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【公式】Dimearn Hall @Dimearn_Hall

怪盗は、口調だけ あの頃のように。冷ややかな眼で己を見たアイツらに、告別の眼差しを。 そうして、彼等に一方的な別れを告げると煙を巻いてその場を逃げ出した。

2021-09-09 22:28:03
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「只今から、怪盗Lapis様、もとい『羽喰瑠璃』様の処刑を開始致します。」

2021-09-09 22:28:56
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____その道が、物語というレールが敷かれた道だとも知らずに。 そうして処刑により、偽りの夜空を駆けた彼は胸を撃ち抜かれ、地に落ちてしまったのでした。

2021-09-09 22:29:15
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________……………、、、 、。

2021-09-09 22:30:09
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【第一幕〜第四幕、終了致しましたので本日はこれにて終了となります。御付き合い下さりありがとうございました。 本日公開のスチルのお手伝いをしてくださった さくま様、檸檬様、ゆり芽様、らりっぴー様、本当にありがとうございました。 それでは、また明日お会いしましょう。】

2021-09-09 22:33:33
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-第五幕- ~白鳥は家鴨の湖にて舞いすれ違う~ pic.twitter.com/YDfBIO8EjP

2021-09-10 21:02:14
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第五幕、被害者は、 強く輝く ピアニスト、質実剛健な 元軍人、ふわりと幽れた 無い子ども。加害者は容姿端麗の ホストさんだった。

2021-09-10 21:05:18
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今回はこの子達以外にも一人、『主人のカード』をひいたことにより、事件の渦に巻き込まれた子がいたね。 そう、この幕の犯人と。前回と同様にカードは2枚だった。

2021-09-10 21:08:14
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「……!!!! (引いた。ついに 引いてしまった。 ……まぁ、確率は高いししかたないよね)」

2021-09-10 21:08:46
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「あは…… (こうなったら、殺してやる だって、ぼくは神様に愛されているから この顔だって、神様が与えてくれたんだもんね? なら、今回もぼくに味方してくれるでしょう?)」

2021-09-10 21:10:40
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正体を皆に隠した青年は、虎視眈々と館の脱出を考えていた。狙うのは女性にしよう、と美麗な顔に狂気的な笑みを張りつけて。

2021-09-10 21:11:59
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それに対して、もう一人は絶望に打ちひしがれていた。 「……終わった…」

2021-09-10 21:13:15
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「嘘嘘嘘、嘘でしょ!?おれの人生ここで終了!!?享年19とか笑えない…まだ童貞だし?女の子と付き合ったりとか、初々しい初恋♡とかもまだなんだけど!? それも死因がゲーム?デスゲーム??生き恥でしか…や、死んでるから死に恥か!?」

2021-09-10 21:14:14
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彼の動揺した頭の中、混乱に乗じた言葉がぐるぐると駆け巡った。声にも出ていた。 人を殺すのなんて出来っこない。 時間切れでは死んでしまう、死にたくはない。当たり前だ。

2021-09-10 21:16:19
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…それでも、どうせ死ぬなら。 「(他人に殺されてたまるか。 おれは、おれの手でこの人生を終わらせてやる。 自分で自分を殺すんだ、誰にも迷惑かけない最適解、これが100点満点の回答、だよね。)」

2021-09-10 21:17:17
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自分に言い聞かせても強がっても、恐怖に打ち勝つことは出来なかったが。…それでも、とこの時彼は思っていた。 そして、一度眠り。それから、『テラス』にて自殺を実行しようとした。しかし、

2021-09-10 21:19:34
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「………………っ、あ……れ……?」 「くそ、貴様地味に重っ.......おい!上がってこい!!」

2021-09-10 21:20:11
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___彼の自殺は、一人の老人の懸命な行動によって阻まれる事になる。 自分を呼ぶ老人の切羽詰まった声に驚いてふらりと暗闇へ投げ出しかけた青年の体は、間一髪『テラス』へと戻ってきた。

2021-09-10 21:22:28
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死ぬかと思った、なんて呆けた言葉のおまけ付きで。 「っ~...何がッッ! 何が『死ぬかと思った』だぁ!?ふざけるなッ!!!」

2021-09-10 21:23:26
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老人は彼の顔面に拳を一発。叱ると言うには強すぎる様な剣幕で彼を怒鳴った。対して青年は殴られた顔を歪ませて。

2021-09-10 21:25:08
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「、っ………………う、るッさいなぁ!…そん、なの…別に、み…………あ、あんたには…関係ない。お願いだから…放っておいて、おれに関わらないで…っ」

2021-09-10 21:27:03
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その態度に老人は余計に怒りが増したが、強く殴りすぎた証拠の、彼の鼻から出る血を見ると罪悪感からか医務室へと引っ張っていった。

2021-09-10 21:28:46
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手当てを終えると、その部分を確認する様に指でなぞると、青年は問うた。 「………………………………………………………ねぇ。 …さっき。何で止めたの?何で…何でおれの事を………。」

2021-09-10 21:30:15
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「…………、 ……目の前で命を粗末にしようとする奴を、簡単に放っておけると思うか?私は思わない。だから助けたんだ……」

2021-09-10 21:31:57
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その言葉に、自分は命を粗末にしていない、何も分かっていない。乾いた目で青年は笑う。 そして、少しだけ自分の話を聞いてほしいと、一つの話題を提示した。

