者は美しさと意味を明らかにする使命を持っています。よい絵本は両方を有していなければなりません」

2023-07-06 01:29:10
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ものを作る人間としての覚悟のようなものが、フレデリックやスイミーにみてとれます。 (p.195) レオにとっての絵本作りは、一貫して子どもたちに自己肯定感を与え、希望を伝えるためのものでした。友情の大切さ、異なるコミュニティの人と仲良くすること、障害を乗り越える力、戦争と平和、

2023-07-06 01:35:17
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自分で考えることの大切さ、そして、生きている世界の美しさを味わうこと。絵本の中ではねずみやカエル、魚やワニなどのユーモラスなキャラクターたちがレオの伝令役となって動き回り、そうしたメッセージを伝えています。

2023-07-06 01:44:32
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『フレデリック』の最後の部分は、英語版では、"I know it." ですが、イタリア語版では、レオは自ら手を入れて、「ぼくは拍手はいらない ほかの人にもしない それぞれがじぶんの仕事をしているだけさ」と孤高なアーティストの姿を強調する形に変更しました。youtu.be/G0xiT4VGdYM

2023-07-06 02:57:43
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のねずみたちは ばかな きつねや まぬけな ねこの はなしを しあった みんな ぬくぬくと たのしかった ・・・・・・・✂ おしゃべりを する きにも なれない ・・・・・・・✂ 「きみが あつめた ものは いったい どう なったんだい フレデリック」 みんなは たずねた #twitter終了 pic.twitter.com/PaomInJnaj

2023-07-06 03:26:47
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そして みんなは ティリーの ほった トンネルを とおって むこうがわが どんなか みにいくことに きめた いっぴき また いっぴきと、 みんな ティリーに つづいた #Threads #メタバース youtu.be/X5W4aVbqLQ8

2023-07-06 03:41:17
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『あいうえおのき』はヴェトナム戦争反対のメッセージ、『どうするティリー?』はベルリンの壁崩壊、『みどりのしっぽのねずみ』は1つのイデオロギーに染まることの恐ろしさ、『ぼくのだ!わたしのよ!』は争うことで失われるもの、『6わのからす』はコミュニケーションを取ることの大切さ。 pic.twitter.com/CiodFLsJML

2023-07-06 03:51:49
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『ペツェッティーノ』『じぶんだけのいろ』『さかなはさかな』は、主人公の自分探しの旅がテーマ。『あおくんときいろくん』も最後には自分は自分であり、独立した個である、ということが大きな喜びを持って語られています。 pic.twitter.com/5jh8eI7h42

2023-07-06 04:00:25
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『チコときんいろのつばさ』では、最後にチコが「かんじることやかんがえることは、みんな それぞれ ちがうはず。 おもいでだって みる ゆめだってちがうんだもの」と語ります。youtu.be/EMoKKXzLsow

2023-07-06 04:18:11
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しかし、その一方で孤独だったカメレオンが一緒に変色する仲間を見つける物語『じぶんだけのいろ』にもレオの姿が重なって見えるのです。レオ21歳、ノーラ19歳で結婚した2人は、生涯に渡って行動を共にしました。youtu.be/Y8rab-HcTN0

2023-07-06 04:25:35
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ここでもう一度、『あおくんときいろくん』に戻りましょう。 2015年に、同書が「学校では扱うべきではない」ジェンダー問題に触れていることを理由にヴェネツィアの保育園や幼稚園から撤去される事件が起きました。

2023-07-06 04:45:08
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これはこの作品が人種だけではなく、ジェンダーにおける平等についても描かれているという解釈が可能だと逆説的に教えてくれます。(イタリア語でも英語でも、あおくんときいろくんの性別はどちらも男の子なのです。)

2023-07-06 04:54:26
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

最後から2番めのページにはアフリカ系アメリカ人の肌の色と、白人の肌の色を表す2つの破片がそれとなく一緒に並んでおり、これもペルシコ的な「行間」を用いた発言だと言えます。  レオにとって、「描く」ことは「書く」ことに等しかったのです。 pic.twitter.com/fAGF2vwSRX

2023-07-06 04:58:26
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色が違うにもかかわらず仲良しの2人は「色彩」という概念を通じて、人間の肌の色の違いも、単なる色の違いでしかないことを教えてくれています。  変革は日常における私たちの心の持ちようから、どんなに小さな行為でも、社会を作り上げるモザイク全体につながり、影響を与えることが必ずできると。 pic.twitter.com/5OVIv1GcPi

