#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年7月28日】 じいっと、プラスチックの目をみつめて、 「羽島莉子のことを、ちょっと調べてみたの。……二年前に川に沈んで、亡くなったと思われてるけど、遺体はまだ見つかってない。それが、今になって戻ってきたなんて……あるはずが、ないよね
2021-07-28 08:00:45」 羽島家は、すぐ近くだ。口さがない田舎のこと、万一、そんなことがあれば、とっくに噂になっているはず。 だとしたら、あれは。 「私、……夢でも見たんだ、きっと。」 そんなはずはない、と胸のおくでは思いながら。 「美羽は、……大丈夫かな。」 答えはない。 ダースの、硬い小さな目
2021-07-28 08:00:46#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年7月29日】 が、じっとこちらを見返してきていた。 * 悪夢を見た。 * 翌朝、菜月は完全に寝坊して、かりかりと指をふるわせながら改札をくぐった。電車で一時間。駅から、走っても十五分。どうしたって間に合わない。 焦っても仕方ない
2021-07-29 08:00:20、と自分に言い聞かせながらも、脂汗は止まらない。 電車のドアが開くやいなや、走る。といっても、大学まで息は続かない。百メートルもいかずに、ペースが落ちる。 講義室の前に着いたのは、授業が始まって20分ほど経ってからだった。 息を落ち着かせる。 そっとドアをあける。できるだけこそ
2021-07-29 08:00:20#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年7月30日】 こそとなかに入り、なにか言われたら、すみません、遅刻しました、とだけ言う。頭のなかで3回、シミュレートする。 手が動かない。 いつもの、大柄な准教授の声がきこえる。声音がきゅうに大きくなり、心臓が跳ね上がる。ただの、先
2021-07-30 08:00:12生のいつものくせだ。わかっているのに。 もう、3分たっている。 息ばかりが荒くなる。ちっとも、呼吸が落ち着かない。心臓も。 目をとじる。また、あける。 手が動かない。 ふう、と深呼吸。 菜月は目をつむって、あるきだした。廊下を、玄関にむかって。 * 結局、2限目も出席す
2021-07-30 08:00:13#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年7月31日】 る気になれず、図書館のソファで昼まで過ごしてしまった。なにをするでもなく、気分が落ち込むにまかせて。必修の授業をさぼったのは初めてだ。午後は授業がないから、もう帰ってもいいのだが、動く気になれない。 そういえば今日は、
2021-07-31 08:00:05みちあるき同好会とやらの例会がある日だ。 手持ちかばんの奥にくしゃくしゃに突っ込んであったちらしを確認する。例会は、昼休み。お弁当持ち込みで談話室。それから、午後ひまな人だけで延長戦。 談話室ならば、人の出入りが多いから、まずはちょっと離れたところから様子をうかがってみても良い
2021-07-31 08:00:06#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月1日】 。気晴らしにちょうどいいかもしれない。 ぐっと勢いをつけて、立ち上がる。 なんとかして浮上しなければ。そう思った。 * 生協でサンドイッチとサラダを買って、学生会館へ。談話室はオープンスペースで、菜月も何回か昼食をと
2021-08-01 08:00:34りに来たことがある。 会館の玄関が見えてきたあたりで、菜月はふと立ち止まった。 チラシをくれた男がいる。 あのあと、頑張って思いだしたのだが、たしかスギウラという名前。きれいにアイロンのかかったチェックのシャツ、ジーンズ、度の強そうな眼鏡に黒髪の短髪。背が高く、まじめそうな物
2021-08-01 08:00:34#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月2日】 腰の痩せた若者。 そのとなりに、女。 セルリアンブルーのブラウスに膝丈のスカート、薄手の上着をはおった、くちびるの赤い女。きれいにウェーブのかかった茶髪は肩の下まで。 きゃらきゃらと、輝くように笑っていた。 菜月はく
2021-08-02 08:00:33るりときびすを返して、駅に向かって歩きだした。 * 「……あーぁ、」 じんわりと涙がにじむ。 自室、いつものベッドのうえ。ダースと目をあわせるのがこわくて、横に寝かせてある。泣くのを見られたくない。 なぜ泣いているのか、自分でもわからない。何があったわけでもないのに。 なに
2021-08-02 08:00:34#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月3日】 か、気晴らしをしよう。 ふと思いついて、菜月は通学用の鞄からスマートフォンをとりだした。いつ入れたかも思いだせない、ほったらかしのSNSアプリを開く。 つらつらつらっと投稿をながめてから、アプリを勧めてくれた友人にメッセ
