刀の方のアカウントで呟いた小豆さに
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みとしろ @igagurigarashi

「――じゃあ、もういっかい」 て底意地悪く笑うところまでがワンセットです(※実はこの小豆さんは最初にキスを渋られた時点でサイレントにおかんむりです)

2020-05-31 15:01:46
みとしろ @igagurigarashi

(※ちょっといかがわしい小豆さに) 出られない部屋系のあれで、『【痴漢ごっこ】をしないと出られない部屋』に閉じ込められた小豆さんと審神者。 「……あるじ」 「……はい🤦‍♀️」 「『ちかん』とは、どういういみだろう」 「えっ」 まさかの純粋培養。曇りなき眼で首を傾げる小豆さんに言葉が詰まる。

2020-06-02 21:13:33
みとしろ @igagurigarashi

汚れを知らない私の本丸の小豆さんに政府はなんてことしてくれたんだ本当に許さない。 「ち――痴漢とは、ですね……その……えぇと……相手の同意を得ずに、意図的に相手の体に触ること……で、しょうか……」 どうにかマイルドに、言葉を選びに選んでふんわりと伝えてみる。小豆さんは神妙な面持ちで

2020-06-02 21:18:27
みとしろ @igagurigarashi

なるほどと頷いた。 「つまり、きょかをえずに、きみにさわればいいんだな?」 「いやあの――っ、!」 多分それだけではダメだと言葉を重ねる前に、こちらへ伸びてきた小豆さんの手が私の頭に柔らかく落ちる。 そのままいい子いい子とばかりに撫でられて、内心で盛大に身もだえた。違うそうじゃない。

2020-06-02 21:25:11
みとしろ @igagurigarashi

「……あかないな」 「~~~っ、あの、わ……私が、やりますから……!」 「――きみが?」 再びきょとんと目を丸くしたピュアピュアな小豆さんに、重圧すぎる罪悪感から密かに舌に歯を立てつつ頷いて見せる。私は地獄に落ちるかもしれない。 「……『ちかん』は、さわられるがわがおとこでもいいの?」

2020-06-02 21:31:49
みとしろ @igagurigarashi

「っい、一般的には、逆だと思いますけど……!でも、邪な意思を持って触れば、それはもう痴漢だと思うので……」 「『よこしまな いし』……」 小豆さんが、私の言葉を反芻する。 「……きみが、よこしまないしをもって、わたしにさわる」 「~~~~っ」 「…………できるのか?」

2020-06-02 21:36:59
みとしろ @igagurigarashi

「――~~~~っっ」 できません。 魂ごと消えそうな掠れ声で膝から崩れ落ちた私の頭を、小豆さんが再びよしよしと撫でた。 「むりはしなくていいんだぞ。もっとわたしをたよってほしい」 「小豆さん……!」 天の使いの方かな??? 小豆さんに優しく手を取られ、導かれるようにふらふらと立ち上がる。

2020-06-02 21:42:26
みとしろ @igagurigarashi

「……ところで、このかわったへやには、なにかいみがあるのかな?」 「あ……あー…………」 物珍しそうに室内へ視線を巡らせる小豆さんに、思わず白目を剥きそうになった。政府まじで。まじで政府この野郎。 「……こ、これはですね……おそらく電車の中を模しているのだと思われます……」

2020-06-02 21:50:00
みとしろ @igagurigarashi

「『でんしゃ』」 「えぇと……電気で走る大きな駕籠……?みたいなものです。大勢の人がこれに乗って通学したり、出勤したり……朝と夕方は特に利用者が多いので、人でいっぱいのぎゅうぎゅう詰めになるんです。なので、痴漢はこういう電車の中みたいな、簡単には逃げられない場所で行われる

2020-06-02 21:54:01
みとしろ @igagurigarashi

卑劣な行為、と言うわけで……」 「……なるほど。だいたいわかってきたぞ」 つまり、と言葉を続けた小豆さんが、繋いだままだった私の手を引く。まるきり油断していた私は、あっという間に部屋の壁際――つまり、電車で言うところの開閉ドアの前に立たされ、小豆さんはそんな私の背後を陣取った。

