抜粋)⑧『サイコパス～冷淡な脳～』"the Psychopath: Emotion and The Brain" 2005.

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偏桃体機能不全仮説の限界 　報酬と罰の処理 著者らの基本的な考えは、神経レベルでは、サイコパスは偏桃体の機能不全と関連しているということである。認知／数理レベルでは、サイコパスは、偏桃体によってなされる感情表象の活性化が障害されているために、反応性あるいは学習が低下していると説明 pic.twitter.com/7Y9Ql0fogW

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される。感情表象は、他者の恐怖や嫌悪によって活性化される。これらの表象に対する反応性が低下することによって道徳的社会化が妨げられ、結果として、自分の目標達成の手段として反社会的行動を用いることを学習する危険性の高い者となる。

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偏桃体の主な機能は、刺激ー報酬および刺激―罰連関の形成である。偏桃体損傷のある動物は、報酬および罰に関連する行動の両方において障害を示す。サイコパスにみられる障害の多くは、刺激ー罰連関形成の障害／嫌悪刺激の表象低下によって説明されうる。事実、嫌悪条件づけと受動回避学習の両方とも、

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刺激ー罰連関の形成を必要とする。また、驚愕反射のパラダイムにおいて、大きな音に対する脳幹の驚愕反応を増強させる視覚的先行刺激は、条件刺激(それまでに罰との連関が形成されている刺激)である。さらに、悲しみや恐怖表情は、嫌悪無条件刺激と考えられている。

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しかし、サイコパスが刺激ー罰連関形成の障害／嫌悪刺激の表象低下を示すことが明らかな一方で、刺激・報酬連関形成の障害／欲求刺激の表象低下を示す程度がどれくらいなのかについてはあまりはっきりしない。サイコパスは、肯定的な視覚先行刺激による驚愕反射については適切に抑制されるが、

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否定的な抑制については反応が低下する。このことは、サイコパスでは、肯定的なものの処理は障害されていないことを示唆する。しかし、語彙決定課題において、ある文字列が意味ある単語をなしているか判断するように求められた場合、健常者では中性的単語より肯定的あるいは否定的な情動的単語に

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より早く反応するのに対し、サイコパスではこうした情動の優位性がみられない。また、Veronaらは、サイコパスでは、肯定的および否定的な聴覚刺激の両方に対して、皮膚伝導反応が低下することを報告した。さらに著者らのグループで最近行われた研究では、感情プライミングと意志決定パラダイムの

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両方を用いたところ、肯定的および否定的なものの両方において障害がみられるが、その障害の程度は、否定的なものでより顕著であることが明らかになった。こうした観点から、報酬と罰の弁別学習課題の結果は、非常に興味深いものであった。この課題では、被験者はコンピュータの画面上に表示される

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ふたつの対象から選択するよう指示される。しかし、10の異なる対象があり、そこから選択しなければならない。各セッションの初めに、10の対象(-1600,-800,-400,-200,-100,100,200,400,800,1600)の中からある数値がランダムに割り当てられる。

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各トライアルにおいて被験者に提示されるふたつの対象は、報酬と罰がひとつずつか、異なるレベルの罰がふたつか、異なるレベルの報酬がふたつか、のいずれかになる。被験者は、獲得する点数を最大にするか、失う点数を最小にするかのどちらかを選択する必要がある。この課題によって、報酬／罰のレベル

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の変化に対する感受性の評価が可能となる。1600点と100点がセットとなっている場合、1600点と800点のものに比べて選ぶのが容易になるはずで、実際そうした結果になる。📌しかし、サイコパスは、この課題の成績が非常に悪い。際立っているのは、そして健常群とまったく異なっているのは、

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この障害が、異なるレベルの報酬の時ではなく、罰を受ける時に深刻に現れるということである。(図8-6参照) 　これまで示したデータすべてが、報酬と罰の情報をコーディングする感情表象はどちらも、サイコパスでは障害されていることを示している。しかし、全体的には、報酬よりも罰の情報を

