①「女性の外見的魅力をめぐるフェミニズムのポリティクス」高橋幸, pp.178-89  経済文化社会資本を持たない女性ほど、外見的魅力という性的資本を用いた階級上昇を試みる。 ➁「男性身体とルッキズム」北村匡平, pp.117-26
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花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

劣位に置かれた「従属的男性性」(Subordinated masculinity)という概念は、示唆的だ。「ヘゲモニー」とは優位な立場にいる者が劣位の者を支配する単純な関係ではなく、従属的な立場の者の自発的な合意形成を取りつけ、その支配が正当化される事態のことを示す。

2023-07-13 05:54:01
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

コンネルの理論の重要性は、「ヘゲモニックな男性性」が、家父長制を正当化する女性性との関係性だけではなく、「ゲイ」や「弱虫」、「オタク」など「従属的男性性」を周縁化することによっても達成される点である。  ある社会(組織・集団)において男性支配体制がある程度安定して持続するためには、

2023-07-13 05:58:53
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

単に男性集団に制度的権力が偏って配分されているだけでなく、社会のメンバーがそうした状態をある程度承認し文化的に指示しておく必要があるし、他方で、男性支配が文化的に承認され続けるためには、その下支えとなる制度的権力が男性に偏って配分されていく必要がある。(多賀太)

2023-07-13 06:03:52
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

複数の男性性の間で外見を通して作動する不平等な権力関係が、階層的に秩序づける機制について考えなければならない。  「ヘゲモニックな男性性」や「従属的男性性」は必ずしも普遍的なものではなく、男性が置かれた社会環境や時代、他者との関係性によって変化する流動的なものである。 pic.twitter.com/CBqzsUtEiS

2023-07-13 06:10:35
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花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

ルッキズムの問題は、異性との関係だけではなく、男性同士の間にも起こる。2000年代以降、女性から客体化されて「見られる」存在となったことにより苦しむ特定の男性の問題と、男性同士の関係において「覇権化/従属化」されて「従属的男性」が苦悩する男性間の問題は分かち難く結びついている。

2023-07-13 06:17:12
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

現代の外見至上主義の社会において、かつて「見られる女性」の身体を媒介にしていた男性性の覇権化は、従来とは異なる意味で女性身体…「見る女性」としての主体的な眼差し…を再媒介することによって強化されているのではないか。

2023-07-13 06:22:35
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「ヘゲモニックな男性」から「従属的男性」へと注がれる抑圧的な眼差しに、「見る主体」としての女性の眼差しが重ね合わされ、意図せずに両者が共犯関係を取り結ぶ。  この重層的な眼差しの「結託」は、「外見」で抑圧される「従属的男性」に自ら創出させるようルッキズム社会が構造化したものだ。

2023-07-13 06:28:17
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「外見ファシズム」が生み出す、二重にヘゲモニックな暴力は、従属化された特定の男性に強力に作用し、「生きづらさ」をより助長するように社会に根を下ろしている。#りゅうちぇる twitter.com/RYUZi33WORLD92…

2023-07-13 06:39:45
ryuchell 🐉💕 @RYUZi33WORLD929

┏┷┓ ┃世┃ ┃の┃ ┃中┃ ┃が┃ ┃愛┃ ┃で┃ ┃溢┃ ┃れ┃ ┃ま┃ ┃す┃ ┃よ┃ ┃う┃ ┃に┃ ┗━♡ #七夕

2022-07-07 19:18:08
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

美容資本が利益を生み出すという言説が定着すること、過剰な身体の客体化は、外見による序列、ルッキズムを幅広く社会に根付かせることになる。  男性もまた客体化されるようになった事実は、女性の客体化を縮減するより、むしろ助長し、相互的に眼差しによる「生きづらさ」を高め合うリスクを孕む。

2023-07-13 06:49:18
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

外見を通じた眼差しの差別性・暴力性は、多様性を認め合おうとする現代社会の social inclusion (社会的包摂) とは正反対の力学を持ち、社会からの孤立や排除を知らぬ間に引き起こしてしまう。

2023-07-13 06:57:36
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

以上、ミス・オランダ2023に鑑み、一元的な尺度に基づく外見的序列の文化フィルターを成り立たせる社会関係構造と、美容資本が利益を生み出す現代社会における、重層的な眼差しの結託による男性性の覇権化の強化は包摂よりも排除に傾くであろう危険性を指摘した。〈了〉🧵

2023-07-13 07:25:10