打ち合わせ一切なしのリレー小説まとめ
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和美 @777nagomi

@megane_ryman_L な。いや、だが、昔に課長に稽古をつけてもらっていた時にも言われていたのだ。 『常に最悪を備えて動くべし』と。 この基地が地底にまで広がっていた場合、 テディベアが先に戦ったものより強かった場合、 などなど。 『まぁ、わからなくもないねぇ』 珍しく同意見なアイツに対し、ゴーミは面倒そうに

2021-09-24 02:27:37
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi あたまを掻いている。 「全部倒せばいいだけの問題だろ?」 「だから、そういう簡単な問題じゃ……」 ん?ちょっと待て。彼にはヤツの声が〝聞こえて〟いるのか? 「今頃気づいたのか、バカめ」 『そうそう、バカだよねー』 ゴーミさんだけならまだしも、ヤツからも見下されて腹が立つ。しかもゴーミ

2021-09-24 02:37:13
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L さんも同調して、ため息などついている。 「我はこれでも忍びの家系ぞ。人の心ぐらい読める。二重人格なのであろう?」 ビミョーに違うけど、1つの体に2つの意識があるから二重人格には違いないのか。いやでも、なんか違うような…。ってか、そもそも人の心が読めるってすごくね。

2021-09-24 03:24:10
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「それくらい当たり前だ」 その割にドヤ顔なのがムカつくけど。だいたい、忍者なんてアニメの見過ぎとか言ったのは誰だ? 「で、正面突破しないのならどうするんだ?」 そうだった、いまはゴーミさんが忍者かそうじゃないのかなんてどうでもいい。いかにして中の様子を探るかなのだ。 「いっそ、くまの

2021-09-24 03:38:20
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 変装してくか?」 ……は? と思った瞬間、ゴーミさんの懐から布が出てくると、あっという間にテディベアが一体目の前に現れた。 「ほれ、お前も早くやれ」 「無理だろぉぉ!!」 ドイツだ!忍者が忍法使えないとか言った輩は! 『任せろ』 心の中で叫んだ一瞬のスキに、アイツが出てきて、

2021-09-24 11:49:25
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ポン!と音がしたかと思ったら、……なにが変わったのかわからない。 「できるならぐだぐだ言わずにさっさとやればいいものを」 ゴーミさんは呆れ気味にため息を落としているが、なにができるって? 『クマニ変身しただけさ』 「へ?」 鏡……と思ったがそんなものはここにはない。手で顔を触って

2021-09-24 18:29:35
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L なにやらもじゃもじゃとした感触に、とりあえず何かが変わったのは理解した。 ーーもう、何も言うまい。 「準備できたなら行くぞ」 スタスタと歩くゴーミ氏について、要塞の正門らしい立派な門を、堂々と僕らは潜った。 ゴーミ氏のお城が和風なら、こちらは西洋風。石造りの建物が

2021-09-25 01:50:27
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ……と思ったら、全部コンクリート製だった。窓ガラスも嵌まっており、近代的だ。 突然、ビーッ!と警告音が鳴り響く。門はノーチェックだったが、建物はそうはいかないらしい。先にゲートをくぐろうとした、捕まった。 「貴様!所属と階級を言え!」 すぐに警備兵らしいクマがすっ飛んでくる。

2021-09-25 02:30:39
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 『どこかの酔狂と違って、ちゃんとしてんじゃん♪○コムかな?アル○ックかな?』 有名な警備会社の名前を言っていくアイツは、どこかお気楽だ。 こういうとこが、相見えないなと思う。さて、どう切り抜けるか。 「お前ごときに言う必要はない」 考えてる一瞬の間に、ゴーミ氏が不遜な態度で返答した。

2021-09-25 09:52:03
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi いやちょっと待て。なぜせっかくの変装が無駄になるようなことを言う? 「怪しい奴め!」 警備員くまがゲート脇にあったボタンを押すと同時に、ジリリリリリッとけたたましいベルの音が鳴り響く。すぐに一般職員っぽいくまは下がり、駆けつけたいかついくまに囲まれた。 「連行する!」 「そうはいくか

