『博士ー!明さんが目を覚ましましたー!!』 部屋に居ても解る程の大きな声を出して言うものだから、響子はゆっくりと上半身を起こし、目を擦って明の方を見た。 「明、さん…?」 「は、はい」 「よかった…」
2022-12-30 20:32:46ジョークに腕を引っ張られるようにやって来た煉瓦博士は「おぉ、明!目を覚ましたかね!!」と声をかける。 「はい、このとおり」 「やー、本当、ココに運ばれた時は、かなりヤバかったからなァ…。ワシとジョーク、そして、カゲ法師のお嬢さんと親父さん達の力がなかったら、どうなっていた事か…」
2022-12-30 20:32:47煉瓦博士と響子の話によると、明は【カゲ】に喰われかけていたが、響子と篠丞の滅する力を用いて【カゲ】を滅したが、身体の損傷部分は煉瓦博士とジョークで半日以上かけて治したという事だ。
2022-12-30 20:32:48『いやぁ、本当。明さん、すっごーい事になってたんですよー!』 「すみません、僕が無理をしたばかりに…」 「なぁに、無理が通るのは若い内だぞ。ワシだって、内容はどうあれ、君らの年頃だった時はいろんな無理を通したもんだからな」 ハハハ!と笑いながら、ジョークを押して一緒に部屋を出た。
2022-12-30 20:32:48二人きりになり、少しだけ静かになったが、明は気になっていた事を響子に聞いた。 「あの人……ナオザネさんは、どうなったんですか?」 「彼ならば、明さんが救った後にやってきた、277機関の機関者達によって連行されました」
2022-12-30 20:32:49壱ノ笠で罪を犯した者を捕える者達、277機関。 存在自体は明も知っているが、直接的には会った事はない存在だ。 「僕は、自警団長として、これからも活動してもいいのでしょうか…」 頭を下げたまま言う明に対し、響子は、彼の目線に合わすように両手で顔を上げさせてから返答する。
2022-12-30 20:32:50「…例え、他の者たちが異を唱えたとしても、私は、平田明さんの味方で居ますから」 その言葉を聞いた明の目に、涙が溢れ出しそうになったが、すかさず響子は上着のポケットからハンカチを取り出し、そっと、明へ渡したのだった。
2022-12-30 20:32:50身体の調子を見つつも、明は以前のように実家の牛舎の仕事や、自警団長として勤めている。 そのような日々の中で、槻國吉果から「今回のお見合いは、断らせて頂きます」と直接の申し出があった。 #平田明のお見合い話
2022-12-31 22:12:56両親は引き留めようとしたが、本人の意思は揺らぐことはなく、深々と頭を下げる姿を見てしまった以上、こちらが止められることは出来なかった。
2022-12-31 22:12:57あともう少しでゴール出来るすごろくのマス目に書かれた「振りだしに戻る」を見て「スタート地点まで戻るだけの事」だと思ってさらに数週間過ぎた頃だった。 「明!お見合いのお話が来たのよ!!」 近くに居た父の友幸が驚くような表情を浮かべ「母さん、それは本当の話か?!」と声をかける。
2022-12-31 22:12:57「聞いて驚かないでよ、管崎家の篠丞さんと南緒子さんから直接連絡を頂いたのだから、間違いないわ!」 父親と息子、二人は思わず顔を合わせてしまったし、明の方がもっと驚きを隠せない表情を浮かべていたのは、言うまでもない事である。
2022-12-31 22:12:58あとがき
どうも、改めまして『平田明のお見合い話』を執筆していました、伍条 月斗です。 執筆し始めたのは2022年4月下旬からで、そこから紆余曲折を経て12月の本当に年末過ぎて(これは一体どういう事ですかな?!)って、私自身も思っています(汗
2022-12-31 22:19:22今回のお話としては、以前フォロワーさんと合作執筆した作品『新人団長 平田 明』から続くお話で、カゲの自警団長一人でもある平田明くんに「見合い話が来たぞ!」っていう所から始まったのですが…、幻影教(特にナオザネ氏ら)の存在が強いのなんのって…!
