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ルーフェ @rufe_mitras

純粋と功罪、時空の女神メタリア 金曜を司る女神、金を齎した者、善悪を司る者 金を以って、流動的に善と悪の境目を定めることを使命とする。 純粋なもの、魔力結晶、無属性魔術に縁がある。 神器の形は弓、名を「アナレツジカヤイン」 射った矢は空間を超えて当たり、瞬く間に矢が戻ってくる。

2022-01-20 21:25:54
ルーフェ @rufe_mitras

大地と騎士、享楽の女神アスリア 土曜を司る女神、土を敷いた者、享楽を齎す者 土を以って、文化を守護し娯楽を楽しむことを使命とする。 土に関するもの、鉱石、土属性魔術に縁がある。 神器の形はタクト、名を「アニサグトノミコイバサキ」 人に振れば心を操り、大地に振れば土の盾を作れる。

2022-01-20 21:25:54
ルーフェ @rufe_mitras

(宵闇と精神、支配の女神ア・イデアル 暗黒を司る女神、闇を満たす者、創造と破壊をする者 彼女の創造神としての記録は、フォアデムからはほぼ抹消され、破壊神としての記録は僅かばかり残っている。 神器の形は杖、名を「ウタンゾイソヘシウュ」 敵にかざせば服従させ、味方にかざせば蘇生させる)

2022-01-20 21:25:55
ルーフェ @rufe_mitras

(なお、神器名全てはアナグラムである。 ア・イデアルが神器を作った時に適当に名付けたそうな。 神器名の原文: ハイチーズ カースフォージ ファイアベース ボーチャンオボレル エスディージーズ ジカンアヤツレナイ キミニササグアイノコトバ ソウゾウシュタイヘン)

2022-01-20 21:25:55
ルーフェ @rufe_mitras

円滑で末広い平原に臨む大いなる国 「ミレニアム」 高い木々に隠れ新緑の風が起きる国 「アイオーニオン」 渓谷に抱かれ瘴気に満ちた皇たる国 「サドネスバッシュ」 地下に沈み死した永遠の国たる廃墟 「ルイン」 深き淵に眠れる破壊神の暗黒の領域 「ディープペイン」

2022-01-21 21:00:54
ルーフェ @rufe_mitras

ミレニアムは広大な丘陵と平原を領土に持ち、そのおよそ半分は多様な施設と住居、もう半分は耕作地とされる。 初期は農業、今は工業を主とする国。 最近は羽振りがいいのか、近くの鉱山をそこに住んでいた魔族ごと買い取り、金属の安定供給を行う。 大きい国ではあるが、それなりの汚い部分もある。

2022-01-23 19:52:59
ルーフェ @rufe_mitras

今は「ミレニアム」と呼ばれ、永遠に繁栄することを目指しての命名とされるが、昔は「ベータ」か「ベータ・ミレニアム」と言われていた。 かつてベータと呼ばれていたのかは未だ不明である。 王の後継者問題が勃発していたり、度重なる戦争での孤児問題…たくさんの問題を抱える場所でもある。

2022-01-23 19:52:59
ルーフェ @rufe_mitras

アイオーニオンは深い森そのものが領土とされる国。 森から得られる果物類、肉類が特産。 エルフの階級社会が未だに残っているが、大昔よりはマシなレベル。 高度な魔術が社会に使われている。 ハイエルフが統治して、エルフが木から果実を取り、ダークエルフが狩猟をし、ナイトエルフが魔術を学ぶ。

2022-01-23 19:53:00
ルーフェ @rufe_mitras

昔はハイエルフが他のエルフを奴隷のように扱い、最後にはリムリアにエルフとニンゲンの混血を生贄として指し向けたことで、リムリアが烈火のごとく怒り出して直接国へ出向いた挙句、神器で当時の王を斬り殺しハイエルフの9割を永劫に木に変える、という伝説(というか事実)が残っている。

2022-01-23 19:53:00
ルーフェ @rufe_mitras

サドネスバッシュは、渓谷の底や渓谷の壁を住居として生活している国。 近くに海も、火山もあるため非常に危険な場所になっている。 魔王がいる国はこことされており、ミレニアムとは敵対関係だったり停戦中だったりする。 アイオーニオンとは微妙な関係で交易はするが、戦争もする…