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コーディングする感情表象においてより機能的障害を来していることが示唆される。これらのデータに対してふたつの有力と考えられる仮説を表示する。仮説のどちらも、サイコパスにおいて肯定的感情表象は否定的なものに比べて機能的障害が軽度であることを踏まえている。

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しかしながら、ひとつめの仮説は、このように結果が一貫しないのは、単なる偶然に過ぎないと考える。つまり、刺激ー報酬連関の形成／反応性の障害に関する矛盾した所見は、処理形態の障害というより、課題が要求する強度に影響されるとみなす。もちろん、これだけでは満足のいく説明とはなっていない。

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報酬が関係する個々の課題において、その障害のレベルを決定する原理がどのように説明されるのか明らかになっていない。また、この確率論的な影響によるという説明は、様々な研究の間にばらつきがある一方で、欲求先行刺激による驚愕反射が適切に抑制されるという非常に一貫性のある知見には相反する。

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ふたつめの仮説は、恐怖機能不全モデルが抱える様々な問題を踏まえて発展した。単一の"恐怖"システムは存在せず、それは部分的に分離可能であり、サイコパスでは、その中のいくつかのみが障害されている。報酬に関連する処理については、理解しづらい面がある。しかし、これについても、

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システムが分離可能であると考えることによって、わかりやすくなる。VeronaらとMitchellによって示されたデータと、驚愕反射の調節に関するデータとの間の矛盾は、これに関してかなり有益な情報を与えてくれる。可能性として、肯定的な情報による驚愕反射を仲介する基本脅威回路の抑制は

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偏桃体を通らないルートで行われていると考えられる。実際に、偏桃体の障害が、視覚的脅威先行刺激による驚愕反射の増強を妨害するということについてはかなりのデータが存在するが、肯定的視覚刺激による驚愕反射の抑制を妨害することを示す論文はまったくない。ここで展開している理論が正しいと

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すると、偏桃体損傷は、肯定的視覚刺激による驚愕反射の抑制を妨害しないことが明確に予測される。事実、サイコパスにみられる機能的障害は、語彙決定課題、感情プライミング、報酬／罰弁別課題において、肯定的なものよりも否定的な情報で顕著であった。もちろん一方で、Veronaらと

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Mitchellらによって行われた課題では、なぜ肯定的・否定的両方の刺激に対して同程度の障害がみられたのかということについては未だ不明のままである。しかし、情動認知神経科学における報酬に関する処理の理解が今後進めば、これについても明らかになるであろう。

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(まとめ) 偏桃体によってなされる感情表象は、肯定的なものより否定的なものにおいてより顕著に機能的に障害されていると考えられる。言い換えれば、サイコパスでは、刺激ー罰連関の形成／反応性は、刺激ー報酬連関のものより障害されている。

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社会認知 偏桃体は、社会認知のある側面、特に顔刺激の情動認知において重要な役割を果たすと考えられている。ひとつめのパラダイムでは、被験者に、自然な表情をした様々な人の写真が提示され、その人が信頼できるかどうか判断するよう求められた。健常者は、信頼できる顔かどうか正常に判断するのに

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対し、偏桃体損傷がある患者は、異常なパターンの判断を行った。最近の神経画像研究により、健常者は、信頼できる場合より信頼できないと判断する顔に対して、偏桃体の活性が高まることが明らかになり、信頼性の判断に偏桃体が関与しているという考えがさらに支持された。

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ふたつめのパラダイムでは、被験者は、目の周辺だけの情報に基づいて、その人の複雑な社会的情動について判断を求められた。偏桃体損傷がある患者はこの課題ができず、また神経画像によって、課題遂行中に偏桃体が活性化されることが示された。しかしながら、これらふたつの社会認知課題に偏桃体が

