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@chokusenhikaeme
言葉によるコミュニケーションは、人と人が理解し合い、愛や友情を紡ぐために必要不可欠なもの。だが、アンフェアで不均衡な社会構造がそこに介在するとき、支配や侮蔑の舞台ともなりえる。コミュニケーション的暴力の典型だと著者が考えるのが「意味の占有」だ。book.asahi.com/article/147001… twitter.com/Maamy1154/stat…
2022-10-13 13:21:31
Inuo
@Maamy1154
三木那由多さんの、本を立て続けに読んでる。 『問題は、伝わらないということそのものではない。伝わらないときに、誰がその場の支配者となり、誰が会話の成り行きを決めるか、なのだ。そこにコミュニケーション的暴力が立ち現れる』ってところ、思ってたことが書かれてあって、これ！ってなった
2022-10-06 10:29:50
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@chokusenhikaeme
上司と部下、男と女、多数派と性的マイノリティーといった、会話外の社会的力学における強者が、弱者の発言の意味を独り占めし、一方的に決めつけてしまうような状況だ。twitter.com/Maamy1154/stat…
2022-10-13 13:21:32
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マーガレット・ギルバートの「共同的コミットメント」。話し手だけに決定権があるのではなく、話し手と聞き手で調整しながら、話し手が何を意味しているのかが決まっていく。話し手と聞き手が一緒に約束ごとを形成して、受け入れていると。twitter.com/Maamy1154/stat…
2022-10-13 13:21:32
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マクゴーワンの分析では、政治家が差別を容認したり、積極的に推奨するような発言をした時、「こういう立場の人がそういうことを言うんだから、そういう言動は社会的にありなんだ」とされる文脈が出来上がってしまうと。そこに脅威があると感じています。book.asahi.com/article/147075…
2022-10-13 13:21:33
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p.23 会話において対等であるというのは、ふたりが共同でつくる約束事が、自分の思い通りにいかない可能性を認めるということだ。 『言葉の展望台』三木那由多、講談社、19.7.2022. pic.twitter.com/6hXB1YRAnP
2022-10-14 16:18:54
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@chokusenhikaeme
自分には理解できない何かを相手は意味しているかもしれないという可能性を認めることでしか、コミュニケーションは、少なくとも対等なそれは、始まらない。 pic.twitter.com/pw75FYNFJu
2022-10-14 16:18:56
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@chokusenhikaeme
[間接言語行為 pp.30-3] 私は自分と学生との間に慣例に従って不均衡な権力関係があるということ、そしてその学生がそれを認識しているということに気づいていたはずだ。私はその解消を望んでいて「先生」呼びをやめさせようとした。この権力関係から生まれる、一定の強制力とともに。
2022-10-17 21:55:38
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「『先生』呼びはやめてください」と言う時、私は直接的には依頼をしていながら、間接的にはそれよりも強制力の強い、要求という言語行為をすることになってしまう。
2022-10-17 21:55:39
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@chokusenhikaeme
私は教える者と教わる者との不均衡な関係をできるだけ弱めたいのだった。しかし、それを弱めるために言う「『先生』呼びはやめてください」は、まさにその不均衡な関係を梯子にして強制力を伴うようになりかねない。言っていることとやっていることがちぐはぐだ。
2022-10-17 21:55:40
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@chokusenhikaeme
このちぐはぐに目をつぶって私が「やめてください」と言ったら、学生はそうするだろう。しかし、その時に私が望んだ仕方で私たちの間の力の不均衡は弱められただろうか？ むしろ私が要求を行い、学生が従えば、より強固なものになっているのではないか?