2021-09-25 19:52:11
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 貴様、一度だけ言うぞ?耳を貸せ!」 未だに偉そうな態度のゴーミ氏だが、ちょいちょいと指を動かし、警備兵をなおも呼びつける。どう考えても向こうの方が立場が上なのに、場を支配してしまったのか、なんだなんだ従って、顔を近づけた警備兵の耳を摘むと、ドスの効いた声を発した。 「極秘任務だって

2021-09-25 20:43:59
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 言ってるだろうが」 「はっ、失礼いたしました!」 場の空気に飲まれたのか、勢いよく離れた警備くまはびしっと敬礼した。 「じゃ、通るぞ。……あ、そこのは俺の部下だから」 「は、はいっ!」 再び警備くまが敬礼したのはいい。 「……僕が部下ってなんだよ」 周囲に聞こえないように、小声で抗議

2021-09-25 21:21:20
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L した。が、まぁ、それはいい。安宅の関所ってのもあるし、許せる。それより、なんで態度だけで顔パス出来るんだよ。 『分かってないなぁ。デッカイ組織ってのは、全員が全員の顔なんて知らないからさ。それっぽい態度でいけば、案外いけるもんなんだよ』 え、そうなのか。それっていいのか?

2021-09-25 21:30:14
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi なんかご都合主義な気がするが、これはそもそもそういう話なんだしスルーしよう。 そのとおりなのか、ゴーミ氏が偉そうにしていれば誰も咎めるものがいない。こんなにザルでいいのか、敵ながら心配になってきた。これだけ近代的なのに施設なら、虹彩認証とか生体パスとかありそうなものだが。

2021-09-25 22:32:11
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 『生体認証は無理だよ。だって、アイツら、結局はテディベアなんだから。ぬいぐるみに生体反応はない』 「それに、ハッキング技術も進歩している。アニメとかであるだろう?案外、アナログな方が強いのだよ。…正しく運営されていればな」 ーーだから、なんでシンクロして話せるんだよ!

2021-09-25 23:35:15
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi もういちいちツッコむのも面倒になってきた……。 城塞なのか基地なのかの中は、やはりたくさんのテディベアたちが働いていた。見た目からは大変和むので、こんな可愛い彼らが地球侵略を目論んでいるだなんて信じられない。 『バカ、騙されるな。ヤツラは冷酷非道な軍隊として宇宙で恐れられているんだ

2021-09-26 02:17:01
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L ほら、あそこにいるやつなんか、キラーベアの異名を持つ懸賞首のやつだぞ』 ……違いがわからない。そもそも、どいつだろう。 「なるほど。なら、戦いが終わったら、口座に頼む」 ゴーミさんは、区別できるのか。そして、やる気満々なのか。 「とりあえずボスを倒そう。多分こっち」

2021-09-27 19:58:37
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 多分こっちってわかるのか?もう面倒くさいからついていくけど。 多分右、多分左、と完全にカンを頼りに進んでいくゴーミ氏について歩くこと10分。 「今度は右」 「あのー、左だと思うんだけど……」 「なんだと!?」 提案した途端、すごい勢いで睨まれた。しかし、さっきここを右に曲がって着いたのは

2021-09-27 21:06:43
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 今の場所。ルートは謎だが、完璧に一周している。 『っていうか、そもそもの選択肢が違うんだよ』 なんとなく、アイツのニヤニヤとした顔が浮かぶ。 「どういうことだ?」 そんなアイツの裏の顔は知らないゴーミさんは、ただ驚くばかり。そして、俺は嫌な予感。 『こういうこと!』 床を踏み抜くと

2021-09-28 20:13:03
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 一気に階下へ落下した。 「いったー。なにするんだよ……?」 起き上がったところでくまと目があう。あちらも突然の事態に状況が把握できていないらしく、固まっていた。 『ほら、あれがボスだから戦って』 その場にいる全員がまだ呆然としている中、あいつの声だけが僕のあたまの中に響いた。

2021-09-28 21:04:18
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 最初に動いたのは、ゴーミさん。目の前のクマに暗器を投げ付けて、一瞬のうちに2体が倒れた。そして、ボスまでの道が開く。 「あれが、ボス」 クマさんを使役しているのだから、メルヘンなのを想像していたが、実際はかなり違う。一段高いところにある玉座に座って、黙ってこちらを見据える姿は、

