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(抜粋) 『プレゼンティーイズム～その意義と研究のすすめ～』 武藤孝司著、星和書店、2019.6.21. pic.twitter.com/iWnC3kYwWC
2019-06-24 04:22:30
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1955年に、A.Urisは"How to build presenteeism" で、GW.Canfieldらも"Presnteeism - A constructive view"で、absenteeism(欠勤)の反対概念としてpresenteeismという単語を使った。 英国では1990年代後半にリストラ研究が行われ、体調不良のため、又は効率的な働き方ができないほど長時間労働をした
2019-06-24 04:38:33
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ために、家にいるべきなのに仕事に出ている状態をプレゼンティーイズムとし、その男女差について調べられた。管理職の多くが男女ともリストラの対象になることを恐れて長時間労働を行っていたが、女性管理職は仕事と家事の両立を図ることが大きな負担となっていた。
2019-06-24 04:42:41
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プレゼンティーイズムの研究は、欧州における主にプレゼンティーイズムの頻度や要因に関する研究の流れと、米国における主にプレゼンティーイズムによる労働生産性低下を中心とした研究の流れに大別できる。 スウェーデンのAronssonらは「体調不良・病気のために休養を取り仕事を休んだほうが良い
2019-06-24 04:49:47
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にも拘わらず、仕事に出る」状況をsickness presenteeismという用語であらわした。 一方、米国では、2000年代に入ると、プレゼンティーイズム測定用具開発が続々となされ、背景には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が薬剤の効果指標として生産性を検討していることが関係していると考えられている。
2019-06-24 04:57:23
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ビジネス界にはHarvard Business Reviewで紹介され、Bank Oneでの調査結果として、総費用に占める割合が欠勤で13%であるのに対し、プレゼンティーイズムは63%と大きいとされた。 プレゼンティーイズムの定義 スウェーデンのAronssonらは「体調不良で休養を取り仕事を休んだ方が良いにも拘わらず
2019-06-24 05:10:31
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仕事に出る現象」をsickness presenteeismと考えている。この考えでは、高血圧や糖尿病のような慢性疾患を持っている労働者が体調不良の時に出勤する場合はsickness presenteeismであるが、治療によりコントロールされており特に体調不良を訴えていないで出勤するような場合は、sickness presenteeism
2019-06-24 05:27:26
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には当てはまらないことになる。 Burtonらは1999年に、仕事に出ているが十分に機能しない労働者の生産性の低下をプレゼンティーイズムとした。2003年に米国産業環境医学会(ACOEM)は、これを参照して、プレゼンティーイズムは仕事中の健康に関連した生産性損失である、と定義した。
2019-06-24 05:36:11
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ここで「健康に関連した」という場合の健康には、「体調不良」と「体調は悪くないが病気はある」という2つの状況を区別していないことに注意する必要がある。(p.17) プレゼンティーイズムの定義に生産性の低下を含めるべきではないとして、プレゼンティーイズムを、Presenteeism refers to attending
2019-06-24 05:41:34
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work while ill.(病気を持ちながら出勤している状態)と定義する立場がある。この定義では、体調不良・病気なので本来は休むべきであるという状態を前提としていない。この定義を用いる第一の理由としては、病気のために欠勤するよりも病気を持ちながらも出勤した方が労働生産性が高いことを挙げている
2019-06-24 05:49:35
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第二の理由として、定義の中に労働生産性の低下を含めると、病気を持ちながらも出勤するということに関する心理学的・行動科学的な創造的でよりオープンな見方・議論の妨げになることを挙げている。具体的には、欠勤がどのような状況で起こるのか、長期休業からの復職がどのように決定されるのかなどに
2019-06-24 06:01:28
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関する理解の妨げになるとしている。 本書では「健康問題に関連した労働生産性損失である」とする定義も採用しない。この定義には会社の経営的な視点が強く反映されており、健康問題を持ちながら出勤する労働者に対する支援の視点が感じられない。
