とあるお屋敷に給仕として働いていたエミル・ソラでしたが、お屋敷の主様に「今よりも、もっと良い環境で働いた方が身の為だと」言われ、野を越え山を越えた先に建てられている風変りな主が住んでいるお城を紹介され、エミルはそのお城へ向かう道中で雇われの女性剣士でもあるユーリエと出会い、共にお城へ向かう事になったのです――。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『多分だけどねぇ~』 「そう、ですか…」 『でもねぇ、この中を探検してくうちにちょーっとだけ思い出した事はあるんだよ。エミルちゃん』 「思い出した事、ですか?」 『ウン、ちょっとついて来てもらってもいいかな』 「は、はい…」

2019-06-14 19:14:36
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

例のお城から1番近い街より少し離れたお屋敷に住んでいるお嬢様と執事を乗せた馬車は急に止まってしまいました。 執事は馬車から降り、御者に「どうかしましたか?」と聞きました所、御者は声も顔も震えた様子を見せながらに言います。#魔法仕掛の城

2019-06-15 20:07:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「本当に、この先に行くのかい?」 「えぇ、それがお嬢様のお望みですから」 執事の後に続き、お嬢様も降り「どうかしたの?」と聞きますが、御者は益々震えあがりつつ、その先を指さして言いました。 「おいおい、冗談はこの先を見てからにしてくれや」

2019-06-15 20:10:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

3人の目の先に見える光景、それは、お城へと続く道でもある森の木々、ほぼすべてが枯れ果てていたのです。 御者は馬車から降り「だから俺は嫌だったんだ!あんな城へ行くなんてよぉ!!」と言い捨て、その場を逃げ去って行きました。

2019-06-15 20:13:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

後に残ったのはお嬢様と執事のみ、今の現状を把握したうえで執事は改めて聞きました。 「本当に、行くのですか?」 お嬢様の意思は変わらずといったところでしょう、何時もと変わらぬ顔つきと物言いで「当たり前じゃない」と返したのです。

2019-06-15 20:15:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

このお城は何時から建てられたのでしょう? 今住んでいる主様のご先祖様が、この地にお城を建て、代々この地を守りながらお城に暮らしていましたが、主様が小さい時に父親が亡くなってしまったのです。#魔法仕掛の城

2019-06-16 20:33:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「この地を守る人が居なくなった城に用はない」 様々な人が口々に言い捨て、やがて、お城に居るのも母親と子供一人、そして使用人が数名となってしまい、時が経つにつれ、次第にお城の存在も忘れられていったのです。

2019-06-16 20:36:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

魔術師の男を助けたお城の主様は、魔術書に書かれている魔術や呪文を次々と覚えていきました。 こんなに早い上に、要領よく覚えるものですから驚きを隠せません。 魔術書も後半の項になりつつなったある時の事でした、男は急に顔色を変え「ここから先は教えられません」と言ったのです。#魔法仕掛の城

2019-06-17 18:47:11
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「一体、どういうことだ」 「主様には申し訳ないのですが…、先日、私は貴方の事を少し見させていただきました」 「私の事をだと?」 「貴方はこの地を奪おうとしていますね、その為に、私の持つ書物で魔術を得ようとし、最も強力な呪文を覚えようとしている…。違いますか?」

2019-06-17 18:50:03
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その話を聞いたお城の主様は「何を言っているんだ、私はそんな事、箕神戸たりとも思っちゃいない」と言いましたが、魔術師の男は「私に誤魔化しは無駄ですよ」と言い叫んだ次の瞬間には主様に向かって呪文を唱えようとしましたが、一歩早く主様が呪文を唱え、魔術師の動きを封じたのです。

2019-06-17 18:53:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

自分がしようとしたことを見事当てられてしまったあお城の主様は、すっかりと顔つきが変わりながらも、魔術師の男に向かって言いました。 「貴方から得た魔術は有効活用させて頂きますよ」 そして、お城の主様は魔術師の男へさらなる呪文を唱え、地下室へ閉じ込めたのです。

2019-06-17 18:58:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

魔術師の男を地下室へ閉じ込めた数日後でした、お城には主様に求婚の申し出がやって来たのです。 その申し出を聞くために姿を現した主様ですが、話を聞く所によると年端も行かぬ少女を嫁に出すと言い出したものですから、主様はどうかしていると言い捨て、すぐに追い払ったのです。#魔法仕掛の城

