とあるお屋敷に給仕として働いていたエミル・ソラでしたが、お屋敷の主様に「今よりも、もっと良い環境で働いた方が身の為だと」言われ、野を越え山を越えた先に建てられている風変りな主が住んでいるお城を紹介され、エミルはそのお城へ向かう道中で雇われの女性剣士でもあるユーリエと出会い、共にお城へ向かう事になったのです――。 (※連載当時のまま掲載しているので、誤字脱字があります)
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伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミル達が居るお城から1番近い街より、少し離れた場所に建つお屋敷に住むお嬢様は、今日も机の上に置かれているある物を眺めながら「あらまぁ、これは面白いことになって来たわね?」と独り言を呟きました。 ――やはり、あの子に例の首輪を贈って正解だったわね。#魔法仕掛の城

2019-05-05 20:06:22
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

その物を見てほくそ笑みながら、お嬢様は部屋を出ますと、扉の横には執事が立っていました。 「おはようございます、お嬢様。朝食の準備はもうそろそろ出来上がります」 「おはよう。それじゃあ、髪を梳かし、寝間着から着替え終えてから行くわ」 「かしこまりました」

2019-05-05 20:10:11
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ユーリエは目を覚ましますと、鼻で息を吸った時でした。 何処からか、良い匂いが漂っているなと思い部屋を出て、辺りを見渡しましましたら、その下で『おはようございます、ユーリエさん』という、声が聞こえたのです。 「あぁ、おはよう、白兎君」#魔法仕掛の城

2019-05-06 18:54:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『なんだか、良い匂いがするんですよねぇ…』 「多分、エミルが朝食を作ってるんだと思うわ。あの子、朝が早いから」 『手伝いに行きましょう!』 「そうね、君は先に行ってて。私は寝間着から着替えなくちゃ」

2019-05-06 18:57:28
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

ユーリエがそう言って部屋へ戻ろうとした時でした、良い匂いの中に焦げ臭いニオイが混ざり始め二人は顔を合わせました。 『何か、起きたんでしょうか…?』 「なんか、嫌な予感がするわね…」

2019-05-06 18:59:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「……」 「………」 キッチンではエミルとお城の主が一緒に居るのですが、主はキッチンに入ってからエミルの手元を黙ってみているのです。 エミルにとっても、今までこのような経験は何度かあるのですが、ここまで視線を感じ取れる程見られることは初めてなのです。#魔法仕掛の城

2019-05-07 20:07:31
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

しかし、エミルはその視線を気にしつつも朝食の準備をしていた時でした。 「本当に手際がいいな、何処で教えてもらったんだ?」 「両親に教えて貰ったんです、父は屋敷の料理長で、母も同じ屋敷の給仕でした」 「そう、か」

2019-05-07 20:12:56
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルは自分の背よりも少し高い戸棚の上からお皿を取ろうとしましたが、あと少しという所で中々届かず、取るのを諦めようとした時でした。 主は軽く指を振った時、お皿はエミルの目の前で宙に浮き、そのまま移動し主の手元へ行き、エミルの方へ届けました。

2019-05-07 20:17:38
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「この皿が必要なのだろう?」 エミルはその皿を受け取り、お礼を言った後に聞きました。 「あの、今のは…?」 「なに、軽い魔法さ。誰でも覚えられるものだ」 「魔法…」

2019-05-07 20:20:33
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――見た目は私よりも年下に見えるのに、喋り方は自分よりも遥かに大人なびている風に聞こえる。不思議な方だ…。 と、エミルは思っていた時でした、室内から妙な匂いが漂い始め、エミルは急いで鍋の様子を見に行きました。

2019-05-07 20:24:13
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「成程、少し目を離したうちに鍋が焦げちゃった、ってわけね」 ユーリエと白兎がキッチンへ向かった時には既に事が起きた後だったのですが、辺りはまだ焦げ臭いニオイが残っていたのです。 「はい、申し訳ございません…」と、エミルは頭を下げ謝ります。 #魔法仕掛の城

2019-05-08 19:50:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『でも、火事とかにならなくてよかったですよ』 「ありがとうございいます、白ウサギさん」 ユーリエはエミルの隣に座る男の子を見て「それよりも、さっきから気になってたんだけど、君は確か…昨日の子、よね?」と聞きますが、当の本人は「あぁ、そうだが」と素っ気なく返すだけです。

