打ち合わせ一切なしのリレー小説まとめ
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和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 頭の中のアイツは相変わらず腹が立つ。 『そもそも、そんな女の言うこと無視して、変身すれば一発じゃない?』 確かにそうだ。だが、変人といえど相手は一般人だ。それに、ここでヒーローの力を使うのは卑怯だと、今は思える。 『卑怯とか、相手がとか、人間ってよく分からない事で悩むよね。

2021-09-07 01:39:28
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 僕にはまったくわかんないけど』 「もういいから黙って引っ込んでろ」 『はいはい』 軽い感じでまたヤツが黙る。さてと。少なくとも相手は僕たちを試しているだけで、害を加える気はないらしい。なら、やりようはあるはずだ。まずは冷静に敵の分析から。 「何人いると思います?」 また散発的に

2021-09-07 01:59:45
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 鳴る銃声は、僕らのすぐ近くを掠めていくが、当てる気配はない。……少なくとも、今は。と頭の片隅に残す。 「自動で発射する機構がなければ、ニ、三人ってとこですかね」 地面に着弾した痕跡、発射音の間隔からすると、そんなものだ。 「狭間は、攻撃を受け付けにくい代わりに視界が悪い。そこを狙え

2021-09-07 12:31:34
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ばなんとかなるわ」 「了解です」 目を閉じ、一度深呼吸して気持ちを落ち着ける。 「行きます!」 再び目を開け、銃撃のさなかへ飛び出した。打ち手の腕がいいのか、着弾は目の前の足元で当たる気配はない。それに慢心してはいけないが、それでも安心して狭間目掛けて一気に駆け抜けた。 「うわっ」

2021-09-07 21:26:15
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 踏み抜いた地面が突然消える。 緩やかに始まった落下は、次第に加速していき、慌てて伸ばした手は虚空を彷徨う。やがて壁を見つけると、両手と両足をその壁に向かって突き出した。 ジャリジャリと土を削り、皮膚も削ってしばらくすると、ようやく落下は止まった。 深さはどれくらいなのな。光差さぬ

2021-09-08 01:31:58
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi あなぐらではわからない。見上げると光が見えるが……。 「下りた方が早いかな」 落ちていった石ころの反響音からしてさほど深くなさそうだ。横穴なりなんなりあるんじゃないかという期待を込めて一気に飛び降りる。 「くらっ」 予想通り、底までの距離は大してなかった。しかし真っ暗でなにも見えない

2021-09-08 01:41:08
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L しかも、期待していた横穴なんてものはない。助けが来るまでといっても、当たらないはずとはいえ、銃弾がそこかしこから飛んでくる状況では望めないだろう。 「全く。これじゃ井戸の中のコーデリアだね」 昔に読んだ女探偵モノを思い出しながら、両手と両足で壁を押さえつけるように、ゆっくり登ってい

2021-09-09 01:45:41
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi く。 「なあ。井戸の上までいっぺんに跳躍、とかできないの?」 三歩進んでは二歩落ちるようなていたらくで、なかなか先へと進まない。 『それこそ、変身すればできるだろ?』 ヤツの答えはもっともすぎて返す言葉が見つからない。 『それともそんなに、あの女が怖いのか?』 けらけらとおかしそうに

2021-09-09 03:18:15
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 笑うが、実際そのとおりなのだ。 ただ、人というものは効率だけで生きているわけではない。非効率に美学を見い出し時に遠回りして生きるのだ。 「いて」 ちょっと感傷に浸っていたら、ズルリと手が滑り、また地面にぶつかる。 『やれやれ。見てられないよ。今から言うように動いて。 上上右左下下左左

2021-09-09 10:55:15
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 右左上下』 「……は?」 『……いいからやれ』 なんだそれは?とか思っていたらドスの利いた声ヤツの声で命令され、反射的に身体が動く。 「上上右左下下左……右?」 『はい間違ーい。もう一回』 こんな呪文みたいの覚えられるか、などと悪態をつきつつ再び身体を動かす。 「上上右左下下左左右左上