2019-06-24 06:10:46
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定義の中に労働生産性損失を含めると、健康問題を持ちながら出勤することが否定的なニュアンスを持つことになってしまう。健康問題を持ちながら働くことが労働者にとってどのような意義があるのか、そのような状態で働くためにどのような工夫・対処をしているのかといった心理学的・行動科学的な研究が
2019-06-24 06:22:50
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おろそかにされるのではないかと危惧される。さらに、健康問題を持ちながらも働くことが社会全体にとってどのような意義を持つのかなどの社会学的研究の遅れも危惧される。(p.19)
2019-06-24 06:29:16
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本書では「健康問題を持ちながら出勤している状態」をプレゼンティーイズムの定義としたい。ここで言う健康問題は体調不良、病気、ストレス反応のいずれかを有する状態である。(p.20) 測定方法 発生率については２つの考え方がある。一つは体調不良のある人の何割が出勤するのかを問題にする考え方と
2019-06-24 06:34:57
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もう一つは集団の中で何割が体調不良でも出勤するのかを問題とする考え方である。体調不良のある人(A人)、その中で出勤した人(B人)、体調不良のない人(C人)とすると、体調不良のある人の何割が出勤するのかを問題とする考え方では、発生率はB／Aである。集団の中で何割が体調不良でも出勤するのかを
2019-06-24 06:59:28
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問題とする考え方では、発生率はB／(A+C)である。これまでの多くの研究では後者の発生率を用いている。しかし、そもそも、どちらの立場の発生率を問題にするのかという議論がない状態である。 体調不良の際に出勤した回数と出勤した日数のどちらを用いるべきかの議論は少なく、これまでの多くの研究
2019-06-24 07:08:14
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では回数を用いている。しかし、プレゼンティーイズムの総量と欠勤の総量との関係を検討するためには日数を用いるべきだとする意見がある。 体調不良で何回出勤したか何日出勤したかに加えて、プレゼンティーイズム傾向(presenteeism propensity)も用いるべきだとする考え方もある。
2019-06-24 07:13:36
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体調不良で出勤した日数をA日、体調不良で欠勤した日数をB日とすると、プレゼンティーイズム傾向は、A／(A+B) で表される。この考え方では、体調不良がない人、すなわち健康な人を研究対象から除外していることになる。 調査機関 過去4週間、過去1か月間、過去3か月間、過去1年間が用いられてきた。
2019-06-24 07:19:51
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期間は長いほどプレゼンティーイズムが多くなる可能性が多いが、思い出し法によることが多いため、期間が長くなればなるほどリコールバイアスが多くなるので、3か月間を適切とする意見がある。 各種測定用具(WLQ,SPS-6,HPQ,SPS,WPAI,HWQ)の評価→(p.25-33)
2019-06-24 07:32:41
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プレゼンティーイズムによる生産性損失が金銭的にどの程度の損失になるのかを求めるためには、各種の調査票から求めた生産性損失から損失労働時間を算出するステップと、求めた損失労働時間を用いて金銭的損失を求めるステップの２つがある。
2019-06-24 07:36:17
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第４章、健康問題を持ちながら出勤する理由 体調不良の状態で出勤する場合と、健康問題はあるがコントロールされていて体調不良とは感じていない状態で出勤する場合がある。これまでの研究では、この区別がなされないで論じられていることが多かった。
2019-06-24 07:42:09
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1. 体調不良の時に出勤する理由 (1) 個人の要因 ①同僚に負担をかけたくない ②高い職業意識 ニュージーランドの医師と歯科医師1806人の調査では、最も多かった理由は患者に対する義務感で、二番目は診療の予約をしているからという理由であった。
2019-06-24 07:49:17
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③断れない性格 スウェーデンで労働者3096人を多変量解析した結果、他人からの頼みごとに断れない性格の持ち主では、そうでない人に比べて、1.55倍多く体調が悪い時でも出勤することが示された。 ④低収入 同研究で、収入の低い人は高い人に比べて1.68倍多く体調不良でも出勤する人が多いと報告された
2019-06-24 07:56:24
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これは、欠勤により収入が減ることを避けるためと考えられた。 ⑤生活態度 英国で5071人の男性公務員を対象としてプレゼンティーイズムと冠動脈疾患の罹患率との関連を調べた研究で、体調不良を感じていても、3年間、仕事を休まなかった労働者が17%いた。このような人は、体調不良でも症状を無視する、