2021-09-29 20:35:32
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 野生の熊だ。しかも歴戦の猛者らしく、左目に傷が入っている。しかし、このくまってみんな、擬態用のぬいぐるみなんだよね?なぜにボスだけリアルベアー?……なんて僕の疑問は受け付けず、ボスが襲いかかってきた! 「ここまで辿り着くとはキサマ、只者じゃないな?」 「お前こそ」 ボスの爪とゴーミ

2021-09-29 22:35:37
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L さんのクナイがぶつかる。拮抗しているかにみえたが、爪を流して避けると、ゴーミさんは一旦距離をとった。パワー勝負では勝てないみたいだ。 「おい、何してる!早く変身しろ!」 向かってくるリアルベアーを横っ跳びで避け続けるゴーミさんに叱られた。……最も、ごもっともだ。

2021-09-29 22:40:35
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L これは色々と許されないやつだ。 『ボタン一つでお手軽変身とかなら良かったのにねー』 「うっさい!」 無邪気な声で笑うアイツを一括しつつ、熊の打撃をさばく。 「クソっ!熊のくせに素早い」 明らかなスピードタイプのゴーミさんを相手にしながら、生身とはいえ自分相手に攻撃を加えてくる。

2021-09-30 20:19:25
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「どうにかならないのかよっ!」 『僕頼みだなんて情けない』 はぁっ、とこれみよがしにヤツがため息をつく。 『素手で熊を倒せる人間はいるんだ、やってみせろよ』 その偏った知識はどこから!?とかツッコむ余裕もない。 「僕には無理だって!」 「なにさっきから遊んでるんだ、さっさと変身しろ!」

2021-09-30 21:08:42
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「いや、だから……うわっと!」 焦って動けば、鋭い爪が容赦なく襲いかかる。本当に、とんでもないものを相手にしている。 ーーん、というか、今は熊の見た目だけど、宇宙生命体だよな。本体ってどんななんだ?陸上最強クラスの生物に擬態しているということは、実は本性は弱いのか?

2021-09-30 22:09:59
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 『脳に寄生する虫みたいなものさ』 「……虫?」 そういう生物がいるのは知っているが、ぬいぐるみに脳はないよね? 『下っ端は自我があると寄生しにくいから、手っ取り早くぬいぐるみなんだろ。で、あれは熊本体ってことは、相当に強い』 強いのはもう十分にわかっている。ならばあたまを破壊すれば

2021-09-30 22:20:16
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L いいのか。 『多分、完全に同化してるから、頭というか、全身を一撃で破壊しないとだろうねー』 ケラケラとした笑い声が聞こえる。コイツはどっちの味方なのだろう。 「奈倉君!」 攻撃を受け流すので精一杯の時に聞こえた声は彼女のものだ。 「アスカさん!?」 プロトスーツに見を包んだアスカさんが

2021-10-01 20:49:10
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 僕の目の前にいるが、幻か? 「あとから行くって言ったでしょ!時間を稼ぐから、早く変身して!」 気づけば教授がふたり……といか、あれは教授と博士なのだろう。 「でも……!」 いくらプロトスーツを着ているとはいえ、この熊は強敵なのだ。彼女の手に負えるとは思えない。 『やれやれ。まったく

2021-10-01 21:12:12
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L はやくしなよ。時間がないんだからさ』 え、ああもうっ! しまらないのは元々だ。だって、僕は一人では何もできないから。 「へん……」 「させぬ!」 ポーズをとると同時に、熊が突っ込んでくるが、アスカさんが担いだランチャーが火を吹いて、足止めする。爆炎に包まれた次の一瞬で…… 「しん」

2021-10-02 20:46:10
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ポーズを完了させ、今度こそ変身した。 「アスカさん!」 爆煙が晴れると同時に彼女と場所を入れ替わる。 「遅いっ!」 「どっちが!」 熊の斬撃を避け、渾身の一撃をその腹へと叩き込む!……決まったか!?なんて思ったのは一瞬だった。 「軽い、軽いわー!変身してその程度か!?」 余裕で熊が向かって