2021-08-03 08:00:05ージを送りかけて、手が止まる。なんだか、今は連絡をとりたくない。 ため息。 惰性で、そのままアプリの画面をスクロールさせる。ランダムに表示されたいくつかの投稿、それから、アカウント名をたどって、さらに何人かの投稿、画像、それからまた、別のアカウントの。気がつくと、一時間ばかり。
2021-08-03 08:00:06#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月4日】 やがて、考えが固まる。 「ねええ、ダース」 ぱしゃっと自撮り。まずは、顔の下半分だけ。 「わたしもさ、こうして見ると、けっこうカワイイと思わない?」 いいながら、ふたたびホーム画面に戻って、アプリを再起動する。 なんだ
2021-08-04 08:00:10か、慣れない手つきで。 * 家庭教師の日── あいかわらず、美羽はまともには椅子に座れない。尻を板につけずに、しゃがんだようなおかしな姿勢でシャープペンシルを握っている。 最初の数問は解いたが、すぐにいたずらがきを始めた。菜月が何もいわないのをいいことに、調子に乗って、もう
2021-08-04 08:00:11#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月5日】 3ページ目。 ぐるぐるぐると、渦巻き模様。それから、何かのキャラクターだろうか。うさぎの耳を生やした少年、空飛ぶ蛸、杖と三角帽子を身につけた髪の長い少女。 「……ねえ、美羽」 少し離れたところでひざを組んで椅子に座ってい
2021-08-05 08:00:15た菜月は、ロングスカートにのせた革カバー付きの文庫本からようやく目をあげ、ぼんやりと声をかけた。 「はいっ!」 びくんと身をふるわせて、美羽はうつむいて顔を伏せた。けれども、 「……莉子ちゃんとは、あのあとも会っているの?」 問われたのは、別のことだった。 「うん、」 美羽は、ほ
2021-08-05 08:00:17#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月6日】 っと息をついて、小さな顎でこくんと頷いた。 「きのうも会ったよ。」 また授業をさぼって裏山へ行っていたのか、とは口に出さない。 「……そう。なにか言ってた?」 「うん。あなたも魔女にならない? って誘われた」 ぱさり、と音
2021-08-06 08:00:06をたてて、菜月の膝から、本が落ちた。古い栞が、ぺらりとフローリングの床に。 「それで……?」 「ねえ、ナツちゃん」 美羽は、きれいなビー玉のような目をくるんと丸くして、菜月の顔を見上げた。 「ナツちゃんも、魔女になってよ。あたし、ナツちゃんと一緒がいいなあ。だめ?」 * 約束の一
2021-08-06 08:00:07#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月7日】 時間がおわり、菜月は美羽の部屋をでた。美羽は疲れてしまったらしく、ベッドで横になっている。 かわりに、よりこさんが玄関まで見送ってくれた。 「お疲れ様。……あの子、ナツちゃんにはよくなついてるみたい。いつもありがとうね。
2021-08-07 08:00:04」 「いいえ。」 菜月は首をふって、ちょっと眉をひそめた。 美羽が、誰かになつかない、なんてことがあるのだろうか。 「わたし、あの子が……、」 よりこさんは、ちらりと閉まったドアに目をやって、声をひそめた。 「あの子が、よくわからないの。昔から、いつもじっとしてないようなところは
2021-08-07 08:00:05#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月8日】 あったけど。中学生になっても、授業もまともに受けられないなんて……。」 「はァ……」 自分も、中学生のころはあまりまともに授業を受けた覚えはない。宿題など、ほとんどやらずに居残りばかりさせられていた。 いま、そんなことを
2021-08-08 08:00:06言ったら、この人は倒れてしまいそうだが。 「……お兄ちゃんは、……なのに。」 なんだろう。よく聞こえなかった。 菜月は曖昧に笑って、高橋の本家を辞した。 * 「……ねえ、ダース」 ベッドのうえにぬいぐるみをおいて、菜月はあぐらをかいている。 寝る前なので、パジャマ姿。赤いスト
2021-08-08 08:00:07#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月9日】 ライプの、ちょっとサイズの合わない。髪はまとめて後ろで縛り、眼鏡はかけたまま。 ぼんやりと不安げな顔で、 「美羽のこと、……どう思う?」 そう問いかけてから、ちがう、と気づく。 美羽のこと、ではない。 「あの、……羽島莉
