GLOBE(2023/10/15)
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花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

31のトピックで意見募集などを実施。昨年度末までに900件超のアイデアが寄せられた。パブコメではこんなに集まらないという。  登録者は今年9月末時点で約2500人に上る。 一方で、具体的な施策に結びつけることが前提のバルセロナとは違い、デシディムはあくまでもデジタル上のツールの一つで、

2023-10-27 00:21:50
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最終的な意思決定の権限は議会や市長にある、との位置づけだ。  無作為に選んだ市民が参加する「くじ引き型民主主義」の例も出てきている。  世田谷区では2012年6月に「くじ引き型」の区民ワークショップを初めて行った。無作為に選んだ1200人に案内を送り、応募した88人が「20年後の世田谷区で

2023-10-27 00:22:58
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実現させたいこと」を話し合った。  2022年にも、10年後の区の将来像を議論するために、無作為に選んだ460人に案内を送り、44人が申し込んだ。若年層の参加割合が低い傾向があることを考慮し、35歳未満から多めに抽出したが、結果として、応募者44人のうち、🖍️10~30代が33人を占めた。

2023-10-27 00:24:00
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オンライン参加ができることも影響しているかもしれないと、政策経営部の副参事、真鍋太一さんは分析。「日ごろ、あまり行政に関心のない人、普通の生活者の視点もとり入れたい」と話す。今年6月、デシディムを使った意見募集も始めた。  ただ、世田谷区でも、こうした市民参加の取り組みについて

2023-10-27 00:24:52
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「意思決定機関ではない」と強調する。「ものごとの是非を決めるのではなく、どう進めていきたいか、納得感を高める役割がある」  無作為に選ばれた市民が、地域での温暖化対策を話し合う、欧州発祥の「気候市民会議」も広がりをみせている。神奈川県厚木市では、市と市民からなる実行委員会による

2023-10-27 00:26:00
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「あつぎ気候市民会議」が開かれた。  住民基本台帳から無作為抽出した16~74歳の約3000人に呼びかけ、希望者から男女比や年代などが市の人口構成の縮図になるよう約50人を選んだ。 pic.twitter.com/8D4E4CLuKp

2023-10-27 00:27:47
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市民の声を予算に直接反映させようという取り組みもある。東京都では2017年、都民による事業提案制度を始めた。都民から事業を募り、実施の是非をオンラインなどによる「都民投票」にかけ、選ばれた事業に予算をつける取り組みだ。

2023-10-27 00:28:35
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受け付ける提案は、事業期間が1年、想定費用は2億円以下、「ハコモノ」事業は除くなどの条件がある。応募案の中から、投票にかける十数案への絞り込みは都職員が行う。2018~2023年度の予算に向けて寄せられた1906件の応募のうち、41件が事業化された。

2023-10-27 00:29:07
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2020年度には、家族構成や住居、ペットの有無の三つの質問に答えるだけで、防災用の備品リストが提案されるウェブサイト「東京備蓄ナビ」を開設した。その後は、担当部署の通常予算でサイトの運営を続けている。

2023-10-27 00:29:47
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応募件数は2017年の255件から、5回目の昨年は684件に増加。2024年度予算に向けて、今年は847件が寄せられ、15件が投票にかけられた。11月ごろに事業化を目指す案が発表される予定だ。(荒ちひろ)〈了〉

2023-10-27 00:30:32
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IT技術を使って市民参加をしやすく。スペイン発の「デシディム」というデジタルプラットフォームが世界中に広まっている。テクノロジーを使って、民主主義をどう変革できるのか。globe.asahi.com/article/150362…

2023-10-27 00:33:55
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市民が参加する民主主義にITを活用する。「デシディム(Decidim)」はスペインのカタルーニャ語で、「私たちで決める」を意味する。  専用のウェブサイトがあり、提案を受け付けるほか、市民による「投票」や「議論」などの機能がある。それぞれの機能を個別にも、組み合わせても使える。

2023-10-27 00:39:43
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「(行動計画には)9000件を超える提案があり、とてもうまくいきました」と開発責任者のカロリーナ・ロメロさん。開発にあたって市は200万ユーロ(約3億1500万円)を投資した。  2020年には、市民参加予算の提案をデシディムで募った。3000万ユーロ(約47億円)分で市の予算の1.25%にあたる。 pic.twitter.com/oGk0YYWxDZ

2023-10-27 00:42:01
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1980ほどの提案があり、デシディム上での市民の投票で76のプロジェクトを決めた。進捗状況はサイトで見られ、完成までに何%進んでいるかわかる。「透明性と市民への説明が重要だから」とロメロさん。  市内には「市民参加予算」というロゴと、シャベルのマークがついた黄色い横断幕が現れる。 pic.twitter.com/pqwei4HmjQ

