打ち合わせ一切なしのリレー小説まとめ
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和美 @777nagomi

@megane_ryman_L さん?」 驚いて見開いた目は、悲しそうに涙を流すアスカさんをとらえ、ゆっくり閉じていく。 「ほんとうに、ごめんなさい。私は…」 アスカさんの言葉を最後まで聞くことなく僕の意識は途絶えた。 次に目覚めたのは頬を軽く叩かれたから。目を開けると、ボロボロの課長がいる。 「奈倉君なにがあった

2021-06-28 22:39:15
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 心配そうに言われ、改めて自分の腹を見る。そこにはやはり、ナイフが……あれ?痛いは痛いが、この状況にしては軽すぎる。 「アスカさん、が」 起き上がり、ナイフを引き抜くと、あっさり抜けた。不思議に思いシャツをめくってみたら、浅く傷ができているだけだった。 「安全装置が働いたんだろうな」

2021-06-28 23:10:53
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L スーツ最期の仕事だっただろう。 課長が言うと同時に、スパークが走ってスーツから煙が噴き上がった。慌ててスーツを脱ぐと、空から光が降り注いだ。 「例の薬を撒いたらしいな。これで全て終わりだ」 満足気に頷く課長。つられて頷きそうになると、格納庫が突如爆発した。確か、プロトがあるところだ

2021-06-28 23:23:46
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi そういえばアスカさんは? 「薬は誰が撒いてるんですか?」 「アスカ君しかいないだろ?」 課長はさぞ当たり前といった感じだが、そんなのありえない。 「僕を刺したのはアスカさんなんですよ?」 「だろうな」 まったく課長は驚いていない。それどころか訳知り顔でだんだん苛ついてきた。 「その

2021-06-29 00:31:18
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 顔では、まだ状況が分かってないな。アスカ君が憎んでるのはなんだ?」 アスカさんの憎んでいるもの。1つしか浮かばない。でも、それが答えなのか分からない。 「メガーネ、ですか?」 おそるおそる答えると、課長は頷いた。 「そうだ。奴らは通常兵器では倒せないが、今なら直接倒せる。復讐には

2021-06-29 08:14:50
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi もってこいだ」 それは理解するが、だからといってなぜ僕を刺すことになる? 「あと、奈倉くんが忘れていることがある。アスカくんはあれでも……めがじょだ」 「あ」 いつもメガーネに突っ込んでいくから忘れていたが、アスカさんはめがじょだ。それで眼鏡教のスパイだとか噂されていた。アスカさん

2021-06-29 23:54:01
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L まさか本当にスパイだったのか!? アスカさんとの思い出が走馬灯のように流れ、やるせない気持ちになる。 「おい、何か勘違いしてるようだから一応言うが、彼女はスパイでは決してないぞ」 気のせいだと思うが、課長の目がジト目に見えて恥ずかしくなる。 「プロトスーツはね。眼鏡を思う力がそのまま

2021-06-30 21:20:50
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi パワーになるの」 声のした方向へ顔を向けると、アスカさんが立っていた。 「それでまた、奈倉くんがメガーネになって暴走してしまうのが……怖かった」 つらそうに顔を歪める彼女に、返す言葉が見つからない。 「あと、スパイなのは本当よ。ただし、二重スパイだけど」 「じゃあ、僕を刺したのは敵を

2021-06-30 22:31:27
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 欺くため」 やっぱりアスカさんは優しい人のまま。そう信じてやまなかった。けれど…。 「違うわ」 冷たく、ハッキリとした言葉。 「今更欺く必要なんてない。私は奈倉君に邪魔されたくなかったの。復讐のね…変身」 すると、アスカさんをパワードスーツが覆った。 「改良されたプロトはね、携帯可能

2021-06-30 23:00:19
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi なのよ」 アスカさんの視線の向かう先。そこにいるのは課長ただひとりだった。 「あなたはあの日、マコトを見捨てた」 言葉を詰まらせ、苦しげに課長が顔を歪ませる。 「あなたならマコトを助けられるはずだった。なのにあなたはマコトを見捨てた。なぜかって?それはあなたが……」 自分の耳が信じら

