『人生脚本のすべて』⑤ エリック・バーン著 江花昭一監訳 丸茂ひろみ・三浦理恵訳 星和書店 2018.9.25

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第Ⅱ部「親によるプログラミング」　第7章　脚本装置 装置は7項目から成り立っている。結末ないし呪い、強制命令ないしストッパー、挑発ないし誘いは、全体で運命に向かう脚本の展開をコントロールするので、脚本コントロールと呼ばれる。ほとんどの場合、これらはすべて6歳以前にプログラムされる。

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もし反脚本ないし呪文解きがあるなら、それも同様だ。その後になって、対抗脚本のスローガンや処方箋、そして親の行動パターンと教示が次第に定着していく。悪魔はパーソナリティの最も初期の層を示すもので(子どもの中の「子ども」(現在の交流分析の表現ではC₁)、そこに最初から存在する。

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A. 脚本の結末 臨床場面で登場する結末は、普通4つの選択肢に絞り込むことができる。一匹狼になる、路上生活者になる、正気を失う、くたばる、だ。薬物やアルコールへの依存は、これらのどれを達成するのにも一番心地よい方法だ。 暴力は特殊な種類の結末で、これは「肉片の脚本」で起こる。

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肉片の脚本は、その通貨となるものが人間の肉、血、そして骨なので、ほかのすべてのものとは違っている。暴力や虐殺を見たり、起こしたり、体験したりした子どもは、ほかの子どもとは異なり、決して再びもとと同じにならないだろう。

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小さい頃に子どもが親に追い出されて自活しなければならなかったら、その子は自然にお金に対して関心を持つようになるが、往々にしてそれが彼の脚本と結末の最も重要な通貨となる。親が子をガミガミ叱り、くたばれ、と言ったら、言葉がその子の脚本の通貨になるかもしれない。

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脚本の媒体は、脚本のテーマとは区別されなければならない。人生脚本の主なテーマはお伽話に見られるものと同じで、愛、憎しみ、感謝、復讐だ。どの通貨でも、これらのテーマのどれを表すのにも使うことができる。

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ここでの脚本分析家の主要な問いは「親は子どもに、何通りの方法で、「永遠に生きろ、または、くたばれ、と言えるか？」だ。著者の経験では、法的な入院のうちかなりの数の患者が、愛する人(または憎んでいる人)に、くたばれ、と言われたすぐ後に入ってくる。

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多くのケースでは、これらの結末を直接ないし親を通してコントロールしているのは祖父母だ。祖母が、父親の死の判決に代わって「生存資格」を与えることにより、患者を助けるかもしれない。あるいは祖母は、母親にメデイア脚本または「オーバーな脚本」を与え、母親があれこれ方法を使って

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子どもたちに死に向かうように仕向ける。📌これらのすべては小さい男の子や女の子の「親」に注ぎ込まれ、おそらく一生涯そこに留まっている。それは、永遠に生きて、という誰かの優しい希望か、あるいは死に近づくことを促す辛辣な声だ。死の判決には、時には憎悪ではなく無益感や絶望感だけがあるもの

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がある。しかし、子どもは生まれた日から母親の望みを飲み込むので、その子のために決断するのは普通母親だ。父親は、後に母親に加担するかもしれないし、否定するかもしれない。それによって母親の呪いの重さが増すか、別のものに代わる。

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患者は普通、結末の指示などに対する子ども時代の反応を思い出すことができるが、それは声を大にして言うことがなかったものだ。 母親「お前は、お父さんそっくりだよ」(母親は離婚して、一人で暮らしている) 息子「よかった。親父は賢いからな」

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母親「死ねばいいのよ」 娘「そうしたくはないけど、母さんが言うならそうしなくちゃならないわね」 子どもは非常に寛大で、指示に従うという決断を下すまでには、このようなやり取りを何十回、何百回とする。