2021-10-02 20:53:59
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L くる。取り憑いたのが熊というのもあるだろうが、メガーネやテディベア軍団の比じゃない強さだ。 「はいなっ」 「がぁっ?」 一瞬聞こえたのは、伊代さんの声だっただろうか。そして、短く呻った熊。みると、針のようなものが刺さっている。 「あとは、任せましたから!」 そのまま、撤退していく伊代

2021-10-03 17:35:28
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi さんはいったい、なにしにきたんだ? 「うぉーっ、身体が動かぬー!」 熊の唸り声に目を向けると、言葉どおりに身体の自由を奪われているようだった。 『麻酔針だね。やるね、あの子』 きっと博士か教授の入れ知恵だろうけどいまがチャンス! 「くらえっ!」 全エネルギーを拳にのせ、渾身の一撃を熊へ

2021-10-03 18:34:42
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 叩き込む。 「グゥっ!だが、わしはまだ」 動きが遅くなったとはいえ、防御力が落ちたわけではなく、鋼のように硬い体毛が拳を受け止めた。 「まだ、まだぁ」 さらに力を加えようとするも、一度止まった拳は動かない。が、離れてまたチャンスがあるかは分からない。力の限界がくるまで

2021-10-03 21:40:24
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 叩き込んだ、が。 「効かぬわっ!」 ふんっ!と熊が身体に力を込めた衝撃で弾け飛ばされた。 「バケモノかよ」 ゴーミさんもアスカさんももう、限界が近い。僕に至っては全力を出し切ったせいで立っているのがやっとだ。 『変わろうか?』 「誰がっ!」 ヤツに変わればこの戦いの勝敗はつくだろう。

2021-10-03 23:00:03
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L だが、それはダメだ。この星の事は、この星の中で終わらせないと意味がない。都合よく、異世界やら他の星からの戦士が来るなんて限らないのだから。 ーー単純な力だけが戦いじゃないんだ! 「うぉぉぉ!」 渾身の力をこめた拳が、熊の顔面をとらえた。 しかし、吹き飛ぶことなく、その場で耐える熊。

2021-10-04 22:19:33
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「効かぬと言っただろっ!」 「まだまだ!変身、裏コードTHE“Megane”……!」 「奈倉くん、それはダメーっ!!!!!!!」 高らかと叫ぶと同時に、微かにアスカさんの悲痛な声が聞こえた。ヒーローとしてだけではなく、怪人としてもリミッター全解除の裏コード。人の形を捨て、戦闘に特化する。全身の骨が

2021-10-04 22:57:17
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L ミシミシと音をたてて凄まじい痛みが身体の中を走り回る。…多分、もう元に戻れない。そんな気がする。 『ホントに、君は理解できないよ。そこまで自分を犠牲にする意味って何さ?』 頭の中のアイツが問い掛ける。 自己犠牲、結果からみたらそうかもしれないが、そんな英雄めいたものじゃない。僕は、

2021-10-06 06:55:41
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ただアスカさんの笑顔を守りたいだけなんだ。 「……次で決める」 そうでなければ僕の身体が持たない。仕留められなければアウトだ。 「絶対に……アスカさんを守る!!!!!」 すべてのエネルギーを拳に乗せる。マコトさんはアスカさんを残して死んだ。アスカさんを想っていた課長は想いを告げずに逝った

2021-10-06 09:54:12
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 僕は、なら僕は! 「アスカさん、大好きです!」 大声の告白は、ほとんど同時に起こった爆発に巻き込まれ、自分でもほとんど聞こえなかった。結局、自分も何も言えずに終わったのか。少し落胆するとともに、それでもいいのかもしれないと思う。 自分は、もう人ではなくなっているだろうから……。

2021-10-06 21:00:09
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「やれやれ。人間って本当に理解できないね」 「僕……?」 気がついたら目の前に僕が……否。僕ではあるが中身はヤツが立っていた。 「世界を守る使命より、愛が大事?はっ、なんだそれ」 ヤツが吐き捨てるように笑い、ムカッときた。 「愛は地球を救うんだよ!だから、いまだって」 僕はあの熊を

