打ち合わせ一切なしのリレー小説まとめ
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和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「いや、ちょっと待って!」 ある意味、全裸よりヤバい。このままでは、ヒーローどころか、怪人としてもヤバい。とりあえず、日曜朝にこの姿が流れたら、番組中止程度ではすまない。 「ねぇ、服!服最初から用意してよ!」 さっさと出ていった博士達の背中に恨み言を浴びせる僕の頭に、ふわっとタオル

2021-08-17 22:05:26
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi がかけられる。振り返ると伊代さんが微笑んでいた。 「伊代さん……」 実は凄くいい人だったんだ。なんて感動したのは一瞬だった。 「そのまま来ないでくださいね、このド変態が」 「うっ」 伊代さんのことばが胸に勢いよくドスッと突き刺さる。冷たく言われるならまだしも、優しげに言われるのは威力

2021-08-17 22:57:24
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L がある。いや、僕が悪いといえば悪いのだけども。 というか、みんなご飯に釣られていきすぎだ!そんなにすごいご飯なのだろうか。 『いや、むしろ何かヤバい薬でも入ってるとか疑わないの?』 唐突に消えたっきりだった声が、再び頭に響いてきた。 『まぁ、ほんとに美味しいのかもしれないけどね♪』

2021-08-18 20:31:40
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「うるさい。……変身、解除」 今度はあっさりと顔だけの変身が解けた。あれだよあれ、みんながメシ、メシって急かすのがいけなかったんじゃー!……とキレたところで気を取り直し、博士たちのあとを追った。 食堂は大賑わいだった。外にまで列はできていて、博士たちはすでに遥か前方にいる。

2021-08-18 22:22:46
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L どんな行列の出来る店だよ! 「イラッサイ、マセー」 時々聞こえる声は、リョウ・リーさんのものだろか? リーさんも研究員のはずだが、ここの運営はどうなっているのだろう。とりあえず、業者雇って研究に専念させてやれと本気で思うし、うちの会社はよくこんなんでメガーネと戦っていたなと思う。

2021-08-19 21:49:03
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ようやく食堂に入ると、刺激臭が充満していた。皆が一心不乱に食べているのは担々麺、しかもにんにく増し増しのようだ。博士から時々、吸血鬼も真っ青な口臭がするのはもしかしてこれが原因なのか? 「イラシャイマセー。オイシイヨー」 メニューはこれ一品のみらしく、ほぼ自動的にどんぶりがトレイの

2021-08-19 22:04:14
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 上に並ぶ。見た目は期待できそう。 『期待しない方がいいよ』 脳内でアイツが冷たく言うが、聞こえないふりをする。 「いただきます」 ズズズッと麺をすする。感じる違和感。嘘だとスープも飲む。違和感が確信になる。 …味がしない。周りの様子では、かなり味は濃そうなのに 『だから、言ったのに』

2021-08-20 18:11:42
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi もはや僕は人ではないのか。薄々わかっていたが、それでもまだ心のどこかでそんな馬鹿なと楽観視していた。けれどこうやって味のしない食事が僕に現実を突きつけてくる。 「……ごちそうさまでした」 食べねば体力が持たない。無味の食事を無理やり流し込んで席を立つ。なんだかんだ言いながら楽しみ

2021-08-20 19:32:26
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L にしていた以上、ガッカリ感が半端ない。 『それより、あの熊から目を離したらダメだよ』 こちらの気を知ってか知らずか、脳内に響く声は相変わらずだ。 くま、ねぇ。 1号と2号、ともに焼豚の塊を美味そうに頬張っている。ある意味、くまらしく豪快な姿をみせているが、あれがなんだというのか。

2021-08-20 20:07:34
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ただのテディベアだろ。 昼食が終わり、皆が戻ってきた研究室は……臭かった。 「じゃあ、午後からの試験をやるかの」 博士が僕の顔間近で吐く息は当然臭い。臭すぎる。もしかしてさらににんにく増し増しにしてないかというほどに。そして僕はそれに顔も背けられない状態だった。 「あのー、これって