2020-06-02 22:01:28
みとしろ @igagurigarashi

「――こうして、にげられないじょうきょうにおいこんで、しゅういのめからかくして、からだをさわる……ということだな」 「っ!!」 小豆さんの膝に、脚を割られる。背後から私の両側に手をついた小豆さんの胸板にぐっと背中を押されて、ドアと小豆さんに挟まれた体が途端に熱を持った。

2020-06-02 22:11:38
みとしろ @igagurigarashi

あ、ダメだこれ。私死ぬやつ。 「っぁ、あずきひゃ……」 「――それで、どこをさわればいい?」 「うひぃっ……!」 軽率に耳元で喋らないでほしい。思わず漏れてしまった悲鳴を慌てて掌で塞ぎ、ふぅふぅと息を漏らす。ダメだ。小豆さんは部屋を出るために協力してくれているんだから、

2020-06-02 22:18:14
みとしろ @igagurigarashi

変な反応しちゃ、ダメだ。 「どこをさわれば、ちかんになる?」 「っ……ふ……普通に生活していたら、触らないような、ところ……とか、」 「……ふぅん?なら、こことか、どうかな?」 「ひきゃっ!?ゃ……っ、あは!やだっ!やぁ、ふ、くくっ……!」 指先でこちょこちょとわき腹を擽られ

2020-06-02 22:26:59
みとしろ @igagurigarashi

堪らず体をくねらせながら、待って待ってと小豆さんの腕をタップした。 「~~~ちっ、ちが……!そういうことじゃ、なくて……!」 「ちがった?」 悪びれた風もなく、純粋に不思議そうな小豆さんが、今ばかりは恨めしい。上がってしまった呼吸を必死に整える私に、小豆さんの低く優しい声が囁いた。

2020-06-02 22:35:28
みとしろ @igagurigarashi

「――なら、どこをさわればいいのか、おしえて」 「ッ……!!」 どくんと、胸の奥で心臓が弾けそうな脈を打つ。またしても体温が上昇した気がして、無意識に小豆さんから逃れるように目の前のドアに身を寄せると、追いかけてきた体温でぎゅうと板挟みになった。あつ、い。頭の中が、くらくらする。

2020-06-02 22:41:22
みとしろ @igagurigarashi

「……っ、ぉ……おし、り……と か、」 かつてないほどの羞恥心で震えた声に、返事はなかった。けれど、小豆さんの片手が、ひたりと太腿の裏に触れて、スカートの裾をたくし上げながらその奥へ上る。大きな掌に臀部の柔い肉を包み込まれる感触に、背筋がぞわりと震えた。 「……ほかには?」

2020-06-02 22:49:55
みとしろ @igagurigarashi

(※ちょっと不穏な小豆さに) そろそろ休憩しようかなと背筋を伸ばしたところで小豆さんが「ちょっといいかな」と執務室を訪れた。お気に入りのエプロンをした彼を招き入れると、共用の端末を手にした彼が申し訳なさそうな顔をしている。 「こどもたちが、このすいーつをたべたいと、どうがを

2020-06-06 14:18:46
みとしろ @igagurigarashi

みせてくれたんだけど、えいごがよめなくて……」 小豆さんが見せてくれた動画の中では外国のパティシエさんが腕を振るっていた。なるほど、材料も英語で書かれている。 「えっと……このシュガーっていうのがお砂糖、こっちが薄力粉で……これは卵白ですね」 これくらいの英単語ならどうにかわかる。

2020-06-06 14:21:58
みとしろ @igagurigarashi

よかったと安心して顔を上げると、小豆さんが心なしか瞳を輝かせていた。 「すごいな、あるじは、がいこくがはなせるのだな」 「いえいえ!簡単な単語なら読めるくらいで……英会話は学校で習った程度のことしか……」 「たとえば、どんなの?」 「簡単な自己紹介くらいですかね……」

2020-06-06 14:37:40
みとしろ @igagurigarashi

期待の眼差しを向けられ、なんだか悪い気はしない。気恥ずかしさに小さく咳ばらいをして、学生時代に刻み込まれたフレーズを辿った。 「えー……ナイスチューミーチュー!マイネームイズ ■■■■……ぁ、」 あ シン、と沈黙が心臓に突き刺さる。小豆さんの笑顔が、固まっていた。