2021-09-09 21:37:40
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 下!」 なんだよコレ!なんのコマンドだよ!コ○ミコマンドとも違うし、何の裏ワザだよ! 意味のない行動なのかすらわからず、ひたすらに腹が立つが、しばらくすると、壁の一部が少しずつ動き始めた。 「え、まじで」 思わず出た言葉に、アイツは大層嬉しがる。 「フフン。こういうとこはね、抜け道が

2021-09-10 01:42:56
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi あるもんさ』 なんでそれをコイツが知っているのか甚だ謎だが、とりあえず助かった。 中は通路になっており、ところどころたいまつが掲げてあるので視界に不自由はしない。 「アスカさんたちは大丈夫なのかな」 どこに通じているのかはわからないが、とりあえずの安全は確保されると急に心配になって

2021-09-10 02:35:47
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L くる。 『なに、あの女が心配なの?』 ちょっと不機嫌そうな声が、頭に響くが、それを無視して前へと進む。 さっきの穴に落ちたなら、後から来るだろうし、先へと進んだなら、どこかで合流出来る。そう言い聞かせて、一歩ずつ進む。 しばらくすると、上へと続く綱が垂れていた。本当に、RPGの世界だ。

2021-09-10 09:42:46
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「よいしょっと」 さっき擦りむけた手で荒縄を掴むのは痛いが、文句は言ってられない。登りきった瞬間。 「動くな」 銃口が僕へと向けられる。ひやりと背中に冷たい汗をかいた。 「なぜ隠し扉のコマンドを知っている?」 なぜって……そんなの、聞かれても困る。 『たまたまとでも言っておけば?』

2021-09-10 21:40:23
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L ーー無理があるだろ! 「昔やったゲームの動きを試したら……」 しどろもどろに出てきた言い訳は、自分でもひどいもので。幸いなのか、無駄と思われたのか、それ以上の追求はなく、 「来い」 と、たった一言言われたあとは、背中に銃口を突きつけられながら、通路を歩くだけだった。

2021-09-11 10:21:27
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi しかし。 ……火縄銃、なんだよなー。 『物持ちがいいよね』 ヤツはケラケラ笑っているが、そこは同意だ。火縄銃ならアクションを起こすまで現代銃より時間がかかるからワンチャン……とも思うが、ここは大人しくしておく。相手の考えが知りたい。アスカさんは僕たちを試していると言っていたが、

2021-09-11 19:02:23
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L これもその一つだろうか。 「あ、奈倉君も捕まったかー」 どこか間の抜けた声を発したのは、アスカさんだ。横には伊代さんもいる。 二人とも、後手に縛られて座らされているが、特にケガとかはなさそうだ。 「やー、頑張って橋までは行けたんだけど、その後捕まっちゃった☆」 …めっちゃ元気そうだ。

2021-09-12 16:48:09
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 僕の心配は無駄なのか? 「久しぶりの客人じゃのー」 そのうち、白洲のようなところへ連れ出されていた。奥から出てきた人間を見て、目を見張る。 「博士!?」 白髪にぐるぐる眼鏡なんて、博士以外の何物でもない。アスカさんも伊代さんも同じだったみたいで驚いている。 「誰が博士じゃ。儂は教授じゃ

2021-09-12 21:14:40
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L !」 唾を飛ばし、人差し指でビシッと指さしてきた教授。ーーとりあえず汚い。 「む、そういえば変装したまんまじゃったな。しばし待てぃ」 すると、ポンッと小気味良い音ともに、教授の体から煙が出てきた。そして、それがおさまると、目の前には

2021-09-12 22:07:56
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ……さっきと同じ格好のおじさんがいた。 『変わってないよね』 ヤツの一言で吹き出しそうになったが、周囲はなにも言わないのでなんとか耐える。 「バカ弟と一緒にされるだなんて心外じゃ。儂の方がどう見ても格好いいじゃろ?」 教授は怒っているが、ということは博士と彼は兄弟なのか。どおりで似て

2021-09-12 23:04:47
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L いる。……ゆえに、違いが全く分からない。 「教授、御託はいいから、話を進めろ」 声に振り返れば、さっきの忍びが、僅かな殺気を醸し出している。そういえば忘れていたが、忍者がいたのだ。 「む、そうだなナ・ゴーミ殿」 ……へ? もう一度振り返る。忍者一人しかいない。 「あのー」 手を挙げ疑問