2021-08-20 20:24:41
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L なんのイジ……」 『メタモルフォーゼ』 僕の声を遮り聞こえた電子音。みれば、テディベア2号がベルトを巻いてポーズをとっていた。そして、次の瞬間には、人と同じ大きさの姿。それこそ、熊の力を継いだヒーローのような姿に。 「次はなぁ貴様が消える実験じゃよ」 博士の様子は明らかに普通ではない

2021-08-22 00:01:58
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「博士、これはなんの冗談ですか?」 博士は虚ろな目で立っていて返事はない。他の研究員たちも同じで、代わりに答えたのはくまだった。 「冗談などではない。いまからオレがお前を……消す!」 「うっ!」 言い終わると同時に強烈なパンチが僕の腹に食らわされた。 「ふん。これくらいでは効かぬか?

2021-08-22 00:07:29
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 流石はメガーネか。だが、お前が最後の一人。お前さえ倒せば、この星は俺のものだぁぁ!」 雄叫びとともに、攻撃が激しくなる。変身する暇もなく、攻撃を受け流すのでいっぱいいっぱいだ。 ガシッ。 壁際に追い詰められたところで、博士と研究員に両腕を掴まれた。 しまった!

2021-08-22 21:18:19
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi なんて思ったところでもう遅い。 「やれやれ、手間を取らせやがって。だがこれでおしまいだな」 にやりと笑ったくまが、これみよがしに指をボキボキと鳴らす。ああ、これで僕は……。 『ねえ。さっきからなに、遊んでんの?』 こんな状況だというのに、脳天気なあいつの声が聞こえてくる。 「遊んで

2021-08-22 21:22:59
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L るわけじゃない!ポーズとれないから変身出来なくて困ってるの!」 そう、変身に謎のポーズが必要になったせいで、取り押さえられると何も出来ない。この辺、テレビとは違う。 『ふーん、じゃあ、僕がかわるよ。あれは、倒さないと、僕が産まれた意味がないから』 え? 意識が何処かへいったような感覚

2021-08-23 20:33:54
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi のあと、周りの風景がまるでテレビでも観ているかのように変わった。 『おい、ちょっと!』 「いいからそこで、黙って見てなって」 聞こえるのは僕の声、でも喋っているのはあいつ? 「ようやく本性をあらわしたな」 くっくっくっなんて悪者みたいにくまは笑っている。 「そっちこそ。いつまでも僕が

2021-08-23 20:47:40
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L コレの中にいるとでも?」 首をかしげながら、人差し指を額にあてる仕草をしていると感覚だけが伝えてくる。僕なら絶対しない仕草だ。 「ふん、まあいい。ここで倒せば同じこと!」 大きく振りかぶったってパンチを放ってくるクマ。アイツはそれを鼻で笑うと、短く呟いた。 「変、身」

2021-08-24 12:09:29
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi モーションなしで変身が完了する。メガーネの姿……かと思いきや、ヒーローのものだ。 「ほら、かかってきなよ」 ヤツが手のひらを上に指を軽く曲げ伸ばしし、くまを挑発する。 「あの世で後悔しろっ!」 間髪入れずにくまが襲いかかってくる。それをやつはひらりと軽くよけた。その後もひらりひらりと

2021-08-24 22:02:27
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 身をかわす。その鮮やかな動きに見惚れ、動きの止まった者に一撃を加え、一人、また一人と倒れていく。 「フフ、暴走した怪人の時だったら敵は全部皆殺しだったけど、やっぱりヒーローは味方も敵も助けないとだしね。 MEtal   メ GAlaxy   ガ NEgotiator ネ の名にかけて、君を倒すよ?」

2021-08-25 02:46:16
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「シネ!」 くまが渾身の一撃を繰り出してくる。ああ、これで僕の人生は終わったな、なんて覚悟した。 「チェック」 どーん、と重い音を立ててくまが倒れる 「見た、見た?いまの僕の華麗な一撃?」 ヤツははしゃいでいるが、我が身体ながらなにが起こったのかわからない。唖然としている僕が不満

2021-08-25 03:21:29
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L げにしていると、倒れていた博士が間の抜けた声とともに起き上がってきた。 「うん、わしらはいったい?」 良かった。そうだと思っていたけど、博士達は操られていただけなんだろう。 「ああやって起きれば無罪放免なんだから、つくづく甘いよね。ま、いいさ。それより、あとはチビだね」 見据えた先は

