『人生脚本のすべて』⑧ エリック・バーン著 江花昭一監訳 丸茂ひろみ・三浦理恵訳 星和書店 2018.9.25

花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

繰返しする、そして何もすることがなくなるまでする、がある。これは「決して」「いつもいつも」「～までは」「～の後では」「繰り返し繰り返し」「結末のない」脚本を生み出す。 ギリシャ人はこのようなことに思い入れが強いので、ギリシャ神話を参考にすると一番わかりやすい。

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「決して」脚本はタンタラスが表しているものだ。タンタラスは、食べ物と水を目の前にしながら永遠に空腹と渇きに苦しみ、決して再び食べたり飲んだりすることができない。そのような脚本を持つ人は、両親に最もやりたいことを禁止され、誘惑する物に囲まれながら、じらされる人生を送る。

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彼らは「親」の呪いに従うが、それは彼らの「子ども」が一番欲しいものを恐れているからだ。すなわち、本当は彼ら自身が自分をじらしているのだ。 「いつもいつも」脚本は、アラクネを辿っている。アラクネは、大胆にも針仕事で女神ミネルバに挑戦し、その罰としてクモにされ、一生糸を紡ぎ続けるよう

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運命づけられた。このような脚本は、意地の悪い親からもらうものだ。その親は「もしそれがお前のしたいことなら、残りの人生ずっとそれをしているがよいさ」と言う。 「～までは」脚本や「～の前に」脚本は、ジェーソンの物語をたどっている。ジェーソンは、ある課題を果たすまでは王にはなれない、と

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言われた。時が来て彼は褒美をもらい、その後10年間は幸せに暮らした。ヘラクレスも似た脚本を持っていた。彼は、まず12年間奴隷を経験した後でなければ神になれなかった。 「～の後では」脚本は、ダモクレスに由来する。ダモクレスは、王である幸せを楽しむことを許されていたが、ある日自分の頭上に

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一本の馬の毛で結ばれた剣がぶら下がっていることに気づいた。「～の後では」脚本のモットーは、「しばらく楽しむことはできるが、その後に苦しみが始まる」というものだ。 「繰り返し繰り返し」脚本はシジフォスだ。彼は、重い石を丘の上にころがして運ぶように運命づけられていた。

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そして、頂上にもう一歩でたどり着くところで石が転げ落ち、また最初からやり直さなければならなかった。これは古典的な「もうちょっとでうまくいったのに」脚本であり、次から次へと「～でさえあれば」が出てくる。 「結末のない」脚本は、非勝者や「絵に描いた餅」のシナリオであり、

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ピレモンとバウシスの物語をたどるものだ。このふたりは、善行の褒美としてユーカリの木になる。「親」の教示を実行してきた年輩の人たちは、してきたことが終わってしまうと次に何をすればよいかわからず、その後の人生を植物のように、あるいは葉が風に吹かれてサラサラと音を立てるように噂話をして

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過ごす。高齢者のコミュニティは、自分の脚本を完遂してしまい、約束の地を待つ間どうやって時間を構造化したらいいかわからない夫婦であふれている。 C. セックスと脚本 これらの脚本タイプのすべてに、性的な側面がある。 「決して」脚本は、愛、セックス、あるいは両方を禁じるかもしれない。

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もしセックスではなく愛だけを禁止するなら、その人は乱交の許可証を持つことになる。「いつもいつも」」脚本の典型は、親たちがそうするようけしかけた罪のために自宅を追い出される若者たちだ。「妊娠したら、夜の女になって生計を立てろ」「ドラッグをやりたいなら自分で生活しろ」などがこの例だ。

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「～までは」脚本の親によるプログラムは、普通徹底的な命令で成り立っているので、どの脚本よりも騒々しいかもしれない。「結婚するまではセックスをしてはならないし、母親の面倒を見ない限り(または大学を卒業するまでは)お前は結婚できない」。