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明らかに関与しているのにもかかわらず、📌サイコパスは、信頼性の判断でも、目から複雑な社会的情動を読み取る課題でも、障害を示さない。 　現在のところ、これら社会認知に関する明確なモデルは提案されていない。そして、これら社会認知機能と、刺激ー報酬／罰連関の形成に関する既知の偏桃体の

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役割とを関連づけて解釈しようとする試みはこれまでまったくなかった。社会認知機能には、偏桃体自体ではなく、偏桃体に隣接する皮質あるいは偏桃体を通り過ぎる繊維束が関与しているということも考えられる。しかし、社会認知に偏桃体が関与していると想定するならば、これまでに展開してきた

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偏桃体仮説をある程度限定する必要がある。サイコパスは、必ずしも偏桃体機能のすべてが障害されているわけではない。刺激ー強化連関の形成に関連するものだけが障害されており、その中でも、刺激ー報酬連関より刺激ー罰連関形成の障害がはるかに顕著である。

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これらの限界が示唆する意味 サイコパスは、偏桃体損傷患者と同等の障害を示すわけではない。刺激ー報酬連関形成や社会認知といった偏桃体が関与していると思われる機能は、サイコパスでは、軽度に障害されているだけか、あるいはまったく損なわれていない。

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このことは、サイコパスの根本的原因は遺伝子異常であって、偏桃体機能の全体が障害されて発症するのではないことを示唆する。つまりは、遺伝子異常がおそらく偏桃体機能のある一部と関連するある特定の神経伝達物質を阻害することで、より選択的に障害を与えていると考えられる。

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著者らの推測では、サイコパスの根底にある遺伝子異常が神経伝達物質の機能を阻害し、その結果、偏桃体の刺激ー罰連関形成の機能を特異的に低下させていると思われる。特定の遺伝子の多型性は、特定の神経伝達物質システムの機能を変化させうる。しかし、サイコパスではどの神経伝達物質が機能不全に

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陥っているのかは、まだはっきりはしていない。可能性として、📌ストレス／脅威刺激に対するノルアドレナリンの反応が阻害されているということがありうる。最近の興味深い研究で、ノルアドレナリンがヒトの意志決定時の嫌悪手がかりによる影響の調節に関与しているという指摘がなされている。

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さらに、薬理学的データによっても、ノルアドレナリンを操作することが悲しみの表情の処理に選択的に影響を与えることが示唆されている。ノルアドレナリン異常と反社会的行動／行為障害との関連を示した研究が、この仮説をさらに支持する。こうした観点から、📌不安障害でノルアドレナリン機能が増大し

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ているようであるという指摘は、重要である。つまり、サイコパスにみられる情動障害と正反対に、嫌悪手がかりに対して高い反応性を示す集団において、ノルアドレナリン機能が増大していることになる。

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したがって、サイコパスに存在すると考えられる遺伝子異常が、ノルアドレナリンのシステムを妨害し、嫌悪刺激の効果が弱められている可能性がある。 　(まとめ) サイコパスでは、ストレス／脅威刺激に対するノルアドレナリンの反応が障害されていると主張したい。

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偏桃体以外の機能不全 　偏桃体は、海馬、上側頭溝、紡錘状皮質、前帯状回、眼窩前頭前皮質など様々な構造物と神経接続している。偏桃体からの求心性入力が欠如することで、これらはいずれも障害を来しうる。さらに、あるいは代案として、遺伝子異常が神経伝達物質の機能を傷害しているとしても、

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その機能不全が偏桃体に限局されているということは考えにくい。もちろん、ある神経領域において、患者群が対照群より活動の低下を示すということだけで、その部位が機能不全にあると想定してしまうことについてもまた、慎重になる必要がある。ある神経領域が機能不全や刺激に対する反応性の低下を

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示しているのならば、そこから入力を受けている領域もすべて、活動低下を示すだろう。例えば、サイコパスは、前帯状回の機能低下を示すことが示唆されている。しかし、この指摘は、情動記憶課題施行中に活動低下がみられたという結果を基にしている。情動記憶には偏桃体が関与しており、偏桃体もまた、