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脚本の結末は両親によって与えられたり命じられたりするが、子どもがそれを受け入れない限り実行されない。 患者にはこう聞くべきだ。「小さい時に、自分の人生をどうしようと決めましたか？」だ。その人が、(「消防士になりたかった」など)ありきたりの返事をしたら、

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次のようにはっきりさせるべきだ。「私が尋ねた意味は、あなたが最終的にどうなるかをどのように決めたのか、です」 最初に決定的な決断をしたのは記憶できる以前のことが多いので、患者から望むような返答は得られないかも知れないが、それは彼の後のいくつかの冒険談から推測することができる。

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B. 強制命令 実生活で強制命令の効果が生じるのは、魔法によってではなく、人の心の生理的な特性による。強制命令が子どもの心にしっかり固定されるためには、たびたび繰り返され、違反は罰せられることが必要だ。しかし、例外的なケースは被虐待児で、一回の強烈な体験によって一生にわたる強制命令が

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刻み込まれてしまうことがある。p.130 強制命令は脚本装置の最も重要な部分で、強度はいろいろと異なっている。それで心理ゲームと同じように、強制命令は第一度、第二度、第三度に分類される。 それぞれの種類は、それぞれ独自の人間を形成する傾向がある。それは勝者、非勝者、敗者だ。

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(非勝者は、勝ちも負けもしない人で、なんとか差し引きゼロになる)。 第一度の強制命令(社会的に受け入れられ、軽度なもの)は直接的な指示で、承認、あるいは落胆によって強化される。(「良い子で静かにしているね」「あまり野心的にならないのよ」)。これらから勝者を育てることも可能だ。

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第二度(遠回しで厄介なもの)は、誘惑的な微笑みと威嚇的な渋い顔の脅しによって遠回しに強要されるひねくれた指示で、これは非勝者を形作る最善の方法だ(「お父さんには言っちゃだめよ」「黙ってらっしゃい」)。

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第三度(非常に手荒で辛辣なもの)は、恐怖によって強要される理不尽なストッパーだ。言葉は叫びになり、表情は悪夢のように歪み、身体的なせっかんは凶暴なものになる。(「お前のいまいましい口にブチ込んでやる」)。これは、敗者を形作る最も確実な方法だ。

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強制命令は、結末と同様に、ほとんどの子どもには親がふたりいるという事実で複雑なものになる。例えばひとりが「利口ぶるな」と言い、もうひとりが「バカのふりをするな」と言う。このような矛盾した強制命令は、子どもを難しい立場に置く。

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ストッパーは、親が魔法を使える人のように見える感じやすい幼い年齢の少年少女に植え付けられる。日常語では、強制命令を与える母親の部分(母親の「コントロールする親」ないし母親の「子ども」)は、良い人なら「妖精のゴッドマザー」と呼ばれ、そうでなければ「魔女の母親」と呼ばれる。

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ケースによっては、「母親の正気でない「子ども」が最も適切なレッテルのように思われる。同様に、「コントロールする父親」は「陽気な緑の巨人」「醜いトロール」や「父親の正気でない『子ども』」など、その場にふさわしい呼び方で呼ばれる。

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C. 誘い 挑発ないし誘いは、好色漢、依存症者、犯罪者、ギャンブラー、その他の負ける脚本を持った人たちを作り出す。それは、人生早期において一般的な敗者への招待として始まる。「この子は本当に不器用なんだ、アハハッ」。誘いは思春期に、個人的な交流によって助長される。

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誘いは、ここぞという時に「子ども」にささやく「親」の声だ。セックスや金銭のことを考えるのをやめさせず、それからうまく逃れられないようにするためのものだ。「さあさあ、何か失うものでもあるのかい？」これは「親」の悪魔であり、「子ども」の悪魔が反応する。

