平田明のお見合い話

伍条 月斗（創作ｱｶ） @5jyouTsukito

『#平田明のお見合い話』は、壱ノ笠・上北地区「カゲの自警団」団長こと、平田 明くんがメインのお話だったりします。 なお、自警団やカゲ法師とは別の集まりも居ますが、画像を見て頂ければ幸いです。 平田くんのキャラスジはコチラ⇒charasuji.com/users/5jyouTsu… pic.twitter.com/dmQdoaaNag

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今回、主に登場する方々についてのメモラクガはコチラ…！（展開次第では増える可能性もあるので、その時になったら改めて描きたい所であります…！） twitter.com/5jyouTsukito/s…

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本日の（??）メモラクガ：『平田明の見合い話』で登場する方々について。 pic.twitter.com/7BujhjS76l

2022-04-22 21:29:05

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執筆中、新たに登場した自創作ッ子はコチラ！ twitter.com/5jyouTsukito/s…

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本日のラクガメモ：現在執筆中の『平田 明の見合い話』より、新たに登場した方々について。 pic.twitter.com/R5AI2fa4Qf

2022-06-20 12:06:50

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【こちらのタグで本作に登場する方々を紹介しました！】 ※現段階（2022年6月22日付）で登場している方々を中心に紹介しているので、今後増える可能性はありますが…！ twitter.com/5jyouTsukito/s…

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#いいねされた数だけうちの子を解説してフォロワーさんにうちの子を知って貰おうキャンペーン もし来たら『平田 明のお見合い話』に登場する方々を解説出来ればとは思いますネ。

2022-06-22 08:01:29

伍条 月斗（創作ｱｶ） @5jyouTsukito

僕の名前は、平田 明（ヒラタ アキラ）。 壱ノ笠の上北地区で、酪農を営んでいる平田家の長男であるのと同時に、カゲ法師の手助けをしたり、自らも道具を用いてカゲを滅する『カゲの自警団』に所属している。 #平田明のお見合い話

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自警団自体は、各地区に長が居るが、僕の住む上北地区団長は前任が、僕の父が担当していたが、ある日「明、お前に団長の座を任せる。その分、俺は牛舎の方を手伝うからな」と言って辞めたのだ。

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それ以来、朝から昼前までは牛舎の手伝いと、昼過ぎから夕方にかけては自警団の団長として、他の団員と共に見回りをしたり、半月に一度開かれる報告会へ赴いたりしている。

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そういう日々を過ごしている中で、周りが僕の事を心配しているなんて事は、知りもしなかった話である――。

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午前の牛舎仕事を終えた明は、家へ向かい、脱衣所に入るや、着ていた赤いツナギを脱ぎはじめ、鏡に映る自分の姿を見て思う。 ――僕の身体の一部は機械があるなんて…、この見た目じゃあ、それはわからないよな…。 #平田明のお見合い話

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明が小さい時の事だ、機械化が進む前の牛舎は、牛に近づくこと自体がそれほど難しくはなかった時、幼い明は当時来たばかりの乳牛のストレスを減らそうと思い、持てる分だけの寝藁を抱え、その乳牛に近づいて声をかけながら撫でた後、その場を離れようとした時だ。

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突如として乳牛は突然暴れ始め、気づいた時には、明は全身を負う大怪我に見舞われた。 少しでも遅かったら、この子は助からなかったかもしれない。 明の手術と、身体の一部に機械を入れたという煉瓦博士は父と母にそう言ったという。

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全てではないとはいえ、身体の一部がそういうものだというのもあってか、表情は朗らかになりにくい上に、カゲを滅するにも、牛舎の仕事においても「無茶はするな」と、周りから言われる事もある。

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ふぅ、っと深い溜息をつきながらも、洗濯籠にツナギを入れるや、予め用意していた服やズボンに着替え、脱衣所を後にした。

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昼食を食べ終えた明は、カゲの自警団としての見回りの為、外へ向かう用意をしている時だった。 「明お兄ちゃんだー！」 「どこかいくのー？」 小学校に入ったばかりの双子の妹たちが明の方にやって来る。 「おかえり、どうだった小学校は？」 #平田明のお見合い話

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ポニーテール頭の子は「たのしかったよー！」という反面「でも、お勉強は苦手かも…」と、おさげ頭の子は遠慮気味に言う。 「そっか…でも、学校は色んな事が学べるし、なによりも、お友達に会える場所でもあるからね」

