そら
@primavera_mm
家に帰り着くと開いている鍵、ついている電気、それから美味しそうな料理の香り。玄関には見覚えのあるスニーカーがあって「おっかえり〜！待ってたよん☆」大好きなかずくんが出迎えてくれた。でも今日は会えない予定で、電話とLIMEでめいっぱいお祝いの言葉をくれたのは今朝のことで。→ #A3プラス
2022-02-20 18:09:02
そら
@primavera_mm
「お前には幸せになって欲しいんだよ」柄にもなく正直に伝えてみる。お前が幸せなら、隣にいるのは俺じゃなくてもいい。そんな気持ちは心の奥に隠して彼女に目線を合わせると『…左京さんも、好きな人と幸せになってくださいね』――待て、どうしてお前はそんなに苦しそうに笑うんだ？→ #A3プラス
2022-02-20 21:58:54
そら
@primavera_mm
思わず口に出してしまった言葉に、赤くした目元に力を込め涙を堪えるかのような表情の彼女が呟いた。『好きな人に、自分以外の人との幸せを願うのも…願われるのも辛いですね…』俺のことだと言われたわけではなかったけれど。悲しそうに吐露された想いを知った日が、俺の覚悟が決まった日だった。
2022-02-20 21:58:55
そら
@primavera_mm
『千景さん、好きです』「そう、俺は違うよ」今まで何度も何度も繰り返してきたやり取り。だけど彼女は今日も飽きずに懲りずに、笑顔で俺に好きだと言う。「君もしつこいね」『だって事実です』「……俺とじゃ、幸せになれるわけがない」思わずそう本音がこぼれてしまうもそれでもいつもと→ #A3プラス
2022-02-20 21:59:24
そら
@primavera_mm
変わらぬ笑顔で彼女はこう言った。『私、千景さんに“嫌いだ”って言われたこと無いです』「……」『そう言われたら流石に諦めます。でもそうじゃない限り、私はおばあちゃんになっても伝え続けますよ』この台詞が、俺が白旗を上げるまでのカウントダウンだった。だってそれは俺が嘘でも言えない言葉だ。
2022-02-20 21:59:24
そら
@primavera_mm
最近部屋にいる時はずっと隣にくっついてくる彼女。俺がゲームをしてることが多いからか時折少し不安そうに『…至さん、わたし邪魔じゃない？』って聞いてくるんだけど、嬉しすぎて可愛すぎて理性を抑えるのに必死だから「そんなことないよ」って返すのが精一杯だったり…ワロエナイ #A3プラス
2022-02-24 20:14:52
そら
@primavera_mm
朝目覚めると隣には至さんがいて……昨夜ベッドに潜った記憶がないから、どうやら寝落ちてしまった私を運んでくれたのだろう。体力が〜なんてよく言ってるけど頑張ってくれたのかな、なんて思うと胸があたたかくなり自然と頬がゆるむ。『ありがと』呟いてもう少しだけ、と身体を寄せると→ #A3プラス
2022-02-25 11:24:19
そら
@primavera_mm
「…んー」小さく漏れ出た声と共に彼の腕に囲われて、更にぐっと近付く距離。起こしてしまったのかと思ったが、聞こえてくるのは規則正しい寝息と心臓の音。優しくて落ち着く温もりに包まれればトロトロ眠気がやってきて。あなたが起きたら遅い朝食を一緒に食べようか、そう思いながら再び瞼を閉じた。
2022-02-25 11:24:19
そら
@primavera_mm
昨夜は千景さん映画を観てて……それから？――おそらく映画の途中で寝落ちてしまった私を千景さんがベッドまで運んでくれたのだろう。だって、映画の結末が全然思い出せない。せっかく2人でのんびり過ごせる夜だったのにな…しょんぼりした気持ちで彼の胸に擦り寄るとくつくつ揺れる身体。→ #A3プラス
2022-02-25 11:26:22
そら
@primavera_mm
「考え事したり落ち込んだり、朝から忙しいね」『…起きてたの？』だって…と小さく続けると優しい声が降ってくる。「これから飽きるくらい一緒に過ごすんだから、大したことないだろ」って。――あのヒロインは私みたいに幸せになれたかな？少し遅い朝ご飯を食べたら、私のヒーローと見届けにいこうか。