2020-06-06 14:50:02
みとしろ @igagurigarashi

「…………」 「………――あるじ、いまのって」 全身から嫌な汗が噴き出した。どうしよう、アホの子過ぎて笑えない。小豆さんは確実に、聞きなれない英語の中に混じった日本人の名前を聞き分けている。 うそでしょ。 こんな真名のバレ方ある??? 「ぃ――いや、あの、ち、ちがくて……」 「…………」

2020-06-06 14:55:48
みとしろ @igagurigarashi

「今のは決して、私の名前では……っ」 言いながら視界が歪んで、目の前が曇った。こんな嘘が通用するわけがない。もうダメだ。研修時代、付喪"神"である刀剣男士に名前を知られてはならないと叩き込まれたのに、その禁を破ってしまった。それも最高に間抜けな形で。 「――ぅ、ぅう……っ、ぐす」

2020-06-06 15:00:49
みとしろ @igagurigarashi

ついに決壊した涙がボロボロと溢れ出して、頬を濡らしていく。それを拭う気力もなく俯いていると、小豆さんが心底気づかわし気な声で私を呼んだ。 「あるじ、なかないで。だいじょうぶだから」 「うぇっ、っく……で、でも……っ、神隠し……!」 「しないよ。きみのことは、もちろんすきだけれど、

2020-06-06 15:05:45
みとしろ @igagurigarashi

わたしはこのほんまるも、ここにいるみんなも、だいじなかぞくだとおもっている」 滲んだ視界の中で小豆さんの手が伸びて、濡れた頬に触れる。いつもの小豆さんと同じ、やさしい声だった。それなnのに、触れた指先が、今はひどく恐ろしく思えて、咄嗟に身を引いてしまう。ハッとして彼の顔を仰ぐと

2020-06-06 15:15:24
みとしろ @igagurigarashi

小豆さんは眉尻を下げて、口端だけで無理に笑っていた。 「――……こわい?」 「っ……!」 「……わたしがいると、きみがあんしんできないなら――とうかいしても、いいんだぞ」 「ッッそ、んなこと……!!」 小豆さんの言葉に、剥き出しの心臓を握りしめられたような痛みが走って。

2020-06-06 15:18:44
みとしろ @igagurigarashi

伸ばされたまま行き場を失っていた小豆さんの手を、縋りつくように握りしめた。 「そんなことっ、絶対しません……!わ、私のせいで小豆さんを、刀解するなんて、絶対……!!絶対しません……!!」 私は酷い人間だ。自分が蒔いた種なのに、この優しい神様に、あんな顔をさせてしまうなんて。

2020-06-06 15:21:46
みとしろ @igagurigarashi

「……ほんとうに?」 「っ、本当、です……っ」 小豆さんの、もう一方の手がするりと頬を撫でて、そのまま大きな掌で包み込まれる。指先が耳の形を確かめるようにすりすりと耳殻を撫でて、思わずひくりと跳ねた体を懸命に堪えた。 「これも、こわくない……?」 小豆さんの唇が濡れた頬に落ちて、

2020-06-06 15:32:37
みとしろ @igagurigarashi

涙の跡を辿るように、首筋へ触れる。その場所に柔く吸い付く唇の内側の、僅かに濡れた熱を感じて、腰から背中がぞわりと戦慄く。堪えきれずに頭を振りながら、うわ言のように「こわくない」と絞り出し、小豆さんの広い肩に縋った。 「――ありがとう、あるじ」 「っ、ん……ぅ」 甘い香りが強く香る。

2020-06-06 15:42:08
みとしろ @igagurigarashi

重なった唇の向こうから挿し込まれた厚い舌が、霧のかかった思考を更に搔き乱す。 あれ――どうして私、小豆さんと……キス、して……? 「――“■■■■”」 「んぷ……っぁ、」 「このままもっと、きみのことをおしえて」 碧い瞳が揺れている。その色が、何よりも綺麗だと、思った、 「……は ぃ」

2020-06-06 15:49:10
みとしろ @igagurigarashi

背中を小豆さんの腕に支えられ、畳の床にゆっくりと倒れこむ。いつの間にか絡められた指をきゅっと握りしめて、目を閉じた。 ああ。名前を知られてしまったのが、この優しい神様で、本当に良かった――