2021-08-25 12:51:41
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 博士の恋人……もとい。くまちゃん2号がいる。 「きゅー」 なんて可愛い声で鳴いてぶるぶる震え、博士の後ろに隠れているが、こいつだって本性はさっきのくまと同じなのだ。 「やめろ、やめるんじゃ。くまちゃんはなにも悪くない」 博士はくまちゃんを庇っているが、現状を理解しているんだろうか。

2021-08-25 21:13:06
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「見た目に騙されてるよアンタ。博士だっけ?もう少し外出て、色々経験した方がいいんじゃない?」 無駄に顎クイをするな。それは、イケメン、もしくはボーイッシュ女子が女の子か男の子にのみやる事が許される所業だ。 少なくとも、白髪混じりのオッサンにやる事はおそらく国連で禁止されている。

2021-08-26 03:08:38
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「ぽっ」 ない、ないわーと散々ツッコんでいる僕をよそに、博士は乙女のように頬を赤らめてもじもじとしだした。女子高生やアスカさんなら可愛い仕草だが、くそジジィ……もとい。いい年の、しかもニンニク臭のきついオッサンは気持ち悪いだけだ。 「あなたの言うとおりだわ」 ……だわ?なぜか語尾

2021-08-26 04:07:50
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L まで変わっている。っていうか、どうみても博士の声じゃないし、そもそも聞こえた方角も違うぞ。と、振り向けば、そこには機関銃を構えたアスカさんと、何故か件の看護師さんがいた。 「その熊は、地球外生命体のラーガンベアよ。この地球を征服するためにやってきた尖兵だと、課長の日誌から判明

2021-08-26 20:26:31
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi したわ。 ラーガンベア?次から次に現実とは思えない展開がやってきて、ちょっと整理が必要だ。 「そんな暇はないからねー。まあ、君はそこでひとり、パニクってなよ」 言うが早いかヤツがくまちゃんにダッシュする。同時に、アスカさんのマシンガンが炸裂した。 『ちょっ!博士が死んじゃうよ!』

2021-08-26 22:06:02
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「悪いけど、気にしてる余裕はないわ。犠牲を払ってでも、倒さないと」 アスカさんの残酷な言葉とともに、脳内に直接アイツの声が聞こえた。 『一応言っとくと、覚悟がないなら寝ててよ?こちとら、本気でこの星の平和かかってるから』 言葉を飲み込む前に、高く跳躍して、落下しながら蹴りを

2021-08-27 15:19:22
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 入れる。 「こんなもの?」 しかしくまちゃんは余裕で受け止め、不敵な笑みを浮かべた。 「うーん、やっぱり本調子じゃないとダメか……。ま、ヤツを倒すためだ、仕方ないね」 『ぐわーっ!』 なにをやる気なんだ?なんて僕が疑問を感じるよりも早く、猛烈な頭痛が襲ってくる。頭が割れる、どころか

2021-08-27 17:35:55
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 破裂しそうな痛みだ。 「これ以上は身体が持たないか。全く、3分だけでも元の体で戦えるテレビのヒーローが羨ましいね」 「……その喋り方、奈倉君ではないのね。倒しそこねたメガーネが入り込んだってとこ?他の事は大体許すけど、奈倉君に傷付けたら、ただじゃおかないから」

2021-08-28 02:11:50
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi くまちゃんにマシンガンをぶっ放し続けながらアスカさんが僕……アイツを睨む。 「それは同意見だね。これほどの逸材、早々簡単に壊しちゃもったいないよ」 ヤツが繰り出したパンチがくまちゃんにクリーンヒットし、……爆散した。 「やれやれ。持って一分ってとこか」 棚のガラスに映る僕の姿は

2021-08-28 05:27:53
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 、僕であり、僕の知らないもの。 「return」 僕のパワードスーツと違って、変身解除しても服はそのまま。 ただ、そこに写る顔は、人形のような作り笑いをしている。 そう、生き物ではないかのように。 『いつまで、呆けてるの?わざわざ戻ってあげたのに』 気付くと、いつの間にか身体のコントロール