2022-01-23 19:53:00
ルーフェ @rufe_mitras

全ての魔族の出身地とされている。 瘴気に満ちている場所があったりなどだいぶ危険な場所。 一応ルナリア、アーリア、メタリア信仰はあるがどちらかと言えば、破壊神信仰の方がだいぶ割を食っている。 議会制を取り、魔王を議長として大量の氏族長が列席して会議を行って指針を決めているらしい。

2022-01-23 19:53:01
ルーフェ @rufe_mitras

ルインは、かつてニンゲンの王国があったとされる…がその面影はなく、ただただ荒涼とした廃墟が地下に広がるだけであるとされる。 大昔のニンゲンが住んでいたにしては、妙に物が大きい気もしないでもない… この各地の地下に点在する広大な過去の遺産は冒険者に迷宮と名付けられ、日々探索される。

2022-01-23 19:53:01
ルーフェ @rufe_mitras

(ミレニアムの住民がかつて居た場所で、ニンゲンが生まれ育った場所…いや、ニンゲンになる前のニンゲンが育った場所。 妙に大きいのはニンゲンへと成型される以前のカタチ用に、創造神が作ったから。 そこから進化を繰り返し、人間に近くなっていったところで洗脳を施し地上へと放った。)

2022-01-23 19:53:01
ルーフェ @rufe_mitras

ディープペインはルインと隣接する地下世界、もしくは地下世界から吹き出し暗黒節の世界を包む暗闇の領域。 破壊神が司る闇そのもの、全てを包む抱擁でニンゲンがまともに浴びると、怪物になってしまうことで有名なニンゲンの天敵そのもの。 フォアデムでは破壊神が地上へ出る際に噴き出す瘴気とされる

2022-01-23 19:53:01
ルーフェ @rufe_mitras

(ディープペインの洗脳解除の効果は耐性を付けることが可能。 ニンゲンが自己を確立(レベル)すればするほど、耐性が高くなり長く留まれるようになる。 創造神に出くわせば、試練と引き換えに自身を強化してくれたりする。 どちらにせよ、一般市民が運悪く入れば即発狂なのは間違いない…)

2022-01-23 19:53:02
ルーフェ @rufe_mitras

暗黒節の間、ディープペインとルインは探索がほぼ不可能となる。出来たとしても七大神の庇護が無ければたちまち発狂してしまうだろう。 ディープペインは日光や松明の明かりがあれば相殺することが可能だが、暗黒節中は濃度が濃くなるのか相殺範囲が縮まる。

2022-01-23 19:53:02
ルーフェ @rufe_mitras

(アイオーニオンのやからかしは以下の通り ハイエルフが他のエルフ種族を奴隷にした エルフとニンゲンの混血を生贄としてリムリアに捧げようとした サドネスバッシュに侵攻した時クロスカウンターで滅ぼされかけた 政権のごたごたで災厄のⅦが出現した時対策を怠った)

2022-01-23 20:54:55
ルーフェ @rufe_mitras

リムリア:あぁ我が子たち…!答えて!首長はどこ? 首長:ああああ女神様!突然いらっしゃったと聞いて心底おどろ…(ザシュ)…が…なんで… リムリア:我が子たちよ、今のこの国は私が望む繁栄ではないのです。 片方が過剰に虐げられ、片方が繁栄する…なんて汚らわしい…そう思いませんか?

2022-01-23 20:54:56
ルーフェ @rufe_mitras

リムリア:我が子たちよ、貴方がたを種族が違う程度で虐げるほど気位高く創った覚えはありません。 私にとっては等しく劣らず優れず、ただ得意なことは違うだけの我が子です。 ただし今のハイエルフは剪定されなければなりません。 そして残った者は大きく枝葉を広げ、幸せになってください。

2022-01-23 20:54:56
ルーフェ @rufe_mitras

ダークエルフ:め…女神リムリアよ、ささ差し出がましながら… リムリア:何か私に用ですか? ダークエルフ:い、いえ、ここではリムリア様の御言葉は民の全員には聞こえないかと… リムリア:あぁそうでしたね、失礼しました。 では改めて、告知しましょうか。 ダークエルフ:か…感謝します、女神よ。