2019-05-08 19:53:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルは耳元で小さく言いました。 「ユーリエさん、この方は、このお城の主様なんですよ」 「えっ、本当に?!」 と目を点になりそうな驚き方をしつつ、何度も男の子を見ました。 ユーリエの視線に気づいたのか、ナプキンで口元を拭いた後に言ったのです。

2019-05-08 19:57:27
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「いかにも、私はこの城の主だ。この発言に、嘘、偽りはない」 「へ、へぇ…」

2019-05-08 19:58:45
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルが朝食で使った食器を洗っている時でした、急に手を止めた様子を見た白兎が『どうかなさったんですか?』と聞きます。 「昨日もですが、先ほど会ったのに、主様にお城の掃除をして良いのかという許可を得てませんでした…」 『これを洗い終えたら聞きに行きましょう!』#魔法仕掛の城

2019-05-09 18:33:42
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

白兎の声を聞き、エミルは「はい」と返し、再び食器を洗い始めます。 『そういえば、ユーリエさんはどこに行ったんでしょう?朝食の後、何処かに行ったのは見たんですけども…』 「ちょっと出てくる、という風に言って外へ出て行ったのは見たのですが」 『一体、何処へ行ったんでしょう?』

2019-05-09 18:37:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルはお城の主が居る部屋まで迷わずに行き、主に掃除をしたいという 旨を伝えました。 「ココを掃除したいだと?」 「はい」 すると、お城の主は頭を掻きながらブツブツと小言を呟きながら、辺りを見渡しながらに思います。#魔法仕掛の城

2019-05-10 19:01:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――何分、私がこんな風になってからそれなりの月日は経っている上に、一人で住むには行く場所も限られているからな…。 黙っている姿を見ていたエミルの視線に気づいたのか、主は「掃除をする事に関しては許可するが、地下へ続く階段へ行くな」と返したのです。 「地下へ続く階段、ですか?」

2019-05-10 19:05:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「地下室には、誘いの魔術が残っている。少しでも近づいたら、その魔術にかかり、最後は餌食となるんだ。だからもう一度言う、地下へ続く階段、いいや、地下へは行くな、いいな」 主の顔も声も強張っていました、エミルはその姿を見て「は、はい」と返し、部屋を後にしました。

2019-05-10 19:09:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

主の部屋を出たエミルは、掃除道具がある部屋へ向かう中、横について来ている白兎が聞いてきました。 『本当に、この広いお城を掃除するんですか?』 「なるべくはそうしたい所ですけど、このお城の規模だと…。多分三日で終わると考えてますけども…」 『三日ですか?!』#魔法仕掛の城

2019-05-11 18:45:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

白兎があまりにも驚くような声を上げるものですから、エミルは「そんなに驚かなくてもいいんですよ?」と返しますが『だって、こーーんなに広いんですよ?!それを一人で三日で終わらすなんて…』と白兎は動揺を隠せません。 「三日はやはり、早すぎるでしょうか…」 『早いどころの話じゃなくて…!』

2019-05-11 18:49:04
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「遅くかかっても五日は見てと考えてます、勿論、その間の食事諸々の事もちゃんとしますから、大丈夫ですよ」 そう、エミルは言いながら笑みを浮かべますが、白兎はただ何とも言えぬ気持ちになりながらも「無理、しないで下さいね」と言いました。

2019-05-11 18:51:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――それにしても、ココは本当にだだっ広いわね…。よく一人で住めるわよね、本当。 そんな事を思いつつ、城内の長い廊下を歩いていますと、壁には肖像画がかけられています。ユーリエの歩みはゆっくりとなり、一つずつ肖像画を見ます。 #魔法仕掛の城

2019-05-12 18:47:51
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

――きっと、ココの歴代城主って所かしらね。 すると、一つだけ無残にも破られている肖像画があり、ユーリエの歩みは完全に止まりました。 ――もしかして、この絵って…? ユーリエは考えますが、まさかね、と思う所ではありますが、可能性は捨てきれない、とも思い、その場を後にしました。

2019-05-12 18:52:48
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

お城の中はまるで迷路のようです、ユーリエ自身も「あれ、さっきここ通ったような気がするんだけど…。気のせい、よね?」という独り言を呟きつつ、歩いたり止まったりしていました。 「まずいわね、これは…」#魔法仕掛の城

