本田一成著、新評論、2019.2.25
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既存の文献におけるウィークポイント ⑤企業再建闘争において、いわゆる全繊派である「本部派」と、反全繊の「再建派」の対立となって露出した労働運動の左右対立については取り上げられていない点。  (まえがき、ⅷ)

2019-07-22 01:58:22
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#火災死者 1951年6月3日、彦根工場の「仏間」(読経や唱和などの仏教行事を行う際に使用される畳敷きの大広間)で、約700人の新人歓迎映画会が催された最中、火災が発生し、非常階段で23人が転倒し折り重なって圧死した。

2019-07-22 02:19:31
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事故調査において、消防署、病院、警察署、労働基準監督署などへの連絡はすべて事故処理後となるなど工場側の「証拠もみ消し」行為があった。一方、「労働基準法」違反や劣悪な寮生活が露わになり、大問題ともなっている。  すぐさま近江絹糸民主化闘争本部(第二次近民闘)が設置された。

2019-07-22 02:35:41
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これによって、彦根工場の労働者や彦根市民へ向けて大量のビラを配布する近民闘と、全繊同盟を誹謗中傷する近江絹糸との攻防が始まることになった。第二次近民闘が発足した直後、全繊同盟は、近江絹糸彦根工場内に労働組合結成の意欲に燃える若者、植村節と接触した。

2019-07-22 02:47:18
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だが、会社側は、1951年9月、御用組合が植村の勤務成績を問題視したことを理由にして除名した。つまり、会社側が「ユニオン・ショップ協定」を濫用して解雇したわけである。  ユニオン・ショップ協定とは、労働組合が会社側と結ぶもので、組合員資格と雇用資格を対応させる協定である。

2019-07-22 02:57:50
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本来は、組合員の加入と団結を促す手段であるわけだが、労働組合と会社が手を結べば、労組からの除名が解雇の口実に利用されるという危険性がある。  植村は大津地方裁判所で争うことになり、1954年1月には「解雇無効判決」が下され、解雇後の賃金保障を得ることとなった。

2019-07-22 03:03:14
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会社側は、御用組合を防波堤のように利用して、全繊同盟による労働組合の結成を防いでいた。徹底された全繊同盟排除政策を可能にしたのは、労働者の寮生活を統括する「舎監」の強力な監視制度と、報償を通して労働者同士を監視させる密告制度であった。

2019-07-22 09:06:22
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1954年6月、ついに全繊同盟に加盟する近江絹糸労働組合の結成が実現した。しかも、最初に労組結成に成功したのは大阪本社であった。蜂起したメンバーは、地方から集団就職でやって来て、工場に直接配属された労働者ではなく、東大、京大、早慶大などを卒業し、会社側が将来の命運を賭けて採用した

2019-07-22 09:07:40
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優秀な幹部候補生たちであった。つまりホワイトカラーに属する人たちである。ホワイトカラーによる蜂起は想像以上に会社側の痛手となったほか、各工場での労組結成に対する影響力も絶大なものとなった。このような経緯で労組が結成されたことは、近江絹糸人権争議の大きな特徴の一つともなっている。

2019-07-22 09:12:25
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作業にとりかかる直前に祈りを捧げる女性労働者たち。近江絹糸では、郡是(グンゼ)のキリスト教教育にヒントを得て、表面的な仏教教育を徹底し、労働者を工場作業に集中させるためにありとあらゆる手段をとっていた。(p.14) pic.twitter.com/FILxUdKzCl

2019-07-22 09:24:40
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『近江絹糸株式会社津工場・惨虐搾取の記録』と題されたこの本により、津工場の悪行が市民の知るところとなった。近江絹糸が行った不当労働行為(組合活動を理由とする不当解雇)、「労働基準法」違反(超過勤務の強要と賃金不払い)、指定高校入学強要(指定外高校入学者の通学禁止と解雇)などの実態。p.19 pic.twitter.com/XSTJvogdWT

2019-07-22 09:32:31
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(1枚目) 1953年5月16日付の機関紙『全繊新聞』の記事。圧死事件で「不退転の決意」を表明した全繊同盟は、争議の前年となる1953年から、労務管理の実態を暴露する風刺漫画付きの記事を次々に発表した。 (2枚目) 同1953年6月6日付の記事。6日後に開催予定だった有楽町読売ホールでの真相発表大会告知。 pic.twitter.com/TVzYLXoiFr

