不定期更新。全部幻覚ですので閲覧は自己責任でお願いします。多分話はつながってません。
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ののい🦎 @nonoisanityzero

筆跡鑑定の専門家は「同一人物による犯行」という見解を示している。███の住民の税金の多くを投じてまで行われた大規模捜査への疑問が残る。

2020-07-14 23:34:14
ののい🦎 @nonoisanityzero

███タイムズ  ██年2月█日 【落書きグループ 1人拘束】 ███・██████セクションの建造物に相次いで落書きが残される事件について、███警察は落書きを行っていた1人を現行犯で拘束したと発表。

2020-07-14 23:34:14
ののい🦎 @nonoisanityzero

███タイムズ  ██年3月█日 【落書きグループ 1人拘束】 ███・██████セクションの建造物に相次いで落書きが残される事件について、███警察は落書きを行っていた1人を現行犯で拘束したと発表。

2020-07-14 23:34:14

2 群衆のうちの1人

ののい🦎 @nonoisanityzero

「俺たちのことは忘れないでくれよ」って言うぐらいだ。イーサンというコードネームは何かの集団を背負っているのではないかと思うと眠れなくなってしまった。 たとえば、移動都市███の█████セクション、E-3区に拠点があったとか

2020-07-14 23:39:07
ののい🦎 @nonoisanityzero

感染者のサヴラの青年たちがね、真夜中のスラムの隅っこ、E-3区に夜な夜な集まるんですよ。 イーサンくんがいつの間にか描いたグラフィティの設計図を広げて、それをざっと見て図面を記憶したメンバーは(今日もいい作品じゃないか)という意味を込めて声を出さずに頷くと、

2020-07-14 23:44:09
ののい🦎 @nonoisanityzero

いそいそと目的地に向かって、無言でザーッと描いて立ち去るねん。自分たちが何に属するのかを主張するサインなんかも残さない。ただ、感染者という大きな括りの集団に属して声をあげるものだから。 スラムの人からは勝手に英雄視されて、民衆からは普通に器物損壊として嫌われていく。

2020-07-14 23:44:10

3 夢の終わり

勝手に人のツイートのリプライで話の続きを書いてはいけない(戒め)
※1 を受けてのツイートです

琶枷 @W_wakase

男先生(自) × 銀鏡イオリ 左右相手完全固定 成人済 ウェブボ(https://t.co/NMlaPXpf8f) 🦋(https://t.co/zVm3g6aKtv)

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琶枷 @W_wakase

こういう新聞がゴミ箱とかで捨てられてて、それを見て仲間がどうなったのか知ってしまう伊桑……ですか?

2020-07-14 23:37:29
ののい🦎 @nonoisanityzero

@ZENKY0U 拠点にいつも通り行ってみたら昨日までいた人が減ってて、でも騒いだらバレるから何事もなかったかのように今日もまた主張を描きに行くんだ…… 新聞紙のスタンドから擬態して姿を隠しつつこっそりくすねるのでもええで

2020-07-14 23:47:10
ののい🦎 @nonoisanityzero

@ZENKY0U 誰もいなくなった拠点に、誰かが返ってくることを心のどこかで少しだけ祈りながら毎夜、その辺でくすねてきた大して美味しくもない冷めた飯と設計図を持ってやってくるんだ。 逮捕されたかもしれないし、もしかしたら怖気づいてやめてしまった人もいるかもしれないが、全て知る由はない。

2020-07-14 23:58:41
ののい🦎 @nonoisanityzero

@ZENKY0U 独りで小規模な落書きを続けてたんだけどね、そのうち小ぢんまりとしてきた自分の落書きの上にレユニオンのチラシを貼っていくヤツが現れるのね。感染者による感染者の救済を掴み取る組織。また一人になってしまった彼は、新たな居場所を求め、チラシを剥がしそこに書かれた場所に向かう。

2020-07-15 00:05:25

5: 鏡の前

ことの発端

ののい🦎 @nonoisanityzero

伊桑くんの肌は……こう、スベッっていうよりかはスルッ……っていう触感……(幻覚)

2020-07-17 17:37:40
ゴガツ @5gatsu

バーチャルもふもふ狸ツイッタラー。20↑ 日常生活から自分の嗜好&思考まで幅広く呟きます。 創作:@5_tsuki 狸ぬい写真:@PONZU_TANUKI

5gatsu.ko-me.com

ゴガツ @5gatsu

体表に出ている鉱石の周りだけちょっと触り心地が違うの、悲しいけど愛しい

2020-07-17 17:38:34
ののい🦎 @nonoisanityzero

@5gatsu どの辺に出てるイメージです?ワシは脇腹あたり……

2020-07-17 17:39:43
ゴガツ @5gatsu

@nonoisanityzero あっすれ違い! ヘソ周辺のやわらかい下腹部辺りにぽつぽつ出てるイメージです……

2020-07-17 17:40:39
ののい🦎 @nonoisanityzero

@5gatsu ヒイッやっぱおなか周辺……好き……いつもはブカブカの白い上着着てるから全く気づかないとこ……

2020-07-17 17:42:34
ゴガツ @5gatsu

@nonoisanityzero いつもは全然見えない本人も忘れそうなところに出ててほしいなって思うんですよ、1人きりになってシャワー室の鏡見て自分が背負う「死」を実感して欲しい……