2019-05-13 18:40:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そんな風に立ち止まっていると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきました。 ――あの声は、確か…? 城内を出て、庭の方へ向かいますと、そこにはお城の主様が居ましたが、ユーリエはあえて声をかけず、物陰に隠れながら様子を伺います。

2019-05-13 18:43:14
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

辺りの草花は枯れていたのですが、お城の主様が言葉を発しますと、瞬く間に草花は元の彩りを取り戻しました。 ――まさに、魔術師ってだけの事はあるわね。 しかし、ユーリエが関心したのも束の間、彩りがかえった草花はすぐに枯れてしまったのです。

2019-05-13 18:48:09
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

お城の主様は、その手に枯れた花を手にしながらに思いました。 ――やはり、私の魔術が弱くなっている…。これでは、あの魔術の封印が切れるのも時間の問題だな…。

2019-05-13 18:50:10
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『エミルさんは本当にそう言う事が好きなんですね』 「え?」 エミルが城内を掃除し始めて数時間が経ったころ、白兎が呟いたのです。 『だって、鼻歌交えながら掃除をしてる姿を見てたら誰だってそう思いますよ』 #魔法仕掛の城

2019-05-14 20:04:21
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「そうですね、炊事洗濯家事全般は好きです。というよりも、私に出来る事と言えば、それくらいしかないですから」 『そんなことないですよ!エミルさんは…、なんと言いますか、深い所があります!』 「深い?」 『あー、と…、人間で言う所の…ふところ?が深いと言いますか……』

2019-05-14 20:07:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

白兎は人の言葉を喋れるとはいえ、まだ、人の言葉そのものは理解できていいません。その様子を掃除する手を止めて白兎の方を見ていたエミルは「ありがとうございます、白ウサギさん」とお礼をいいました。 『すみません、ボク、まだ人間の言葉が理解できてなくて…』 「大丈夫ですよ、白ウサギさん」

2019-05-14 20:10:01
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

一日が終わる夜、エミルは一人お城の廊下を歩いていました。 ――どうしましょう、昼と違って夜はまた違う風に見えるものだから、道に迷ってしまったわ…。 エミルにとって不安に駆られてしまうような気持になってしまう時でした、開いている窓から潮風の匂いが舞ったのです。#魔法仕掛の城

2019-05-16 18:40:55
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

大きな窓を通り、テラスの方へ出てみましたところ、そこは満点の星空が何処までも広がる光景に、エミルも思わず息をのんでしまう程でした。 さざ波と自身の心臓の音だけが聞こえる中、蝋燭の灯が横目に入り、エミルはその方を見たのです。 「この場所は、私も気に入っているんだ」

2019-05-16 18:48:15
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「主様…!ごめんなさい、私のような…」 「気にすることはない、何処までも広がる海と、この星空を見た者は誰だって見惚れるものだ。私や、君のようにね」 「ありがとうございます」 「こんな事を聞くのも野暮かもしれないが、君はどうして私の城へやって来たんだ?」

2019-05-16 18:50:26
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

主様の問いに対し、エミルは少しだけ顔を曇りそうになりましたが、なるべく見せないよう、何時もの立ち振る舞いを保ちつつ答えました。 「君自身のステップアップの為、か…」 「はい、前に勤めていたお屋敷のお嬢様や給仕長でもある執事にそう言われたんです。貴女はもっと、良い所で勤めたらって…」

2019-05-16 18:54:06
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「私のお城を紹介した者の気が知れないな」 エミルの話を聞いたお城の主様は呆れた声で返します。 「ただでさえ、世間では私の事を良い風に言わないのに…」 「ご存知、なんですか?」 「まぁ、外へ出ずとも、私の魔術があれば、世間の噂話を聞くなど容易さ」 #魔法仕掛の城

2019-05-17 16:54:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

主様はエミルの顔を見ず、外の景色を見たままで言います。 「この場所に近づいただけで気が狂う、魔物が居て最後は喰われる、魔術狂……」 ドンッと拳で叩いた後、静かに呟きました。 「……そんな言葉ばかり耳に入ると、気が滅入らないわけがないじゃないか」

2019-05-17 17:02:07
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「主様…」 エミルの静かな呼びかけ声に気づき、主様は「すまない、今のは私の独り言だと思ってくれて構わない。気にしないでくれ」と言い、テラスを後にしようとした時です。 「待ってください、主様」 「……?」