2019-06-24 08:02:33
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医療機関を受診しないなどの生活態度であろうと考えられた。 ⑥家よりも職場 デンマークで12935人に体調不良の時に出勤する理由について多変量解析した結果、個人的要因の中で仕事への打ち込み度が高いことと共に、家にいるのがつらいという要因がプレゼンティーイズムと関係していることが示された。
2019-06-24 08:12:04
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一般には職場よりも家の方が休養できると思われているが、管理職や専門職の場合は家で何もしないよりは職場で創造的な仕事をするほうが楽しいと思う人がいること、女性労働者の中には家でこまごまとした家事をするよりも会社に行って仕事をした方が良いと思う人がいることが理由と考えられた。
2019-06-24 08:16:58
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⑦ポジティブな理由 前述のノルウェーとスウェーデンの調査で、「仕事が楽しいから」というポジティブな回答がかなり多かった。この回答を選んだのは収入の低い人に比べて高い人に多かった。ポジティブ、ネガティブのどちらとも取れる回答も多く、ネガティブな回答は多くなかった。
2019-06-24 08:22:00
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(2)職場の要因 ①従業員不足 北欧４か国の高齢者介護施設に勤務する労働者2447人を対象とした研究で、ストレスの程度とプレゼンティーイズムとの関係が調べられた。ストレスの程度は従業員不足の程度(0～4)で表し、プレゼンティーイズムは過去12か月間に体調不良で1回以上出勤した場合とした。
2019-06-24 08:27:31
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ストレスが1の場合に比べて、4の場合はプレゼンティーイズムが4.1倍多かった。このストレスの程度は従業員不足の程度で求めているので、従業員不足がプレゼンティーイズムの根本要因と思われる。 ②休みにくい休業制度 フィンランドで725人の労働者を対象とした研究で診断書がなくても体調不良の時には
2019-06-24 08:32:45
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3日間休める制度がある場合は、休業する傾向のあることが示された。逆に考えると、そのような制度がない場合には体調不良でも出勤する場合が多いのではないかと推測される。 ③低いリーダーシップ スウェーデンで725人の労働者を対象とした断面研究で、リーダーシップの定義として正直、公平、信頼、
2019-06-24 09:21:01
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誠実を下位尺度とするIntegrityという概念を用い、休業すべき健康状態の時に1年間に4回以上出勤した状況をプレゼンティーイズムと定義して、リーダーシップとプレゼンティーイズムとの関係が調べられた。その結果、ほとんどリーダーシップが発揮されていないと思われる群はしばしば発揮すると思われる
2019-06-24 09:35:20
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群に比べてプレゼンティーイズムの発生率が約1.8倍多かった。支援的なリーダーシップ行動(Supportive Leadership Behavior)とは、困難な状況を解決する際にリーダーが積極的に関わり、部下との関係においてオープン、正直、公平に接することをいう。ドイツで17060人の労働者を対象とした研究で、
2019-06-24 09:42:47
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支援的なリーダーシップ行動とプレゼンティーイズムとの関係を調査した。プレゼンティーイズムの大きさは1年間に体調不良の時に出勤した日数とした。その結果、支援的なリーダーシップ行動が1単位増加するとプレゼンティーイズムが0.31日減少した。
2019-06-24 09:47:29
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④雇用の不安定性 韓国で26611人を対象に、雇用契約の違い(無期契約か有期契約か)とプレゼンティーイズムとの関係が調べられた。プレゼンティーイズムは過去12か月間に体調不良で出勤したことがある場合とした。有期契約を結んでいる労働者は無期契約の労働者よりも体調不良で出勤することが多かった。
2019-06-24 10:02:26
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オッズ比は1.6であった。 フィンランドの病院勤務者4851人(男性710人、女性4141人)を対象とし、雇用契約を有期契約から無期契約に変更した従業員の病気欠勤の状況が調査された。有期契約から無期契約に変更した従業員の病気による欠勤は、無期契約の従業員を1とした時に入職時には0.5であったが、
2019-06-24 10:07:40
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無期契約になった4年後には0.96に増えた。病気欠勤の増加はプレゼンティーイズムの減少によるものと考えられることから、有期契約の時にはプレゼンティーイズムが多かったことが推測される。有期契約のほうが体調不良でも出勤することが多いのは、雇用が不安定なために欠勤が多いと契約更新がされない