2023-10-27 00:45:30
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バスケットボールコートや遊具施設、建設中のクリケット場などで、市民参加予算でできたものだ。  政策を議論し、決めるのは本来、市議の仕事だ。市民がITツールを活用しながら、市の予算や計画に参加することを彼らはどう考えるのか。 「民主主義とは、選挙で投票してもらうだけではない。

2023-10-27 00:47:09
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🖍️深化させるために市民の参加は必要」と市議のマルク・セラさん(36)。ただ、ほかの市議からは「市民に決めさせるなんて。自分たちで決めるべきだ」と批判も上がったという。  2017年、どこでもデシディムを使えるようにとプログラムのコードをオープンソースに。「コロナ禍ですごく広がりました」

2023-10-27 00:48:30
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参加者はいま欧州、米国、日本、南米など30カ国・地域の92万人以上に上る。リアルの集会や説明会と組み合わせて使う例が多い。

2023-10-27 00:49:28
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フィンランドのヘルシンキ市では2018年から市民参加予算のために使われ、欧州委員会では、2021〜22年に「気候変動と環境」「健康」「世界の中のEU」など10の項目でアイデアを受け付けた。ブラジルでは現在、ルラ大統領の主導で国の計画作りに利用されている。(秋山訓子)〈了〉

2023-10-27 00:50:13
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卯月盛夫教授は、「現代は、政策課題が非常に多岐にわたり、複雑化している。選挙の時点で各政党や候補者の政策が見えて、イメージしやすい時代ではなくなった。市民と市議など政治家の間にギャップが存在するようになった」globe.asahi.com/article/150341…

2023-10-27 01:07:01
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「選挙で選ばれた政治家たちが、民意を反映しているとは言えない。有権者も、自分が投票した政治家が当選したとしても、その政治家に全権を任せたと思っていないのではないか。大きな政策案件になるほど、普段の生活からは遠くなるし、その都度、住民の意向を確認しながら政策形成を進める必要がある」

2023-10-27 01:08:28
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卯月教授は2016年に世田谷区の区庁舎建て替え問題について、検討委員会の委員長を務めた。専門家や学識経験者7人に加え、公募した市民5人、無作為抽出で選んだ市民8人が加わった。もともと1102人が無作為抽出で選ばれ、案内を出したところ128人から応募があり、さらに抽選で8人を選んだのだという。

2023-10-27 01:09:12
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このような構成にしたのは、「🖍️公募だと、問題に対して何らかの意見を持っている人が応募してくる。ゼロベースで、ニュートラルな立場からも議論をしてほしかった」。 「抽選で委員になった人は、新たな課題に真摯に向き合い、学習をしながら自分たちの意見をいうようになる。

2023-10-27 01:10:35
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ごく普通の人たちのさまざまな視点から、穏当な議論が行われたんです」  2019年のボン市での市民会議も、「4日間のうち、最初は決まった人がずっと話していた。極端な意見もあったが、だんだん均衡していった。参加者たちの価値の変容を感じました」という。

2023-10-27 01:11:55
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「5、6人の小グループを作って、メンバーを変えながら密に議論していく。このプロセスが重要。小グループというのが大事で、全員が意見を言うことができて、平等に話せるんです」。最終的に、参加メンバーは全員と相互に意見を交わした。

2023-10-27 01:12:13
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くじ引きで選ばれた人たちが、政策を議論することに正統性があるのだろうか。  政治家たちは選挙という制度で選ばれたうえで、政策形成に携わる。卯月教授は、政治家の正統性について「🖍️投票率が50%を切るような状況で、政治家にだけ絶対的な正統性があると言えるのだろうか。 pic.twitter.com/9txW3rmL5H

2023-10-27 01:13:51
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しかも世代によって投票率には差があり、全住民を代表しているのか。それよりもむしろ、くじ引きで選ばれた人たちのほうが、利害関係も少なく民意を代表しているかもしれない」という。  いずれにせよ、選挙だけで民主主義が実現できる時代ではなさそうだ。(秋山訓子)〈了〉

2023-10-27 01:15:11
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くじ引き民主主義も、市民参加予算もデシディムも、いろんな立場の普通の市民が、ああでもないこうでもないとひざを突き合わせて議論する仕組みだった。リアルでもデジタルでも時間がかかる。しかも、せっかく結論を出したって、政治が受け止めてくれない可能性もある。 globe.asahi.com/article/150363…

2023-10-27 01:18:09
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でも、この「いろんな立場」が鍵で、それが今まで政策形成にかかわっていなかった新しいプレーヤーであり、多様性ということでもある。  🖍️政治家、官僚といった伝統的な政策形成プレーヤーが期待に応えられていない以上、誰かがそれを補完するしかない。

2023-10-27 01:19:21
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まずは身の回りの小さな事(でも大事なこと)から始める。手間ひまがかかっても、100%でなくても、実現する。手触り感のある民主主義の達成感を得る。するとまた参加したくなる。ここに正の循環が生まれる。 🖍️大切なことは、政治家が、きちんと向き合うことだ。

