『彼は早稲田で死んだ~大学構内リンチ殺人事件の永遠』樋田毅, 文藝春秋, 2021.11.10
0
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「過去と向き合うといっても、それは過去について何らかの結論を出すというということではなくて、今をどう生きるかということなんです」 樋田 「実行犯の一人だったSさんは刑期を終えると真っ先に川口君のお母さんに会いに行って謝罪して、自分はもう人生の表舞台には出ない、と決めたそうです」

2023-10-05 22:02:43
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「そういう美学があってもいいんじゃないですか。それぞれの生き方があるわけだから。ただ、それで責任を取ったことになるかといえば、 🖍️僕は責任なんてそもそも取りようのないものだと思っているんです。責任というのも人間が作った一つの理屈じゃないですか」 x.com/02NTjVtiODdOdc…

2023-10-05 22:12:11
本よみ人 @02NTjVtiODdOdcW

「しないこと」リストのすすめ 辻信一著 することリストの反対か、と軽く手に取りましたが、とても深く良い本でした。することに忙殺される現代人にとって、本来の人間の営みをしないことから考える本。「動き続けるより、留まり共に生きること」本当に自分にとって必要なことを教えてくれました。 pic.twitter.com/U1f0k2Ne1K

2020-07-02 20:17:31
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「確かに縁があって入った組織ですが、それは僕にとって必然ではなかったし、そのイデオロギーに惹かれたというわけでもありませんでしたから。  僕は責任を取ることはできないと思っているのです。自分なりに過去や現在と応答しながら生きていく以外に僕にはできないんです」

2023-10-05 22:18:42
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「僕には僕の物語の書き方があるわけです。TVニュースの謝罪というのは一種の茶番にならざるを得ないのではないでしょうか。  僕に何ができるのか、その重みに見合う何が今の自分にあるのかと問われれば、これだというふうに言うことはできないんです」 pic.twitter.com/Ydmpoyl5uA

2023-10-05 22:25:23
拡大
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「組織を離れたのは、論理的に考えてそこに至ったというわけではないんです。むしろ恐怖や哀れみ、悲しさといった非常に感情的な動機だったのだと思います」 樋田 「自分がまさに殺し殺される組織の一員であることに矛盾や理不尽さを感じるよりも、むしろ恐怖とか悲しみといった情緒的なものが優先

2023-10-05 22:34:04
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

していたということですか」 「正直に言えば、僕はまず情緒ありきなんです。僕は子どもの頃は暴力を美化していました」 樋田🖍️「元兵士たちの武勇伝と同様に、学生運動の経験者から「(敵対セクトとの)内ゲバでこんなに活躍した」といった話を聞き、うんざりさせられることが珍しくありません」

2023-10-05 22:53:00
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

樋田 「不寛容に対して、寛容な精神で立ち向かうというのは、人の心の善性を信じて、つまり性善説に立って、どんな理由があろうとも、暴力は容認しないという生き方で社会に対処することだと僕は思います」

2023-10-05 22:59:13
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

p.250 「寛容な心」は、社会の不正や理不尽さを受け入れることではないし、相手の気持ちを推し量って「忖度」することでもない。社会にはびこる「不寛容」を鋭く見抜き、「寛容であれ」と粘り強く働きかける心の持ち方である。 不寛容に対して私達はどう寛容で闘い続けるのか…

2023-10-05 23:03:52
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

自治会委員長・田中敏夫と同書記長・Sさんが自己批判書を書いて転向した後の生き様を、同副委員長・大岩圭之助(現・辻信一)は、「そういう美学で自分は川口君事件の責任を取れない」と言う。当時の情緒障害を自認している話しぶりは、葛藤状況での反応不全を想起させる。 x.com/ktowhata/statu…