2022-01-23 20:54:56
ルーフェ @rufe_mitras

リムリア:「聞け、我が子よ。 今宵、ハイエルフを全て剪定した。 この地に残るハイエルフはほとんど死に絶える。 ただ無知なハイエルフの子に罪はなく、生きるものとする。 相応しき首長が現れるまで暫くの間代理を立てよ。」 これで良さそうですね? それでは、二度と私を怒らせないように。

2022-01-23 20:54:57
ルーフェ @rufe_mitras

リムリア:あぁそうでした、貴方… ダークエルフ:は、はひ! リムリア:大丈夫ですよ、もう怒っていません。どうか、落ち着いて… ダークエルフ:…そ、そうですか…ここ、怖くて、し、心臓が止まるかと… リムリア:ええ、ええ…怖かったですか?申し訳ないです…

2022-01-23 20:54:57
ルーフェ @rufe_mitras

(【深い闇に誘われた姉妹】 帰宅中に計らずも暗黒節に入ってしまい、ディープペインを彷徨ううち破壊神こと創造神に出くわした姉と、姉の帰りを待つ妹の話)

2022-01-24 13:51:22
ルーフェ @rufe_mitras

ミレニアムのはずれに、ある2人の姉妹がいました。 姉は冒険者として名を上げ、妹を家に1人残して出稼ぎに行っていました。 妹は迷宮から帰ってくるであろう姉を1人でじっと、早く帰って来るようにと祈るように待っていました。 気掛かりなのは、明日が暗黒節に入るという事です。

2022-01-24 13:51:22
ルーフェ @rufe_mitras

姉は急いで家に帰ろうとしています。迷宮に闇が噴き出すのを見た時、暗黒節がやって来るのを察知したからです。 その努力虚しく、世界は闇へと沈んでいきます。 月光と松明の灯りで包まれた姉の周りに深い深い闇が見て取れます。 昏く昏く泥の波のように姉に迫ります。 姉は、松明をもっと燃やしました

2022-01-24 13:51:23
ルーフェ @rufe_mitras

闇は光り輝く松明の力を呑み込み、姉は息が出来ないほど濃密なディープペインに沈みました。 その時自身の死と、化け物になった自分が脳裏に浮かぶと、絶望が姉を支配せしめんとします。 ですがまだ姉は耐えていました。 妹が待っているからです。 姿を見せれば笑ってくれる妹の顔が見たい。

2022-01-24 13:51:23
ルーフェ @rufe_mitras

そう考えながら、自身が妹の姉であるということを自覚しながら自宅への道を踏みしめます。 その時、向かう先に女性らしき姿が見えました。 こんなディープペインに人がいるはずがないと思いつつ、歩みを進めました。 その女性は姉に気がつくと振り向いて、こう言います。 「ほう、深い闇に耐えるか」

2022-01-24 13:51:23
ルーフェ @rufe_mitras

まるで私の攻撃に耐えられるようだと言わんばかりの口調に怒りよりも先に、何故そんな言い方をするのかと思っていると、不意に濃密な闇の気配が消え去ります。 「こうすれば話しやすいか?」 「答えよ。何故にこの深き闇の中、何を求めてここに来た」 姉は意味が分かりませんでしたが、答えました。

2022-01-24 13:51:24
ルーフェ @rufe_mitras

「家に...帰りたい、妹が待っている…」 「ふむ?奇特だな...もしや帰り道か?」 「そうだ...私は冒険者で...暗黒節だから避難しなければ...」 「...ふむ、ならば私がお前の家に帰してやらんでもない」 「...!」 「しかし、条件がある」 「...我が試練に耐えよ、資格持たざる者よ」

2022-01-24 13:51:24
ルーフェ @rufe_mitras

「その前に自己紹介をしよう」 「私は世界が暗黒節の時、満ちる闇の主人、災厄の主人。私は破壊神とニンゲンの間で呼び習わされる者。」 姉は震え上がりました。 闇の主人が、死そのものが首をもたげてこちらを狙っていた事に気がついたのです。 「汝、真実を知る資格を持つ者也や?」