2021-08-09 08:00:47子。ううん、……あの、魔女のこと。」 むろん、答えは……、ない。 「私さァ、美羽の気持ちも、わかる気がするんだよね。魔女になるっていうのがどういうことかわからないけど……、でも、このままじゃ、どうしようもないっていう感じさ……」 なんとなく、涙がにじんでくる。悲しくなんかないの
2021-08-09 08:00:49#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月10日】 に。 「……涙を拭きなよ、菜月」 小さな、声。くぐもったような。 「え、でも、」 おもわず返事をしかけて、まわりを見回す。 誰もいない。ぬいぐるみがたくさんあるだけだ。うさぎ、蛇、はりねずみ、竜、アノマロカリス。ベ
2021-08-10 08:00:12ッドの上にいる仲間たちは、みんな丸い目を開いたまま、じっとしている。 いや、一体いない。いつのまにか、ベッドの上には。 まさか、ダースの声!? 「やっと声が届いたね、菜月」 床の、白いラグじゅうたんの上に、ダースはひょっこりと立っていた。 菜月の肩に乗るくらいのサイズの、茶
2021-08-10 08:00:12#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月11日】 色いあらいぐまの、ぬいぐるみ。それが、二本足で立って、口を開いている。 くるんとした丸い目は、そのままで。 「どうして、」 夢だろうか いやさ、妄想。 その、どちらでもないと、確信できた。なぜか。 「ダース!」 おも
2021-08-11 08:00:06わず、声をあげる。 「菜月、あれは怪異だ」 いつしかくぐもりが消えて、子供のような高い声で。 「怪異?」 菜月はどきどきしながら問い返した。怪異というならば、今この状況がじゅうぶん怪異だ。 「あの魔女さ。さあ、出かけよう。菜月」 ダースはぴょんと跳ねて、くるくると回ってみせた。そ
2021-08-11 08:00:06#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月12日】 れから、右手をぴっとドアに向ける。 「もう夜中だよ?」 混乱したまま、とりあえずぞう反論する。夜の11時。街は寝静まっている。隣の部屋の妹は、まだ起きているかもしれないが。 「怪異は夜歩くものさ。さあ、着替えて。早く!」
2021-08-12 08:00:11* こっそり外に出ると、あたりの灯はもう消えていた。 住宅にあかりがないのはともかく、街灯すら消えている。停電だろうか、と思う。それとも、たまたま蛍光灯が切れたのか。 月と、星あかりしか見えない。ほんとうの夜だ。 足元に気をつけながら、細道をしばらく歩いて、大通りに出る。車
2021-08-12 08:00:13#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月13日】 は一台も走っていない。どころか、信号が止まっていた。ますます、おかしい。 「……いやあな気配が、濃くなって来たよ」 えっちらおっちらと、膝関節をまげずにコミカルな足取りで先をあるくダースが、ちいさくつぶやく。 いったい
2021-08-13 08:00:10、なんなのか。 そういえば、この子はいつから家にいたのだっけ。思いだせない。 暗くてよくは見えないが、舗装された歩道を、ぬいぐるみが短い足でちょこちょこ歩く光景は、やはり異様である。 そうだ、と思いついて、菜月は凪色のプリーツスカートのポケットから、スマートフォンを取りだした
2021-08-13 08:00:12#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月14日】 。これが明かりになるはず。 つかない。 電源が入らないのだ。 何度か試してから、ため息をついて、ふたたび前に目を向ける。風がごうごうと音をたてる。5月だというのに、やけに寒い。もっとちゃんとした上着を着てくればよかっ
2021-08-14 08:00:09た。薄手のカーディガン一枚では、鳥肌がたちそうだ。 ここは、どこだろう。 あたりを見回してみる。暗いせいもあるが、知っている道とはとても思えない。ざわざわざわ、となにかがざわめく音がする。 くすくす、くすくす、と笑い声が。 ダース、と声をかけようとして、思いとどまった。笑
2021-08-14 08:00:10#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月15日】 い声は、幾人もの声がいりまじったようで。 「風が、笑っているだけさ。」 と、少しそっけない声で、ダースがいう。 菜月はこわくなって足を速めた。前をいくダースは、歩幅が人間の半分もないくせに、ずいぶんと進むのが速い。 理
2021-08-15 08:00:12屈にあわないことばかりだ。 菜月はこめかみをコツコツと叩いた。集中したいときの癖だ。 ……ふつっ、ふつっ、と、なにかが細くなって切れるような感触がする。 ふりむくが、何もない。けれども、感じた。 たしかに、ここでなにかがいま、切れたのだと。 * ひた、 ひた、 ひ
