読みものとしてある程度まとまっているツイート
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とかげのしっぽ @wr_erimark

やっぱり人間の仕業じゃなかったのか、とぼんやり思いつつ、出口がどこかも分からないのに這いずって逃げようとしてると目ざとく見つけられる。 「あ、テメッ、」 後頭部掴まれて床に押し付けられて、背中も踏まれて体重掛けられてるせいでまともに動けなくなる。→

2021-10-24 13:36:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

ケホ、と息苦しさを覚えながら息を吐くと、苛立ちが増してくる。 「……れが、」「あ?」「かんたんに、食えると、思うな、ばか」 と虚勢を張って上に乗っかる不逞の輩を睨みつける。 普通の人間に見えた。もっと妖怪じみた姿を想像していたから何だか拍子抜けしてしまう。→

2021-10-24 13:36:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

こいつらより凄んだ取り立て屋さんの方がよっぽど怖いなァ。と口角を上げる先生に腹を立てたのか、大きな舌打ちをして、「食っちまう前にその舌を抜いてやるよ」と後ろの髪を引っ張った後、何度も頭を床に打ち付けてくる。虚勢を張ったものの、まずいかなぁ。なんて痛む頭で考える先生。→

2021-10-24 13:36:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

「コラ、」と叱るような声と共に卵と熟れた果物が床に落ちたような硬質な音と濡れた音が背後から聞こえる。「あァ、やってしまった。カッとなると、つい」どうしましょうね。と続ける聞き馴染んだ声が。 「先生、遅くなってしまってすみません」→

2021-10-24 13:36:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

床から抱き上げられると、頭のどこかが切れていたらしくこめかみから顎に垂れていった。 「まさか仲間が居たとは思わず……。すみませんでした」「……しぬかと思いました」「もう、大丈夫ですからね」 っていう夢を見ました

2021-10-24 13:57:33

みじかいの

とかげのしっぽ @wr_erimark

脱稿出来なかった先生「今年は秋刀魚が不漁でしたね」 「そうですね」 「不漁だったからと言って誰も漁師を責めたりしないでしょう」 「そうですね」 「だからマァ……、そういうことです」 「上手いこと言ってうやむやにしようったってそうはいきませんよ」

2021-10-12 21:38:30
とかげのしっぽ @wr_erimark

先生と友人の会話文 フリートしたいがために急いで書いたのに不具合で出来なかった悲しい経歴を持っている pic.twitter.com/ALDmPWSUpq

2021-10-17 00:38:31
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とかげのしっぽ @wr_erimark

折り方は知ってるけど不器用過ぎてきったない鶴しかが折れない先生かわいいね……

2021-10-31 09:37:49
とかげのしっぽ @wr_erimark

子供「先生、いい?端と端はちゃんと合わせてね」 先生「はい」 完成 子供が作った鶴の方が綺麗。先生のはどうしても何か汚い 先「なぜ」 取「スーッッッッッッッ(笑いを堪えている顔)」

2021-10-31 09:50:44
とかげのしっぽ @wr_erimark

人が多いかつ、近くまで行けない場所で取り立て屋さんを呼ぶ時に「ねぇ」とも「お前」とも呼べなくて、でも大声で名前を呼ぶのも何か嫌だし、口をぐにぐにさせた後、「多津美」って呼んだら小声なのにぐりんって首回してこっち見て近寄ってくる取り立て屋さんに、ウワァ(恥ずか死)する先生

2021-10-31 15:27:55
とかげのしっぽ @wr_erimark

何かの集まりの席で飲んでる取り立て屋さんの肩を叩いて、こちらに振り向かせた後、顎を下から掴んで「首までこんなに赤くして。ほどほどになさいよ」って言って自分は先に帰る先生

2021-11-02 19:13:43
とかげのしっぽ @wr_erimark

取り立て屋さんは酔ってるから何されたのか理解が追いついてなくて「……?………………????」ってなりながら先生が帰るなら僕も帰りますってついて帰る。酒瓶を(無断で)持って