2019-07-22 09:41:54
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ホワイトカラーの若者たちは、解雇を恐れたというよりも、それまでの失敗の分析から外部勢力に頼らない自主的な労働組合の結成を計画していた。その一方で、闘争資金面などの困難さを勘案して、全繊同盟以外の選択肢がないことを理解していた。

2019-07-22 09:52:55
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1954年5月、まるで無警戒であった夏川嘉久次社長が海外視察に出かける隙をついて、近民闘と有志たちが動き出した。全繊同盟は、大阪本社での労組結成を急ぐとともに、結成後の全事業所総決起を決定し、各地区に配置しているオルグに指令を出した。

2019-07-22 10:02:27
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5月25日、まず20人で近江絹糸本社労組を結成して全繊同盟に加盟し、要求項目を決定した。要求項目づくりでは、意図的に「賃上げ」などといった経済的な要求項目を除外し、労働者たちの不満のうち、「労働基準法違反」ゃ「人権侵害」にかかわる項目を中心に据えることにした。

2019-07-22 10:09:18
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その理由は、会社側の対応として、賃上げを突破口に労組を切り崩すことを見通していたからである。この結果、近江絹糸争議を「人権争議」と呼ばせる根拠となった「22項目要求」が出現したわけである。

2019-07-22 10:15:05
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…工場外からの全繊同盟オルグの呼びかけによって、塀を乗り越えた脱出者が相次ぐことになった。そして、6月9日、60人が集まった時点で富士宮支部が結成大会を開催し、寺田尚夫が初代支部長に就任した。その後、組合員は増加したが、会社側の主導で第三組合(組合員数約1300人)が立ち上がり、

2019-07-22 10:21:04
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他の支部に比べて富士宮支部はのちのちまで組織拡大の面で難航している。  潮目が変わったのは、7月13日に工場の門前で起こった大乱闘事件である。会社側の搬出トラックをめぐる攻防に警察が介入して發生したものだが、その時に宇佐美忠信らが検挙されたことも大きく影響している。

2019-07-22 10:33:45
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宇佐美は、工場前のピケ解除のために動員された静岡県警の警察官数百人の介入を前にして、組合員の希望通り座り込みを続けて暴行を受け排除された。富士宮警察署に連行された宇佐美と組合員3人が留置された直後、事件を目撃した市民たちが富士宮警察署へ押しかけて窓ガラスに投石する事件が發生した。

2019-07-22 10:38:59
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三つの工場だけでなく、他の工場での支部結成も次々に進み、即時、無期限ストに入っている。会社側は工場閉鎖や食堂閉鎖に踏み切り、会社が雇った暴力団を投入して、各地で乱闘が発生した。

2019-07-22 10:45:53
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しかし、各支部の組織拡大は順調に進んだ。6月30日、労組は日紡労働会館で80人の代議員を集めて第一回臨時大会を開催し、単一本部の役員を選出したうえ、単一組合としての近江絹糸労組を結成した。

2019-07-22 10:51:40
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「決起だ、決起だ!」 6月7日未明、工場のブレーカー切断を合図に、男性労働者たちが一斉に寮を飛び出した。舎監達との小競り合いをすり抜けながら構内を駆け抜け、寝静まる女子寮の窓に大声で呼びかける。いったい何事なの、と怯えた様子で、あるいは嬉々として顔を出した女性労働者たちに労組結成を pic.twitter.com/Gx0IMFkNM1

2019-07-22 11:02:50
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告げ、加入を呼びかけながら、大はしゃぎで走り去った。慌てて収拾を図ろうとする舎監たちの怒声が響き渡る。さて女性たちはといえば、舎監の説得に応じて部屋に戻る者、制止を振り切って男たちに合流しようとする者、足がすくんで動けなくなる者など、反応は各人各様だった。(前掲書、p.37)

2019-07-22 11:08:28
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早朝からの騒ぎが落ち着いたと見るや、女子寮の中庭で集会を開催。朝倉克己が急ごしらえの壇上に立ち、「ゆうべからの騒ぎは、実は我々が起こしたものなんだ」と経緯を説明する。「あんたたち何をしたのよ」と女性たちが矢継ぎ早に繰り出す質問に答えていく。集会に続いて組合加入届けの受付開始。p.39 pic.twitter.com/gdJY17HmPA