2023-07-06 05:08:56
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花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

クーパー・ユニオン大学卒業生へのスピーチ(1991.5.29)  「ものを作る」ことは、自分の考えを表明することに等しいのです。自分たちの作るものを通して、1つのモラルを明確に伝えるということは、とても大切なこととなり、しかも緊急を要する行為となっているのです。

2023-07-06 05:19:32
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

地球全体と人間の命が、言葉と戦争を作り出す人々……弁護士と軍人たち……の手中にある今現在ほど、僕らの作るものが社会的、政治的メッセージを持つのだということを自覚することが大切です。

2023-07-06 05:26:13
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

独りよがりなテイストや、知的な自己満足のみに基づいた、気まぐれな戯れを通してこの責任から逃れようとすることは、ものを作る者としての責任を放棄することなのです。(p.205)

2023-07-06 05:27:24
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(p.101)  「私は絵を描くのが大好きですが、それはものを見る方法を学んだからできることなんです。  ものを見る、ということは、ものごとの中にある意味を読み取ることです」 twitter.com/chie69art/stat…

2023-07-06 21:51:37
千瑛-chie- @chie69art

これだけは全人類に知っててほしいです。私達画家やイラストレーターさんなどは、線に命をかけて描いてます。その線には今までの経験や知識や技術が詰まってます。そしてその線でお金という対価を頂き生活しています。 色を変えるだけ、構図を変えるだけ… その「だけ」に何十年もかけてきてるんです!

2023-07-05 18:35:54
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

(p.127)  レオは実物を見ずに、鉛筆で描く精密なドローイングを得意としていました。見たものを脳内にストックし、その記憶をもとに描く技術は、幼い頃の修練によって身につけました。「記憶」というフィルターを通すことにより、レオのファンタジーが付け加えられています。twitter.com/chie69art/stat…

2023-07-06 22:01:56
千瑛-chie- @chie69art

どうかそのことを知ってて下さい。 10分で描いた絵は、10年の積み重ねがあって10分で描けるようになったと言うことを。 鮮やかな色彩には、モノクロの美しさを理解した上での色の使い方があるのだと。そしてその色彩感覚もまた日々感性を磨いた賜物だと言うことを。 どうか、全人類知ってて欲しい。

2023-07-05 18:35:55
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

レオ・レオーニの『6わのからす』で仲裁するふくろうを思い出します🦉 「はなしあいに、ておくれはないよ」 「ことばには まほうのちからがある」  最後にウインクするふくろうは、"Owl at night"(1996) の表情に似ていますね💕twitter.com/ktos_tw/status… pic.twitter.com/rDPbdXqbwR

2023-07-13 13:46:44
シギサワカヤ @ktos_tw

君たちはどう生きるか…その問いかけについツイートをしてしまう我々… pic.twitter.com/vKJ1i3hkHQ

2023-07-12 20:35:33
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➁ 教材化採録の問題点 └c ) 各国語訳と谷川(日本語)訳の差異[←a] [参照 : 『第三項理論が拓く文学研究/文学教育 小学校』田中実, 須貝千里, 難波博孝編著, 明治図書出版, 2023.2. pp.41-70] [『絵本「あおくんときいろちゃん」の翻訳を めぐって』 高鷲志子 pdf : bing.com/ck/a?!&&p=86cb… ] pic.twitter.com/5Xh2iU81EX

2023-07-13 13:49:21
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『スイミー』の教材化に伴う問題点については、既に先行文献がある。 ▪ 有働玲子「教材「スイミー」の指導の一考察~挿絵の意義について~」『解釈』2012.5・6月号 ▪ 横山信幸「何が問題か「スイミー」を読む自分らしさとの出会い」 ▪ 庄司たづ子「『語り合う文学教育』2009.2月を読んで」

2023-07-15 14:26:34
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作品の成立にとって極めて重要な要素を削り落としてしまうような採録の仕方についての批判である。  絵の可能性や力を前提にした作品が『スイミー』である。  魏敏は「『スイミー』の翻訳と作品解釈の差異」で、原作の主題は、「SEE」と「THINK」という発見・思考にあり、

2023-07-15 14:35:14
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個性を生かすことはもちろん大事だが、それよりも自発的で積極的な体験や行動によって自己認識を形成していくことに重点があると述べる。こういった主題の捉え方のズレは翻訳者から読者まで伝わっていく。  原作の主題であると考えられる「自らの行動(発見・思考)による自己認識の形成」を、