2023-10-07 10:38:47
東畑 開人 @ktowhata

「自己肯定感」についての本を色々と読んでいるが、基本的には自分で自分を肯定するための工夫が紹介されている。しかし、自己肯定感が問題になるのは、自分への攻撃が強まったときであるのだから、本当に重要なのは自己肯定を強化するのではなく、自己否定を和らげることであるように思う。

2023-10-07 08:38:16
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

辻は「僕には僕の物語の書き方があるわけです」と樋田毅に答える。悔やむだけでは罪悪感ではないし、罪滅ぼしをしたいと思ってこその罪悪感なわけだが、斎藤学『すべての罪悪感は無用』や小坂井敏晶『責任という虚構』を剽窃しているかのような浅さで、明治学院大名誉教授の肩書に唖然とさせられる。

2023-10-07 11:41:08
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

彼らの角材や鉄パイプは、反応的攻撃ではなく道具的攻撃であった(毎日集団練習していた)。  道具的反社会行動のリスクを増大させる青年期限局型行為障害には生物学的基盤がない。特定の社会的要因が潜在的要因になっている点は、内ゲバも自警団(20代前半が22.6%)の排外的虐殺行為も同じである。

2023-10-07 11:41:33
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

辻信一は「イデオロギーに惹かれたとかマルクスを読んだことはなく、ヤクザ映画が大好きだった」という。  大震災時の警察部長は、消防組幹部が警察の尖兵となって民衆警察の実践にあたれと訓示した。任侠精神で階級闘争を鎮圧することが民衆警察たる消防組の使命であった。 x.com/chokusenhikaem…

2023-10-07 11:42:15
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

1923年4月、千葉県消防組頭会議で安達警察部長は訓示した。 「消防は任侠の精神を必要とするのであります。近時自己中心主義が澎湃として興ってきたのであります。労働者と資本家の問題、地主と小作人との問題、この混沌たる現代において消防組員諸氏が社会思想の善導につき一層努力を願いたい」

2023-09-29 22:30:17
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

自警団員に占める消防組員の高い割合は、彼らの「任侠の精神」と「自警自衛心」の発露に他ならなかった。 辻信一「暴力的な現場でこそ組織に貢献できると思ってました。正しい暴力というのはある」 「田中さんが自己批判して組織を離れた時、「だらしないな」と思った。逃げちゃいけないと思ってた」

2023-10-07 11:42:54
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

「逃げてはいけないと思っていたその自分が逃げることになった。でもそれは、事件への反省が引き金になったからということでもないんです」  遺伝子異常によって扁桃体機能が傷害され、嫌悪刺激に対する反応性が特異的に低下し、反社会的行動を学習して社会化が阻害されるのは5%程度に過ぎない。

2023-10-07 11:43:46
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

扁桃体と眼窩前頭前皮質の障害、前帯状回等の神経システム、罰・報酬に関する情報処理能力に関する知見が、辻信一を理解する上で役立つとも思えない。  鉄パイプを握りしめたセクト主義と、竹槍を握った自警団の排外主義に大差はなかった。新右翼に転ぶ元左翼も大勢いた。不寛容の先はテロリズムだ。

2023-10-07 12:02:11
花びんに水を☘ @chokusenhikaeme

大岩圭之助は川口君事件の2年後 ( ! ) 、革マル派副委員長を抜けた後、渡米し ( 他者が案外無関心で厳しくない ) 、鶴見俊輔に「辻信一」の名前をもらった ( 他人にしてもらうとよい工夫で補われた ) 。  自己否定を和らげた見本のような存在なのかも知れない。 x.com/ktowhata/statu…

2023-10-07 12:18:54
東畑 開人 @ktowhata

自己否定の声はロジックがシンプルかつ強固なので、反論しにくい。だから、役立つのは他人の声だ。他者が案外無関心で、厳しくないことはチェーサーの水のように自己否定の濃度を下げてくれる。この意味で、自己肯定感本の自分でできる工夫は、他人にしてもらうとよい工夫で補われる必要がある。

2023-10-07 08:38:16