2022-02-25 11:26:23
そら
@primavera_mm
ゲームをしてる至さんを待ってるんだけど段々と瞼が重くなってくる。「もーちょいかかりそうだから先寝てていーよ」って言ってくれるんだけど『…やだ、至さんと一緒に寝る』ウトウトしながら小さく呟くと、テレビからドーン！と大きな音がして。ビックリして目を見開けば→ #A3プラス
2022-02-26 23:38:25
そら
@primavera_mm
仕事中の千景さんを隣で待っていると段々眠気に負けそうになってきて。そんな私の様子をチラリと見て「もうベッドに行きなよ」って言われるんだけど『…今日は、千景さんと寝たい』ぼんやりしてきた頭ではあるけれど素直な気持ちを伝える。その言葉に一瞬キーボード音が止まったかと思えば→ #A3プラス
2022-02-26 23:38:37
そら
@primavera_mm
先程よりも早いカタカタとした音と、続いてパタンとノートパソコンを閉じる音。隣を見やると――次に視界に入ったのは天井を背にした千景さんの姿で、驚きで一気に目が覚める。「…その言葉、俺の良いように解釈するけど」問題ないよね？と耳元にかかる吐息が熱くて、今夜はまだ寝かせて貰えそうにない。
2022-02-26 23:38:38
そら
@primavera_mm
社会人になれば誕生日を祝われる機会も減る。いくつかのメッセージにお礼の言葉を返し、あとは何となく1日が過ぎて歳を重ねることだって今までにはあった。でも今は違う。日付変更と共に鳴る電話、大好きな至さんから1番最初に贈られる「おめでとう」の言葉。仕事後には迎えに来てくれて→ #A3プラス
2022-02-28 23:59:52
そら
@primavera_mm
手を繋いでディナーへ向かい帰ってケーキを食べる。『毎年ありがと』「俺がイベントを大切にする男だって知ってるでしょ？」おどけたように言う彼にクスクス笑いがこぼれ、ふと目が合いどちらからともなく唇が重なる。「生まれてきてくれて俺と出会ってくれてありがとう。これからもずっと祝わせてね」
2022-02-28 23:59:53
そら
@primavera_mm
ショッピングデートの時、至さんに「ね、最初に新作ゲーム見に行って来てもいい？」って言われたら毎回ついて行く。沢山のゲームや玩具が並んでいて、中には懐かしいものもあったりして。一緒に棚を眺める時間がワクワクする。そして何より至さんが楽しそうに笑っている姿がすごく嬉しい。→ #A3プラス
2022-03-02 00:05:50
そら
@primavera_mm
至さんの買物が終わったら私の買物に付き合ってくれて『あ、あれも可愛い』「どれ？…ん〜俺はさっきのの方が好きかな」『じゃあ、それに決めようかな』「ん、さっきの店に戻ろ」って手を引いてくれる。誰かと好きなものを共有する時間がこんなに楽しいだなんて、あなたと出会う前は知らなかったよ。
2022-03-02 00:05:50
そら
@primavera_mm
ショッピングデートの時は一緒に楽しめる所に行きたいから極力自分だけの買物は見ないように心掛けている、つもりなんだけど。つい好きなお店に目が行ったり、新作アイテムに足が止まりそうになったりと気になってしまう。そして、手を繋いで隣を歩いてる千景さんには私の考えや様子なんて→ #A3プラス
2022-03-02 00:08:30
そら
@primavera_mm
お見通しで、その都度「行くよ」「どれ？」って手を引かれる。毎回申し訳なくて『ここは大丈夫、また今度来るから！次は千景さんの見たい所に行こ？』って言ったら「…俺がこの店に行きたいんだよ。ほら、早く」だなんて、もう何も言えない。――次は私があなたの手を引いてスパイスのお店まで行こうか。
2022-03-02 00:08:30
そら
@primavera_mm