2021-09-13 20:44:14
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi をぶつける。 「アスカさんと伊代さんは?」 「始末した」 「へ?」 「始末した」 二度、同じこと言われ、静かに怒りが込み上がってくる。 「……始末したってどういうことですか?」 「言葉どおりの意味だ。それ以上でも以下でもない」 「このっ!」 真顔で言い切る忍者に瞬間、殴りかかっていた。

2021-09-13 22:04:18
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L が、するりとかわされ、かわりに思いっきり顔面にパンチをくらった。 『あーあー。すぐにカッとなる。君の悪い癖だねぇ』 ケラケラと笑い声が頭に響く。確かにそうだ。だが、感情を出せるからこそ、ヒーローだ。感情なく戦うなら、ロボットでしかない。 「あー、これこれ。主、ゴーミの言う事を勘違い

2021-09-14 06:44:11
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi するではない」 教授はほっほっほっなんて僕たちの殺伐とした空気を読まず和やかに笑っているが、そもそもコイツらは誰なんだ?博士の兄が教授だと言うからナ・ゴーミ教授だろうと思っていたら、忍者がナ・ゴーミと呼ばれている。どうなってるんだ、本当に。 「あんまりの格好だったからな、湯浴みして

2021-09-14 08:22:31
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L おるとこよ。そもそも、さっき一旦モニターで見たじゃろ」 あ、そういえば、めっちゃ緊張感のない声をかけられた覚えがある。 『奈倉君、どんまーい』 頭の中のコイツはとりあえず一旦黙れ。 「やっほー!」 そうこうしているうちに、アスカさん達がきた。普通に着物を着ている伊代さんに対し、アスカ

2021-09-14 12:32:22
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi さんはまるで花魁なのはなんでだろう?胸は大きくはだけているし、脚も丸見えで目のやり場に困る。 「ここのお風呂、すっごいのよ?泳げるんじゃないかってくらい広いし、温泉だからお肌もつるつる。触ってみる?」 とか言いながら僕の手をその胸に持っていくのやめてください!恥じらいってものが

2021-09-14 20:57:18
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 元々ないのか、服装にのまれているのか。そうこうしているうちに、まるで漫画のようなジト目のゴーミ氏に叱られた。 「場所をわきまえられよ」 冤罪だと思いたい。 「やれやれ、その辺は二人っきりの時にでもしてくれぃ。それより、ヒーロー組織壊滅について聞かせてもらえるかね?最近、全く連絡が

2021-09-14 23:02:58
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 取れなくてのう」 教授に先導されて行った部屋では、食事の準備ができていた。 「すごーい!ごちそう!」 こんな状況だというのに、アスカさんは喜んでいる。いや、こんな状況なのに喜べる彼女がうらやましい。 「弟は元気にやっているのかのう」 なんだかんだ言いながら、教授の心配はそこらしい。

2021-09-14 23:18:16
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L そして、その横にいる人。 普通の、そこら辺にいる人という格好をしているが、さっき一瞬覗けた様子では、鎖帷子に身を包んでいるゴーミ氏。変身がない前提なら、アイツでも苦戦するかも(ただし負けはしない)と言っていた。 「はる教授、そろそろ例の話を」 食事も一段落した時その彼が言葉を発した

2021-09-15 23:19:13
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「おお、そうじゃった」 例の話とはいったい?そもそも、こんなに歓待されるなら、なんであんなに襲われたんだろう。 「テストは合格じゃ」 「テスト……?」 とはなんだ?まさか、アスカさんの言うとおり、忍者の採用試験か? 「まあ、下駄を履かせてギリギリと言ったところじゃがな」 いやだから、

2021-09-15 23:40:53
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 何の試験。 「お主、今すぐ沖ノ鳥島へ向かえ」 「はぇっ?」 予想を大きく超えた言葉が出てきた。地理で習った日本最南端の超がつく離島の名前がなぜ今出てくるのか。 「ワシはそもそも海洋学者でな。沖ノ鳥島付近の調査をしていた。が、最近衛星の写真が全く変わらなくなったんじゃ」