2022-10-17 21:55:40
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@chokusenhikaeme
言葉の上でだけ「先生」という呼び方が消え去り、不均衡な関係が強められつつも、表面的にはそれが見えづらくなるというだけではないだろうか？ 要求という言語行為を成立させて強制力をもたせるのはよくない、けれども教える者と教わる者という不均衡な関係を固定したくない。なんとも曖昧だ。
2022-10-17 21:55:41
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これをやらかしてオール優ながら教育実習だけ「可」を喰らった。最初の授業で担当に「仲間の立場も考えろ」と疎まれた。😂「先生と呼ばれるほどの真理の世界の先人でなし」と内村鑑三の言を引用しただけだったのですが。登壇してるのに権力勾配を否定していたつもりだった🥲twitter.com/chokusenhikaem…
2022-10-17 22:31:03
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@chokusenhikaeme
[哲学と私のあいだで pp.72-80] McGowan, Mary K. は Score のひとつの要素として「どういう振る舞いが現在許容されているか」という事実があると考える。前日の飲み会で「どの女を持ち帰ったか」などと職場で語る男性たちがいたとしたら、その言葉は単に何らかの客観的事態を描写しているのではない。
2022-10-18 01:14:21
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それによって「何が許容されるか」のスコアが変動し、女性を一種のコレクションアイテムと見なすような態度や言葉が許容されるようになる。そうしたスコアの変動は反論が出れば押し留められることもあるが、そうでなければそのまま維持されてしまう。
2022-10-18 01:14:22
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そのうえでそのスコアに従ってその職場の人々が振る舞い出したならば、それは女性を男性に比して劣位に置く抑圧を生み出すことになり、これが差別的発話の害となる。 重要なのは、これが単に自分の意見の表明にとどまっていないということだ。
2022-10-18 01:14:23
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差別発言は単なる意見の表明ではなく、「私はこう思うし、他の皆さんもそう思い、その考えの通りに振る舞っていいのですよ」という許可証を発行するような機能を持ち、それゆえに実際に環境を変化させてしまう。 それは「単なる言葉」に留まらない、実質的に害ある振る舞いになるのである。
2022-10-18 01:14:24
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マクゴーワンの分析はなぜ差別発言がこの社会において悪しきものであるかをうまく捉えているとは思う。その一方で、「それは私のこの痛みではない！」と言いたくなるのだ。 きちんと反論するためには、相手の主張をいったんは受け止め、吟味しなければならない。それは学術的には正しい作法なのだが
2022-10-18 01:14:24
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こと自分自身に向けられる差別発言にそうした方針を採用すると、「いったんは受け止め」に留まらず、かつて自分自身の存在を否定しようとしていたもうひとりの私が、心の奥で息を吹き返すらしい。私が存在してはならないと思っているもうひとりの私。
2022-10-18 01:14:25
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「私は生きているべきではない」と考える私自身は、たとえシミュレーション的にほんのいっとき蘇っただけだとしても、手に負えない。子供の頃の私が蘇り、私を子どものように泣かせてしまう。
2022-10-18 01:14:26
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哲学的な言葉ではなく私自身の苦しみを語ろうとすると、それはきっと「感情的」で、理解しがたいものとなる。けれどもそれこそが私にとってはより「リアル」なのだ。 このところずっと、哲学と私のあいだで語る言葉を、それを語るための話法を探しているような気がする。
2022-10-18 01:14:26
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「している」つもりでも、自分の理解は本当に相手の深さに届いているのか、という問いには、早川正祐「苦しみの認知からの逃避と認識をめぐる責任～ケアの認識論に向けて」を参考にしてみたい。→ cir.nii.ac.jp/crid/105000133… twitter.com/chokusenhikaem…
2022-10-18 01:39:22
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傷ついた物語の語り手に対し「私たちが如何にして、相手の混沌とした苦しみを認識しそこねるのか」という問い立てに、「認識をめぐる責任(epistemic responsibility) 」や「責任をもって知ること(responsible knowing) 」という概念を、早川は Frank, Arthur W. (1965) で参照している。
2022-10-18 01:56:08
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フランクによれば、復帰の物語における身体は、他の諸身体とのかかわりにおいて、基本的に個々に閉ざされたものである。それは「コミュニケーションに寄与する身体」とは対極にあり、懸け離れている。復帰の語りは、他者とのコミュニケーションから遮断された語りだとフランクは述べている。