2020-07-17 17:44:16
ののい🦎 @nonoisanityzero

@5gatsu やたらと真っ白で清潔なシャワールームの更衣室で、頭をふわふわのタオルでワシワシ拭きながら鏡に映る自分の腹部を横目に見るじっとりした感じの憂鬱さを含んだ目が見た~い!

2020-07-17 17:49:38
ゴガツ @5gatsu

@nonoisanityzero あっれいつのまに幻覚共有してました??? まさに私の想像そのままのツイートがリプライされてきて二度見したんですが???

2020-07-17 17:50:27
ののい🦎 @nonoisanityzero

@5gatsu 「病状は安定している」から自分の体調で自覚することは少ないだろうし姿消してるってことは自分の身体に触れられることも少なく、唯一毎晩鏡の前でだけ、自分が抱えてる時限爆弾の存在を知覚してちょっとだけ表情が陰るんだ……

2020-07-17 17:54:02
ゴガツ @5gatsu

@nonoisanityzero グゥッッッッッッ(胸を押さえて蹲る) そうなんですよ普段はもう全然気にしてないで欲しい、それでも根幹に深く揺蕩う黒い川が流れていることに1人になったときに自覚してほしいんですよ あああかわいそうかき氷食べよう一緒に(錯乱)

2020-07-17 17:55:52

本編

ののい🦎 @nonoisanityzero

深夜のロドス、男性用シャワールーム。気味が悪いほどに真っ白なタイルに、ポタポタと水が落ちる音が響く。 ふんわりして柔らかい清潔なタオルを手に取ると、サッと体を拭く。そして、髪を拭きながらふと顔を上げると、そこにある大きな鏡が嫌でも目に入る。彼は、その鏡があまり好きではなかった。

2020-07-20 22:08:01
ののい🦎 @nonoisanityzero

恨めしい……とは言い難いが、普段の表情からは到底想像がつかないであろう憂鬱な目が鏡に映る。その視線は薄い腹のあたりに、ポツポツと存在する黒い鉱石に向けられる。数年間を共に生きてきた異物。そして、この世界では排斥される者の証だ。

2020-07-20 22:08:04
ののい🦎 @nonoisanityzero

腹部にそっと触れてみると、特に大した傷も無くさらりとしている周辺の肌に対して、鉱石が露出しているところだけゴツゴツしていて、ひんやりしているのが分かる。結果として、その存在をよりくっきりと浮かび上がらせている。

2020-07-20 22:08:05
ののい🦎 @nonoisanityzero

普段はこれが露出するような服は着ないし、擬態して身を潜めていることが多いために人から触れられる機会が少ないことも相まって、普段はその存在を気にすることは無いのだが、鏡の前でだけはそれをあらわにさせられる。やたらと白く清潔な部屋であることも相まって、尚更不気味に感じてしまう。

2020-07-20 22:08:05
ののい🦎 @nonoisanityzero

症状が進んでいる人に比べたら些細なものなのだが、非感染者から見ればどちらも感染者という忌避すべき対象だ。

2020-07-20 22:08:06
ののい🦎 @nonoisanityzero

夜は憂鬱になってしまうからいけない。鏡を背にし、さっさと普段着に着替えると、キッチンに足を向けた。

2020-07-20 22:08:06

6: 名前の無い青

スパイダーバース的な、パラレルワールドの同一人物が出会ってしまう系のやつ

ののい🦎 @nonoisanityzero

伊藤 桑太(いとう そうた) テラではない、我々の住む世界とよく似たパラレルワールドにおけるイーサンくんに相当する人間 身長163cmと男子にしてはちょっと小柄、そしてちょっとだけやせ型 絵がちょっとだけうまくて、ヨーヨーもちょっとできる そして、ちょっと影が薄いだけの普通の男子高校生

2020-07-26 17:51:19
ののい🦎 @nonoisanityzero

コミュ障陰キャじゃない。話してみると面白い奴で気さく、明るくて良い奴。ただ影が薄いので本人から話しかけないとほぼ気づかれない。影が薄くなければ多分楽しいムードメーカータイプ。 この世界にはアーツもないし人間以外の種族もいないので特殊能力とかではない。ただ影がちょっと薄い。