2020-06-06 15:52:39
みとしろ @igagurigarashi

迷子の小豆さんを拾う小豆さに。 近侍と万屋にお買い物に出かけたら往来でいきなり腕を捕まれ、「――きみが、わたしのあるじか?」と問いかけられて「え???」ってなるやつ。 審神者の本丸には小豆長光はいないし、人違いをしているのかと思いきや、どうやら直前までの記憶がすっぽり

2020-06-09 21:11:23
みとしろ @igagurigarashi

抜け落ちてしまっているらしい。 そのまま放置することもできず、とりあえず一緒に彼の主を探すも日が暮れてしまう。こうなったら交番(政府)に届けるしかないなと小豆長光を連れて政府へ赴き登録状況を確認すると、該当なしとのこと。この小豆長光からは、審神者の霊力を感知することができない。

2020-06-09 21:15:11
みとしろ @igagurigarashi

窓口のお役人が、訝し気に審神者を見る。 「この小豆長光は、どの本丸にも所属していないようですね」 「え――え?そんなこと……あっ、もしかして政府権限で顕現されたとか」 「いえ、そちらも調べましたが、該当しません」 「こまったね、あるじ」 「……"主"と呼んでますけど?」 「違います!!!」

2020-06-09 21:19:59
みとしろ @igagurigarashi

面倒そうだしなんか懐いてるしこのまま引き取ってくれないかなという意思が透けて見える役人をどうにか説得して小豆長光を預かってもらうことになったものの、別れ際の小豆長光に 「――わたしは、きみといっしょにかえれないのか?」 と心細そうに袖を引かれ、気持ちがぐらつく審神者。

2020-06-09 21:24:45
みとしろ @igagurigarashi

「っ……大丈夫です。きっとすぐに、あなたの持ち主が見つかるはずですから」 「……わたしのあるじはきみだよ」 「違いますってば……」 でなんやかんや離れようとしない小豆長光に 「も、も~~~!!明日も来ます!!明日も会いに来ますから、いい加減に手を放してください!」 「ほんとう?」

2020-06-09 21:30:18
みとしろ @igagurigarashi

「本当です!」 「わかった。やくそくだぞ」 で指切りまでさせられ、翌日から頻繁に政府施設を訪れる羽目になる審神者。会う度に 「あるじ、あいたかったよ」 「主じゃないですってば」 というお決まりのやりとりをするのがいつしか心地よくて、でもどこか寂しいような、不思議な気持ちになっていく。

2020-06-09 21:35:14
みとしろ @igagurigarashi

「なら、きみのことをなんとよべばいい?なまえをおしえてくれるのか?」 「そっ、それはできません……!!」 「――ああ、ざんねん」 「(え、こわ……!)」 そんなこんなをしているうちに政府の保管期限が近づいてひと悶着ある(※一身上の都合により割愛)のですが、最終的には

2020-06-09 21:40:23
みとしろ @igagurigarashi

審神者が折れる形で小豆長光を引き受けることになる。 正式に所有権を得た帰り道、いつもの様に何気なく審神者を「あるじ」と呼んだ小豆長光に、審神者は照れ臭そうにはにかみながら 「――何ですか?私の小豆さん」 と答えて、感極まった小豆さんに月9の最終回ばりに抱き上げられてくるくるされるやつ。

2020-06-09 21:46:09
みとしろ @igagurigarashi

小児科医小豆さんとハウスキーパーちゃん(付き合ってない) 家に帰ってシャワーを浴び終わったところでピンポンが鳴って「あれ?荷物が届くの明日じゃなかったかな?」と思いつつも再配達は申し訳ないし、配達員さんいつも女の人だし大丈夫かと思って、ショートパンツにTシャツ姿で

2020-06-10 07:10:27
みとしろ @igagurigarashi

ドアを開けたらびっくりした顔の小豆さんがいてお互い固まる。 「ーーうちに、けいたいをわすれていたから」 彼の手には、確かに見慣れた携帯電話があった。 「ぁ、す、すみません、わざわざ……」 差し出されたそれを受け取って、濡れた前髪の隙間から小豆さんの顔色を窺う。 にこり。いつもの