「《とても愉快なお方ですね》」 そこに立っているのは装いはいつもと変わらない誉さんなんだけれど。目線も仕草も声色も、纏う空気も。確かに鷺島がそこにいた。 ミステリ公演の録画を何度も何度も繰り返し観る私に感心したのか、それともただの気まぐれか。→ #A3プラス
2022-03-04 14:21:57
そら
@primavera_mm
「鷺島から言われたい言葉はないのかね？」と誉さんが声を掛けてくれたのがことの始まり。 「――キミも変わっているね。折角の機会だ、もっと甘美な台詞を強請ってみてもいいとは思うのだが」 役から抜けた誉さんからも私がお願いした鷺島の台詞と同じ様な言葉が飛んでくるも、十分に満足した私は→
2022-03-04 14:21:57
そら
@primavera_mm
首を横に振ることしかできない。だって――彼らの世界に入り込もうだなんて、そんな恐れ多いこと私には出来ない。 「ふむ…まぁキミを含め、様々な感情を持って観に来てくれるお客様がいるからこそ、演劇は深まるし楽しいのだろうね」 そう微笑む彼が作り出す世界から、これからも目が離せそうにはない。
2022-03-04 14:21:57
そら
@primavera_mm
『…ん』朝ぼんやり目覚めると後ろから抱き締められてて。胸に置かれている手がやわり動かされるから一気に覚醒し、その手を上から押さえつけて目線で後ろを振り返る。『…至さん』珍しくしっかり起きている彼をじとり睨むと「起きた？ははっ、ざーんねん」そう言いながらも→ #A3プラス
2022-03-05 10:23:05
そら
@primavera_mm
上機嫌で頭を擦り寄せてきて、耳に頬に首筋に唇を落とされる。くすぐったくてもぞもぞ身体ごと振り返ると今度は額に鼻に、唇に。ちゅ、ちゅと口付けられそのまま流されそうにもなる、が。『ん…っ、いたるさん。もう起きなきゃ…』今日は一緒に映画に行く約束をしていてそろそろ起きる時間だ。→
2022-03-05 10:23:06
そら
@primavera_mm
いつまでも続きそうな戯れをそっと制して、彼の手を握りじっと見つめるともう一度ゆっくり唇と唇が重なって、離れていく。「ん、お前とこのままこうしてるのも好きだけど…映画楽しみだね」カーテンから入り込む柔らかくてあたたかい光のように微笑む彼と迎える、優しい1日の始まり。
2022-03-05 10:23:07
そら
@primavera_mm
ベッドに潜り千景さんとの今日のデートを頭の中で反芻しては、頬が緩むのを感じる。一緒に映画を観て、ショッピングをして、手を繋いで歩いて――なんてことはない恋人同士の1日かもしれない。だけどそんな日常を、彼の隣で過ごせることが嬉しくて仕方がない。互いに背を向けあっているため→ #A3プラス
2022-03-06 00:50:52
そら
@primavera_mm
こんな緩みきっただらしない表情を見られることはないだろうけど…やっぱり少し寂しくなってしまいクルリ寝返りをうつ。起こさないようその背にそーっと額をくっつけ、ゆっくりと腕を回す、と。彼の胸の前でぎゅっと手を重ねられた。『…！…起きてたんですか？』「なぁ、そっち向いてもいい？」→
2022-03-06 00:50:53
そら
@primavera_mm
答えになってない答えを返しながら向かい合わせになる千景さんに、ゆるゆるの顔を見られてしまうではと思わず頬に手をやるとその手の上から頬を包まれ優しい口付けが降ってくる。「ふっ、予想通りの顔……また行こうな」そう微笑む彼の予想以上の柔らかい表情に、更に幸せが募った1日の終わり。
2022-03-06 00:50:53
そら
@primavera_mm
酔った彼女は驚くほど無防備で――大胆だ。今夜もとてとて近付いて来たかと思えば自ら膝の上に乗っかってきて。少し舌足らずに『いたるさんはきょうもかっこいいね〜』とへにゃり上機嫌に微笑んで、小さくて柔らかい少し熱を持った手のひらで俺の頬を触ったり、指で唇をふにふに遊んでみたり→ #A3プラス
2022-03-06 22:21:42
そら
@primavera_mm