2021-08-29 15:09:14
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi は戻っていた。 「奈倉くん、無事!?なんともない!?」 駆け寄ってきたアスカさんが泣き出しそうな顔でペタペタと僕の顔に触れる。 「大丈夫ですよ。……たぶん」 それに安心させるように微笑む。いまのところ、身体に不調はないし、精神的なダメージも感じない。ただ、アイツからあたまの中を思いっきり

2021-08-29 21:42:45
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 弄られたような、不快な気分だ。 「アスカさんは、どうして?」 若干ふらつく足を動かして、近くの壁にもたれかかると、ゆっくりとその場に座り込んだ。アスカさんは、そんな僕をゆっくり抱きしめていた。 「課長の日誌にあったの。メガーネはただの怪人ではない。地球における免疫のようなものだって

2021-08-31 06:26:19
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「免疫?」 それがなんで、眼鏡に憧れるものを怪人に変えたりするんだ? 「視力矯正手術。ある日突然現れたあれは、いまの技術じゃ説明できない部分があるって聞いたことない?」 それは知らないが、確かにあれの出現は唐突だった。それまであったレーシック等と違い、まったくの副作用も障害もない、

2021-08-31 06:57:03
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 謎の手術。 「出どころは結局分からないわ。でも、それと時を同じくして地球外生命体、いわゆるエイリアンが確認されるようになった。メガーネのほとんどは街で暴れたけどて、中にはエイリアンと戦っている個体もあったそうよ。そして、そういう個体は、自我はないものの、住民の避難もさせていたそう

2021-08-31 20:13:11
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi なの」 アスカさんの説明を聞いてもやはりどういうことかわからない。 「詳しくはあとで説明するわ。いまは、ここから離れましょう」 なかば、アスカさんたちに拉致されるように、研究所をあとにした。博士たちはまだ、まるで長い夢から覚めたかのように呆けていて、僕たちを止めさえしない。 「どこへ

2021-08-31 22:38:52
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 行くつもりです?」 研究所の前に、乱暴に停められていたクーペの助手席で、相変わらず荒いアスカさんの運転に、若干身体の中からこみ上げるものを堪えながら聞く。 ちなみに、後部座席には何故か伊代さんがいる。彼女曰く『強いものにとりあえずついておく』らしい。そして、あの看護師は現場で手当て

2021-09-01 20:32:41
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi をすると言って残った。 「どこって、私たちの新しいアジトよ」 「新しいアジト?」 とはいったい、なんだ?僕の疑問に答えるように、さらにアスカさんが続ける。 「研究所はもちろん、会社にも敵の手が入っているわ。課長は前から気づいていたみたい。だからあそこにはいられないし、……そうだ。

2021-09-01 21:18:37
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 確か、ナ・ゴーミ教授の邸宅なら大丈夫なはずよ!」 今思いついたようで、手をポンと叩くアスカさん。こういう行きあたりばったり、今は聞きたくなかった。 そして、ナ・ゴーミ教授といえば、『城は気合だ』でお馴染みの体当たりで城を紹介する動画が話題の大学教授で、その邸宅も城を模した、というか

2021-09-01 23:06:26
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 城そのものだ。ある意味、博士と同じ変態だと言っていい。 車は山道に入っていく。しかも未舗装なのでクーペでは走行性が悪すぎる。加えて、アスカさんの運転だ。僕がどんな思いをしたのかは、想像にお任せする。 しばらく走って城門が見えてきた。ええ、まさに立派な城門なのだ。そこに畳一枚くらいの

2021-09-02 00:11:27
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 跳ね橋がある。ちなみに、お堀にはエメラルドグリーンの水が張ってある。そこらの豪邸のプールより金がかかっているのは間違いない。 「さて、行くわよ」 車を降りて元気よく進むアスカさんに対し、伊代さんは目を丸くして驚いた。 「え、私高所はにが…」 「レッツゴー」 震える伊代さんの背中を、