2020-07-26 17:51:19
ののい🦎 @nonoisanityzero

絵はちょっとうまい。でも帰宅部なので美術展とかに出したりはしない。 ぼっちではない。友達グループには所属しているし、時折一緒に遊んだりしてる。しかしそこにいなくても特に何も言われない、探されない。

2020-07-26 17:51:19
ののい🦎 @nonoisanityzero

ある日桑太が一人で帰宅していると、不意に後ろから誰かに話しかけられる。滅多に誰かから話しかけられないので驚く。そもそも辺りを見回すと誰もいない、その上知らない路地に入ってしまったらしい。普通にいつもの帰り道を歩いていたはずなのだが? 「ここは危ないぜ」

2020-07-26 17:54:38
ののい🦎 @nonoisanityzero

桑太は少し怯えたような顔をして「誰だ」と言う。すると声は、「誰って、誰でもねーよ。とにかく危ねえぞ、帰りな」とケラケラ笑って返す。 「そうだな、帰るよ」 桑太は今歩いてきた方向に引き返そうとする。 「待て待て待て。そっちは危険区域だぜ」 声の主は、突如として姿を現した。

2020-07-26 17:58:19
ののい🦎 @nonoisanityzero

最初に、黒い手袋と白いぶかぶかの上着が見えた。続いて、一般的な人間の毛髪とはちょっと異質な青い髪、浅黒い肌、とがった耳が目に入る。大きな目に小さな白い瞳がこちらを見つめている。 「ぼんやりするなよォ。さては方向音痴か観光客か?」 髪と同じような青色のしっぽがゆらりと揺れる。

2020-07-26 18:02:54
ののい🦎 @nonoisanityzero

異質でありながら、何か自分と同じようなものを感じる奇妙な存在を前に、桑太はしばらくあっけにとられていた。それからふっと我に返り、あたりを見回した。知らない路地どころか……日本かどうかも怪しい。 「――あれ、本当だ。こっちじゃない。しかも……焦げ臭い。花火か何かの臭いかな」

2020-07-26 18:06:49
ののい🦎 @nonoisanityzero

「花火ィ?ここらは結構前から戦場だぜ。ずっとケンカやってんだ」 「せ、戦場!?」 訳の分からない状況に桑太は素っ頓狂な声をあげた。 「オイッ!そんな大声あげたら見つかっちまうだろ」 しっぽのある青年は小声でそう言いながら、急に顔を寄せて、桑太の手首にしっぽを巻き付けた。

2020-07-26 18:17:43
ののい🦎 @nonoisanityzero

「な、なんだ!?」 「誰か来たみてぇだ。ちょっと隠れるぞ」 「隠れるったって、ここには何もないじゃないか」 「ふう――このことは内緒にしておいてくれよ」 そういうと、手首にしっぽが巻き付いた感触を残したまま、青年の姿が消えていた。 「――!?」

2020-07-26 18:17:44
ののい🦎 @nonoisanityzero

「こっちで声がしたぞ!」 「誰もいないじゃないか」 「あれ、聞き間違いか」 「――」 2人の男性が、先ほどの声を聞いてこちらに向かって来たようだが、一切気付かず立ち去って行った。

2020-07-26 18:39:19
ののい🦎 @nonoisanityzero

「……ふう、いきなり大声出すなよ……。ここは戦場なんだぞ?」 しっぽが手首から離れるとともに、青年は再び姿を現した。 「ごめんよ」 「お前を見つけたのが俺じゃなかったら、死んでたぜ?」

2020-07-26 18:50:27
ののい🦎 @nonoisanityzero

青年は自信ありげに言う。たしかに姿を完全に消せれば、ほぼ敵に見つかることは無いだろう。 「とりあえずここにいたら危ないぜ。あっちに進んだら警戒区域からは出られる」 桑太が出ようとしていた方向とは逆の方向を指す。

2020-07-26 19:02:25
ののい🦎 @nonoisanityzero

「きみはどうするんだ?逃げないのか?」 「俺はあいにく、ここでケンカを何とかするよう頼まれてるんで、離れられねぇんだ。まあ俺自身は逃げる方が得意なんだけどな」 「えっと、つまり俺一人で行けってこと?」 青年は頷いた。 「多分アンタなら逃げられるぜ、そんな気がする」

2020-07-26 19:02:25
ののい🦎 @nonoisanityzero

「――ありがとう。じゃあ行くよ。そうだ、きみの名前は……」 普通、たまたま少し会話しただけの通りすがりの人間に名前を聞いたりはしない。しかし奇妙なことに、今回ばかりは聞いておかなければならない気がした。 「んぁ?そうだな――」 青年はちょっと迷った表情を見せた。

2020-07-26 19:13:01
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まとめたひと
ののい🦎 @nonoisanityzero

イーサンに詳しい人です