2022-10-18 02:07:02
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病苦をめぐるコミュニケーションにおいて、復帰の語りは社会に広く深く浸透している規範と化し、指令性を帯びる。 私たちが身体を備えているがゆえに持つ生来的な傷つきやすさ(inherent vulnerability )は、他者の苦しみを共感的に認知することで、翻弄され、消耗してしまう。
2022-10-18 02:21:34
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相手を一方的に励まし、苦しみの認知から積極的に逃避する。「復帰の語りによる励ましは、まさに善意の表現たりうるからこそ、その善意の装いの下、自己保全の願望を、相手から察知されないように隠蔽しつつ実現することができる。結果、復帰の規範は社会的に強固なものになる。
2022-10-18 02:28:07
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「傷つきやすさには、ぬぐいがたい両義性がある」。 耐え難い喪失や不安とは無縁に、滞りなく進行する周囲の世界に対して、言いようのない隔絶感を感じるという体験。苦しみの存在が見過ごされることで、病者の切実な思いも存在が見過ごされてしまう。asahi.com/articles/DA3S1…
2022-10-18 02:36:39
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「復帰の語りの社会的共有が、それによる社会的排除に転化する」。両者は分かちがたく一体化している。 個人による否認であるよりは、生産性や効率性を優先する社会的な規範や人間の普遍的な傷つきやすさによって強化された、集団的な否認、集団的な無関心。
2022-10-18 02:44:18
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集団的な無関心は、混沌とした苦しみに対する集団的な無知を産出し、世代を超えて継承されていく。 私たちは、未来志向的な言葉、生存の言葉を持っているのに対し、混沌とした苦しみの只中にある生、未来が閉ざされ苦しい現在のみがあるような生や、死に臨む生を、語る言葉を持たない。
2022-10-18 02:53:53
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フランクはその理由を、「苦しみに深く巻き込まれ、苦しみの只中にいるからこそ、それから離れて距離を取ることができず、対象化して語ることができない」という。
2022-10-18 03:32:15
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問題は、このような混沌とした苦しみに対しては、認知的な無関心が社会的に広く共有され、集団的な性格を持つため、その苦しみに敬意を持って関心を向ける他者の存在が稀有だという点にある。 pic.twitter.com/E7Jqfslnsk
2022-10-18 03:32:16
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その苦しみを表現する言葉や語りは容易には生み出されない。混沌の語りがそもそも語りとして成立しないのは、集団的な無関心によって関心の分かち合いが起こらず、その結果、混沌を語る言葉を紡ぎ出す場自体が確保されていないことによる。twitter.com/chokusenhikaem…
2022-10-18 03:40:29
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生来的な脆さゆえの自己保全傾向や生産性を優先し死を隠蔽する社会の根本的な規範によって、復帰の語りが社会的な規範として簡単には揺るがないものになっている。それによって、混沌とした苦しみに対する私たちの認知的な逃避傾向が根深いものになってしまっている。
2022-10-18 03:46:37
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どのようにして私たちは混沌とした苦しみに関する認識をめぐる責任…責任をもって知ること…を果たすことができるのか。 フランクは、病む者に関わっていく者が果たすべき責任として、苦しみの証人になることを重視している。
2022-10-18 03:58:53
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J, Medina (2013)は、「認知的摩擦(epistemic friction) 」を、「私はこう認識していたけれど、あなたはその状況を違うように認識していたのか」という仕方で、これまで不可視化されていた、認識をめぐる不一致や隔たりが顕在化し、人がそれに当惑し動揺する事態として述べている。
2022-10-18 04:05:42
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社会的に有利な立場にいる者が、不利な立場にいる者の被る不正義について、認識を深める上で、「認知的摩擦」がキーになるという。 「特定の人種であることで社会的に有利な立場にいる者が、人種差別による不正義を、どのようにして認知できるのか」。
2022-10-18 04:19:23
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メディナは、認知的摩擦の回避が認知的悪癖である所以を、①人種差別の被害者が受ける不正義についての無知と、②その不正義に関する無知についての無知…無知であることの無自覚…の両方を再生産する点に見てとる。
2022-10-18 04:25:53
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摩擦のない円滑なコミュニケーションを求められてしまえば、社会的に不利な立場の者は、権力勾配の上の社会的に有利な者に、順応的な態度を取らざるを得なくなる。twitter.com/chokusenhikaem…