2020-06-10 07:26:34
みとしろ @igagurigarashi

笑顔が、けれどいつもとは違っていた。 「っ……あ、の、それじゃあーーおやすみなさ、」 言い知れない嫌な予感に、取り繕った愛想笑いを浮かべながらそろりドアを閉める。 けれど完全に彼の姿が見えなくなる前に、妙な音を立てたドアが何かに遮られた。 えっと息を飲んで落とした視線の先で

2020-06-10 07:31:44
みとしろ @igagurigarashi

ドアの隙間に、小豆さんの足が捻じ込まれている。 「っあの、」 「ーーきょうは、あついから」 「のどがかわいたなぁ」 聞こえよがしな独り言。目が合うと、小豆さんはまたしてもにこりと笑う。 私の返事を促すように。 「ーーーーぉ、お茶でも、飲んでいきません、か、?」

2020-06-10 07:36:47
みとしろ @igagurigarashi

震えそうに上擦った声に、小豆さんは得たりとばかりに頷いた。 「ありがとう。おことばにあまえるとしよう」 という流れで、相手を確認せず無防備にドアを開けたことを身を以て反省させる小豆さんを受信して朝からにっこり😊

2020-06-10 07:40:59
みとしろ @igagurigarashi

(小豆さに) 書き心地が気に入っているペンのインクが切れてしまい、すぐに戻って来れるし大丈夫だろうと踏んで書置きだけ残し一人で外出した審神者。目当てのものを買ってさて帰ろうと思ったところで知らない男性に声をかけられる。新任の審神者だという彼に道を尋ねられ、快く道順を説明していると

2020-06-11 20:34:47
みとしろ @igagurigarashi

「どちらのサーバーの所属ですか」「近侍はいないんですね」「お礼に何か甘いものでも」とナンパの気配を察知。いや急いでいるので結構ですと立ち去ろうとしたところで腕を掴まれた。そんな最悪のタイミングで、書置きを見て迎えに来た小豆さんが登場。 「わたしのあるじに、なにかようか?」

2020-06-11 20:38:00
みとしろ @igagurigarashi

心の中で天を仰いだ。よりによって何で今。 およそ200年前なら絶対零度の笑みと評されたであろう笑顔を浮かべた小豆さんを見た新任の彼は、へらへら笑いながらすみやかにその場を離脱した。おのれ。 残された私はと言うと、気まずさで息が止まりそうだった。 「……ぁ、あの、小豆さ」 「――いぜん、」

2020-06-11 20:43:23
みとしろ @igagurigarashi

「ひとりでがいしゅつはしないと、やくそくしたよね」 ゆったりと優しい口調が、殊更に恐怖を煽る。返す言葉はない。小豆さんの言う通り、かつて私は小豆さんに、一人で外出しないことを約束したのだ。 あの時も今回と同じく、すぐに戻ってくるつもりで本丸を出て、万事屋で偶然会った同期の審神者と

2020-06-11 20:47:49
みとしろ @igagurigarashi

話に花が咲いてしまい、気づいた時には一時間が経過していた。 これはまずいと慌てて帰宅すると、門の前には般若の形相をした初期刀の姿。鬼のように叱られた。審神者の沽券とか主の矜持とか、そういうものは全てまるっと追いやられ、子供のように叱られた。晩御飯抜きとか言われかねない勢いだった。

2020-06-11 20:54:39
みとしろ @igagurigarashi

そんな半べそかいた私を救ってくれたのが、小豆さんだった。まあまあ、と初期刀をなだめ、「あるじもはんせいしていることだし」と肩を撫でてくれた彼は、エプロン姿も相まって慈母のように映った。 「つぎからは、ともをつけずにでかけてはいけないよ。わたしとやくそくできるかい?」

2020-06-11 20:59:35
みとしろ @igagurigarashi

はい、と一も二もなく頷いた。それが多分、半年ほど前の出来事。 「――……ご、ごめんなさい。あのっ、すぐに、帰ってくるつもりで……誰かに付き合ってもらうのも、申し訳なくて……」 自分の運のなさを呪いながら、懸命に温情を訴える。さっきまでの張り付けた笑みを消した小豆さんが

2020-06-11 21:05:43
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まとめたひと
みとしろ@低浮上 @sumiz0me

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