それに、ゆめゆめ忘るるな。 「わしは、おぬしを誇りだと今でも変わらず思っておるよ」 だからその縮こまった土下座を解きなさい。 そう、慈しみ深い声で師は言った。 何とか屋敷に駆け込みひれ伏した俺の片足は、もうピクリとも動かなかった。
2021-07-29 18:03:03「五回。いいえ、六回ね」 「……なに?」 「善逸さんが投獄された回数よ。わかる?お兄ちゃん。善逸さんの脚を見たでしょ。頬に亀裂が入ったような模様が見えるときがあるでしょ。全部見れなくて、全部託して、全部忘れてしまったんでしょ」 あんなに、満たされた顔で、でもさみしげに逝ったでしょ。
2021-07-31 22:14:40「私、まだ許せなくて、でも仕方なくて、憎めやしないの。お兄ちゃん。ずっと私、そうなのよ」 ずっとずっと見てたのよ。 鬼になった自分自身を、恨まずにいられぬ夜がまだあるの。 そういってねづこは、だん、とまな板の上のニンジンを一口サイズに切り分けた。 「今日甘めの肉じゃがにするわね」
2021-07-31 22:14:41ぜんねずに…ぜんねずに共犯者になってほしいんだよなあ… お互い、めっちゃ幸せになってほしいと心から願っているし信頼を深めるからこそ秘密を共有する感じ… あと炭さんという最強の鎹 意外に伊が保護者(傍観の姿勢)ポジ
2021-07-31 22:39:56「私、あんなに無力な自分を知るくらいなら、鬼でいたかったとすらあの頃思っていたのよ、兄さん」 いつだって、善逸さんは私を守っていてくれたのよ。 「兄さん」 それで、それでも、あなたの心は傷ついて、否応なく救われてしまうのでしょう。 「兄さん」 「ありがとう、私を大事に思ってくれて」
2021-07-31 22:45:49あがつまぜんいつ、爺ちゃんの「あきらめるな」って一番大事な理念をちゃんと受け継いでちゃんと炭さんにつないでしまったところに惚れるなと思っています 雷の呼吸が途絶えても一番大事な人間としての理念
2021-07-31 22:53:58この前世あがつま、ねづこちゃんを「置いていかなかった」。いやどうかな…少しくらいは早くてもいいけど… とにかく、最後まで見届けてほとんど同時のように死んだ。ぜんねずだとこういうイメージある 子々孫々には「仲良しだったわねえ」みたいなプラトニック公式カップルみたいな認識 婿公認
2021-08-01 00:35:37「お前ほんとアオナに心配されてんな」 「やだ嫉妬!?伊之助それ嫉妬なの!?ええーお前が戦であっさり死ぬからいけねえんだろ女の子と一緒に長くいたんだからしょうがねえよ居心地イイよ…ありがとな」 お前、俺の分まで手柄を上げてくれたよなあ
2021-08-01 13:53:36ねずぜん速攻プロポーズ(兄と違って判断が神速の妹様) #L版SSメーカー sscard.monokakitools.net/lphoto.html pic.twitter.com/JX7WPowjOx
2021-08-06 08:05:08同じ文章のもの #L版SSメーカー sscard.monokakitools.net/lphoto.html pic.twitter.com/zNdJCjBgE4
2021-08-06 08:07:57アオイちゃんに心配されてる理由はあって、私あの罅割れは残っててほしい派閥(原作で鮮やかに否定されたが)なのですがあれ病か何かだと勘違いされる可能性ありそうだなって 余計に近寄るなーって言われてそうだなって 特にWW2の辺り皆さん余裕がないから
2021-08-09 22:44:25「……ま、もる……」 あの子たちはどうしただろう。地域の町医者になりたいのだと素朴に笑っていたアオイの子は。軍医として引っ張られてしまった?学徒出陣に引き上げられた? 俺は知らない。知らないけれど、守らなければ。 あいつらがいなくなったのなら、俺が、ここを出て、なんとしても出て――
2021-08-23 21:05:29「善逸はお月様みたいだなあ」 「…ンなこと言ったらお前はあれだよな、お日様だね、みんなの」 ぐつぐつと煮え立つ感情とともにそれを言うと、お日様の男はきょとんとしたあと朗らかに笑った。 「あははっ言いえて妙だなあ」 お前が俺を映してくれるから、俺はお日様の光を信じることができる。
2021-09-06 03:55:10お日様は自分が輝いているという自覚はあるのかという話。 お日様がいなければ、月は当然輝かない。 そんなことに気付くのも、俺はあんまりに遅かった。
2021-09-06 03:55:10獄中にて。拷問後は起き上がることもできない。 窓の外に、粉雪が散った。 「ゆうきやこんこ、あられやこんこ、……」 なあ、最後にはそう思ってくれたかは知らんが。 いい季節なんだよ、冬は。いつ野垂れ死にしても死体も腐らず隠してくれる。炭火の暖かさとありがたさがわかる。音を吸いとる。
2021-09-06 03:55:10あんなに厳しく、あんなに俺にとって眠くてやさしい季節はなかった。 でも、たんじろう。 お前がいないと、どうにも俺の胸と心臓はからからと悪寒をまとってうそ寒い。
2021-09-06 03:55:11ねずこちゃんについての善逸。 「女の子としては、一番好きだ。守りたい。前は守り切れなかった。今度こそはすべてを守る。……それは、俺の誓いだから、お前にだって邪魔させない。許してほしいとは言わんよ」
2021-09-06 03:55:11「いいやつは皆早死にだ」 ろくでもない俺ばかり生き残る。 伊之助は、お館様に戸籍をきちんと作ってもらって、それゆえに赤紙に引っ張られて今の行方はようと知れない。字が書けんなら絵でもいいんだから葉書くらいはまめに出せ。
2021-09-06 03:55:12それでも、活躍はしているはずだ。あの最終戦線を越えた鬼殺隊士の誰もが、重用されてそうなるだろう。肉の壁など、二度と見たくはないだろうから。
2021-09-06 03:55:12「……たんじろ、お前は、間違いなく俺よりずっと生きているべきだったけど、早く死んで正解だったなとも思ってしまう。……ごめんなあ、ごめん、ごめん、俺が生きろって言ったのに」 お前は、お国のためって言われて、人を相手に戦えたのかなあ。
2021-09-06 03:55:12来たぞ、という顔で、見知った顔のいくらかが耳をふさぎにかかる。要領を得ない顔をした誰かには、隣の奴が肘で突いて同じポーズを即座に取らせた。 「結婚してください善逸さん!絶対養います幸せにしますお約束します!」 「駄目です」
2021-09-06 03:55:14