(抜萃②)『十字架とリンチの木 』ジェイムズ・H．コーン著、 梶原 壽訳、 日本キリスト教団出版局、2014年04月25日

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

認める態度と、白人リベラル派のリンチに対して沈黙している態度は、共に彼らをキリスト者としてのアイデンティティの外部に位置づけていた。私は有名なリベラル派の白人説教者がリンチ反対を唱えたものとしては、本はもちろんのこと、説教ないし神学論文の一つさえ見出すことはできなかった。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

一つの共同体が、一方でローマによってリンチされたお方を言葉と行動で表現しておきながら、他方でアメリカにおけるリンチを支持したり、無視したりすることは全くできないはずであった。ウェルズにとって、キリスト者としてのアイデンティティとは無力な民衆に対する暴徒の暴力に反対することによって

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

確認されなければならないものであって、どれほど多くの神学的詭弁を弄しても、彼女を別様に説得することはできなかった。彼女に関する限り、白人キリスト教は偽物の福音であった…「２ドル紙幣と同じくらいいかさま」とビアガーデンの黒人たちがしばしば言っていたように。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

(p.200)　リンチについて考察した時に、黒人女性たちは白人キリスト教が真の福音であると信じることを拒否した。「昔の白人説教者たちは何も語らずに、ただ唇で語った。だが神はわれわれに自分の心で語るようにと告げた」とある元奴隷は語っている。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

twitter.com/Emily_Lykos/st… (p.203)　どうして白人キリスト教共同体は、「葉には血、根にも血」と彼らの良心についていた血とを、調和させることができたのであろうか。

Emily @Louniki_

Blood red paint was added on the ‘Serve and Protect’ sculpture during protest <Salt Lake City> #USARiots #GeorgeFloydProtests pic.twitter.com/NCNGDZXTdV

2020-06-01 06:56:56

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

(p.204)　ビリー・ホリデイは白人たちに、彼らが忘れたがっていた野蛮性を見つめさせた。それゆえ「奇妙な果実」はしばしば、多くのラジオ局で放送禁止にされたし、いくつかのクラブは、特に白人がこれは娯楽ではないと言って出て行ってしまうような場合には、ビリーに歌わせようとしなかった。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

しかしそこに留まって聴き続けた人々は、ビリーが南部におけるリンチの物語を告げるのを聞いて、異様なほど押し黙ってしまった。ビリーの所属レコード会社のコロムビアは、南部が彼らをボイコットするだろうと恐れて、それを録音するのを断った。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ハワード・サーマンが述べているように、「人は苦難を統御しなければならない…さもなければ苦難によって統御されてしまう」。黒人民衆は自分たちを悩みに統御させなかった。そしてそれゆえに彼らは音楽を作った。ラルフ・エリソンの言葉で言えば、「なぜなら、芸術…ブルースと霊歌と、ジャズと、

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ダンス…は、われわれが自由の代わりに持っていたものだからである」。 白人優越主義者の社会の中で生き抜く闘いは、黒人民衆にとっては全力を尽くしての闘いであった。しかしながら、自分の尊厳を損なわれずにいかにして生き抜くかということが、真の挑戦であった。さらに女性たちには、自分自身の

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

生存だけでなく、その家族の生存をも確保するという挑戦も加わっていた。ところが、彼女たちはそれ以上のものをも切望していた。それは、ウーマニスト神学者のデローレス・ウィリアムズが主張しているように、一定の「人生の質(qiality of life)」への切望であった。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

twitter.com/Prototype_No_0…黒人男性たちは、暴力的で家父長主義的な南部における生存と尊厳の間の複雑な関係を漕ぎ抜けていく能力を、黒人女性ほどには持っていなかったように思われる。奴隷制を抜け出た所では、彼らはまさに白人男性と同じように、男性であろうと望んだ。

Man of Reason 🥛🐸👌 @Prototype_No_07

Throwback to 2015: When an angry mother disciplined her son for joining the Baltimore riots. She's a role-model everyone should follow. #GeorgeFloyd #Minneapolis #Riot #MinneapolisRiot #MinneapolisRiots pic.twitter.com/PhlMyyeVNS

2020-05-28 16:40:41

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

だが彼らにはそうすることが認められなかった。その結果、黒人男性たちは暴力的になって、しばしばリンチの木に吊るされることになるか、または受動的になって、尊厳を喪失することになっていった。そしてその他の選択肢はほとんどなかった。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

黒人たちを彼らの「来世的」宗教のゆえに批判する学者たちは、黒人たちが彼らのただ中にある悪魔的なものに対していかにして抵抗したかについて、もう少し深く洞察すべきである。 (p.209)　黒人女性たちはまた、彼女たち自身の組織をも作って、自分たちの指導力によって、彼女たちの共同体を

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

自警団員の暴力から守った。1895年に、女性たちは全国有色者女性協会(NACW)という全国組織を結成して、リンチを彼女たちの取り組む主題とした。彼女たちは、白人男性が黒人女性をレイプした時には憤激しない人々のあからさまな偽善性を指摘した。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

黒人女性たちは、融和戦略では、「20世紀初頭に全国を覆っていた暴力の波から、アフリカ系アメリカ人を守ることができない」ことに気づいた。第一次大戦後、彼女たちはウェルズに極めて近い抗議戦略を採用し始めた。「南部の黒人女性たちは」と、シャーロット・ホーキンズ・ブラウンは述べている。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

「自分たちの人種に起こるすべてのことを、南部白人女性の戸口に提示している。…われわれはみんな、あなたがたはあなたがたの男たちを制御できると、感じている。だから、リンチに関するかぎり、もし白人女性がこの状況を把握するならば、そのリンチは止むだろうと、感じている」。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