首筋にすり寄ってきたり。「…ねぇ、そんな可愛いことされたら我慢できなくなるんだけど」自分を抑えるようにぎゅうっと抱き締めると『がまんしなくていーよ？』赤い頬で首をコテンと傾けて見つめられれば、僅かに残っていた理性も溶け切ってしまった。「――ね、口開けて」まずは唇から、いただきます。
2022-03-06 22:21:42
そら
@primavera_mm
いつもは遠慮なのか照れなのか自分からは引っ付いてこない彼女だが――酔っている時はひどく素直だ。今も隣にぺったりくっついて、何が楽しいのか俺の手を握ったり指を絡めたりと好き勝手遊んでいる。何も言わずに見つめているとそれに気付いた彼女が『ちかげさん、いや…？』と首を傾げる。→ #A3プラス
2022-03-07 20:18:36
そら
@primavera_mm
「…別に」『ふふ…うれし』今度は頬に手を伸ばして撫でてくるからその手を捕まえる。「…お前、解ってやってるの？」と言えば不思議そうな顔をした後、蕩けるような笑顔で『ちかげさんもすきにしていーよ？』だなんて――さぁ、今から存分に解らせてあげようか。そうしてまずは熱い唇を重ね合わせた。
2022-03-07 20:18:36
そら
@primavera_mm
『綴くん、ちゅーしよ？』瞳を覗き込んで首を傾けると「〜〜？！なっ…はぁ？！」一気に真っ赤になる綴くん。「…酔ってますよね？」赤い顔のままムスッとした顔をしてくるから『うん―綴くんにね』そう笑えば目を見開いて、次の瞬間には奪われる。全部ちゃんと本気だから、心配しないでね？ #A3プラス
2022-03-07 22:54:20
そら
@primavera_mm
『かずくん、ちゅうして？』身体を寄せると「オレの彼女、超絶きゃわたんなんだけど〜？！」ぎゅうっと抱きしめられる。だけど顔が見えないから服の裾をきゅっと掴んで『だめ？』って聞くとそっと顔を見せた彼の顔は真っ赤で。「ちょっと心の準備させて…」って。私の彼氏、可愛いでしょ？ #A3プラス
2022-03-07 22:54:33
そら
@primavera_mm
『ばんちゃん、ちゅうして？』じっと見上げると頬に手を添えられ、ちゅっと唇を落とされる。余裕な素振りがなんだか悔しくてふくれっ面をすると、頭を彼の左胸に引き寄せられた。少し早い鼓動に「ヨユーなんてねぇよ」とこぼす彼。『もう一回』っておねだりしたらもっとドキドキしてくれる？ #A3プラス
2022-03-07 23:00:10
そら
@primavera_mm
『臣くん、ちゅーして？』両手をぎゅっと握ると瞳が揺れた気がして、だけどすぐに唇を塞がれて見えなくなる。何度も重ねられるそれに少し苦しくなり彼の胸を軽く押すと、少し離れるも額を合わせたまま「まだだめか？」って熱の籠もった瞳。優しい臣くんのこんな姿を見られるのは、私だけ。 #A3プラス
2022-03-07 23:14:03
そら
@primavera_mm
『密さん、ちゅうしよ』彼の傍で瞳を閉じると唇にフワリ柔らかい感触…と、甘い香りと味。目を開けると押し付けられていたのはマシュマロでぱくりと口に入れられる。嫌だったのかな、なんて目を伏せると不意に覗き込まれ、重なる唇。「…柔らかくて甘くておいしい」って微笑むのはズルいよ… #A3プラス
2022-03-07 23:26:52
そら
@primavera_mm
『東さん、ちゅーしてほしいです』「ふふっ、可愛いお願い事だね」いいよ、と微笑んだ彼に頬を包まれ優しいキスが沢山降ってくる。そうしているうちにいつの間にかベッドの上で。「―ねぇ、他にはどうしてほしい？」未だ唇が触れそうな距離で囁かれたら、妖艶な彼の魅力に溺れるしかない。 #A3プラス
2022-03-07 23:44:52
そら
@primavera_mm
分厚いもこもこパジャマは片付けて衣替えしたら「あ〜あ、あの手触りともしばらくお別れか…」って抱きついてくる至さん。すると指先に少し動かして「…まって、もこもこがなくなったぶんガードが薄い気が…」とか言いながら隙間から手を差し込んでくるから――その手を抓っておきました。 #A3プラス
2022-03-10 01:45:06