2023-07-15 14:40:50
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スイミーが個性を生かして困難を克服した成長物語に変えたところは検討されるべきという魏の指摘は重要で、谷川訳にそのまま従うだけでは見えてこない問題への注目を改めて要請させる。  元フィンランド駐在外交官の北川達夫は、「協力することの大切さ」という日本の子どもたちの反応に比べ、

2023-07-15 14:48:07
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フィンランドの子どもたちは「集団には指導者が必要だ」という意見が多いという。「では、スイミーは優れた指導者だろうか」と問うと、「無謀な指導者だ」という意見が多く、「外の世界は楽しいよ、なんて軽薄な理由で、全員の命を危険にさらしたから」というのがその理由だという。

2023-07-15 14:51:53
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

2つの国の子どもたちの〈読み〉の相違には国柄の違いがあるのは無論だが、翻訳の問題点もそこに伏流している。 ⭕〈一致団結〉思想の問題 〈みんなで協力すれば、怖い敵にも打ち勝てる〉といった集団の協力を『スイミー』から読み取るあり方は、実践報告などにも表れている。

2023-07-15 14:59:09
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佐々木俊幸は「この作品の主題・思想は、「小さくて数は多いが弱いもの」が力を合わせることによって「大きくて数は少ないが強いもの」に打ち勝つという図式に凝縮されている」と述べる。  〈みんなで協力することの大切さ〉という、一見抗い難い〈教え〉を読み取ってしまう🖍️徳目主義的読解傾向には

2023-07-15 15:05:29
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

強く反対の意思を表さねばならない。  作品の価値を貶め、同調圧力を強化し、悪しき全体主義へと導く誤った学習を誘引しかねないとの危惧を払拭しきれないからである。twitter.com/chokusenhikaem…

2023-07-15 15:14:08
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

ある種のバッタは、群れ化すると個体の性質まで凶暴に変わる「相変異(そうへんい)」を起こすという。「同じように、日本人は100年前、集団で規律正しく暴走したんです」  同調圧力と忖度の強い日本では、この力学が明らかに働きやすいと僕は思う。特に戦争や災害で不安や猜疑の空気が充満した時に。

2023-07-14 22:23:10
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

『スイミー』という絵本は、むしろそういった集団化に伴うある限界性、危険性のほうに読者の目を向けさせる点に、その傑作性が存する。twitter.com/chokusenhikaem…

2023-07-15 15:17:36
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

【有料記事プレゼント‼️ 7月15日 21:56まで全文お読みいただけます】 (いま聞く・森達也さん)  朝鮮人差別、部落差別、社会主義者の弾圧……と要素は複層的だが、焦点は何より、ごく普通の市井の人々が「加害者」と化す過程だ。 digital.asahi.com/articles/DA3S1…

2023-07-14 22:21:17
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

『スイミー』は最初に谷川訳で出版された時、副題に「ちいさなかしこい、さかなのはなし」と付けられていた。現在の教科書収録本にこの副題は見当たらないし、もちろん原本にもこの副題はない。  原文にないこの副題には訳者の意図が刻まれている。

2023-07-15 15:22:05
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

谷川が読み取った「かしこい」あり方とは何か。恐らくは物語の末尾、巨大な魚に変身しその「目」に自らがなることで、正に〈画竜点睛〉としてこの話が完成すると読み取ったのではあるまいか。  だが、果たしてそうだろうか。前引の実践報告に表されるような〈みんなで協力することの大切さ〉

2023-07-15 15:27:11
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

〈仲間と力を合わせ団結すれば、どんな敵にも打ち勝てる〉といった類の読解が前面にせり出されてしまう原因の1つに、谷川のような〈読み〉の問題が隠されているのではないか。  原作の主題は、「SEE」と「THINK」という発見・思考にあり、個性を生かすことはもちろん大事だが、それよりも

2023-07-15 15:33:49
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

自発的で積極的な体験や行動によって自己認識を形成していくことに重点があると感じられる。  「きょうだい」たちを「まぐろ」に一瞬にして食べられるという悲劇に見舞われ、哀しみと寂しさを抱えてたった一人で海の中を逃げまどうという辛い経験が、「見ること」「考えること」を強く引き出させる

2023-07-15 15:40:12