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二人そろって元気よく返事をしたところで、家の呼び鈴が鳴るや「じゃあ、あとでね」と言い、玄関に向かって行った。

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玄関の扉を開けると、目の前にはカゲ法師の一人でもある管崎響子が立っていた。 「こんにちわ、平田さん」 「こん、にちわッ！」 「今日はよろしくお願いします」 #平田明のお見合い話

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今日の見回りは、カゲ法師の管崎響子と共に行動しつつも、上北地区を案内するという役目も担っている。 「いま、車のカギを持ってきますので！」と言い、茶の前の壁に掛けている軽トラックの鍵と、免許証が入っている財布を慌てながらも取りに行く。 「お待たせ、しました！」

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その様子を見た響子は「そんなに慌てなくても、大丈夫ですよ」というものの、明は頭を掻きながら「いや、その…なんといいますか……」と返す。 「まぁ、我々が活動出来るのは陽が昇っている時ですから、時間がある方が良いのは確かではありますが……そう言う事に関しては、焦らなくても大丈夫です」

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響子の居る玄関前まで軽トラックを運転した明は「ちょっと、狭いですが…どうぞ！」と言いながら、助手席の扉を開けた。 「ありがとうございます、平田さん」 ゆっくりと扉を閉めた明は、運転席の方に乗り、互いにシートベルトをしめたのを確認した後、運転し始める。 #平田明のお見合い話

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軽トラックが動き始めるや、横目で響子を見ながらに「だ、大丈夫ですか？」と聞けば「はい、ですが……軽トラックは初めて乗るので、少々、緊張しています」と返す。 ――名家出身というだけあって、流石に軽トラックには乗ったことが無い、か…。

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そんなことを思いつつも、明が運転する軽トラックは上北地区の道路を走り始めるのだった。

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壱ノ笠には【カゲ】という存在がいる。 見た目は正に「影」そのものだが【カゲ】は生きている上に『ヒトの心のスキマに入り、そのヒトに成り代わる存在』だ。 #平田明のお見合い話

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この【カゲ】を見つけ出し、滅する能力を有する者は「カゲ法師」と呼ばれている。 家系的には管崎という名の者達が主に多く、管崎家の出の者でカゲ法師ならば「純血のカゲ法師」と呼ばれることもあり、代々と続く家柄で、壱ノ笠に古くから居住しているというのもあり、知らぬのはよその者位だろう。

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カゲ法師の特徴としては『【カゲ】を探知し・見つける為の眼は赤く反応する事』と『【カゲ】を滅する手は黒く染まる上に、硬質的になる事』があげられるのだ。

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管崎家以外にも、別の家に嫁いでいった中で、カゲ法師の力を有する者も居るのも事実。 しかし、カゲ法師にも数が限られている上に、街のすべてを守れるとは限らない――。

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そこで「カゲ法師に協力したい」という有志が集まり、カゲ法師には劣るものの、探知する機械や、滅する為の道具を用いて協力する存在というのが「カゲの自警団」なのである。

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ほぼ一通り上北地区を見回りが済むと、明は休憩がてらに牧場近くにある広い駐車場に軽トラックを止めた。 「僕の運転…大丈夫でしたか？」 「はい。正直な所を申しますと……殆ど軽トラックに乗ったことが無いので、感覚がまだつかめていない所がありますが…」 #平田明のお見合い話

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上北地区の道路の大半はコンクリートで出来ているとはいえ、一歩細い道等に入ると砂利道がある所も多く、いくら安全運転したとしても、そこを通る度に車体は揺れたり、軽くバウンドしたりする事も多いのだ。 「街の方では流石に、砂利道ってないようなものですよね…」

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頭を掻きながら言う明の姿を見た響子は「でも、明さんの運転はとても丁寧でしたよ」と返す。 「あ、ありがとう、ございます…」

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見回りを終え、響子を家まで送った頃には、空はすっかり夕暮れの色に染まっていた。 家に帰る途中、学校帰りの弟の姿が見え、助手席側の窓を開け「乗ってくかい？」と聞けば「サンキュー兄貴、助かった！」と言いながら荷台に鞄を置いた後、助手席に乗った。 #平田明のお見合い話

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「あれ、さっきまで誰か乗ってた？」 「そうだけど、なんでわかったの？」 「いや、なんか温かいなーと思ってさ」 「そっか…。それよりも、安全運転で行くのは勿論だけど、ちゃんとシートベルトしめてね」 「わかってるって」