2021-09-02 20:51:44
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi アスカさんは押した。跳ね橋を登る気らしいが、いやいや。そこに呼び鈴ありますって。 「あのー」 「なに?」 控えめに声をかけたがアスカさんはすでにやる気になっている。しかし、登ったところでどうやって対岸に渡る気なんだろう? 「橋、下ろしてもらえば?」 呼び鈴を指すと、伊代さんが速攻で

2021-09-02 22:00:38
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L マイクに助けを求める。 「た、助けて!」 もはや、何がなんだか分からない状況にしか見えないが、果たして跳ね橋はゆっくり降りてきた。 「た、助かった」 よろよろと、跳ね橋に向かって歩き出す伊代さんに、心の中で同意しつつ自分も向かうと、跳ね橋の横にある三角形の窓から筒が出てきた。

2021-09-03 07:50:42
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi 「危ない!」 伊代さんを突き飛ばすと同時に轟音が響き渡り、なにかが猛スピードでその場を通過した。 「狙撃!?」 さすが、場馴れしているだけあって、アスカさんが瞬時に身体を物陰に隠す。僕も腰が抜けてへたり込んでいる伊代さんの襟首を掴んでそこへ滑り込んだ。 「歓迎されてないってことですかね

2021-09-03 22:35:37
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 周りを見渡し、一先ずの安全を確保したところで、ボヤく。 すると、アスカさんは跳ね橋と、その周りの狭間から飛び出ている銃頭を見据えながら、ゆっくりと首を横に振った。 「違うわ。試されてるのよ」 「試されてる?」 予想外な言葉に反応したのは、まだ若干震えてる伊代さんだ。 「聞いた、ことが

2021-09-04 18:19:53
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi あるわ。ナ・ゴーミ教授は真の忍者を探していると……!」 なんだそれは?とか考える暇もなく、銃弾が浴びせられる。が、機関銃にしては散発的だ。 「どうします?」 伊代さんはあたまを抱えてガタガタ震えており役に立ちそうにない。 「突破するしかないでしょ」 アスカさんは簡単に言ってくるが、

2021-09-04 19:15:06
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 普通の人は機関銃相手に特攻はしない。 となれば行くのは自分しかない。 「変、し」 勢いよく手を動かしたら、アスカさんに腹を思いっきり殴られた。 変身中は攻撃してはいけない暗黙のルールを破られた僕は、思いっきり咳き込んだ。 「何するんですか」 「あなた!漢と漢の戦いよ!生身で行くのが礼儀

2021-09-05 12:10:26
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi ってもんでしょ!」 そういう問題なのか?咳き込みすぎて涙目でアスカさんを見るが、彼女は真剣だ。 「行くわよ!」 「えっ、ちょ!?」 身を隠していた物陰から飛び出したアスカさんの首根っこを掴み、慌てて引き戻す。その鼻先を弾が掠めていった。 「あぶなっ!」 「なにするのよ!アイツら倒さないと

2021-09-05 19:12:10
和美 @777nagomi

@megane_ryman_L 「いや、まず敵じゃないでしょ!」 忍者探しが事実かどうかはともかく、ナ・ゴーミ教授の協力がいるのだから、何か物を壊したりして印象を悪くするのはまずい。 ……もちろん、このままでは全く近づけないのだが。 「あのー、ちょっとよろしいでしょうか?」 ようやく震えがおさまったのか、伊代さんが

2021-09-05 19:19:14
眼鏡リーマンスキー @megane_ryman_L

@777nagomi そろりと手を上げる。 「あの。弾はすべて、私たちを避けているようなのですが」 そう言われれば確かにそうだ。これだけ食らわせられれば一発くらいどこかに当たりそうだが、それはない。さっき掠めていった銃弾も、まるで避けるのを“わかっていた”かのようだった。 『今頃気づいたの?間抜けだね』

2021-09-05 21:25:06
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まとめたひと
霧内杳/眼鏡のさきっぽ@アカウントお引っ越し @kiriutiharuka03

アカウントお引っ越し。こちらのアカウントは2月10日をもって停止します。今までのご愛顧、ありがとうございました。新しいアカウントも霧内杳/眼鏡のさきっぽです。凍結怖いので申し訳ないですがこれで探してください。新しいアカウントでも仲良くしてくださると嬉しいです。