2023-10-27 01:21:29
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市民参加の取り組みは、決してバラ色ではなく、人々の期待に応えられていない面も見えた。  スペインのデシディムの、市の環状道路の地下走行部分に「覆い」をするというプロジェクトでは、「予算額が多すぎる」として採用されず、9分の1ほどの区間だけの整備にとどまった。

2023-10-27 01:23:59
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「市の言う『参加』とは、市が勝手に作ったプランにアリバイで市民の意見を聞いているだけでは」。町内会の人々の憤りはもっともだと思えた。  ドイツのプールをめぐっては、「いつ改修が進むのか、全然わからない。2023年には本格的な改修を始めるって言っていたのに」と事業の遅れに不満が出る。

2023-10-27 01:25:47
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2025年に予定される次の市議選で、改修に慎重な政党が勝つかもしれないと心配されている。 🖍️市民の声をくみ取る仕組みを採用しても、政治家がきちんと受け止めなければ、政治不信が再生産されるだけだ。

2023-10-27 01:27:14
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大きな政治、民主主義を立て直すには、小さな地域の現場から少しずつ作り直して、成功例を積み上げていくしかない。そうやって徐々に達成の規模も広げていくことができる。あきらめずに地道に取り組む人たちが世界のあちこちにいる。変化も生まれ始めている。そこに希望を見たい。(秋山訓子)〈了〉

2023-10-27 01:29:42
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1/10🧵 敗戦でカルテは軍によって焼却が命ぜられた。 「国府台のカルテをドラム缶に隠して埋めたんだ。今は下総にある。無くなってしまわないよう、持ってこようと思う」 「下総」は国府台と同じく、精神神経疾患専門の下総療養所(千葉市)。asahi.com/articles/DA3S1…

2023-10-28 13:21:12
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2/ 国の資料をただ持って来るわけにいかない。トラックに積んで運び、コピーして戻すことを繰り返した。6年かかった。 コピーされたカルテは、8002人分。約700冊の冊子にまとめられ、今は浅井病院の資料室に並ぶ。病院は研究者らに閲覧を許してきた。戦争で心に傷を負った日本兵の貴重な資料だ。

2023-10-28 13:21:37
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3/ 広島大大学院の中村江里准教授は、カルテを分析した研究者の一人だ。 元々、この分野の資料の少なさに苦労してきた。ベトナム帰還兵の後遺症からトラウマ研究が進み、全国的な調査も実施された米国と違い、日本では体系的なデータが残っていない。

2023-10-28 13:22:01
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4/ そんな時に出合ったのが国府台のカルテだった。「全体像が分かる資料を軍が焼却してしまった中で、断片的とはいえ、まとまった資料が残っていた。大きなブレークスルーだった」

2023-10-28 13:22:27
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5/ 「部隊長の命令で部落民を殺せることが最も脳裡(のうり)に残っている……自分にも同じ様な子供があったので余計厭(いや)な気がした」 「良民六名を殺したることあり、之が夢に出てうなされてならぬ……」 日中戦争の最中、日本国内の陸軍病院に入院した当時28歳の兵士の病床日誌(カルテ)だ。 pic.twitter.com/dgWHywU2c4

2023-10-28 13:23:00
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6/ 故郷では郵便局員として働き、結婚して家庭もあった。「精神乖離(かいり)症」と診断され、兵役に耐えられないとされた。 入院していたのが国府台(こうのだい)陸軍病院(千葉県市川市)だ。1938年、精神神経症などの兵士の治療のために軍が整備。45年まで1万人以上が収容された。

2023-10-28 13:23:27
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7/ 浅井病院(千葉県東金市)の若手臨床心理士だった戸村秀次さん(72)は80年秋ごろ、元軍医少佐で、国府台の幹部だった浅井利勇(としお)院長(1911~2000)から、ドラム缶に資料を入れて隠した話を聞かされた。

2023-10-28 13:23:49
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8/ 中村江里准教授は、カルテや他の資料を照合し、多くの日本兵が戦争のトラウマに苦しんだと指摘した。PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神神経疾患の患者は、戦時中で少なくとも数十万人に上る可能性があるという。

2023-10-28 13:24:08
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9/ 「時間を経て戦後に発症する人も多く、総数は更に多い。社会の偏見もあり、長く埋もれてきた」と中村准教授。 2018年、研究成果を著書「戦争とトラウマ」にまとめ、元日本兵の心の傷という問題を世に問うた。その年、元兵士の家族が「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」をつくった。

2023-10-28 13:24:27
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活動が徐々に注目を集め、家族の恥だと沈黙してきた人たちが声を上げ始めた。 「ようやく、多くの証言を聞けるようになった。まさに、時代が動きだした。戦争は、今も終わっていないと実感する」(後藤遼太) (eof)

2023-10-28 13:24:49