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家に到着した頃には、空は橙色から深い青色に変わり始めていた。 車庫に軽トラックを止め、駆け足で家に向かっていく。 ――夕ご飯軽く食べなくちゃ…、腹が減ってはなんとやら、だからね。 #平田明のお見合い話

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家に入ると、夕食の準備をしていた祖母が声をかけてくる。 「明くん、おかえりなさぁい」 「ただいま、お祖母ちゃん、お祖父ちゃん」 「これから牛舎の方か？」 ソファに座って本を読んでいた祖父だったが、明の顔を見る為に本を閉じてから聞いた。 「うん、その前に夕ご飯食べなくちゃと思って…」

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ウンウンと頭を頷かせつつ、祖母はおにぎりと麦茶、明以外の孫たちにも出す野菜炒めを用意しながらに言う。 「友幸たちは既に食べて終えて牛舎の方に行ってるけど、自警団の方もあったから、コッチに来るのは焦らなくても大丈夫だって、友幸が言ってたわよ」

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祖母から父親の伝言を聞いた明は「ウン、わかった」と返しつつ、目の前に出された料理を見ながら手を合わせ「いただきます」と頭を軽く下げ、夕食を食べ始めるのだった。

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家の近くまで送ってもらった管崎響子は、玄関に入ってから鞄に入れていたスマートフォンを取り出した。 ロックを解除すると、何件かの通知が入っていた中に自分の母親からのメッセージが入っているのを見つけ、その項目をタップする。 #平田明のお見合い話

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響子へ そろそろアナタも身を固めるべきだと、周りが言っているのよ。 勿論、今は学生だし、管崎家のカゲ法師として活躍しているのは父さんや母さんだって解っているつもりよ。 けど、周り…特に、蝶華さんや一部を除いた親族がそう言ってるのであって――

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メッセージをサラっと目視した響子だったが、思わずため息が出てしまう。 自身でも解っていることだけれども、周りがそう言ってくるのも解るが、響子としては「まだ身を固めるには早い」と思いながらも、スマートフォンの画面をオフにするのだった。

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牛舎の仕事を終えた明は、長い息をはきながら身体を伸ばしている時だった。 「明、あれから身体の調子はどうだ？」 背後に居た父親の友幸が声をかけてきたものだから「うん、大丈夫だよ」と返す。 #平田明のお見合い話

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友幸の言う「あれから」というのは、明がまだカゲの自警団の団長になって間もない頃に起きた出来事のことで、知っている者達の間では「カゲ法師の暴走」と言われている。 「そうか、ならいいんだ」 沈黙の時が流れそうになった所で、明は話題を変える。 「そういえば、明日は商品の販売会だよね」

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「おぉ、そうだな」 「平田家印の飲むヨーグルト・バター・牛乳……あと他には」 「アイスクリーム、だな」 「うん、そうだね」

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翌朝、明は何時もより早めに目を覚まし「さ、寒い…」と呟きつつもベットを出て茶の間に向かう。 「明、おはよう」 「おぉ、起きて来たか明」 「おはよう、母さん、父さん」 既に朝食の用意をしていた両親を見ながらに、明はテーブル席に座る。 #平田明のお見合い話

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「今日は朝仕事が終わったら販売会、だよね」 「そうだな」 「どれだけ人が来るのか解らないけども、楽しみに待っている人が居るんだから、ちょっとガンバらないといけないかもしれないわね」 「うん、そうだね」

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朝仕事が終わって休憩をはさんだのち、平田家印の牛乳を使った製品の販売会の準備が始まった。 販売前だというのに、会場前ではこの時を待ちわびているお客さんが既に並んでおり、明をはじめとした、両親や下のきょうだい達、ヘルパーさんたちも販売会を手伝っている。 #平田明のお見合い話

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「父さん、準備はいいです？」 「あぁ、まかせておけ！」 友幸が合図を出せば、明は境界線でもあるチェーンを外すと、待ってましたと言わんばかりにお客さんは商品を目指して小走りに向かって行く。

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「ゆっくりで大丈夫ですよー」 明は前を通るお客さんに言っている時だった「やれやれ…相も変わらず、前に居る客っていうのはどうしてあんなに焦りっぽいんだかねぇ」と呟く女性の声が聞こえた。 「トモヨさん！」