2022-01-24 13:51:24
ルーフェ @rufe_mitras

息が出来ないほどの...死んでしまうほどの闇を喉奥に捻じ繰り入れられるのを感じて、喉が、胸が、お腹が裂けるほどの痛みが走りました。 そして姉の意識はドロドロに溶けていっていました。 (あ...が...死んで...苦し...い...) 「ニンゲンは脆いな、全く持って持ち味を活かせない」

2022-01-24 13:51:24
ルーフェ @rufe_mitras

「...ニンゲンは思い合えば強くなるのだろう?ほら強くなれ...お前が死ねば妹はどうなるのだろうな?」 (...そう...だ...諦めちゃ...) (諦めちゃ...苦しいけど...耐える…) 「やっとか、待ち兼ねた...」 (イイギッギギッッギギガアァァァア) 「五月蝿いな、ちょっと強くしただけだろうが」

2022-01-24 13:51:25
ルーフェ @rufe_mitras

1時間みっちり苦しめられた姉は、虫の息でした。 「...ハッ......ハァ...ガッ...ゲホッ...」 「良く耐えたな、資格ある者よ。普通なら既に痛みで発狂しているな?」 「...では約束通り...お前の家へ送り届けるとしよう」 それを聞いた姉は少し安堵しました。 「...暫く寝ろ」

2022-01-24 13:51:25
ルーフェ @rufe_mitras

生ぬるい温かな闇に包まれて眠る姉を魔法で運び、破壊神は歩き出します。 彼女の行先はミレニアムの姉の自宅です。 深い闇は彼女を導き、すぐに姉の家の前に辿り着きます。 そして魔法で解錠し中に入った後、姉に語りかけます。 「...起きろ、着いたかどうか確かめるが良い」

2022-01-24 13:51:25
ルーフェ @rufe_mitras

姉は目を開けると自宅だったことに驚きましたが、破壊神が送り届けると言っていたので思い直し、姉は急いで妹の部屋へと駆け寄ります。 その後すぐに、姉が向かった先で何かが倒れる音がしました。 何事かと破壊神は姉の元へと歩み寄ると。 黒色でぐちゃぐちゃの人型が、姉を組み伏せていた。

2022-01-24 14:55:21
ルーフェ @rufe_mitras

「惨いな、まさか既に殺されていたとは」 荒らされた部屋とおびただしい量の血溜まりは、妹の死を連想させる。 大方、強盗が姉の自宅に押し入り、抵抗した妹の息の根を止めたのであろう事は想像にできる。 では妹の死体は何処か? 目の前にいる黒の怪物がそれなのであろう。

2022-01-24 14:55:21
ルーフェ @rufe_mitras

姉はもう殺されかけていた。 何処かで見たような...ごくごく近しい人間に似た女の化け物が自身の首を締め上げ殺そうとしている。 意識が遠くなりそうな時、破壊神は化け物に命を下した。 「手を離せ、実の姉を手に掛けたくは無いだろう?」 姉は妹が化け物になっている事をはっきりと認識した。

2022-01-24 14:55:21
ルーフェ @rufe_mitras

化け物はゆっくりと手を離した。 そして目のようなものから黒い汁を溢している。 そして名状し難い鳴き声をあげ、汁を垂れ流している。 暫くして姉がふらりと立ち上がる。 「何処へ行く?」 「妹をこんなにした奴を殺す」 「...無論、復讐は結構だが...私の話を聞け」

2022-01-24 14:55:22
ルーフェ @rufe_mitras

「私がお前の妹を元に戻してやれる」 姉は目を見開いた。 「...ただしお前は世界の真実を目にする」 「...世界に真実を知るお前を野放しにする訳には行かん」 「そして怪物化が治るなんぞ知られても不味い」 「2人共々私のしもべになるなら、が条件となるな」

2022-01-24 14:55:22
ルーフェ @rufe_mitras

「しもべでもなんでもいい、妹の命より重い真実なんてあってたまるか」 「…だから頼む、なんでもする...助けてくれ」 「...なんでも云々は要らんが、その言葉を吐いた事、後悔してくれるな」 そして、破壊神が手をかざすとみるみるうちに、元の妹の姿になる。 黒い汁は涙で、鳴き声は泣き声だった。