2021-11-02 19:18:49
とかげのしっぽ @wr_erimark

帰ってる途中に(なんかすごいことされたなぁ……先生気付いてるのかなぁ……犬猫の顎の下触ったくらいにしか思ってないんだろうなぁ)って思う取り立て屋さんと実際にその程度にしか思ってない先生

2021-11-02 19:35:15
ひとひら言葉帳 @kotobamemo_bot

どこの誰でもない人のように 彼はゆっくりと生きた人だった。死ぬまえに、彼は小さな箱をくれた。「大事なものが中に入っている」彼が死んだ後、その箱を開けた。箱の中には、何も入っていなかった。何もないというのが彼の大事なものだった。/長田弘「箱の中の大事なもの」

2021-11-03 04:13:50
とかげのしっぽ @wr_erimark

「この箱の中に大事なものが入っているから私が死んだらお前が一番に開けなさい」って生前、先生が言っていた箱を取り立て屋さんが開けたら、鏡が一枚と万年筆が一本入っていた。万年筆は分かるけど鏡の理由が分からなくて知り合いに聞いて回ったら、その中の一人が答えくれる話

2021-11-03 09:32:33
とかげのしっぽ @wr_erimark

「万年筆は分かるのですが、鏡の意味が……、先生は自分の容姿を気に入っているナルシシズムな方ではありませんでしたし……」 「鏡ってどんな風に入っていたんですか」 >実際に見せる。箱を開けた人の顔が写るように置かれている 「アンタに一番に開けるように言ったんだよな」 「そうです」

2021-11-03 09:37:29
とかげのしっぽ @wr_erimark

「先生も中々の浪漫屋だね。大事なものってアンタの事だよ。アンタが一番に写るようになってんだから」

2021-11-03 09:37:30

先生に取り憑いてる奴と取り立て屋さんのキャットファイト

とかげのしっぽ @wr_erimark

「最近、首と肩の凝りが酷いんです。やはり歳には敵わないものだね」なんてため息混じりに呟いた先生の肩に女の腕が巻きついている のが見えて、誰だか知らないけれどいい度胸してますね。ってキレてる取り立て屋さん と何か最近イライラしてるなぁって思ってる先生

2021-11-05 23:50:44
とかげのしっぽ @wr_erimark

親戚筋の女がありがた迷惑にも守護霊気取ってるのか、未練タラタラの想い人の生霊か、それともどこかで拾ってきたのかくっついたのか 力任せに剥がしてやりたいけど、固く抱きついているので下手に触ると危害加えてきそうだから困ったなぁって考え込んでる取り立て屋さん

2021-11-05 23:54:27
とかげのしっぽ @wr_erimark

「……何に、怒っているんです」 「えっ」 「そうやって睨まれていると居心地が悪いったら」 「あ、いや、先生に対してではなくて」 「じゃあ何だって言うんです」 「それは……ですね……」 不満顔の先生に詰め寄られてしどろもどろになっている取り立て屋さんを笑うように腕が揺れる。→

2021-11-06 00:08:26
とかげのしっぽ @wr_erimark

そのままするすると先生の顎をあやす様に撫でるから、その腕の動きに堪忍袋の緒が簡単に切れた取り立て屋さんがスッ、と表情を消して目を細めてその腕を見詰めるんだけど、先生は自分へ向けられたものと思って肩を震わせる。→

2021-11-06 00:08:26
とかげのしっぽ @wr_erimark

取り立て屋さんが真顔で先生との距離を詰めると、防衛本能が働いたのか腕が先生の首に爪を立てている。脅しのつもりなのだろう。取り立て屋さんにしてみればそんなもの逆効果で『そこに居座るためなら手段を選ばない、守るどころか傷をつけたって構わない』と思うような存在は特に要らない訳で。→

2021-11-06 00:23:56
とかげのしっぽ @wr_erimark

「先生、少し痛いと思います。我慢なさってくださいね」 と萎縮してる先生に微笑みかけて、(先生には「こういう状況で微笑み掛けられる方が怖い」と後に言われる)腕を剥がしに掛かる。 ミミズみたいに動き回る腕を片手でまとめて持って窓の外にポイ→