2022-12-31 22:31:08幻影教の教祖サマとして暗躍するナオザネ氏 明くんの見合い相手として槻國吉果が登場したり 響子がカゲ法師として活躍したり 江東くんが野良自警団として活躍したり 響子の実弟でもある侑司が活躍したり …本当、今作は色々と活躍しまくった自創作ッ子達が多かったなァと思います😌
2022-12-31 22:31:09この子達をはじめとした、沢山登場した自創作ッ子達は、これからも壱ノ笠で活躍するのだろうと思うと、感慨深い所がありますね…(ウン) 何時までも長い話をしてもアレなので…。
2022-12-31 22:31:09『平田明のお見合い話』を読んで下さった方等、本当にありがとうございます。 次に執筆する作品は、既に決まっていますが、どれくらいの期間になるかは、現状ではわかりません。 ですが、もし、次作も見かける機会があれば、その時は(今日も書いてらぁ)と思って頂ければと幸いです。
2022-12-31 22:31:10追記:完結絵における自創作ッ子の名前表記はコチラ! min.t収録は、出来次第UP報告致します!!! pic.twitter.com/laOckGl6DL
2022-12-31 22:37:12ギャラリーアーカイブ
平田 明
本日のお絵かき:500サイズシリーズその111、牛屋の長男として育ってきた平田 明(ヒラタ アキラ)はある日、父の友幸が勤めていた上北地区におけるカゲの自警団長を任される。 実家の牛舎を手伝いつつも、カゲの自警団の長という二足の草鞋な日々を送る青年でもある。 pic.twitter.com/sKzhL5zWCR
2021-08-31 22:52:23管崎家の面々
本日のお絵かき:500サイズシリーズその121、純血のカゲ法師の一人でもある管崎 響子(カンザキ キョウコ)は、弓矢を用いて【カゲ】を滅するカゲ法師でもある。 道具を用いて滅する者自体は響子以外の者でも居るが、数としては少ない方である。 pic.twitter.com/eryoONhpV2
2022-06-30 21:11:05本日のお絵かき:500サイズシリーズその124、管崎家としても、かなり久方振りの「双手双眼のカゲ法師」として生を受けた管崎 侑司(カンザキ ユウジ)。 だが、その力を十分に使い慣れていない為、師でもあり祖母の管崎蝶華指導の下、日々鍛錬をこなしている。 pic.twitter.com/ntFXsJz6Yu
2022-09-30 22:16:44本日のお絵かき:双手双眼のカゲ法師、先祖と子孫。 pic.twitter.com/FdxKvPridB
2022-10-14 19:17:49カゲの自警団たち
本日のお絵かき:500サイズシリーズその119、カゲの自警団の長でもあり、壱ノ笠の朝日地区の自治会長でもある彼の名は、平井 猪太郎(ヒライ ショウタロウ)。 猪の姿になる能力は小さい時からのもので、その能力を用いて【カゲ】を滅する事をカゲ法師から教わったお礼として、自警団を結成する。 pic.twitter.com/jo9q5P92l6
2022-04-30 22:21:38本日のお絵かき:500サイズシリーズその68、江東幹尚(エトウ ミキヒサ)は壱ノ笠に住んでいる若者だが不良でもある。しかし、そこらの不良と一緒に見られては困るとは本人の弁。彼は「自分らよりもタチ悪い不良を成敗する存在」として、日々、夜の壱ノ笠を走るのであった。 pic.twitter.com/iLdmK5YGqt
2018-01-31 21:37:07本日のお絵かき:500サイズシリーズその94、身体は白く胴体が長い生き物で、異界な存在として過ごしていたが、ある日を境に人間から狙われるようになり、傷ついている所を江東幹尚という人間に助けられ、メルトという名を貰っている。なお、過去に一度だけ人間の姿になった事がある。 pic.twitter.com/RdDPoLCRK3
2020-03-31 21:48:50カゲの殺し屋たち
本日のお絵かき:500サイズシリーズその93、かつてはカゲの自警団員として活躍していた麻下トモヨ(マシタ トモヨ)、ある出来事がキッカケで脱退した代わりに、彼女らをはじめとする面々と共に『カゲの殺し屋』を設立した。 なお、カゲを滅する際の道具は、肥後守を模したものとなっている。 pic.twitter.com/fr1PWtN7fW
2020-02-29 01:54:07本日のお絵かき:500サイズシリーズその88、対カゲ滅し戦闘用アンドロイドは身長が高い上に、全身が細いため皆からは「ノッポ」と呼ばれ存在している。 自らの意思でカゲの殺し屋についたという話だが、実際の所は本人に聞いてみないと分からないのが現状である。 pic.twitter.com/lnizVAzwVz
2019-09-30 22:51:45幻影教の面々
本日のお絵かき:500サイズシリーズその123、壱ノ笠に生息する【カゲ】という存在を崇める教団、幻影教の現・教祖サマというのがナオザネだ。 主な活動場所は上北地区にある黒い教会で、夜深い時間帯に集会を開いており、彼を中心に様々な所から教団員が集まっているという。 pic.twitter.com/EI6ZWcmGsZ
2022-08-31 22:07:36本日のラクガ考:現・幻影教の教祖サマのナオザネ氏(細かい所が変わる可能性はあるかもですが、大体この方向で...!!) pic.twitter.com/gUBag6KGhB
2022-06-03 22:42:37