2021-06-30 23:15:03
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L れない。二人の因縁が。 「彼を見捨てたから!助けられまはずなのに、手っ取り早く鎮圧するために貴方は引き金を引いた!」 過去の出来事が。 「…弁明するつもりはない。殺すなら殺せ。ただし、それで終わりにしてくれ」 その贖罪が。 「ダメ。メガーネも全て殺すわ」 破滅の道が。 「ならば、倒す

2021-07-01 01:03:25
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi せ」 課長の輪郭がぼやけた気がした。まさか、と再び見たとき、そこに立っているのは課長ではなく……メガーネだった。 「えっ!?だっていまの薬の散布で、メガーネは人間に戻ったはず……」 現にあんなに騒がしかった外は静かになっている。しかもなんで、あの課長がよりもよってメガーネに?

2021-07-01 02:10:08
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「やはり、なっていたんですね」 静かに、されど、怒気をはらんだアスカさんの言葉が重々しい。 「あの時、からな。最も、だからといって私のする事は変わらなかった。スーツを着て悪を倒す。それだけだ。そして、その戦いは終わった。もう、数分で怪人になる事も出来なくなるだろう」

2021-07-01 08:12:24
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「その悪とは、悪とはなんなんですか!?あなたは何人の仲間を殺したと思ってるんですか!?」 ガシャッ!と大きな音を立て、アスカさんが勢いよく重厚を課長へ向ける。……仲間を?殺した?課長が?そんなはずはないと思いたい、が。 「いずれ、怪人に变化していた者たちだ。自らの手で無抵抗の人間を、愛

2021-07-01 08:33:07
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L した人々を傷つける前に、私が終わらせたんだ。…君も、私だけでなく、元怪人とはいえ、民間人に危害を加えるというのなら、私が止める。ヒーローとして、最期の仕事として」 「そんな歪んだ正義、私は認めない!」 アスカさんが弾丸を放った事で、戦いの火蓋は切って落とされた。 弾丸を軽々と避けた

2021-07-01 12:28:01
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 課長が易々とアスカさんに肉薄する。 「本当は立っているのがやっとなんだろ?」 「ぐはっ!」 容赦なく課長の拳がアスカさんの腹に叩き込まれる。 「どうした?私を倒すんじゃなかったのか?」 悶絶するアスカさんを前に、課長はどこか愉しそうだ。……狂ってる。課長はもう、心まで怪人化して

2021-07-01 18:49:17
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L いるのか! 「変…身!うぉぉ!」 立ってるのがやっとなのは自分も同じ。それでも、残る力の全てを使って、課長に立ち向かう。 「奈倉君、君も戦うというのか!」 少し驚いた様子の課長だが、すぐに態勢を立て直し、僕の攻撃を軽くいなす。 実力差は歴然だが、僕も課長も時間制限がある。それまで持ち

2021-07-01 20:34:30
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi こたえればいい。 「まだまだ甘いな」 「うぐっ!」 課長の蹴りが華麗に僕へヒットする。それはずっしりと重く、膝をつきそうになったがどうにか持ちこたえた。 「はっ、あんただ……って!」 渾身の力で課長に拳を突き入れる。 「だから甘いと言っただろ」 「それはあなたでは?」 ようやく起き

2021-07-01 20:44:29
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 上がったアスカさんの機関銃が火を吹く。が、課長は後ろに飛んで回避した。むしろ、コントロールの定まっていない弾丸が数発僕に当たっている。普段のアスカさんなら、絶対ないミス。アスカさんも、今はまともじゃない。 銃火器は無駄と判断したのか、ガシェットを動かしてサーベルに切り替えると、

2021-07-01 21:28:00
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 課長へ突進していく。 「ダメだ、アスカさん!」 いまの課長に無策で挑んだって勝てっこない。それでなくても強い課長が、まるで神がったかのように何杯も強くなっていた。いや、心身ともに怪人化してしまったからこそ、無敵になったのか? 「ぐはっ!」 女相手だというのに容赦なく課長がアスカさんを