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そして瞬間的に「親」が切り替えを行うと、ジェダーは失敗する。上機嫌な「親」が「ほーら、やっぱりね」と言い、ジェダーは俗に「きまりの悪いニヤニヤした微笑み」と呼ばれる笑みを浮かべながら「アハハッ！」と答える。 誘いは子どものとらわれを助長させるものなので人生早期に始まる必要がある。

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⚠️親は、子どもが持つ親密さへの熱望を何かほかの物への熱望へと変える。このねじ曲げられた愛がいったん固定されると、とらわれになる。p.133 D. 電極 誘いは、父親か母親の「子ども」に由来し、それが子どもの「親」、図７のジェダーの「PC」(現在の表現ではP₁)に挿入される。 pic.twitter.com/OmjhoPq7pf

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そこでは「ポジティブな」電極として機能し、自動的な反応をもたらす。ジェダーの頭の中の「親」(PC)がボタンを押すと、彼の残りの要素がそうしたいかどうかは別にして、ジェダーはそれに飛びつく。彼は何かバカなことを言い不器用に行動し、もう一杯酒を飲むか、次のレースで全部一度に賭けてしまう。

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強制命令の起源はいつも明らかであるわけではないが、それらもPCに挿入され、「ネガティブな」電極のように作動する。この電極は、ジェダーがはっきり話したり考えたりするなど特定の事柄をしないようにしたり、セックスや微笑んだりすることが強くなりすぎると切れてしまう。

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多くの人は性的興奮の真っただ中で興奮が瞬間的に冷めることを知っている。さらに、あたかも笑顔の人の頭の中に誰かがいてスイッチを切り替えるように、現れた笑顔が次の瞬間には消えてしまうのを観察したことがある。このような効果のためにPC、すなわち「子ども」の中の「親」は「電極」と呼ばれる。

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📌電極は、心理療法家にとって断固挑戦する対象だ。治療者は、患者の「成人」と一緒に、「子ども」が自由に生き自然に反応する許可を得ることができるように、電極を無効にしなければならない。両親の正反対のプログラミングとそれに従わないことへの脅しをものともせずに、だ。

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電極は比較的軽いコントロールであってもとても難しいが、もし強制命令が激情で歪んでいたり、その声が子どもの心の全防衛を粉々にしていたり、その手が今にも子どもの顔に屈辱と恐怖を叩きつけるような魔女や巨人によって作られた要求であったなら、計り知れないほどの治療的な能力を必要とする。

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E. 袋など もし子どもが矛盾したコントロールに押し込められたら、その子が自己表現する手段を取れる抜け道はおそらくひとつしかない。それゆえこの子は、どんなに不適切であっても、そのような活動や反応を強いられることになる。

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周りの人には彼が外的状況ではなく自分の頭の中のものに反応していることが明らかなので、彼は袋の中にいる、と言う。もし彼の袋が才能や能力、そして勝利の結末という命令に支えられていたなら、それは勝者の袋かもしれないが、ほとんどの場合にはその行動が不適切なので、袋の中の人は敗者だ。

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袋(「容れ物」)から逃げ出す人は、すぐ彼のやるべきことに向かうが、それはその人がずっと、一番やりたかったことだ。これが適応的であり、いくらか「成人」の合理性でコントロールされているなら彼は勝者になるかもしれない。しかし、もしあまりに気ままで安楽に過ごすと、最終的には敗者となる。

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実際、袋から抜け出して自分のことをやり始めると、彼の結末への命令が、勝者になるように賢明にやるか、敗者になるようにやり過ぎるかを決定する。

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しかし場合によっては、親がプログラムした脚本装置の残りとともに、結末への命令を🗑️袋に置いて来ることができれば、彼は本当に自分の主人になり、自分の運命を決定できるようになる。　p.135

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F. 処方箋 母親と父親の「自然な親」(「コントロールする親」と区別される)は、ある程度生物学的にプログラムされていて、当然だが養育的で保護的だ。両親は、内に問題を抱えていたとしても、基本的にはジェダーに幸あれと願っている。両親は間違った知識を持っているかもしれないが、