2021-11-06 00:23:57
とかげのしっぽ @wr_erimark

自分の首を両手で押さえ困惑した顔で窓の外と取り立て屋さんとを交互に視線を送る先生 「今のは、いったい、」 「すみません、悪い虫がツいていたので。何か違和感が残っていたり、痛みがあったりしますか」 「いえ、特には。むしろ軽くなったような」→

2021-11-06 00:31:39
とかげのしっぽ @wr_erimark

「それは上々。ついでに肩でもお揉みしましょうか」 「いりません」 「マァマァ、そう遠慮なさらずとも」 取り立て屋さんの冷えた手をうなじに当てられてギャアと叫ぶ先生の後ろで取り立て屋さんが窓の外に視線をやって、意地悪く微笑むシーンで終わりです。

2021-11-06 00:31:39
とかげのしっぽ @wr_erimark

「身なりはそれなりに気を使っておかないと舐められますからね。特に靴はその人の性格が出るなんて言われていますから」 「ふゥん……。では私の靴はどんな風に見えますか」 「…………物持ちがよろしいようで」 「言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ」 「今度、靴を買いに行きましょうね」

2021-11-14 17:48:22

三尸の虫ネタ

とかげのしっぽ @wr_erimark

『庚申の日に三尸の虫が天帝にその人の罪を報告しに行く』を元に考えていた『その国(町・村)では一切の罪を隠すことはできない。神様は全部知っている』という話

2021-11-19 23:58:55
とかげのしっぽ @wr_erimark

年に数回ある祭りの日にはそこに住む者たちは皆、朝まで起きている。この祭りは、自分たちの体の中にいる「虫」が祭りの日に体から出て行って、神社の本殿にいる神様へ自分たちが犯した罪を報告しにいくのを防ぐためのもの、らしい。 にわかには信じ難いが、実際に自分しか知らないような秘密が→

2021-11-20 00:15:30
とかげのしっぽ @wr_erimark

その『神』とやらの導きによって白日に晒されてしまった事例は数多くあるのだという。 「俺もねぇ、家の皿を割っちゃって。女房に内緒に処分したんだけど、バレちゃったんだよね。やっぱり神様に秘密事はできないねぇ」 だからここでは『秘密をしないこと』『犯した罪はちゃんと謝罪すること』→

2021-11-20 00:15:30
とかげのしっぽ @wr_erimark

が暗黙の了解になり、幼い頃からも親兄弟に教わっているのだと柔和な男は話した。 「先生は旅行者だけど、祭りの日だからなぁ。もしかすると秘密にしてる事がバレちゃうかもよ?」 「それは困ります」 「何でお前が困るんです」 「だって先生の頭の中ですよ?未だ書けていない小説のネタが世に→

2021-11-20 00:15:31
とかげのしっぽ @wr_erimark

出る前にその神様とやらに読まれるなんて!盗作されたらどうするんですか!」 「問題はそこでは無いと思います。……マァ、知られたくない秘密は誰しもありますからね、少し困ります」 「じゃあ頑張って朝まで起きてなきゃな!神社の境内にみんな集まるから、二人も来なよ!」

2021-11-20 00:15:31
とかげのしっぽ @wr_erimark

その日の夜中、住人たちに混じって夜更かししていると、取り立て屋さんの姿が見えないと気付く先生。周りの人に聞いてみると、トイレに行っただの、飲み物を取りに行く人の手伝いをしに行っただのと誰もまともに知らない模様。 まぁ取り立て屋さんのことだし大丈夫だろうとは思いつつ、→

2021-11-20 00:37:07
とかげのしっぽ @wr_erimark

境内を一周することに。 そんな取り立て屋さんはどこに行ったかと言うと、神社の本殿。ここに来た時から何か気持ち悪い物を感じ取っていた。それは先生にも絡まっていて、何度払っても気がつくとまた指先やら腕やらに絡まっている。 住人の話を聞いて、合点がいく。→

2021-11-20 00:37:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

ちょっかいを掛けられている。だから少し文句を言いに。 錠前のない本殿の扉をゆっくりと開けると奥の祭壇に男が座っている。 「こんばんは。良い夜だね。みんなの元気な声がここまで聞こえる。良い夜だ」 「随分高尚な趣味をお持ちのようで。盗み見するには良い夜でしょうね」→