人種間協力委員会(CIC)が1919年に組織され、リンチ防止南部女性連合(ASWPL)が1930年に組織された。どちらも白人南部の穏健派で構成されていたので、白人たちは、リンチが白人たちのために作り出した無政府状況に関心を向けるようになった。彼らはリンチの残虐行為が黒人共同体に与える破壊的影響に

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ついては、適切な言葉をほとんど語っていなかった。 男性たちが語っている間に、女性たちは歩いて、実行していった。 勇気ある女性たち、ファニー・ルー・ヘイマー、ジョー・アン・ロビンソン、エラ・ベイカー、セプティマ・クラーク、その他多くの者たちのような働きなくしては、黒人の自由探求運動は

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

決して存在しなかつたであろう。「女性たちはわれわれの運動の背骨であった」と、アンディー・ヤングは述べている。「戸口から戸口を訪ねて隣人たちと会話し、投票権登録集会に参加し、教会を通して組織作りをし、運動に推進力とエネルギーを与え、大衆運動にしたのは、女性たちだった」。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

それゆえネリー・バロウズは「男性たちは黒人女性たちに対して膝をかがめるべきである」と言った。公民権運動は女性たちの運動でもあったのである。「もしローザ・パークスが座っていなかったら、マーティン・ルーサー・キング二世は立ち上がっていなかったであろう」。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

希望と抵抗が女性たちの間以上に豊かにある所は、他に存在しない。すべての黒人男性牧師は、会員の80%以上を占めている女性なくしては、教会が成り立たないことを知っている。同じことは公民権運動についても言える。そのエネルギーは、祈りと歌によって表現された宗教的核心によって規定されていた。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

「行動は言葉よりも大声で語る」とは、黒人共同体においてはよく知られている諺である。 ファニー・ルイ・ヘイマーは「誰にも十字架はある。私にも十字架はある。この十字架を私は担っていく。死が私を自由にするまで担っていく」と語った。彼らはヘイマーの体を鞭打ったが、彼女の魂は鞭打てなかった

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

ウーマニスト学者アンジェラ・シムズは「リンチの持つ倫理的複雑さ」を考察して、それを「立ち直りの倫理(an ethics of resilience)」と呼んでいる。ヘイマーは1964年の民主党全国大会において、「ここはアメリカなのですか？」と問うた。 彼女は、リベラルな白人たちでさえも、アメリカの白人優越主義

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

についての真実を否定できないことを、知っていた。それでも彼らはその真実を聞くことを望まなかった。すなわち、アメリカの民主主義は黒人住民の生活においては偽善であるという事実である。 (p.215)　「ここはアメリカ、自由人の国、勇者の故郷なのか。私たちは毎日脅迫されているがために、電話を

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

フックから外して眠らねばならない。私たちはアメリカで人並みの人間として生活できるのか」。ヘイマーの問いに対する答えは、逆説的なイエスであり、ノーである。ここは黒人たちが経験してきたアメリカであるという意味では、イエスである。しかしわれわれはこのアメリカを受け入れてはならないという

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

意味では、ノーである。 ラングストン・ヒューズは1936年に詠んでいる。 アメリカは私にとって一度もアメリカではなかった、 America never was America to me, だが私は誓う・・・アメリカはそうなると！ And yet I swear this oath ー America will be!

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

(p.220)　黒人解放の神学は、非暴力的戦略(キリスト教)と自衛思想(ブラック・パワー)を持った、黒人民衆の闘いから生まれたものである。 公民権運動が終わってから約20年して、ウーマニスト神学者のデローレス・ウィリアムズが、十字架を中心に位置づけるキリスト教信仰の解釈に挑戦を突きつけた。

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

彼女は、イエスは我々の代わりに死ぬことによって、人間の救いを成し遂げたという、西欧の神学的伝統の古典的文献とアフリカ系アメリカ人教会の説教に共通する見解を、拒絶した。ウィリアムズによれば、イエスは十字架上の死を通して、われわれを救うために来たのではなくて、むしろ「諸関係を正そうと

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

する完全なる奉仕的ビジョンを通して、救いの業を遂行するために来た」のである。だがイエスがもたらした救いが、代理性から区別されるとすれば、黒人女性たちはそれを拒絶する自由もあったことになる。私はデローレス・ウィリアムズが、西欧神学の伝統と多くの黒人教会における十字架についての

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

無批判的宣教に見出される、贖罪説を拒絶していることに賛成である。私は苦難それ自体には何の贖罪的なものを見出していない。イエスの福音は救済論で説明されるべき合理的概念ではない。そうではなくて、それはイエスの抑圧された者との連帯における、神の現臨についての物語であって、その究極点が

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

彼の十字架上の死だったのである。贖罪的であるのは、神が敗北から勝利を、死から命を、絶望から希望を掴み取っておられるという信仰である。 (p.221)　しかし最後に、私はショーン・コープランド、ジョーアン・テレル、ジャックリーン・グラントのような他のウーマニスト神学者たちに、より深く

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

賛同している。彼女たちは十字架をキリスト教信仰の中心として見ており、特にアフリカ系アメリカ人共同体においてそう見ている。コープランドは、奴隷たちは十字架を白人たちによる乱用から解放したのだと、述べている。 (p.223)　私は私の神学的考察を、正義のための黒人民衆の闘いという社会的文脈の

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

中で始め、かつ終えている。十字架は自由に至るために、われわれが負わなければならない重荷である。 神の救いとは、その人間性を否定する方向に向かっている世界において、生存と尊厳のために闘っているすべての人の生における、解放の出来事である。