2021-07-01 21:41:26
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 殴りつける。怪人化したとはいえ、慣れないパワードスーツで動きが鈍くなったアスカさんでは、全く動きについていけてない。 「ぐ、アスカさん、ここは協力して…!」 戦いながら必死に呼びかけるも、返事はない。戦うのにいっぱいいっぱいで、届いていないのだ。

2021-07-01 22:51:06
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi なにか手を考えなければ。 「アスカさん!アスカさん……!」 無駄と知りながら呼びかけ続ける。なんとかして無駄に突っ込み続ける彼女を止めないといけない。 「アスカ、さん……!」 伸ばした指先がようやく彼女に届く。夢中で引き寄せ、抱きしめた。 「ヤダ、離して!私はあいつを、マコトの敵を

2021-07-01 23:42:10
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L とるの!」 戦いに飲み込まれ、無我夢中。僕が誰だかも分かってない。その間にも、課長の攻撃が何発もとんでくる。そのたびにキズが身体についていく。もう、時間がない。 「離して!」 なおも、アスカさんは抵抗する。 パンッ! 思った瞬間、アスカさんの頬を叩いていた。乾いた音は、妙に辺り轟いた

2021-07-02 20:59:19
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「冷静になってください!無闇矢鱈に突っ込んではダメだ!」 頬を押さえて呆然としていたアスカさんだが、僕の言葉ではっとなにかに気がついた顔をした。 「……そうよね。作戦を考えましょう」 顔を上げた彼女はようやく、いつもどおりの表情に戻っていた。 たぶんアスカさんも僕も、そして課長も

2021-07-02 21:14:13
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 望んでない戦いだ。きっと止められる。 「ムダダァ!!」 課長のパンチを、かろうじて回避すると、逆に突っ込んで取っ組み合う。剣道なら鍔迫のような状態。 「背中ががら空きよ!」 そこに、アスカさんのサブマシンガンが炸裂する。至近距離からの攻撃、さすがの課長だってただではすまないはず。

2021-07-02 22:32:10
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「無駄だと言ったはずだ」 ニヤリ、と嫌らしく課長の顔が歪み、瞬間飛び退いていた。 「無敵になった私に効くわけがない」 振り返った彼が、ゆったりと歩をアスカさんへと進める。背中は銃弾によって負った傷を瞬く間に治し、ぽろぽろと弾が落ちていく。 「アスカさん、逃げて!」 しかし彼女はその場

2021-07-02 23:25:20
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L から動かずサーベルを構えた。 「逃げない。どのみち貴方は終わりです。なら、せめて一太刀浴びせる!」 「確かにもう時間か。なら君は道連れにする」 走りながら渾身の一撃を放つ課長。迎え討つアスカさん。このままでは刺し違える。 「うわぁぁ」 がむしゃらに放った蹴り。それを課長は無抵抗で受け

2021-07-03 00:15:11
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi た。手応えは確かにあったが、課長は蚊に刺された程度にしか感じていないのか、かまわずに身体を捻って肘を思いっきり引く。 「アスカさん!」 課長の堅く握られた拳が青白く燃え上がった。そこからはすべてが、スローモーションのように見えた。ゆっくりと、しかし確実に拳は空気を引き裂いてアスカ

2021-07-03 00:37:59
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L さんの身体に直撃した。だが、同時に、アスカさんのサーベルが課長の胸を貫いていた。 「これで、ようやく終わったか」 課長が満足気に呟くと、ゆっくりと倒れていった。 「アスカさん!」 仁王立ちの姿勢のまま動かないアスカさんの元に向かうと、スーツが粉々に砕けた。 「ギリギリ、耐えたみたい」

2021-07-03 14:53:47
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ぎこちないまでもアスカさんが笑顔を浮かべる。これで終わったのか? ――ギ、ギギギギギ。 緩んだ空気を否定するように耳障りな音が辺りに響き渡る。課長がまるでなにかに操られるかのようにギクシャクと立ち上がった。 「嘘だろ!?」 まさかまだ、生きているのか!?しかし課長の目は虚ろで生気がない。

2021-07-03 18:45:51
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「やーやー、これはいい素材だねぇ」 唐突に響いた少年のような甲高い声。驚いて振り向くとそこにはまだあどけなさの残る、中性的な顔質の少年がいた。ただ、何かがおかしい。そしてその原因はすぐに分かった。瞬きをしていないのだ。 「お前は誰だ!」 ボロボロの身体にムチを打ち、精一杯睨みつける