2019-07-22 11:14:50
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6月2日に決起大会を開催した近江絹糸本社労組は、翌3日に22項目の要求を提出して会社側に団体交渉(団交)を申し入れた。団体交渉とは、労働組合と会社側で行われる交渉のことである。これにより労働者は、経営者が一方的に決める条件ではなく、双方で決まる条件で働くことができる。

2019-07-22 18:03:32
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また、法律によって正当な理由がない場合に会社側が拒否することは禁じられている。このときは、この交渉を会社側が拒否したため、4日から無期限スト(ストライキ)へ突入している。ストライキとは、船員が作業停止の際に船の柱を叩いたことに由来するものだが、労働組合員が働くことを停止することで

2019-07-22 18:08:04
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会社側に損失を与える争議手段のことである。正当なストライキであれば、刑事責任や民事責任が免責される。 このストライキに対して会社側は、彦根工場と大垣工場から約100人を呼び寄せて就労を目論んだため、労働側のピケッティングと衝突し、小競り合いとなった。労組側は24時間体制のピケを張る一方

2019-07-22 18:13:45
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会社側は本社内に籠城するという処置を取り、争議の火ぶたが切られた。  この争議は106日間に及ぶ長期となったことから、争議という語感以上の多面性を持った重層多面的争議と言える。開始直後から、労使関係論のテキストのような労使の各戦術が見られた。

2019-07-22 18:19:36
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団体交渉が拒否されたことでストライキへ突入すると、会社側は事業所を閉鎖して、新組合や友誼組織の勢力を事業所外へ締め出した。つまり、ロックアウトである。言うまでもなく、労働者の集団行動や団結の場を奪うほか、労働の場を奪って打撃を与えることが目的である。

2019-07-22 18:26:04
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これに対して労組側は、事業所内にとどまり、会社側の勢力が侵入してこないようピケを張った。会社側は労組側を不法占拠と位置づけるため、ロックアウトをめぐる法廷闘争となった。人権争議では労働争議自体に目が向けられがちだが、実は、全体を法廷闘争と見ることができるほど、不当労働行為をめぐる

2019-07-22 18:30:39
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争いを筆頭にして裁判所で争った。その現場だが、常に小競り合いのある緊張状態となり、均衡を破るために会社側が雇った暴力集団を進入させて乱闘となったため、暴力事件をめぐっても法廷闘争となっている。  会社側が暴力行為のため雇った人数は延べ数千人に上るが、暴力団員や土建会社労働者のほか

2019-07-22 18:36:46
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失業中の日雇い労働者を雇った場合もあった。後者は、大阪市の天王寺公園周辺において、手配師を通して「三食たばこ(光)三箱付き、日当四五〇円」で集められた約400人で、近鉄上本町六丁目駅などから各工場へ派遣されていた。  奇妙なことに、警察の立場と態度も場所により異なったものとなった。

2019-07-22 18:43:43
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彦根工場では、警察官が終始組合員を暴力から守っていたのに対して、富士宮工場では会社側に加担して、労組を攻める側となっていた。  会社側との攻防の合間に近江絹糸労組は、地元で積極的なデモ活動を行ったほか、争議資金調達と情報宣伝のために募金活動を重ねて行った。

2019-07-22 18:49:47
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会社側の争議戦術として目を引くのは、食堂の閉鎖と家族対策を絡ませた情報宣伝である。大人数の組合員にとって、食事は生命線であった。工場外の近隣では、大量の食事が用意できない時代である。食事代が給料から天引きされているのに食事がないという状態は、餓えを通して大きな負担を強いられた。

2019-07-22 19:23:00
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各支部は、自炊活動、一時的な食堂再開、食堂業者との直接交渉によって乗り切っているが、食事を奪う会社側の行為は人権問題と受け取られ、世論から徹底的な非難が集まった。  一方、家族対策として、会社側は誹謗中傷や組合員の危険性を強調した偽りのハガキや手紙を故郷の保護者に送りつけた。

2019-07-22 19:28:03
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会社側は、組合員たちの故郷の家族や有力者に、争議状態に関するデマや中傷を記した手紙を送りつけ、組合員の脱落を狙った。その手紙には、全繊同盟の思想が危険なものであることや、工場内での妊娠などといった風紀の乱れが書き込まれていた。

2019-07-22 19:32:58
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それに対して各工場では、デマを信じて心配のあまり引き取りに来た家族たちに向けて真相を伝える説明会を開催したほか、第三組合の幹部(会社側)が各地を回ってデマを流すことに対抗して、各支部の組合員が「出身地オルグ」として地方へ出向いて説明を続けた。