2019-06-17 22:03:02
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その後、赤髪の魔女を呼び出し、今度こそは怪しまれぬように例の魔術を聞きだそうとはしましたが、それすらも憚れる上に、今度はお城の主様が魔術をかけてられてしまったのです。

2019-06-17 22:12:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

皆さん、お城の主様にかけられた魔術はもうご存知でしょう。 そうです、それこそが『本当の自分の姿が曖昧になる魔術』なのです。 赤髪の魔女はそれ以外にも、お城や周辺の土地を守る為の魔術を唱えたものですから、人に姿も見えぬ存在としていましたが、徐々に魔力も戻り、エミルの前に現れたのです。

2019-06-17 22:14:27
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルに事実を言い残し、再び姿を消しはしましたが、赤髪の魔女は今でもこの地に足をつけ、お城を、そして皆の様子を伺っています。 人影の居ないお城の裏口へ現れ、そっと壁に手を添え、静かに思いました。 ――この城は、彼は崩壊する…。急いでエミル達の所へ行かねば…!

2019-06-17 22:18:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

お城の主様は図書部屋で一睡してしまい、その瞼を開け、顔を上げました。 ――また眠ってしまったか、面目ない…。 そんなことを思いつつ、椅子から立ち上がり、本を書棚へ片づけようとした時でした。今まで見たことが無い、一冊の黒い書物が横目に入り、その書物を手にかけた時でした。#魔法仕掛の城

2019-06-18 20:34:52
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

書物が自ら宙へ浮き、今すぐにでも開けてくれと言わんばかりに左右へ動くのです。書物の上にベルトがかけられているのを外した途端でした『ひゃっはーーー!やーーっと、喋れるぜぇ!!』と書物から大声を発したのです。

2019-06-18 20:39:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

少々驚いた表情を浮かべるものの、主様は「君は一体、何者だ?」とあくまで冷静に聞きますと『俺か?俺は魔力を持った本って所だな』と返します。 「なんだと?」 『ちなみに俺を開いた人限定の願いならば、何でも言う事を聞くっていうアレなのよ!』 「それは本当か?」 『あぁ、そうだよ』

2019-06-18 20:42:36
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

すると、黒の書物がくるくると回りながら様子を見ていると『てかお前、まーた妙な呪文かけられてんなー』と独り言のように言いました。 「まぁ、ある者にかけられてしまった呪いにも似た魔術のせいでそうなってしまった」 『さっきはそれを解く方法を探してたんだろ?』 「見てたのか?」

2019-06-18 20:45:03
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『見てたのも何も、俺はずーっと見てたぜ、主サマ』 「ならば、私の願いはもうわかるだろう?」 『そりゃわかるけど…』 もったいぶるような言い方になり、お城の主様は「どうした」と聞きました。 『お前の場合、もっと重要な事を叶えたんじゃねーのかえ?』

2019-06-18 20:47:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その言葉を聞き、主様の口元が緩みだしたのです。 「どうやら、アナタには隠し事は通用しないらしい」 『んで、お前が叶えたい願いとやら、今一度、聞こうか?』 「この地を、いいや、領土を得る事だ」 『ほうほう、改めて聞くと随分と大層な願いごとだねぇ~』 「今すぐにでも叶えられるのか」

2019-06-18 20:52:36
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『できなくもない、が…』 「何か必要なのか」 『それを頂くにはそれなりの対価ってのが必要なのは、流石のアンタでも、解るよなぁ?』 「何を欲するつもりだ」 『そうさなぁ…、例えば、誰かの魂だな。それも、汚れていないヤツだ。それだけでも十分に行けるぜ?』

2019-06-18 20:56:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

汚れていない魂を持つ者、果たして、そんな人がこのお城の中に居るのでしょうか? 主様はしばらく思案し、やがて、ある人物にたどり着き、宙に浮いている黒の書物を掴んだまま図書部屋を出て言いました。 「いいだろう、その人物に会わせてやる」 『心当たりがいるってのかい』 「あぁ、そうだとも」

2019-06-18 20:59:19
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルは破れた肖像画をじっと見つめており、その様子を見ていた白粉塗りの男は『エミルちゃん、どしたの??』と聞きます。 「私、主様に関しては正直言って分からない事だらけです」 『無理もないよ、会ってまだそんなに経ってないんだもの』 「でも、少し分かった所もあるんです」#魔法仕掛の城

