James Blair, Derek Mitchell, Karina Blair 著、福井裕輝訳 星和書店 2009.7.11
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花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

刺激2に対して報酬が100%得られるが、Bペアでは刺激2に対して90%しか得られないなど)。サイコパスの子供は、偶発的変化が明確な時は応答の逆転をするのにまったく困難を示さなかったが、偶発的変化が不明確になるにつれて顕著な障害を示すようになった。

2017-02-11 17:30:42
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この結果は、偶発的変化を察知することが、サイコパスの子供と成人の両方で障害されているが、その障害の程度は成人ではより顕著であるという著者らの仮説を支持する。  腹外側前頭前皮質と反応制御 腹外側前頭前皮質は、運動反応の葛藤解消に大きく関与している。刺激によって複数の運動反応が

2017-02-11 17:38:08
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活性化された場合、眼窩前頭前皮質はその葛藤を解消して、その中のひとつの運動反応だけが行われるように適切に処理する。これまでに論じてきたのは、報酬/罰に対する予測とその予測の結果によって意志決定がなされるような状況であった。しかし、腹外側前頭前皮質はまた、報酬/罰に対する予測が

2017-02-11 17:47:09
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まったくない課題においても、反応の葛藤解消に関連する。こうした課題は、反応制御課題と呼ばれる。反応制御課題として、go/no-go課題とstop課題の二つがある。go/no-go課題では、被験者は、ある刺激群には反応し、そうでない刺激群には反応しないように指示される。

2017-02-11 17:51:08
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例えば、画面上に、X以外の文字が現れた時にはいつも、ボタンを押すように言われる。画像研究によると、go刺激の数と比べてno-go刺激が比較的少ない時(つまり、反応するほうが優勢な状況)、腹外側前頭前皮質が機能し、go刺激への反応と、課題に従って反応を抑制するという目的との間の

2017-02-11 17:57:28
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葛藤解消に関与することが示されている。stop課題では、刺激が提示され、stop信号が現れない限りできるだけ早くそれらの刺激に反応し、stop刺激が現れたら反応を停止するよう指示される。 反応制御課題は興味深い。なぜなら、これは眼窩/腹外前頭前皮質に関与しているが、報酬/罰を算定

2017-02-11 18:03:01
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したり、強化の偶発的変化を検知することには関係しないからである。したがって、反応制御課題は、サイコパスには、情動に根ざさない運動反応制御の障害があるのかどうかを直接検査することができる。反応制御課題を遂行する能力についての研究は、比較的少ない。しかし、go/no-go課題を用いた

2017-02-11 18:08:14
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3研究のうち2つで、サイコパスの障害が報告された。もう1つの研究では、課題の成績に問題はみられなかったが、サイコパスはno-goの施行時に、異常なERP反応を示すことが明らかになった。stop課題を用いた研究も1つだけあり、サイコパスはstop信号後の反応抑制が劣ることが示された

2017-02-11 18:16:51
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眼窩前頭前皮質と嫌悪条件づけおよび道具的学習  眼窩前頭前皮質のニューロンは、嫌悪条件づけ、道具的学習、受動回避学習における刺激に対してそれぞれ異なった反応をするというデータが存在する。図8-3に示したように、これらニューロンは、二つ以上の選択肢から一つを選ぶ必要がある時に重要な

2017-02-11 18:57:46
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役割を果たすと思われる。けれども、嫌悪条件づけや道具的学習そのものに重要であると考える根拠はまったくない。置かれた状況にただひとつの刺激しかないのならば、眼窩前頭前皮質が関与する必要はないはずである。この考えに合致して、眼窩前頭前皮質損傷は、嫌悪条件づけや、道具的学習/受動回避を

2017-02-11 19:03:01
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障害しない。このことは、眼窩前頭前皮質は偏桃体とは違い、上記のどの機能にも必要でないことを強く示唆する。以上のことから、成人のサイコパスに眼窩前頭前皮質の病変は存在するかもしれないが、このことで嫌悪条件づけや道具的学習の障害についてまで説明することはできない。

2017-02-11 19:06:25
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眼窩/腹外側前頭前皮質とサイコパスの発症  既述の偏桃体機能不全のエビデンスから、サイコパスにみられる眼窩前頭前皮質の病変の原因について、いくつかの可能性が考えられる。第一に、眼窩前頭前皮質の病変は、偏桃体の病変と発達的に無関係ということもありうる。例えば、偏桃体、眼窩前頭前皮質

2017-02-11 19:13:34
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それぞれの発達に対して、遺伝的影響が互いに独立して存在するのかもしれない。第二に、偏桃体と眼窩前頭前皮質との間には豊富な相互接続がある。偏桃体から眼窩前頭前皮質への求心性入力が欠如することによって、徐々に成長過程が進むにつれて、眼窩前頭前皮質の発達が阻害されるということもありうる

2017-02-11 19:18:27
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第三に、サイコパスは一般と比べて、重度な薬物乱用・依存、多剤使用を示す。アルコールや薬物依存の者は、眼窩前頭前皮質の機能を測る課題で成績が悪い。つまり、サイコパスが選択する生活様式が眼窩前頭前皮質の病変の原因であるということもありうる。

2017-02-11 19:22:54
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ここで注目すべきことは、応答逆転パラダイムの障害からも示されるように、サイコパスにみられる眼窩/腹外側前頭前皮質の機能不全は、反応的攻撃の増大に関連しているのかもしれないということである。第7章で、応答逆転が適切にできない者は、欲求不満となるリスクが高いことを論じた。

2017-02-11 19:27:06
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つまり、📌そうした人々は、偶発的変化が周囲に起きたとしても、それまで目標達成のために進めていた行動を容易に修正することができない。欲求不満が攻撃のきっかけになることはよく知られている。サイコパスは、眼窩/腹外側前頭前皮質の機能不全のために、反応的攻撃の増大を来すと考えられる。

2017-02-11 19:31:45
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結論 本章(第8章)では、サイコパスの発症についての認知神経学的モデルを展開した。このモデルの中核となる仮説は、サイコパスには偏桃体の機能不全が存在するというものである。偏桃体機能不全は、嫌悪条件づけ、道具的学習、恐怖や悲しみの表情認知の障害をもたらす。

2017-02-11 19:40:57
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こうした障害があることによって、他者に危害を加えるような行動を回避することができなくなり、社会化が妨害される。財産や尊敬を得る機会が乏しく、犯罪に手を染めてしまうような状況に置かれると、健常者に比べてサイコパスは容易にそれを実行に移してしまう。

2017-02-11 19:43:49
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さらに、サイコパスに眼窩/腹外側前頭前皮質の機能不全が合併している可能性についても指摘した。この機能不全のひとつの側面である逆転学習課題の障害は、偏桃体の病変と関連があるのかもしれない。しかし、別の側面である反応制御課題の障害は、偏桃体の病変と結びつけるのは難しい。

2017-02-11 19:47:39
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このことは、偏桃体に加えて、眼窩/腹外側前頭前皮質にも病変が存在することを示唆する。今のところ、偏桃体と眼窩前頭前皮質の病変が、どの程度発症の因子にそれぞれ関与しているのかについては不明確である。Id. at 190

2017-02-11 19:51:18