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「自然な」親としては善意であり、少なくとも無害だ。両親はジェダーに、一般に祖父母からの処方箋を伝達するが、それは往々にして地球人の生真面目さの典型だ。「一生懸命働け！」「良い子でいなさい！」は中流層に共通する例だ。しかし、それぞれの家族にはその家特有のものがある。

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「炭水化物は食べるな！」はこれらの例だ。処方箋は「養育する親」に由来し、脚本によるコントロールはコントロールする「親」や正気でない「子ども」に由来するので、大いに矛盾する。この矛盾には、内的なものと外的なものの２種類がある。

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内的な矛盾は、同じ親の２つの異なった自我状態から来ている。父親の一番上の「親」が「金を貯めろ」と言い、一番下の「子ども」が「最後のサイコロ振りに全部賭けちまえ」と言うのだ。もし一方の親が「金を貯めろ」と言い、もうひとりが賭けろという指示を出せば、それは外的な矛盾だ。

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脚本コントロールは、幼少期に挿入されて効果を現すが、対抗脚本のスローガンは、後になって意味を持つようになる。ジェダーは、２歳になれば「触っちゃダメ！」という禁止を理解するが、「金を貯めろ！」という教えは、10代になって物を買うのにお金が必要になるまでは理解しない。

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さらに難しいのは、脚本がその通りのことを言っている点だ。子どもがよく知っているように、人間は実際に不器用に行動する。一方、対抗脚本は一般に、その人の経験に関する限り堅苦しいものだ。すなわち彼は、一生懸命に働く、良い子でいる、お金を貯める、時間を守る、炭水化物を食べない、という

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ことによって幸せを得た人を見たことがあるかもしれないし、ないかもしれない。 心理療法家は、患者の混乱は幼少期に始まった、と言うが、それは、患者をしばしば当惑させるものが脚本と対抗脚本の間の交代によって説明できる、ということだ。

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「では、僕はなぜ高校までずっと普通だったんですか？」と彼らは問う。それに対する答えは、高校までは対抗脚本に従っていたがそこで「脚本の発現」を引き起こす何かが起こった、というものだ。これは「少なくとも・・・」という回答だ。これで問題解決にはならないが、どこを見れば良いかが示される。

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悪い脚本と善意の対抗脚本を同時に満足させる試みは、奇抜な行動を招く。ある少女の父親の怒った「親」は「くたばれ！」と言い、母親の心配な「親」は足を濡らさないようにゴム底の靴を履きなさい、と言い続けた。その少女が橋から落ちた時、その子はゴム底の靴を履いていた(その少女は助かった)。

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✅対抗脚本はその人の人生のスタイルを決定し、脚本は最終的な運命をコントロールする。それらの調和が取れていれば、新聞の内側のページで気づかれずに通り過ぎてしまうかもしれない。しかし、もしそれらが対立していると、驚きをもたらすことになり、一面を飾るかもしれない。

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それゆえ、勤勉な教会の司祭補佐は、最終的に教会の評議委員会委員長になるか、30年後まで勤め上げるか、横領で投獄される。献身的な主婦は、年間最優秀母賞を受賞するか、金婚式を祝うか、建物の屋根から飛び降りる可能性がある。p.138

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世の中には、実際に２種類の人間がいるように思われる。それはヒッピーたちが言っていたように、本物の人間と人工的な人間だ。本物の人間は自分で決断を下し、人工的な人間はフォーチュンクッキーが管理する。人間の生き方のフォーチュンクッキー理論では、子どもは一人ひとり家族のお椀から２つの

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クッキーを引く機会を得る、と言われる。ひとつは四角形で、もうひとつはギザギザしたものだ。四角いものは「一生懸命働け！」や「あきらめるな！」というスローガンで、ギザギザしたものは「宿題を無視しろ」「不器用に振るまえ」や「くたばれ」という脚本上のジョーカーだ。