抜粋)②『アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)第２版～マインドフルネスな変化のためのプロセスと実践～』星和書店 2014.9.9

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「今の現実のありようと、あなたが望む人生との間のギャップを考えれば、あなたがそのように反応することは、ごく自然なことでしょう」 苦痛な感情や思考をクライエントがノーマルなものとして受け止めるためには、クライエントの体験を自然で当然なものとしてセラピストは認めなければならない。

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プログラムされたルールへの信憑性を弱めるための技法のひとつ、『その数字は何ですか？』エクササイズをご紹介して、本日は出勤します。(前掲書、pp.299-302)

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私があなたに歩み寄って、こう言ったとしましょう。「今から、あなたに覚えておいてもらいたい数字を３つ言います。あなたがそれを記憶しておくことはとても重要です。というのも、何年か経ってから、私があなたの肩を叩いて『その数字は何ですか？』と尋ねるからです。正解なら百万ドル差し上げます。

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ですので、覚えておいてください。これは重要ですよ。なにしろ百万ドルの価値があるのですから。よろしいですか？　「１、２、３」。さて、数字は何ですか？　/　「１、２、３」。/　けっこうです。では、それを忘れないでください。もし忘れたら、多大な損失ですよ。数字は？ /　「１、２、３」。

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すばらしいw　正解です。実は、私は、嘘をつきました。百万ドルなんて、ありません。でも、あなたは数字が何かを、まだわかっていますね？　/　もちろんです。/　来週はどうですか？　/　もちろん覚えています。　/　ひょっとして来年も？　/　覚えているかもしれません。

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でも、それは馬鹿げていませんか？　どこかのしょうもない馬鹿が話のポイントを伝えたかったというだけで、あなたには、これから数ヶ月、数年、あるいは残りの人生をずっと「１、２、３」がついてまわるのですよ。それがあなたに関わってくる理由なんて、何ひとつありません。本当に、ただの災難です。

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さて、数字は何ですか？　/　「１、２、３」。/　その通り。そして、それがひとたび頭の中に入ると、去っていくことはありません。私たちの神経系は、足し算で機能していて、引き算ではないのです。いったん何かが組み込まれると、組み込まれたままです。

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確かめてみましょう。私がこう言ったとします。・・・あなたにとって、数字が１、２、３ではない経験をするのはとても重要です。よろしいですか？　そこで、今から数字について聞きますので、１、２、３とは一切関係ない方法で答えてほしいのです。よろしいですか？　さて、数字は何ですか？

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４、５、６。/　それで、私がお願いしたとおりにしましたか？　/　「４,５,６」を思い浮かべて、それを言いました。　/　そして、それは私が設定したゴールを満たしていましたか？　４,５,６が正しい答えだと、どうしてわかるのですか？　/　それは１、２、３ではないから。

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その通り！　ですので、４,５,６もまだ１,２,３と関連していて、私はそれをしないようにとお伝えしました。では、もう一度やってみましょう。何でもよいので、１,２,３以外のことを思い浮かべてください・・・では、あなたの答えが、１,２,３とは完全に無関係だと確認してください。

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できません。　/　私にもできません。神経系は足し算でしか機能しないのです。ロボトミーのような手術でも受けない限り、４,５,６は、ただ単に１,２,３に追加しているだけです。

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あなたが８０歳になった時、私が歩み寄ってきて「数字は何ですか？」と聞き、あなたは実際に「１、２、３」と言うかもしれません。ただ単にどこかの馬鹿がそれを覚えておくようにと言っただけのことで！　ところが、こうしたことが起きているのは、１,２,３についてだけではありません。

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周りでは、いろんな人がいろんなことをあなたに言います。あなたのマインドは、あらゆる種類の体験を通じてプログラミングされてきているのです。(だからこそ、あなたは「私が悪い」とか「私はうまく馴染んでいない」などと考えるのです。)

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これらが単に１,２,３のまた別な例ではないと、どうやって見分けるのでしょうか？　ときには、こうした思考が、自分の両親の声で話されていたり、または他の人があなたに話した内容とつながっていたりするのに気づいたりはしませんか？

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あなたは自分の反応を選んだわけではないので、何が現れるかをコントロールできませんし、反応の中にはあらゆる種類のものがあって、馬鹿げたもの、偏見に満ちたもの、意地悪なもの、忌まわしいもの、恐怖、などといったものもいくらでもあります。あなたは、このゲームに決して勝てないのです。

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思考とは必ずしもそれが言うとおりのことを意味するわけではないのですから、そうした思考や、自動的に条件づけられた反応であるところの望まない心理的内容と格闘する必要性もないのです。 　「私は悪い」という思考もまた、本質的には、「１,２,３」という思考以上の意味は何ら持たないのです。