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サイコパスにおいて活動低下がみられた。著者らは、サイコパスに前帯状回の機能不全があるという近年のデータに納得していない。実際に、ストループ課題によって示される認知的葛藤現象への対応のような前帯状回が必要とする機能は、サイコパスでは障害されていない。しかし、著者らは、サイコパスでは

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偏桃体機能のある一形態だけが損なわれていると主張しているのではない。サイコパスが、眼窩／腹外側前頭前皮質の機能不全も呈しているという確かな証拠が存在する。それは、サイコパス研究で注目を集めてきたふたつの機能、すなわち、応答逆転／減衰と反応制御である。

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眼窩／腹外側前頭前皮質と応答逆転 応答逆転は、刺激の偶発的変化に対応して反応を変化させることに関係する。つまり、それまでは報酬が得られたが、現在は罰を受けるような反応を行わないことを学習することである。逆転はここでは重大な要素で、被験者はある刺激に対する反応を逆転する必要がある。

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したがって、応答逆転は、受動回避課題とは関係しない。受動回避は、ある刺激には反応し、別の刺激には反応しないように学習するだけで、刺激に対する反応を逆転させる必要はない。応答逆転については、眼窩前頭前皮質が決定的に関連していることを示す神経心理学的・脳機能画像的研究が多く存在する。

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図7-2のモデルの中で、眼窩前頭前皮質は、応答逆転において、強化に対する予測と実際の結果とのずれの程度を測る役割を持つものとして提示されている。このことは、もし眼窩前頭前皮質に機能不全があれば、応答逆転が障害されることを示唆する。さらに、機能不全の程度が著しくなればなるほど、

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偶発的変化を見つけ出すことが困難になると考えられる。サイコパスは、子供でも成人でも同程度に、受動回避、恐怖表情の処理、嫌悪条件づけといった偏桃体機能を測定する課題で成績が悪い。しかし、サイコパスの子供が、応答逆転や消去など眼窩前頭前皮質の機能を反映する課題で成績が悪いことを示す

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エビデンスは乏しい。Newmanのトランプ遊び課題は、消去機能を測定する。被験者は、カードを引き続けていく中で、報酬が得られる可能性が徐々に減っていくことを察知し、カードを引くことをやめるようにならなければならない。サイコパスの子供や成人はどちらも、この課題の成績が非常に悪い。

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しかし、次元内／次元外(ID/ED)パラダイムもまた、応答逆転を必要とする。被験者は、それまでは報酬を得られたが、今では罰を受けるようになった対象に対しては、選択をしないよう逆転する必要がある。📌サイコパスの成人は、この課題で顕著な障害を示すが、子供は示さない。

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ではなぜ、サイコパスの子供は、応答逆転に関連するある課題はできないのに、別の課題はできるのだろうか？　ここにあげた二つの課題の大きな違いは、偶発的変化がどれくらいはっきりしているかということである。トランプ遊び課題では、10回の試行を進めるにつれて強化比率が10%ずつ減少する。

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ID/ED課題では、最初に設定された学習条件がいったん達成されれば、強化比率は100%から0%にまで一気に変わる。このことは、📌偶発的変化を察知するという点では、サイコパスの子供と成人の両方が障害されているが、その障害の程度は成人でより顕著であることを示している。

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さらに、サイコパスの子供は、偶発的変化があまりはっきりしなければ障害を示し、また、📌どれくらい障害を示すかは、偶発的変化の現れ方に依存するであろうことを示唆する。著者らは、確率的応答逆転パラダイムを用いて、この仮説を検証した。この課題では、被験者にはペア刺激が提示された。

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それぞれのペアにおいて、ある刺激は別の刺激より報酬を受ける可能性が高かった。その可能性は、ペア全体を通して異なった(つまり、Aペアでは刺激１に対して報酬が100%得られるが、Bペアでは刺激１に対して90%しか得られないなど)。ある回数の試行の後、状態が逆転する(つまり、Aペアでは