(抜粋③) 『誰にも言わないと言ったけれど～黒人神学と私』 ジェイムス・H・コーン著、榎本空訳、新教出版社、2020.3.31.

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(抜粋③) 『誰にも言わないと言ったけれど～黒人神学と私』 ジェイムス・H・コーン著、榎本空訳、新教出版社、2020.3.31.　　　 ２、主のなされたこと～黒人神学とブラックパワー 　私たちは新しい時代を生きている。黒人が侮辱された時に、左の頬までをも差し出さなくていい時代を。 pic.twitter.com/v9Cu8oJUmd

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1968年、私はコルゲート・ロチェスター神学校の公開講義に招かれた。黒人であることを愛し、その美しさを主張すると、それは決まって白人の恐怖と敵意を呼び起こす。神学に黒人性を持ち込むことは、特に白人にとって厄介なことなのだ。「黒人を愛することは、必ずしも白人を憎むことにはならない。

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1968年、私はコルゲート・ロチェスター神学校の公開講義に招かれた。黒人であることを愛し、その美しさを主張すると、それは決まって白人の恐怖と敵意を呼び起こす。神学に黒人性を持ち込むことは、特に白人にとって厄介なことなのだ。「黒人を愛することは、必ずしも白人を憎むことにはならない。

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白人を愛するために、黒人は自分を憎まないといけないのか？　そんな馬鹿げたことがあるか。」「白人神学者にキリスト教の福音の意味について逐一伺いを立てる必要のない時代を私たちは生きている。いまこそ、黒人がその苦しみの只中から生み出した信仰に立ち戻ろう。

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特権にまみれた白人キリスト教とその神学は異端として退けよう。今必要なのは、黒人神学、黒人の尊厳を求める闘いに責任ある形で参与しうる神学なのだ」。 　キングを殺したのは、白人リベラルだと感じた。そしてそれを助けたのは、キングの急進性についていけなくなったニグロたちだった。(p.66)

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大学院時代は、自分が何をしているのかわからなかったのだ。なぜ黒人のことを何一つ知らず、知ろうと努力すらしないヨーロッパの神学者について論文など書かなければならないのか。 (p.69)　ブラック・パワーとは何であるか。それは白人優越主義が否定した黒人の人間性を、黒人が肯定することである。

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いかなる形態であれ、抑圧とは人間性の否定を意味しており、被抑圧者はあらゆる力を使って、自らの人間性を守らねばならない。抑圧的な政治体制に対し自らの人間性を固持することは、人間としての責任であるばかりでなく、キリスト者としての責任でもある。これがブラック・パワーのメッセージだった。

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奴隷船からリンチの木に至るまで黒人たちがくぐり抜けた苦しみを思えば、私の文章で誰かが、とりわけ白人が気分を害そうと、そんなことに構ってなどいられない。 (p.76)　Henry McNeal Turner 牧師が、1898年に語った「神はニグロである」という言葉は、黒人神学を展開する上で貴重な財産となった。

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(p.80)　アルベール・カミュが言うように、「いまだかつて(神の)存在論的証明のために命を捨てた人などいない…人生の意義こそ生死に関わる問題なのだ」。黒人神学を構築する前にまず、白人神学を、白人と黒人の両教会を脱構築せねばならなかった。黒人神学の始点は、黒人の苦しみと黒人の生きている

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状況である。なぜならそここそ、イエスの出来事が起こった場所であるのだから。黒人の痛みの中に、黒人の苦悩の中に、神の啓示があるのだ。それならば黒人の苦しみとは、究極の宗教的権威であって、すべての神学的主張に対して最終的な権限を持つのである。 　「キリストは黒いんだぜ、ベイビー」。

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黒いキリストとは、ブラック・パワーにおいて定義される黒人革命に生きる解放的な霊のことである。 (p.82)　黒人共同体における白人優越主義の心理的、肉体的、そして霊的な暴力の常在性こそ、白人アメリカ人の主要な関心事とならなければいけない。和解とは白人の責任事項なのだ。

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カーマイケルが言ったように、私も、「今回は、白人の聞きたい言葉ではなく、黒人が自分たちの使いたいように言葉を使った。白人を喜ばせるために本を書いたのではない。傷ついた黒人の魂を力づけるために、私は本を書いた」。 　「白人の私が、どうやったら黒人になれるか？」と白人によく聞かれた。