2019-05-17 17:05:23
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「もし、私で良ければですが…」 「ありがとう、今は、その気持ちだけ受け取っておこう」 去り際、主様はエミルの目を見ながらにして言いました。 「君がどうしてもと言うならば、ココに居ても構わない。あの女剣士と白兎君もだ、けれど、これだけは約束してくれ。地下室には決して近づくな」

2019-05-17 17:08:58
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルは一瞬だけ自身の目を疑いました、今、この瞬間だけ主様の姿は昼間に見た少年ではなく、自分よりも年上の男性に見えたのです。しかし、瞬きをした後に主様の姿は既になく、エミルは「幻、だったのでしょうか…」と思い、テラスを後にしました。

2019-05-17 17:13:16
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

翌朝、太陽が昇る時と同じころに目を覚まし、何時ものように朝食の準備にキッチンへ向かっています。 ――今日も一日の始まりね! 張り切った思いで歩いていた時でした。 『今日もキミはスゴいねぇ~』 と、誰かの声が聞こえてきたのです。#魔法仕掛の城

2019-05-18 20:06:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルの歩く足が止まり、辺りを見渡しましたが、自分以外誰の姿が見当たりません。 ――気のせい、かしら…? 頭を傾げながらも、エミルは再び歩こうとした時でした。 『こっち、こっち』 「えっ?」 『こっちだよ、こっち~』 その声の主は姿が見えず、エミルはその場でキョロキョロするばかりです。

2019-05-18 20:10:24
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルが背後を振り向いたときでした、まるでその時を待っていたかのように『ばぁ~~』と小さな子供をあやすような顔をした者がいたものですから、エミルは小さな声を出して驚いてしまったのです。 『あはは~、キミ面白いねぇ~~。そういう反応、だ~~いすき~~』 #魔法仕掛の城

2019-05-19 20:10:30
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

「あの、アナタは…?」 『僕ゥ?僕はココの主よりもず~~~~~~~~っと居る者だよ』 「そうなんですね」

2019-05-19 20:14:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルは改めてその者を見ました、声からして男なのは解るのですが、白粉を塗ったかのように真っ白い顔に赤いペンキでワンポイントのように垂れた跡、服装はお城に住んでいる貴族が着ていそうな姿でした。 『キミの名前も知ってるよ~、エミルちゃん』 「そこまでご存知、なんですね」

2019-05-19 20:16:54
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『ウン、僕はそういう存在だからね。それよりも、君はこれから朝食を作るんでしょう?』 「はい、キッチンへ向かう所です」 『良かったら、僕も手伝うよ~』 「その気持ちは有難いですが、私一人でも準備は出来ますから」 『遠慮しないの~、こういうのは大船に乗ったつもりで、ね♪』

2019-05-19 20:19:00
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

エミルと白粉の男は朝食を準備していました、エミルの心配をよそに、男はいつの間にか白いエプロンをつけ、料理の手伝いをし始めたのですが、これがまた手際がよく、思わず「凄いですね」と驚きを呟きました。 『料理は大好きだからね、朝飯前さ!』#魔法仕掛の城

2019-05-20 18:34:23
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

そんな会話を挟みつつ調理を続けていると、後ろから「おはよう」という声をかける者が現れ、エミルはその手を止めて振り向くとそこにはユーリエと白兎が居ました。 「おはようございます、ユーリエさん、白ウサギさん」 「あの、ちょっと聞いていいかしら?」 「はい?」 「その人、誰?」

2019-05-20 18:36:59
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『見たことが無いですね、こんなに真っ白な顔のヒト…』 「この方は…」と紹介しようにも、エミルもこの男の名前も知らずただ「このお城の主よりもずっと居る者」としか分からず、どうしたものかとしていたのですが、男は瞬時に二人の元へ行き、こういいました。

2019-05-20 18:39:34
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

『ボクは名前がないよ、誰も名付けなかったからね。でも、コレだけは言える。ココには長く住んでる者だぁってね♪』 その言い分を聞き、ユーリエは「意味わからないんですけど」と返し、白兎も同意だという意味で首を縦に頷きました。

2019-05-20 18:40:50
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まとめたひと
伍条 月斗(創作アカ) @5jyouTsukito

基本は自分が考えた創作ッ子達の事を呟いたり、絵を上げたり、お話も書いたりします。偶に違う話等もしておりますが……ようは気まぐれだが基本は創作用アカウントです。(※食べても美味しくない鶏野郎で無言フォローをしたり、時として話すとアツくもなりますがそれでもよろしければです)御用の方はDMまで。