2019-06-19 19:52:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

うんうん、と頭を頷かせながら白粉塗りの男はエミルの話を聞いています。 「それは――」 エミルが続きを話そうとした時でした「見つけたぞ」と声が聞こえ、二人はその声の方を見ますと、そこに居たのはお城の主様だったのです。

2019-06-19 19:56:31
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルの目に捉えた主様の姿は、夢の中で見た黒い生き物にも似ていましたが、その時よりも更に禍々しい姿に見えて仕方がありません。 「主、様…」 「君の隣には、例の魔術師も居るようだが、今は役に立たないだろう。何せ、私が魔術をかけたからな」

2019-06-19 20:03:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ユーリエは白兎を抱きかかえ、城内の廊下を走っていました。 『ユーリエさん、どこに向かってるんですか!?』 「テラスよ!」 『何故です?!』 「ものすごく嫌な予感がしてるからよ!!」#魔法仕掛の城

2019-06-19 21:52:11
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

テラスまでの扉にたどり着いたユーリエは扉を開け、改めてお城の外の様子を見渡しますと、お城までの道のりでもある森の木々は枯れ果て、まるで干からびた大地のようです。 「ちょっとこれ、どういうことなのよ…」 すると、白兎が鼻をひくひくと動かし始めました。 「何かにおう?」

2019-06-19 21:55:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『なんでしょう…、でも、こ…にお…、嗅ぎ…えがあ……です…ど…』 白兎の口は動いているものの、徐々に声が聞き取りづらくなり、ユーリエは「白兎君、大丈夫?」と聞きますが、白兎は『は、…い。ボクは…丈夫で……』と返したのを最後に白兎は一切として喋れぬ、元の白兎に戻ってしまったのです。

2019-06-19 22:00:29
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「それにしたって、ここの森はどうなっているのかしらね」 「確かに、辺りの木々がこんなに枯れているとは思いもしませんでした」 何時もと変わらずの会話をしつつ、お屋敷のお嬢様とその執事はお城までの道のりを歩いています。 「一体、何が起きているんだか…」#魔法仕掛の城

2019-06-20 20:41:25
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「さぁ、流石に私にも見当がつきませんですな」 二人はそれ以降黙ったまま歩き続けたのち、ついに枯れた森を抜け、お城の門までたどり着いたのです。 「お嬢様、今一度確認いたしますが――」 「手短にお願いね」 「本当に行かれるおつもりですか」 「勿論よ」

2019-06-20 20:47:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「君に会いたいと思っていたよ、エミル」 「私に、ですか?」 「あぁ、そうだとも」 お城の主様の喋り方は、どんな姿に見えようとも最初に会った時から一切として変わりません。しかし、エミルの目に見える今の姿では、恐怖にも似たモノを感じ、思わず後ずさりをします。#魔法仕掛の城

2019-06-20 22:21:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その姿を目の当たりにし、お城の主様はフッと短く吐いた後に言いました。 「どうやら、今の私は君にとっては近づき難い姿に見えるようだが、…今の私は君を必要としているんだ、何故だかわかるか?」 エミルは何も喋らず頭を横に振ります、その姿を見た主様は真っ直ぐとエミルを見据えて話を続けます。

2019-06-20 22:30:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「君は私の願いを叶える為の鍵となる存在だからな」 「私が、主様の…?」 「だから私の元に来てくれないか、エミル?」 お城の主様が話しかける度に、エミルの意思は徐々に遠のき、まるで、闇の中にある一つの光に誘われるかのように歩み寄ろうとしています。

2019-06-20 22:36:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ユーリエは白兎を逃がす為、お城の入り口に向かい、抱えていた白兎を地面に下ろしました。 「さぁ、君は元居た場所にお帰り。これ以上、こんな所に居てはいけないわよ」 白兎は不安そうな表情を浮かべ、ユーリエはその顔を見て言います。 #魔法仕掛の城

2019-06-21 18:40:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そんな顔しないでよ、白兎君。短かったけど、君と一緒に居れた時は物凄く楽しかったんだから」 そう言いながら頭を撫でていると、白兎は「これからどうするんですか?」とでも言いそうな顔でユーリエを見るものですから「ちょっと奥の様子を見てくるだけよ」とユーリエも何時ものように答えました。

2019-06-21 18:43:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

赤髪の魔女が城内へ入るや、その視線の先に居たのは一人の剣士と白兎でしたが、剣士の真上の天井が崩れそうな事に気づき、魔女は口早く呪文を唱えれば、天井の瓦礫は空中で止まり、そのまま二人の頭上を避け、少し遠くの所へ置いたのです。#魔法仕掛の城