2021-07-03 20:14:57
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi しかしそんな質問さえ許さないかのように、課長……だったものが襲いかかってきた。 「誰って?そーですね……眼鏡の精、とか?」 まったくその場にそぐわないふざけた顔で、ソイツがキャハッと笑った。けれど僕は課長を捌くのに精一杯で、やつの声などほとんど届かない。 「眼鏡の精、だと?」

2021-07-03 20:25:17
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「だって、メガーネは眼鏡の異常愛好者達の集まりだからねー。そのトップの僕ちゃんは眼鏡の精、いや神かなー」 閃いた、とポンと手を叩いて言い放った宣言は、異常者そのもの。自らを神などと言う人間は、古今東西まともな思考じゃない。 「さて、じゃあ新しい身体を試してみますかね」 言うと、淡く

2021-07-03 22:35:41
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 輝いて輪郭がぼやけ、……消えた。 「え?は?」 いったい、なにが起きているのかわからない。惰性で機械的に打ち出されてくる元課長の拳を受けていたら、……いきなり。 「ここだ、よっ!」 それまでとは違い、重いパンチに一瞬、息を飲んでどうにか受け止める。 「うーん。身体に穴が空いている

2021-07-03 22:49:32
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L から、ちょっと性能が引き出せてないね。ポテンシャルは高そうだけど。まぁ、君達を処分したら直すかなぁ」 なにか、新しい車の性能チェックをしてるかのような事を言うのは、元課長。そう、課長は間違いなく死んだのだ。心臓を貫かれていたのだから。なら、なお動くコレは、ゾンビということか。

2021-07-03 22:54:02
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「あ、ゾンビとか思ってる?」 まるで心を読んだかのような奴の言葉に思わず身体が止まる。その隙を逃さずに強烈な蹴りが繰り出され、間一髪のところでよけた。 「ゾンビじゃないよ。僕はあいつらみたいにあー、とかうーとかしか言えないわけじゃないからね」 確かにゾンビにしてはよく動く口だ。

2021-07-03 23:08:11
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「あ、でも心臓ないからそこはゾンビなのか!あーそれはなんか僕の美的センスが許さないけど、そうなのかぁ。ショックだなぁ」 ショックを受けたのか、頭を抱え込む。最もそれは全部自分の言葉なのだが。 「それにしてもバカだよねぇ。怪人化した部下を自分の手で殺してたって。まぁ薬が効かなかったし

2021-07-03 23:16:28
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 仕方ないよねぇ」 軽い口調なのに放たれる一発一発は恐ろしく重い。 「奈倉くん!」 アスカさんが機関銃を構えたのを見て、その場を飛び退く。すぐに奴に銃弾が雨あられのように降り注いだ。 「ヤッたか……!」 爆煙が晴れて状況が明らかになり、愕然とした。奴は何事もなかったかのように立っている

2021-07-03 23:33:02
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「いやいや、そんなので死んだら最強じゃないじゃん。あ、もう死んでるのか?うーん、これ、どういう状態なんだろう。気になるわー」 おどけた口調。そして、挑発するかのように隙だらけの姿勢。だが、動けない。どうしたら倒せるのかが思い浮かばない。しかも、アスカさんはほとんど生身の状態。

2021-07-04 09:24:04
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 奴が軽く身体を払い、ゴミのように銃弾がパラパラ落ちていく。 「あーあ、こんなに穴だらけになっちゃったじゃないか。どうしてくれるん、だ!?」 「ヒィッ」 奴が独り言を言っている間に逃げようとアスカさんを連れて背後へ回ったら、奴が後ろを向いた。“あたまだけ”をぐるりと回転させて。情けなく

2021-07-04 19:12:39
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 悲鳴をあげるが、怖いものは怖い。それは仕方ない。しかも、間の悪い事に、アスカさんが撒いた薬の効果が出たのか、変身が解除された。これで、武器はパワードスーツのマシンガン兼サーベルの一振りのみだ。 「あいつ、一体何者なんでしょう」 「……昔ね、課長が独自に調査した資料に、メガーネの体を