2019-06-24 10:14:54
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あるいは解雇されるのではないかという恐れを抱いているためと考えられ、雇用の不安定性が体調不良で出勤する要因の一つと考えられる。(p.46) 一方、雇用契約の違いではなく、主観的に雇用不安定性を感じている労働者の方が体調不良で出勤することが多いという研究もある。フィンランドで18454人の
2019-06-24 10:28:32
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公務員を対象として、雇用契約の違い(無期契約か有期契約か)および主観的な雇用不安定性とプレゼンティーイズムとの関係が調べられた。プレゼンティーイズムは過去12か月間に体調不良で出勤した場合とした。主観的な雇用不安定性は、解約、一次帰休、余剰人員解雇、他の業務への異動をどの程度感じるか
2019-06-24 10:41:19
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を5段階で尋ねた。雇用不安定性を最も強く感じている労働者は低い労働者に比べて体調不良で出勤することが多かった(オッズ比1.34～1.49)。有期契約を結んでいる労働者は無期契約の労働者よりも体調不良で出勤することが少なかった(オッズ比0.88)。
2019-06-24 10:50:25
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その理由としては、無期契約の公務員の方が出勤に対する要求度や職業倫理が高い、公務員で有期契約を結んでいる看護師や教師は不安定性をあまり心配していないなどの理由が考えられるとしている。 ２.健康問題を持ちながら出勤する理由 (1)個人の要因 健康問題を持ちながらも出勤する理由としては、
2019-06-24 11:05:12
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生活の糧を得るという経済的理由の他に、生活が規則的になる、社会的支援が得られる、という理由が挙げられている。したがって、高血圧や糖尿病などの慢性疾患で治療により健康状態が良好にコントロールされている場合には、多くの人は仕事に出かけることを選ぶであろう。
2019-06-24 11:11:43
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(2)職場の要因 健康問題の種類によっては、体調不良のない状態でも何らかの就労制限がかかった状態で出勤する場合が多い。自覚症状はないが狭心症で冠動脈にステントが入っている労働者や麻痺はないが脳梗塞を起こしたことがある労働者などには原則として海外勤務をさせないという方針の企業もある。
2019-06-24 11:17:00
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しかし、海外で特殊な技術を要する業務の場合には、そうした病気を持っていても特殊な技術を有する労働者は海外勤務を命じられる場合もある。 第５章、健康問題を持ちながらの出勤の影響 健康問題を持ちながらの出勤は将来の健康度の低下及び欠勤のリスク要因であることが多くの研究で示されている。
2019-06-24 11:25:43
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1.体調不良の時に出勤する場合 (1)健康への影響 ①自覚的健康 スウェーデンで7445人の労働者を対象として、プレゼンティーイズムが将来の自覚的健康度を予測できるかどうかを目的とした縦断研究が行われた。体調不良で1年間に1～7日または7日以上の出勤のある労働者は、ない労働者に比べて2年後の
2019-06-24 11:42:09
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自覚的健康度のオッズ比がそれぞれ1.96、5.95であり、自覚的健康度が悪化していた。 ②身体的健康 英国でプレゼンティーイズムと冠動脈疾患の罹患率との関連が調べられた。約9年間、5071人の男性公務員を追跡調査した研究によると、自分でもともとあまり健康的ではないと思っている労働者が
2019-06-24 11:47:18
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体調不良でも休まないで仕事を続けると、適切に病気休業を取った労働者よりも冠動脈疾患の罹患率が約２倍高かった。その原因として、体調不良状態での出勤によるストレスの累積、急激なストレス負荷、体調不良でも医療機関を受診しないような生活態度が関係していると考えられた。
2019-06-24 11:52:11
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③メンタルヘルス デンマークで公務員と一般労働者1271人を対象とし、プレゼンティーイズムとうつ病との関連が研究された。プレゼンティーイズムの大きさは過去12か月間に体調不良で出勤した回数を用いた。うつ病の有無はMajor Depression Inventory(MDI)を用いて測定した。
2019-06-24 12:00:38
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体調が不良でも出勤した回数が8回以上ある労働者は、ない労働者に比べると、2年後にうつ病に罹患するリスクが2.5倍高くなっていた。プレゼンティーイズムが多いとうつ病の罹患が増えるメカニズムとしては、仕事のパフォーマンスが低下するために上司や同僚との関係が悪化してストレスが高まるのでは
2019-06-24 12:06:33