2019-07-22 19:37:03
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このように、家族、親族、知人などを巻き込む争議戦術が見られた点も、若者たちが主役であった近江絹糸人権争議の特徴であると言える。  この争議によって、近江絹糸各事業所の労組が割れた。外部勢力の組織化からの隠れ蓑であり、要所では新組合結成首謀者を排除するための手段であった第一組合、

2019-07-22 19:42:41
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全繊同盟が組織化した「新組合」と呼ばれる第二組合、その第二組合に対抗するために第一組合から新編成された第三組合、それ以外にも、一部の支部では第三組合とも差別化を図る必要から生まれた第四組合が組織された。  特定期間だけ点滅するように存在する第一組合は、名目上の組織であって

2019-07-23 04:04:59
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実体はない。第三組合も、結成した当初に役員を決めて、形式を整えただけの存在である。第三組合の組合員というのは、現実には、第二組合に入らない労働者の総称であった。しかし、要所で活動する中で次第に体裁を整え、「近労連」を名乗るようにもなっている。

2019-07-23 04:11:26
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近労連の実体は労働者集団ではなく、経営者の親衛隊であり、最大勢力の彦根工場ではやや多数であったが、他事業所では少数派として偏在していた。  争議直後から第二組合の旺盛な組織化活動があったのは事実だが、もともと会社側に従順であることを強要され、次第に迎合を固く心に決めた労働者たちに

2019-07-23 04:16:28
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とっては、第二組合こそが信じられない存在であった。民主的な組織化活動とは、自らの意思で労組を選択して加入することであり、第二組合への加入者が相次ぐという現状の中、逆に第三組合へ戻る組合員たちの姿もあった。この点で、近江絹糸人権争議とは「オルグ合戦争議」であったとも言える。

2019-07-23 04:20:28
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第三組合の寮の廊下で繰り広げられる勧誘を突破して第二組合へ加入した長浜支部のOGや、工場正門前で警察の暴力を見た管理職が笑顔になったことで第二組合入を決断した富士宮支部のOGなど、多くの証言が残されている。

2019-07-23 04:26:53
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「足蹴りにされた女子組合員が前の川に落ちていくのを見た管理職は笑っていたのです。私はぞっとしました。…第二組合に入ろう。窓から見下ろす側になるより、見下されて闘う側になろう、と決心したのです」(富士宮支部、巨海公子さん) 労働者たちは、争議中は組織競合の渦中で激しく圧迫されていた。

2019-07-23 04:31:41
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📌近江絹糸人権争議では、多数の若者が精神的疾患によって通院や入院をしている。工場内で対立する組合員10人以上が同じ15畳の室内で起居するという、心理的な負担が原因とみられる。また、3人の自殺者も出している。そのうちの一人は、遺書に夏川嘉久治社長への抗議を残している。

2019-07-23 04:38:45
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さらに、この争議では、経営者が一点の迷いもなく労働者を蔑ろにするという信じ難い行動が次々に暴露されたことで国民を震撼させ、世論が近江絹糸労組に味方したという事実もある。若者たちへの同情が集まり、最後まで住民の献身的な支援や協力が見られたのだ。

2019-07-23 05:02:35
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三島由紀夫の『絹と明察』の178-9pには、こうある。 「政治的にはまったく保守的な市民が、今度の蜂起を、まるで赤穂浪士の討ち入りなんぞのように、こぞって支持したのである。そして市中の旅館は、ストの応援部隊と新聞記者たちで満員になり、この人達がいよいよ町を潤すことは明らかになった。」

2019-07-23 06:35:14
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社長の帰国後、即座に会社側の反撃がはじまった。争議開始から数日のうちに、会社側が雇った男たちが、正門前に集まった組合員を鉄パイプで襲撃するという事件が起きた。p.49 pic.twitter.com/e9zyadNjWX

2019-07-23 06:38:35
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争議開始直後の1954年6月10日、彦根支部が中庭で集会を開いていると、大勢の市民が塀をよじ登ってきて、口々に激励の言葉をかけてくれた。初めはその大声に驚いた女性組合員も、たちまち笑顔に変わった。市民が味方であることを実感した貴重な瞬間である。p.53 pic.twitter.com/zZ4qxGYKtU

2019-07-23 06:44:04
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