2021-11-20 00:37:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

「これは仕事みたいなものなんだけど。まぁまぁ、本題を聞こうかね」 「先生にちょっかい掛けるのは止めてください」 「無理だよ、言っただろ。これは『仕事』なんだよ。この日にここに居る人間の秘密も罪も、遍くここに集まるんだ。それを見て、精査するのが『仕事』とはいえ→

2021-11-20 00:37:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

キミが目をつけている人間に手を出してしまったのは謝るよ。キミが許して何もせず明日には出て行ってくれるなら、『先生』の秘密を教えてあげる」 「…………」 「知りたいだろう?あの人が何を思っているのか。自分がどう思われているのか」 「要りません」 「おや。にべもない」→

2021-11-20 00:37:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

「先生が僕に話さないのであれば、僕に先生が話したくないということです。それを僕は一生知らなくたっていい。貴方みたいに、何でも知っていなければ満足できないヒトとはちがいますから。ですが、それは渡してもらいます」 と男が持っている巻物のような何かを指さす。→

2021-11-20 00:57:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

「仕事なんだけどなぁ、……分かった分かった。要求を呑まなきゃ今ここで暴れるみたいな顔しないでくれ。はい消した。これで満足だね」 「ありがとうございます。良い夜ですね、ここに明日が来なければいいくらいに」 にっこり笑って乱暴に本殿の扉を蹴って出ていく取り立て屋さん→

2021-11-20 00:57:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

「こわいこわい。キミが隠す執心を先生に見せてあげたいくらいだよ」 本殿にいる男は肩を竦めてそう呟いた。 本殿を出て、遠回りをして鳥居から入ってきた取り立て屋さんを住人が見つけ、「おーい!居たよー!」と先生に教えてくれる。 「どこに行っていたんです」 「すみません、ちょっと→

2021-11-20 00:57:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

野暮用で宿へ戻っていました」 「……そう。また私に話せないことをしているのだと思いました」 「いやぁ、そういう訳では」 「お前の『虫』が神様にどんな報告するのか聞いてみたいものだよ」 先生が聞いてくれるなら、否定しないでくれるなら、すべてを話してもいいんだけどな。→

2021-11-20 00:57:33
とかげのしっぽ @wr_erimark

「いえ、僕も先生と同じことを思っていましたから」 終

2021-11-20 00:57:33
とかげのしっぽ @wr_erimark

「ありがとうございます。良い夜ですね、ここに明日が来なければいいくらいに」 訳(ありがとうございます。胸糞悪い夜ですね。一晩で壊滅してください)

2021-11-20 01:02:13

取り立て屋さんが車の運転が苦手な理由

とかげのしっぽ @wr_erimark

使わなさそうなのが出てきたので供養 「流通している車の規格と身体の大きさが合わないので、運転しにくくて……あまりしたくないんですよね」  あの車のゆったりとした後部座席ですら狭そうにしていたのだ。そんな男が運転席に座れば幼児向けの三輪車に大人が跨っているような違和感しかないだろう。

2021-11-27 23:52:14
とかげのしっぽ @wr_erimark

「先生、笑いたいなら大声で笑ってくださって構いませんよ」  正面から背けた顔を手で隠し、肩を震わせ笑いを我慢する私にどこか拗ねたような刺々しい声がちくちくと刺さる。私は腹をくすぐり続ける笑いを飲み込むように珈琲を一口啜り、大きく息を吐いた。 「背が大きいのも考えものだね」→

2021-11-27 23:52:14
とかげのしっぽ @wr_erimark

「こんな所で不便を強いられるとは思っていませんでした。外国の車も視野に入れているのですが、手続きが色々と面倒で。もし車が手に入ったら先生の様子を窺いに行くのも楽になりますよね。頑張ります」 「……車の会社に脅迫状でも送ろうかしら」→

2021-11-27 23:52:14
とかげのしっぽ @wr_erimark

「『大きい規格の車を作るな』とでもお書きになるので?」 「いえ、『この男に車を売るな』と」

2021-11-27 23:52:48
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