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「黒人になるとは、自分の心、魂、思考、そして体を、奪われた者たちの生きる場に置く、ということである」。黒人になるとは、イエスがニコデモに言ったように「新しく生まれる」こと、「水と霊」、解放的な黒人の霊によって、新しく生まれ変わることなのだ。

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(p.84)「ブラック・パワーの暴力についてはどう考えるのだ？」彼らはこう問うた。「それをどうやってイエスが強調した愛と調和させるんだ？」「ブラック・パワーとは白人優越主義の暴力に対する応答なのだ」と私は言い返した。「君たちは黒人に対する白人の暴力に対しては口をつぐんでいるではないか。

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黒人神学とブラック・パワーは何も暴力を推奨しているわけではない。彼らは必要なあらゆる手段を使って黒人の人間性を守る権利を主張しているのだ。」

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(p.876)　ニーナ・シモンが芸術家について述べたことは、そのまま神学者についても当てはまる。「アーティストでいながら、時代に背を向けるなんてできないでしょ。私にとって、アーティストであるということはそういうことなの」。神学者であっても、それは変わらない。

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３、あなたもあそこにいたなら～黒人解放の神学 (p.91)　「白人優越主義とはアメリカにおけるアンチキリストなのです」。 (p.94)　私はアメリカで唯一の黒人組織神学者として黒人のことを書いているのだから、その重荷を背負う義務がある。「仲間がストリートで死んでいってる時に、お前は彼らを

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失望させたいのか？」私は自問自答した。「今がその時だ」と、マーティン・キングがよく言っていたではないか。私は白人に対する暴力を推奨していたわけではない。白人による黒人への暴力に対する全力の否(いな)を宣言しただけだ。 (p.95)　批判のただ中にあって平静を保つために、私はマルコムＸの

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ことを思った。彼は中学校までしか教育を受けていないが、アメリカのほぼすべての主要大学で論陣を張ったのだ。またジェイムズ・ボールドウィンは、高校で教育を終えた。それでも彼は、その雄弁でもってアメリカと人種についての真実を語り、世界の度肝を抜いたのである。

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賢い人間は無数にいるが、その多くは人種的な正義を求める闘いに参与しない。マーティンとマルコム・ジェイムズには、信念を貫く勇気があったのだ。私も彼らのような勇気を見つけなければ。 (p.97)　アメリカの歴史のもとに自らを据え、新しい神学的言語でもって、私は書かなければならない。

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黒人が理解できないものではなく、彼らが自分の経験として読み、聞けるようなものが書きたかったのだ。説教できないものを書きたくはない。白人神学者に対して、今こそ彼ら自身の人種主義に向き合う時だと伝えたかったのだ。 (p.98)　黒人教会は説教者を育ててきた一方で、神学者を育てる努力を怠って

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きたため損をしてきた。 　マルコムのように黒く、マーティンのようにキリスト教的な神学を、ニグロの正義を求める闘い(マーティン)と、黒人の尊厳と自尊を求める文化的闘い(マルコム)という２つの政治的文脈において、キリスト教の福音とは何を意味するのか。

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(p.99)　私はキリスト者であるが、それ以前に黒人であった。恥じることなく黒人となり、微塵の自己弁護のそぶりもなしにキリスト者となるのだ。 (p.100)　ハーレムの街頭説教者だったジェイムズ・ボールドウィンは言っている。「私がここにいる権利を持っているかのようにこの地上を歩けるようになる前

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自分について教えられたこと、そして半信半疑で信じていたこの汚物を吐き出すのに何年も要したのだ」。 　白人のイエスが幼い私たちの周りには溢れていた。絵画や教会の団扇、日曜学校の教材、ステンドグラス。「白くし給え」、マセドニアの会衆は、こう神に叫んだものだ。「雪よりも白くし給え」と。

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白人教会における人種主義と、黒人教会における自己嫌悪、この２つに対する批判として私は、『黒人神学とブラック・パワー』を書いた。キリスト者を白人優越主義から解放するうえで、白人性に反旗を翻し、黒人性への支持を表明するマニフェストのつもりで、私はこの本を書いたのだ。