2021-08-15 08:00:13#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月16日】 た、 と、肘から先の腕と手だけが、二本で、行進をするように歩いている。 菜月とダースは、ちょうど、その手に案内されるように、つかつかと歩き続けていた。 「……これも、怪異なの。」 「だろうね。」 やはり、どこかそっけな
2021-08-16 08:00:38い、ダースの返事。 「魔女のしわざって事?」 「そうとは、限らない。怪異は、怪異を呼ぶんだ」 ならば、ダースがこうして喋るのも、魔女に『呼ばれた』怪異のひとつということか。あるいは── 「止まって!」 するどい声。菜月はつんのめるようにして足を止めた。ダースが、ちょこちょこと足を
2021-08-16 08:00:38#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月17日】 のぼってくる。器用に耳元まではいのぼって、低くささやく。 「気をつけて。……星が墜ちる」 え、と問い返すまもなく、空がきらめいた。 見上げる。流れ星、というにはずいぶんと大きく、遅い。太陽よりもずっと大きな光のかたまり
2021-08-17 08:00:16が、何度も、どん、どんと何かをつきやぶるような音をたてて、空をすっ飛んでゆく。そして、 それが、墜落した。 どこに落ちたものか、幾重にもかさなった音の衝撃が、菜月の耳をたたき、光が脳裏をつらぬいた。それが、連続して二度、三度、四度。ようやく収まった。 「いまのは……、」 「わから
2021-08-17 08:00:17#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月18日】 ない。なにかが──」 いいかけて、ダースは菜月の肩の上でびくんと跳ねた。 「来た!」 叫ぶ。 * すっ、と後ろに気配が。 ふたりはさっと振り向いた。誰もいなかった通りに、少女が立っていた。 顔のない少女。着ているも
2021-08-18 08:00:19のすら、定かには見えない。 魔女、であった。 あいかわらず、月と星あかりしかないというのに、魔女のすがただけは、なぜかはっきりと見えた。いや、見えたと思っているだけかもしれない。 「こんばんは、菜月さん」 魔女は、ていねいにそう言って、会釈をした。 「今日は、かわいらしいも
2021-08-18 08:00:21#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月19日】 のを連れているのね。それは……あなたの守り神?」 「いいえ。友達」 菜月が間髪をいれずにそう答えると、魔女はなぜか悲しそうに身じろぎをした。 「美羽ちゃんから、もう聞いた? 魔女に──」 「魔女にならないかって? 絶対にい
2021-08-19 08:00:17や!」 菜月は興奮して、ぎっと魔女を睨んだ。とんとん、とこみかみを叩く。 「それがあなたの儀式?」 「かもね。あなたのは?」 「……教えない!」 魔女がさけんで、大きく右腕を振ると、ごうと風がおこった。 ダースがぎゃっと悲鳴をあげて、菜月の首にしがみつく。髪が風にあおられて、耳に
2021-08-19 08:00:17#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月20日】 からみつく。ロングスカートの前を軽くおさえて、菜月は歯をかみしめた。血がさかだつような怒りと興奮が、うなじを走り抜けていく。 「それだけ?」 「言ってくれる! あなたは何ができるの?」 問われて、菜月はふっと目をゆるめた
2021-08-20 08:00:56。ダースの頭を軽く撫でる。 「……ねえ、魔女になるって、どういうこと?」 魔女も、同調するように声から怒気をぬいた。まるで鏡のようだ、と菜月はおもった。 「わたしと同じになる、ということ。この道を歩いてここまで来たのなら、なんとなく理解できるんじゃあない?」 「怪異になる、というこ
2021-08-20 08:00:57#朝の連続ツイート小説 #ともだちの魔法使い【2021年8月21日】 と?」 「そう呼びたければ、どうぞ。」 「……わるいけど、」 「本当に、そう?」 菜月がいおうとしたことを見透かしたように、魔女は言葉をかぶせてきた。 「あなたは、本当は、──」 「……黙りなさい!」 菜月は激昂して言葉を
2021-08-21 08:00:10ぶつけた。ずっと言ってやろうとおもっていたことを。 「あなた、本当は死んでるんでしょう。二年前に、とっくに。生きてなんかいない。ましてや、蘇ってもいない。死んだままなんだ。ただ、生きてるひとの頭の中で──」 「黙れ!」 魔女が、気配をかえた。 目でみえるほどに強くなった怒気が、風
2021-08-21 08:00:11