2022-01-24 14:55:22
ルーフェ @rufe_mitras

「よかった」 元に戻った妹を見て、姉がこぼした安堵の言葉だ。 「ごめんなさい、ごめんなさい…お姉ちゃんを殺そうとしてた…」 「大丈夫、死んでないよ…生きてるから…」 「…ねぇあの人は誰?」 「私を家に帰してくれた人よ」 「誓約、忘れるなよ」 「分かってる、もう…此処には居られないか」

2022-01-24 14:55:23
ルーフェ @rufe_mitras

「行こうか、我が子よ」 一組の姉妹を連れ、外へ出ると巡回の練達の兵士が槍を構え、一行を止める。 「待て!暗黒節は外出き...」 「従え。お前は何も見なかった。良いか?」 「...はい、私は何も見ていません」 「良し、行け」 深い闇は哀れな人間を容赦なく殺す。 しかし魅入られる者も確かに居る。

2022-01-24 14:55:23
ルーフェ @rufe_mitras

(【月光の少年】 月曜の女神ルナリアは神議節で行われる神議の休憩がてら、自身に変装を施した上で外へと繰り出す。 怪しいフード姿の女性となったルナリアはミレニアムのスラム街へと踏み込む。 そこで少年が暴行されている現場を見つけてしまう。 ルナリアに助けられた少年の運命とは。)

2022-01-27 00:05:31
ルーフェ @rufe_mitras

夜はとても綺麗な夜景が広がる場所であるミレニアム。 今年の神議はこの国で行われている。 祭りの喧騒が広がり始めるころ、ルナリアは外へと繰り出す。 姿を隠すためのフードつきコートを纏って、颯爽とバルコニーから飛び降りる。 後ろを見ると、護衛の兵士が慌てていたが気にしない。

2022-01-27 00:05:32
ルーフェ @rufe_mitras

女神として、真実を知る権利のある…特に目立つニンゲンを選び出すのも必要だが。 単純に人混みから素質のあるニンゲンを見つける、ということもやったりする。 もちろんそう簡単に見つかるわけではない。 今日のルナリアは、スラム街から探してみることにしたようだ。

2022-01-27 00:05:32
ルーフェ @rufe_mitras

スラム街を歩く怪しい女性。 目を向けられないわけがなかったが、これほど怪しい女性などここには吐いて捨てるほどいる。 月の光すら届かないミレニアム社会の闇が広がっている。 ルナリアは奥へ奥へと進むうちに、男の声が複数聞こえることに気が付き、自身の興味に従い行ってみることにした。

2022-01-27 00:05:33
ルーフェ @rufe_mitras

すると、一人の少年が複数人の暴漢たちに痛めつけられている光景を目撃した。 ルナリアはすぐさま、近くに落ちていた木の棒を拾い上げて電気を纏わせる魔術をかけると、暴漢たちに振りかぶる。 暴漢たちは、ルナリアに気づいたものの反応が出来ず、木の棒が砕け散った瞬間に迸った電気で痺れた様だ。

2022-01-27 20:45:46
ルーフェ @rufe_mitras

倒れ伏した暴漢たちを瞬く間に縛り上げて、ふとルナリアが少年を見ると、血だらけでルナリアの一挙一動をぼんやりと見ているような、そんな気がした。 ルナリアがそっと少年に近づくと、少年は目を逸らした。 「その眼には覚えがあるぞ、少年」 「…」 「”もう死んでしまいたい”、だろう?」

2022-01-27 20:45:46
ルーフェ @rufe_mitras

「…それが…どうした」 「何に諦めたのかは知らんが、お前にお節介を焼いてやる事にする」 「…好きにしろよ」 「言質はとったぞ?先ず、傷を癒してやる」 ルナリアが少年の手を取って、回復魔法を流し込むとみるみるうちに少年の傷が癒える。

2022-01-27 20:45:46
ルーフェ @rufe_mitras

「…」 「次に、お前に贈り物をしてやろう」 ルナリアは、刀身が黒く半透明で水晶のようなナイフを少年の手に握らせた。 「…これは、なんだよ」 「ナイフ、血を吸うナイフだ。試してみるか?」 「…いや、いい」 「そうか、お前の願いは復讐あたりかと思ったんだが。外れたなら良い」

2022-01-27 20:45:47