2019-06-21 22:18:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

何が起きたのか二人にもよくわかっていない所がありましたが、女性剣士は赤髪の魔女に「あ、ありがとう…」と返しました。 「いいえ、それよりも……エミルは何処に居るかご存じで?」 「いいえ、ってかアナタ誰?なんでエミルの事知ってんの??」

2019-06-21 22:22:36
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「細かい事は後で話しますが……」 赤髪の魔女は、白兎を見て聞きます。 「アナタにも協力させてもらいますが、いいですか?」 当の白兎は頭を縦に振らせていますが、女性剣士は「でも、この子はただの兎よ。さっきまでは喋れたけれど…」と返します。

2019-06-21 22:26:04
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「それ位ならば、お安い御用です」 赤髪の魔女が一つの呪文を唱えれば、白兎は元の姿を通り過ぎ行き、人間の姿になったのです。 『ボク、また元の姿に戻りました!』 「これで準備は整いましたね」 「何これ、え?アナタ本当に何者なの?」 コホンとわざとらしい咳をし、改めて二人を見て言いました。

2019-06-21 22:29:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「私は、魔女です」 『「ま、魔女ォ?!」』 「最も私は、この地に古くから居る存在でもあり、この城に住んでいる主に魔術を教え、主に呪いの魔術をかけました」

2019-06-21 22:32:57
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「ちょちょちょ、ちょっと待って!いきなり現れて、かなり重要なワードを言ってるみたいだけど、正直言って私ついて行けてないわよ?!」 「無理もありません、ですが、今は一刻を争うのです」

2019-06-21 22:35:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「つまり、アナタは元々ここら辺に住んでた魔女な上に、主サマに魔法を教えて、更にはあんなどえらい魔法かけたって事で大丈夫?」 「えぇ、細かい事は色々とありますが、大体はそれで大丈夫ですよ」 『じゃあ、なんで森があんな風になったとかはご存知なんですか??』 #魔法仕掛の城

2019-06-22 22:40:35
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「あれはきっと、彼と土地の魔力低下が原因だと思われます」 それを聞いたユーリエは、思い当たるような光景を思い出していました。 『ユーリエさん?』 「何か、思い出した事でもあるんですか?」 「えぇ、主サマがテラスに生えてる枯れかけた草花に呪文唱えてたのよ、でも、結局は枯れてたけどね」

2019-06-22 22:47:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ユーリエに白兎、そして赤髪の魔女の三人は急いでエミルの居る場所へ向かっていた時でした、赤髪の魔女が二人より先に前へ出てその足を止めたものですから、二人は急ブレーキをかけるように足を止め「どしたの?」とユーリエが聞いた時でした。

2019-06-22 22:49:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「誰か来ます」 『誰か?』 「私達以外誰も居ないと思うけど…」

2019-06-22 22:49:32
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「もし、そこのお二方」 赤髪の魔女が声をかけますと、背が高く身なりも整った男性がコチラを振り向き「私たちになにか御用でしょうか?」と聞いてきました。 「アナタ達は何者です?第一、この場所へは何用でやって来たのです?」 #魔法仕掛の城

2019-06-23 21:06:12
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

すると男の隣に居た、これまた身なりが良い女性が「私は元婚約者の姿を拝見しに来ただけよ」と答えたのです。 「『婚約者ァ?!』」 ユーリエと白兎は同時に驚きの声を上げましたが、白兎は直ぐに『コンヤクシャって、なんです…?』とユーリエに耳元で小さな声で聞きました。

2019-06-23 21:09:08
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「あー、つまりこの人と相手の男の人が結ばれることを予め約束する…的な感じ、かしらね」 『ほうほう…』 この説明で白兎が納得している姿を見て「この子、本当に人間じゃないのね」とユーリエは思う所である一方、赤髪の魔女と向こう二人の会話は続いていました。

2019-06-23 21:13:46
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「婚約者とは、まさか…」 「えぇ、このお城の主でしてよ」 女性がハッキリと答えた声を聞いた時、二人は益々驚きの表情を見せますが、赤髪の魔女は言いました。 「アナタ方はココが危険なのを承知で来たのですか?!」 「私も止めはしたのですが…」 「興味本位よ、人間誰だって持つものでしょう?」

2019-06-23 21:17:16
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。