2021-07-04 21:03:05
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 解剖したものがあったわ」 とりあえず、アスカさんを小脇に抱えて走りだす。 「それって生体解剖……」 そこまで人の心を失っていたのか、あの人は。 「違うわよ。戦闘中にやむなく殺してしまったメガーネの遺体を、よ」 「こらー、待てー」 ちらりと振り返った背後からは奴が追ってきている。ただし

2021-07-04 22:24:25
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L こちらを見つけられてはいないようだし、不調なのか、どこか動きがぎこちない。 「以前も、元に戻す薬が効かないメガーネは確認されてたわ。それも踏まえて、今回の完全な薬が開発されてた。でも、それは極秘事項で外部で知る人間はいないはず。ほんとに、アイツは何者なのかしら。

2021-07-05 07:00:08
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 振り返ったら奴と目があった。いやらしくにたりと唇を歪ませ、こちらめがけて突進してくる。しかし顔は完全に背中側に回ったままだし、そんな状態なので足はバックしていた。おかげでうまく進めていないのは助かるが、ビジュアルが怖すぎる!僕ってヒーローモノの主人公じゃなかったっけ?いつの間に

2021-07-05 08:50:07
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L ホラー作品の主人公になったのか!なんて言っている場合でもない。動きが鈍いのを利用して、マシンガンで威嚇射撃をして距離をとり隠れる。まずは、情報だ。戦いは、それが半分以上をしめる。 「アスカさん、それでさっき言っていた…」 「大丈夫よ。今アクセスできたわ。倒したあと元に戻せない

2021-07-05 20:21:31
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi メガーネについて」 入った部屋で無事だった端末を操作し、アスカさんが顔を上げる。 「それであれの正体……は、どうでもいいです。倒し方は?」 さっきから確実に急所へ弾は当たっているが、奴は全く気にしていない。それどころか動くたびにめり込んだはずの弾がぽろぽろと落ちていく。 「ないわ」

2021-07-05 21:07:51
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「え?」 思わずアスカさんを見るも、アスカさんは首を横に振るだけ。 「怪人は、元々驚異的な回復力をもってる存在。それが、限界まで高められてるのがアイツよ。理論上、それを上回る速度でダメージを与えられば可能だけど、現状の装備では不可能よ。…各支部最強のヒーロー全員集まればあるいは…」

2021-07-06 06:39:23
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 各支部の最強ヒーローって、うちの支部の最強、課長ですらあれなのに、まともに残っているとは思えない。 「ねえ。かくれんぼは飽きちゃったよー」 「うわっ!」 唐突に奴の顔が目の前に現れ、飛び退いた。どうも、だんだん後ろ歩きに慣れてきたらしい。 「もっと楽しい殺し合いをしよーよー」 そんな

2021-07-06 08:29:20
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L ことを言われて下さい「はい、よろこんで」なんて言う奴はいない。が、距離が近すぎる。もはや、逃げる事も出来そうにない。せめて、アスカさんだけでもと思った瞬間、複数の発泡音がして、怪人の身体が吹っ飛んだ。マシンガンの比じゃない。バズーカ砲だ。 「無事かお主ら!」 博士率いる部隊だ。

2021-07-06 20:39:22
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 助かった、なんて思ったのは束の間だった。 「いったいなー」 倒れた奴が、何事もなかったかのようにむくりと立ち上がる。 「なにするんだよ、いったい」 吹っ飛んでいった右腕を拾い、やつは無造作に肩へくっつけた。 「あーあ、取れちゃったじゃないか。うまくくっつくかなー」 奴が右手でグーパーを

2021-07-06 20:51:41
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まとめたひと
霧内杳/眼鏡のさきっぽ@アカウントお引っ越し @kiriutiharuka03

アカウントお引っ越し。こちらのアカウントは2月10日をもって停止します。今までのご愛顧、ありがとうございました。新しいアカウントも霧内杳/眼鏡のさきっぽです。凍結怖いので申し訳ないですがこれで探してください。新しいアカウントでも仲良くしてくださると嬉しいです。