2021-09-10 21:35:03
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『トロッコ問題』 一人を犠牲にするか、複数人を犠牲にするかの2択問題。それを今の状況に置き換え、どうするか という話だった。

2021-09-10 21:37:08
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「……私なら、自害を選ぶだろうな。」 「………なんだ、考えてることは一緒なんじゃん。 ……………………ね、おれが何をしようとしてたのか……もう、わかるでしょ?」

2021-09-10 21:37:33
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2人とも、自身で死ぬという同じ選択をした。それでも、だからなんだと彼は一蹴していたね。

2021-09-10 21:39:14
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「…ハァ、....こっちからの質問だ。何故自分の命を捨てようとした?自己満か?それとも他の命を救うためか?」 「…………自分の為だよ、誰の為でもない…おれの為に、おれを殺そうとした。」

2021-09-10 21:41:49
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自分がどうしたいのか。必死に考えた結果がこれだと彼は吐き出す。それでも老人は、彼のした事は彼のしたい事とは違うだろうと問い正した。

2021-09-10 21:43:10
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「....それこそ、お前の言った"新しい答え"を探すべきでは無いのか?この3択のどれでもない、新しい何かを。」

2021-09-10 21:45:11
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その言葉を聞いても、青年はそれ以上の『新しい答え』は思い浮かばないと、助けてと言葉を零す。それに対して、考えた老人は自分に着いて来る様に促して、

2021-09-10 21:45:24
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「…………ねぇ、ねぇってば……!どうして……」 _____辿り着いた場所で、自身の命を差し出すように、青年に背を向けていた。

2021-09-10 21:46:50
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「…………は、はじめてだったんだ、こんな風に大人に優しくされたりとか、親身になってくれたり…とかさ。」

2021-09-10 21:48:20
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声が上手く出ず、手が震えた。情けをもらおうなんて、そんなつもりで話したつもりはない けど、折角の彼の思いを無駄にする訳にはいかない。

2021-09-10 21:48:42
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「親父とは違って、渠さんがおれの為を思って叱ってくれたの、ちゃんと気付いてたよ。 もうあんな事は二度としないって、命を無駄にしない…って約束する、するからさぁ… …………ごめんなさい、渠さん____ッ」

2021-09-10 21:51:16
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青年は、金色の瞳から大粒の涙を零しながら、何度も、何度も相手の頭目掛けて振り落としては凶器と己を、老人が倒れる姿を見るまで血に塗れさせた。 この時、老人にまだ息はあったが、彼はその事に気付かずに。やってしまったと頭を混乱させたままその場を後にした。

2021-09-10 21:53:26
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____同時刻、もう一人の『主人のカード』の持ち主が行動を起こそうとしていた。 空になった『テラス』に狙っていた女性を発見すると、獲物を狙う目をいつもの様に隠して話しかけた。 聞くと、彼女は眠れないという。

2021-09-10 21:54:47
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それを聞いて、青年は自分が話し相手になろうと名乗り出た。彼女は、申し訳ないと言いながらも言葉に甘えた。

2021-09-10 21:55:21
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「……なぁ、きみはもしカードを引いたら、殺すか?」 「…誰かを犠牲にしてまで、生き残りたいとは思わないわ……。」

2021-09-10 21:57:50
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特に、此処に居る人達は自分と同じ被害者なのだから と彼女は、こんな状況でもまっすぐな気持ちを持っていた。

2021-09-10 21:58:04
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「……本当の悪も見据えていて、尚且つ自身の命を他人よりも優先せず差し出せるきみは、本当にいい子なんだな。」 「……私はいい子なんかではないわ…けして… ………本来なら、貴方も私も今頃ヨーロッパの街並みをただ幸せに歩く事ができていたのよ……それなのに……こんな事……」

2021-09-10 22:00:17
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言葉に甘え、話し込んでしまったと感謝を述べてその場を去ろうとする少女。それを、雰囲気を変えた青年は甘い砂糖菓子の様な言葉で引き留める。

2021-09-10 22:01:41
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「きみのような麗しい女性が誰かに殺されてしまったらと思うと……ぼくの命を投げ打ってでも守りたいと思うよ」 「………御免なさい…」

2021-09-10 22:04:09
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少女は、そのまま『テラス』を去ろうとした。そこを、青年はその場唯一の扉を閉め、そこに背を預け顔を俯かせる。

2021-09-10 22:06:23
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「………やっぱり、これじゃダメだね。 ………………ぼくは、きみのナイトにはなれないのかな。"妃蘭ちゃん"」

2021-09-10 22:06:38
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小柄な彼女が顔を上げた彼を見る。見るからにオタクであった彼の容姿は眼鏡を取り、今までのきっちり分けた髪を乱していくことで、魔法のように美青年へと変わっていた。 その変貌ぶりに、彼女は素直に驚きの言葉を零す。…それでも、真っ直ぐ青年を睨み付けて答えを告げた。

2021-09-10 22:08:02
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「………申し訳ないのだけれど、私。貴方のように女性を誑かすような男性はとてもじゃないけれど嬉しいとも好ましいとも思わないわ。 …とても情熱的に語ってくれたけれど……貴方の言葉は私には響かなかったわ。…………其処を退いて頂けないかしら?」

2021-09-10 22:09:58
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「……… ………はぁ、釣れないなぁ。大抵はこれで女性はぼくに惚れてくれるのに 本当はきみがぼくのために死んでくれるよう言う事を聞かせ(洗脳し)ようと思ってたのに………まぁ、いいや。」

2021-09-10 22:11:12
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