2021-09-16 22:21:40
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「はあ」 「ちょっと様子を見てきてくれ」 「はぁっ!?」 ちょっとコンビニで牛乳買ってきて、くらいのニュアンスで言われたって困る。そんなところまで行く交通手段はないし、そもそもこれはもう国家案件では? 「無理ですよ、そんなの。だいたい、民間人がそこまで行く手段なんて……」 「あるよ」

2021-09-16 22:36:52
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L ドラマとかでよく聞く某俳優のような声を突然出した教授。しかもサムズアップつきである。 そして、どや顔とともに、現れた垂れ幕をバサッととると、そこにはメタリックに輝くバイク程度の大きさのバッタ。 「わしが開発した、眼鏡型飛行ユニット、グラスホッパー君じゃ!」 名前、他にあるだろ…!

2021-09-17 19:39:48
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi そして名付けのセンスが博士と同じ!さすが、兄弟だな。 「いや、それで行っても何日かかるか……」 船とかならまだしも、あんなものだと途中で休憩もできない。なにせ道中、ほぼ海の上なのだ。 「なにを言う!グラスホッパーくんの最高時速600km!あのリニアにも肉薄しておる!」 「はぁ……」

2021-09-17 19:58:05
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L というか、その時速600kmのものにバイクのように跨がるコイツは、実質ヒーローか怪人という人外の力を持つ人専用なわけで、つまり、限りなく怪しい場所に単独で向かえと。 「そう不安そうな顔をするな!ゴーミ氏がサポートでつく」 「ゴーミさんが?」 かなりそれっぽいが、しょせんはコスプレ野郎だろ

2021-09-18 18:02:18
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 役に立つのか?なんて懐疑的な目で見ていたら。 「……へん、しん」 彼が小さくつぶやくと同時に、ノーモーションで変身した。しかし。 「それはダメ、それはダメだからー!」 その姿を見て頭を抱える。 「なんだ?民間人がヒーローになってはいけないというのか」 ゴーミさんは不満そうだが違うのだ。

2021-09-18 19:30:59
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 忍者は忍者のままでいてほしい。あと、変身はポーズをとって変身するのが日本古来からの伝統なのだ。 「まぁ、いい。変身したところで、大して変わらぬ」 特に気にする風でもなく、ゴーミ氏はグラスホッパーに跨ると浮上させた。数センチだけ浮上するグラスホッパー。ふとみると、他に乗れる場所がない

2021-09-19 10:46:31
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 僕はいったい、どうすれば? 「先に行ってるぞ」 「あっ……」 静止する間もなく、ゴーミさんはグラスホッパーくんを発進させて行ってしまった。 「あのー、教授?」 「なんじゃ?」 ひとり僕が取り残されているなど気にする様子などなく、教授は豪快に鶏ももの地獄焼きにかぶりついた。 「ゴーミさん

2021-09-19 15:45:01
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 行っちゃいましたけど?」 だからどうした?なんて目を向けられたが、とりあえず飯を食うのを止めろ。 と、思った瞬間、いきなり背中を引っ張られ、勢いよくグラスホッパーのあとを飛んでいく。 「あ、後から行くねー」 アスカさんの声が聞こえた気がしたが、それどころでない。 みると、背中に紐が

2021-09-19 21:34:50
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ついていて、遥か彼方のグラスホッパーくんに引っ張られている。それはいい。いやよくないが、あれは最高時速の600kmで進んでいるらしく、風圧で息もできないし身体がとにかくヤバい。このままだと確実に、死ぬ。 『へん、しん』 意識が遠のきかけたとき、やつの声がした。途端に呼吸が楽になり、

2021-09-19 23:08:34
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 風圧もおさまった。正確には、耐えれるようになったか。 ーーお前、勝手に変身しやがって。 『こっちだってね、君の中にいる以上、君が死んだら困るんだよ!』 怒られるも、まぁ、確かにそうだろう。そもそも、こんな漫画のようなことを実際にやるとは思わなかった。 『いずれにせよ、これが最後の戦い