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「～の後では」脚本における「親」の影響は「～までは」脚本と同じくらい遠慮ないもので、吊るされた剣は明らかな脅威と共にキラリと光る。「結婚して子どもができた後に、問題が始まる」だ。「繰り返し繰り返し」脚本は、常に花嫁の介添人を作り出すが、決して花嫁は作らない。何度も何度も一生懸命

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努力するが、成功するほど決してうまくはいかない人を作る。「結末のない」脚本は、後悔もあまりなく活力を無くしていき、過去にしたことの思い出にふけることに満足をしている年老いた男女を作る。 D. 時計時間とゴール時間 社交時間の短い期間をどのように埋めるかで使えるオプションは、引きこもり

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儀礼、暇つぶし、活動、心理ゲーム、親密だった。これらのオプションには、切り替えポイントと呼ばれる始まりと終わりがある。長い期間でも、脚本には切り替えポイントがある。それは、ドラマの三角図で参加者がある役から他の役に切り替えることを意味する。

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リチャード・シェックナーは、劇場での時間のパターンを分析し、最も重要な二つのタイプを「設定時間」と「イベント時間」と呼んだ。 設定時間は、時計やカレンダーによって営まれる。動作がある特定の瞬間に始まって終わる。あるいはアメリカンフットボールの試合のようにある特定の時間がその上演の

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ために与えられている、というものだ。脚本分析において、これを時計時間(clock time : CT)と呼ぶ。イベント時間は、野球のように、時計での時間がどんなに短くても長くても活動を完了しなければならないものだ。これをゴール時間(goal time : GT)と呼ぶ。これらの複合体もある。

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例えばボクシングの試合では、設定時間や時計時間のように全ラウンドが終了すると終わるが、イベント時間やゴール時間のようにノックアウトで終わることもある。 シェックナーの発想は、特に「できる」脚本と「できない」脚本に対処する時に役立つ。

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宿題をしている子どもは、5つの異なった教示を受け取ることができる。 「十分に睡眠を取る必要があるので、９時にやめてよい」 これは、時計時間上できる、と呼ばれる。 「十分に睡眠を取る必要があるので、９時以降は宿題をやってはいけない」 これは、時計時間上できない、と呼ばれる。

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「君の宿題は大切だ。だから終えるまで起きていてよい」 これは、ゴール時間上できるだ。 「君の宿題は大切だ。だから終えるまで寝てはいけない」 これは、ゴール時間上できないだ。 2つのできるは彼の気持ちを和らげ、2つのできないはイライラさせるが、どれも彼を閉じ込めない。

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「寝ることができるように９時までに宿題を終わらせなければならない」 これは、時計時間とゴール時間が結合していて、「急いで」と呼ばれる。これらのどの教示も、彼の宿題と睡眠に異なった影響を与えることは明らかだ。彼が成長すると、仕事のやり方や睡眠の取り方に影響を与えることになる。

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子どもの脚本への影響は、親が示したこととは全く異なっていることがある。例えば、時計時間上できないは不眠症を引き起こすかもしれないし、ゴール時間上できないはいつか途中で敗北を認めることになるかもしれない。

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このリストは、脚本の強制命令に従っている間、人が時間をどのように埋めるかを説明するのに重要だ。 「40歳までは生きられる」(時計時間上できる)人は、通常やりたいことをし終えようとして忙しい。 「あなたの奥さんが死ぬまでは生きられる」(ゴール時間上できる)人は、どのようにしたら妻が死ぬこと

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を先送りして生き続けられるか、という心配をするのに多くの時間を費やす。 「この人、と思える人に会うまではできない」(ゴール時間上できない)人は、ピッタリの人を探すのに多くの時間を費やすだろうし、「21歳まではそれをすることはできない」(時計時間上できない)人は他の事に費やす時間がある。

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これは、なぜ人によっては時間で動き、ほかの人は目的で動くのか、を説明する。 p.244