2022-10-18 04:31:20
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R・マーフィーはいう。「身障者は自分の障害について自分を慰めるだけでなく、障害のない者たちをも慰めてやらねばならない。病んだ体は笑うことだけを許されている。怒りや憎しみの感情は人前では封じ込めておいて、どこか舞台裏で人知れず爆発させねばならない。」
2022-10-18 04:37:40
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怒りや悲しみの表出は、健康な者をしばしば当惑・動揺させるものであるがゆえ、円滑なコミュニケーションの躓きの石ともなるからだ。 苦しみを抱える相手が無理をして私に合わせ、円滑な会話が進行するだけなら、私は相手がどのような苦しみを抱えているのか、わからない。
2022-10-18 04:43:34
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@chokusenhikaeme
それは私が浸っている幻想をさらに強化するだけだ。 摩擦のない、快適な円滑さではなく、当惑と動揺を伴う認知的摩擦の体験こそが、私が相手の混沌とした苦しみを、責任を持って知るうえでも極めて重要だ。
2022-10-18 04:49:23
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メディナによれば、認知的摩擦は、これまで社会的に有利な立場にいる者が、慣れ親しんできた自らに都合の良い認識を批判的に吟味する、そういった苦痛を伴う体験にもなる。 相手の苦しみが底の見えない深さを持っているため、それを認識することの苦痛という要素に注目する必要がある。
2022-10-18 04:53:13
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@chokusenhikaeme
混沌とした苦しみにおける認知的摩擦においては、それまで固守してきた自他についての甘い認識が激しく問い質されていくなかで、「認識をめぐる苦闘」とでも呼ぶべき苦しい体験をするのではないか。 相手の身体表現を通して、「おまえはこの状況を本当にわかっているのか」といった、胸を抉られる
2022-10-18 05:00:16
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@chokusenhikaeme
ような厳しいメッセージが、他ならぬ自分に向けて発される。相手からの厳しい訴えが続けば、心身ともに消耗していく。相手からの厳しい異議申し立ては、幻想的な他者認識に綻びを生じさせ、甘い認識を打ち砕く。
2022-10-18 05:04:51
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それは同時に、「私は相手のことがわかっている』という幻想的な自己認識を打ち砕き、ケアという営みに対する幻想的な認識をも打ち砕く。 私たちが、脆さを抱えるがゆえに自己保全にいそしむ存在である点を踏まえるならば、自他およびケアについての幻想的認識に固執しようとするかもしれない。
2022-10-18 05:11:51
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@chokusenhikaeme
認知的な摩擦を体験することを通して、全容が定かではない相手の苦しみの「存在」が否応なく指し示される。苦しみの生々しさが、目を背けたい、耳を塞ぎたい私たちをその苦しみに振り向かせ、甘い認識を厳しく問い質す。厳しい問いかけは、私たちの脆さえに、自己保全へと逃避する理由になってしまう。
2022-10-18 05:21:50
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@chokusenhikaeme
認知的摩擦を通して、自他およびケアに関する幻想的な認識を改めるように迫られる局面がなければ、相手の混沌とした苦しみに対して無知の状態にとどまるのみならず、無知であることにも無知であるような状態が継続的に維持されてしまう。
2022-10-18 05:26:44
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@chokusenhikaeme
苦しみを認知すること…苦しみの証人になるということ、混沌の語りを尊重するということ…は、単に相手の言うことに無言でうなずいたり、相手の述べたことをパラフレーズするといった表層的なコミュニケーション・スキルによって達成されるような生易しいものではない。
2022-10-18 05:32:03
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@chokusenhikaeme
そこで求められている認知は、安全地帯から見下ろし静観するような認知ではなく、安全地帯から降り、その苦しみを何らかの仕方で共有する、という「共苦」を通しての認知だと思われる。
2022-10-18 05:37:41
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@chokusenhikaeme
相手が抱える混沌とした苦しみの認知は、私たちを安全地帯から引きずり落とす、相手との抜き差しならぬ関わりの中で展開する認知的な苦闘になるうる。 私たちはこのような認知的苦闘を通じて、混沌とした苦しみにおける共苦というものが、同じ苦しみの共有ではないこと、
2022-10-18 05:42:17
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それぞれの苦しみの共有しがたさを共有すること…苦しみの共有不可能性…苦しみにおける孤独…を共有することだということを、痛感することになるのかもしれない。「そこにある苦しみは、それぞれの個別的な、これまでの来歴を背負った、かけがえのない苦しみであるように思われる。🧵」
2022-10-18 05:48:06