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２作目の『解放の神学～黒人神学の展開』(1970)で思い知ったことは、大学院時代に教えられた神学に対する諸前提を捨て去ることがいかに難しいかということだ。白人の教師たちは、神学が何であるか、重要な神学者は誰であるかを、私に教育した。彼らが読むべき本を決め、彼らが書くべきことを決定する。

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私の解釈が正しいかどうかの判断もまた、彼らに委ねられていた。ヨーロッパの神学者について十分な知識を持っているか、彼らに関する知的に成熟した論文を書き、単位を取得できるか、そして博士課程に入学できるか、すべて決定権は白人教師たちの手中にあったのだ。

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ヨーロッパの神学的伝統に則って良い論文が書ければ博士号を取得でき、教員職への推薦がもらえた。このようにして私は組織神学で博士号を取得し、リトル・ロックのフィランダー・スミス・カレッジで黒人学生にヨーロッパの神学を教えることになった。

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もっともそんな神学が、ジム・クロウ下に生きる彼らの日常に関係がないことは明らかで、彼らはヨーロッパの神学にあまり興味を示さなかった。それから私はミシガンのエイドリアン・カレッジで白人学生相手に教え始めたが、彼らは黒人以上にブルトマンやバルト、ティリッヒに関心がないようだった。

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白人神学の呪縛から抜け出すのは簡単なことではない。黒人性によって私は、大学院で就いた教授たちには理解できない何者かへと作り変えられたのだ。白人神学でカモフラージュされた白人優越主義の宗教を、黒人が拒否するようになってくれれば。そのために私は、黒人の美的文化、黒人詩人や劇作家たちの

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" Dynamite Voices " に見出される卓越した芸術性に目を向けた。彼らは次のような革命的問いを投げかけるのだ。 must I shoot the white man dead to free the nigger in his head? (c) Watts, Conrad Kent Rivers 撃たねばならないのか　白人を死ぬまで　 その頭の中のニガーを　自由にするために

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白人が涙するような思想を考えついたとしても、大抵の黒人はそれを読んで居眠りするだけだろう。私は黒人を揺さぶり起こし、白人イエスの時代の終焉を告げ知らせたかった。 (p.105)　チアヌ・アチェベはこう言っている。「芸術は抑圧者の味方につくことはできない」「詩人は奴隷商人にはなれない」。

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キリスト教の神学者は抑圧者の味方につくことも、奴隷所有者になることもできないということは私も深く理解しているつもりだ。キリスト教神学は全人類の解放のためにあるのであって、抑圧に対する抵抗の中にあって中立を保つことは許されない。それだけは私も心得ていた。

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(p.111)　奴隷たちが天国のことを歌う時、それは宗教的想像力から生まれた、奴隷主の支配の及ばない超越的な自由を思っていたのだ。「いかなるメッセージであれ、社会における貧しき者の解放と関係がないなら、それはキリストのメッセージではありません。」私はそう言い切った。

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「いかなる神学であれ、神による貧しき者の解放というテーマに無関心であるなら、それはキリスト教神学ではないのです」。15人のユニオンの教授陣の神学的主張の中に、イデオロギーの痕跡を見つけるのはたやすいことだった。白人神学こそ神と国の名において奴隷制と植民地主義を正当化していたのだから

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黒人神学の魂は、ヨーロッパ(バルト神学)に由来しない。それはアフリカから、アメリカの奴隷制と競売台から、黒人霊歌とブルースから生まれたのだ。黒人神学のキリスト中心主義は、黒いキリストによって定義される。黒人が奴隷制を生き延びられたのは、ジム・クロウを乗り越えられたのは、この黒い

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キリストがいたからなのである。 4.主が私の名を呼んだとき～批判者から学ぶ (p.141)　ボールドウィンが言ったように、「黒人であるとは途方も無い霊的条件であり、生きているものが直面しうる最大の挑戦」なのだから黒人であることを詫びる必要はない。私たちは躊躇することなく恥じることなくそれを