2021-09-20 11:49:35
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi になるだろうね』 ヤツはなにか知っているようだが、そもそもコイツは何者なのだ? 「なあ。お前っていったい、なんなわけ?」 いままでずっとはぐらかされてきたが、そろそろ教えてくれてもいい頃。 『僕?僕は眼鏡の精だよ〜』 しかし相変わらず、ヤツはふざけてケラケラと笑うばかり。 『なんてね。

2021-09-20 20:16:39
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L M∞星雲って知ってる?』 「……いや全く」 突然、何を言い出したかと思う。ここにきて、某ヒーローのパチもん?だが、いつになく落ち着いた口調は、ふざけているようには思えない。 『だよねー。多分、あと100年分ぐらい技術進化しないと地球からは見えないかなぁ。ま、いいや。で、僕はそこの警備隊

2021-09-21 12:33:45
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi に所属していて……』 「ちょっと待て」 『なんだよ』 自分語りを邪魔されてヤツは不満そうだが、ここは口出しせずにはいられない。 「それはあれか?宇宙の平和を守るために地球にやってきたが、運悪く大怪我を負って仕方なく人間の中に入り……とかか?」 いや、ないだろ。違うと言ってくれ。そう

2021-09-21 20:46:50
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 『お、よく知ってんじゃん』 ー肯定された。しかも、なんかめっちゃ清々しい顔だった気がする。…見えないけど。 『まぁ、多少違うんだけど、大まかにそう。人から人へ、流されていくうちに、人の悪意に取り込まれた。今の僕は肉体がない。 純粋な"力"と言った存在。持つ人次第で悪にも正義にもなる

2021-09-22 02:32:11
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 御託はどうでもいい。とにかく、いろいろアウトなのだ、いろいろ。 「……で。なんで僕の中に入ったんだよ」 『それは……』 理由を聞く前に身体が猛スピードで引っ張られた。吹っ飛びながらちらりと視界の隅をゴーミさんが掠める。あれか、慣性の法則を無視してブレーキをかけたのか。身体に

2021-09-22 08:23:34
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 負担とか考えないのかあの人は。 「着いた」 なんとなく聞こえた声に反応して眼下をみれば、珊瑚礁に囲まれたコンクリートの護岸。その中央に位置する、岩のような小さな島は、教科書でもお馴染みの光景だ。 「降りる」 ゆっくりと降りていくホッパー。ある程度まで降りたとき、その光景は急に変わった

2021-09-22 11:40:35
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi まるで月にでもいるかのような、ごつごつとした岩場が広がる。そんな風景に似つかわしくない、近代的な城塞が建っていた。その周りを可愛らしいテディベアがうろうろとしている。はっきり言って情報量が多すぎてカオスだ。 「おい、ボケっと見てないです隠れろ」 岩陰にグラスホッパーくんを隠した

2021-09-22 21:04:34
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L はいいが、軽くみてテディベアは10はいる。 見つからずに侵入するどころか、見つかるのも時間の問題だ。 「忍法とかで隠れて入れないのか?」 敵の規模も何も知らされていない以上、戦闘は極力避けたい。そう思って聞いてみたら、めちゃくちゃバカにした目をされた。 「おまえ、アニメの見過ぎだ」

2021-09-23 15:13:36
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi なんだと!?特撮ヒーローに宇宙の警備隊とくれば、忍者くらいいてもおかしくないだろ。 「だいたい、変身すればいけるだろうが、あれくらい」 はぁん、なんてバカにするようにゴーミさんが笑い、カッと頬が熱くなる。 「そ、それはそうだけどさ……!」 僕はそんなに弱いと思われているんだろうか。失敬

2021-09-23 17:51:29
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まとめたひと
霧内杳/眼鏡のさきっぽ@アカウントお引っ越し @kiriutiharuka03

アカウントお引っ越し。こちらのアカウントは2月10日をもって停止します。今までのご愛顧、ありがとうございました。新しいアカウントも霧内杳/眼鏡のさきっぽです。凍結怖いので申し訳ないですがこれで探してください。新しいアカウントでも仲良くしてくださると嬉しいです。