2021-10-06 21:47:06
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 倒したところだ。 「そう、倒したさ。自爆みたいな事して、なんとかね。で、倒して、終わりなのかい?」 終わり、そう終わりだ。少なくとも自分は。でも、人の歩みは止まらない。これからも始まり続けるのだ。 「困るんだよ!」 突然、怒って大きな声を発したアイツ。

2021-10-07 19:30:00
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「君がこの星の覇者になってくれなきゃ」 「……は?」 ヤツがなにを言っているのか理解できない。呆然とする僕をよそに、アイツがさらに続ける。 「あーあ、君には期待外れだよ。君ならこの星を支配できると思っていたのに」 大袈裟にヤツは嘆いてみせるが、支配とは一体?この星を守るためにコイツは

2021-10-07 20:37:52
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 力をかしてくれてたのではないのか。 「守るためさ」 僕の考えを読み取ったのか、アイツは疑問に答える。淡々と。 「でも、人は個体差があり、その思考は千差万別。仮に全員が善人でも、考え方の違いから争いは生まれ、世界は荒れる。なら、誰かが絶対的な存在として君臨して、支配した方がいい」

2021-10-08 19:23:18
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi その考えはある意味正しいが問題もある。そのひとりが間違ったら?それにそいつが絶対的に善だったとしても、そいつが死んだら? 「死は心配する必要がない。僕が取り付いている以上、君は“死ぬことはない”」 「があっ!?」 ヤツの手が僕の胸に突っ込まれ……心臓を、掴んだ。 「困るんだよ、君が人で

2021-10-08 19:46:47
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L あるうちは、その可能性があるからさ。ま、それも今終わるから。なるべく痛くないようにするから、抵抗しないでね?」 心臓を掴みながらも、頭をポンポンと叩いてくるわけの分からない状態。いや、わけはわかるか。コイツは、少なくとも自分とはわかり合えることはない。 「僕から、離れろぉ!!」

2021-10-09 16:45:42
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ヤツを蹴り飛ばし、思いっきり身体を引く。ブチブチと不快な音がして、離れたヤツの手には……僕の心臓が握られていた。 「はぁっ!?」 堪らず、その場に蹲る。僕は死んだのか?ソウマトウのようにアスカさんの顔ばかりがよぎっていく。後悔ばかりで終わりの時をまった、が。 「生き、てる……?」 もう

2021-10-09 17:22:28
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 死ぬかと思ったが、どういうことか。 「頭悪いねぇ。ここは精神世界だよ?現実とは少し勝手が違うさ」 精神世界、確かに、言われてみれば違和感は色々あった。 「まぁ、でも、君が死ぬのは変わらないかな?」 クスリと笑ったアイツは、僕の心臓をうっとりと見つめている。 「僕が、君になるから、君は

2021-10-09 17:55:03
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi もういらない」 「うっ」 ヤツが僕の心臓を少しずつ握りつぶしていき、身体が痛む。 「抵抗しないで、さっさと僕に身体をあけ渡しなよ」 「誰っ、がぁっ!」 どんな理由にしろ、人類の支配を目論むヤツになんて身体は渡せない。それに僕の身体は僕のものだ。 「抵抗するなって言ってるだ、ろっ!」

2021-10-09 18:08:56
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「うるっさぁい!」 どこにそんな力が残っていたのか、握り締めた拳はアイツの胸を貫いた。僕の心臓ごと。 「ばか、な、やつ」 一瞬見えたアイツの顔は、どこか寂しそうだった。 「とうっ!わしら、二人ならなんでも……」 なんか、博士と教授の声がステレオで聞こえた気がしたけど、それを確認する事

2021-10-10 21:40:28
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まとめたひと
霧内杳/眼鏡のさきっぽ@アカウントお引っ越し @kiriutiharuka03

アカウントお引っ越し。こちらのアカウントは2月10日をもって停止します。今までのご愛顧、ありがとうございました。新しいアカウントも霧内杳/眼鏡のさきっぽです。凍結怖いので申し訳ないですがこれで探してください。新しいアカウントでも仲良くしてくださると嬉しいです。