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抱きしめるべきなのだ。マルコムは正しかった。「白人が犯した最大の罪は、黒人に自らを憎めと教えたことだ」。ボールドウィンもこう述べている。「この状況を生き抜くには、自分を本当に深く掘り下げ、これまでアメリカには存在しなかったようなイメージで自分を作り直さないといけません」。

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「あなたは…自分が何者であるかを自ら決めないといけないのです。そして世界が決めるあなたの像ではなく、自分自身のそれでもって扱われるよう世界に強いていかないといけません」。これこそ私が神学者として試みていたことなのだ。自己嫌悪に苛まれるニグロのキリスト教徒たちを、黒人であることを

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愛する黒人イエスの革命的使徒として生まれ変わらせるという使命、これが私を駆り立てた。私の師は、「大丈夫だ」と教えるレイ・チャールズであり、「黒人と誇り」をシャウトするジェイムズ・ブラウンであり、「リスペクト」を要求するアレサ・フランクリンだった。

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(p.144)　黒人は他の誰かを愛せるようになるために、まず自分を愛する事を知る必要がある。人は、自らの価値を自覚せずに生きることはできない。黒人解放の神学で私が表現しようと試みたのは、白人神学と彼らの教会によって否定され無視されてきた黒人の自尊心である。白人が何をしようとも、

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黒人の尊厳を奪うことはできなかったのだ。黒人キリスト者にとって福音とはまさにこのような意味を持ち、説教者がどれだけ腐敗していようとも、彼らが教会へ通い続けた理由はここにある。神は彼らに価値を授け、彼らの人生に無限の意義を与えたのだ。

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5、主が私の魂を救ったとき～生徒から学ぶ 「コーン先生、あなたはゲイの経験を何もわかっちゃいない！」白人の男子学生が、教室の後ろから叫んでいる。私が教えていた「キリスト教神学概論」の授業中だった。私は話すのを中断し、彼をまっすぐに見つめた。

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私が1960年代に人種主義に痛めつけられていたのとまったく同じように、彼は1980年代のエイズ危機の只中で、ホモフォビア(同性愛嫌悪)によって傷つけられていたのだ。 　沈黙が教室を支配し、誰もが私の一言を待っていた。 「君は正しい！」彼の目を見つめたまま、私は言った。

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(p.169)「私はゲイの経験についてあまり知らない。…(略)…イエスの物語に力を得た私は、黒人の尊厳を求める闘いにおけるイエスの意味について書いた。📌今度は君の番だ。私は君の声となることはできない。だが、私が自分の声を見つけたように、君が自分の声を見つけるよう励ますことはできるはずだ。

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だから私は教えているのだ」。「君の怒りには神学が眠っている。見過ごせない矛盾に直面した時、神学が始まるのはそんな時だ。4世紀のアタナシオスも、16世紀のルターも、20世紀のバルトも、皆そんな矛盾と向き合っていた。私もそうだ。…(略)…君の怒り、私にはそれがよく理解できる。私もいまだに

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怒っているのだから。しかし怒りだけでは足りない。君はその怒りを使って声をあげないと。自分の内で燃えるものについて、ありったけの創造力を使って言葉にするのだ。自分の経験の原点に立ち戻り、君のように痛めつけられた者にしか表現できないことを書きなさい。私はそうした。君にもできるはずだ」

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私はそのゲイの白人学生だけでなく、そこにいたすべての学生(レズビアン、クィア、黒人と白人、ストレートの女性や男性、アメリカ内のさまざまな共同体や外国から来た有色人たち)に語りかけようとした。彼に伝えることは、他の皆にとっても重要なのだ。 「何かを書く時の頼りは1つだけ、自分の経験だ」

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というボールドウィンの言葉を私は紹介した。「私が文章を書き始める事ができたのは、黒人としての経験を受け入れたからだ。君も同じようにしなさい。自分の経験を受け入れるのだ。それから心にあるものを書いてみなさい。もちろん他の人々の経験に対して語りかけることも重要だ。

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自分や他の人の物語、そして世界中の人々の物語や言葉を貪欲に学びなさい」。学生たちは皆、私をじっと見つめていた。それから私は、この学びの多い瞬間を作り出すきっかけとなってくれた学生に向き直った。 　「『イエスは黒人である』と私はこれまで何度も発言して来た。しかし私たちは、