読みものとしてある程度まとまっているツイート
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とかげのしっぽ @wr_erimark

先生は、いつもはあんな感じで誰とでも普通に喋れるけど、メンタル激弱で自分で自分のメンタル追い込む系のお人なので、時々発作みたいにボロボロになる事がある。 浜辺にある砂の城みたいに波に崩されて更地みたいにこの世からすり減っていきたくなる時くらいある。

2021-07-10 00:57:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

そういう時は塩舐めて水飲んで、体をこれ以上ないくらいに小さくちいさく折り畳んで、部屋の隅か、かび臭い押入れの中でずっと寝る。嵐が過ぎ去るまでずっと眠る。寝るまでの諸症状は色々。目眩から幻聴やら吐き気とか

2021-07-10 01:01:21
とかげのしっぽ @wr_erimark

取り立て屋さんはその事をまだ知らない。毎日来るわけじゃないから。よく来ても月3回くらいなので

2021-07-10 01:04:53
とかげのしっぽ @wr_erimark

見かねた取り立て屋さんが「一緒に暮らしますか」って先生に訊ねたら「何でお前の顔を年がら年中見ないといけないんですか。嫌です」って答えてくれるのでまだ大丈夫です

2021-07-10 00:43:29

深酒して理性が飛ぶ先生

とかげのしっぽ @wr_erimark

酒を飲むと気分がよくなる。絡まってほどけなくなった糸がゆるりとゆるむような開放感。階段を踏み外した時の一瞬の浮遊感。水中をたゆたう心地よさ。何でもできてしまいそうな高揚感。後に吐き気と頭痛と倦怠感が待っていると理解してもなお、酒を飲んでしまうのだから人間が愚かだ。→

2021-07-26 23:03:19
とかげのしっぽ @wr_erimark

深く酒に酔うと、たまに自分の腹の奥底に煮詰められている釜を見つける事がある。火に掛けられ、カタカタと蓋を震わせ、たまに蒸気を吹きこぼすそれが何なのか私は知らなかった。自分のものであるのに。 今晩はそれがよく見えた。 その釜へ足を進めるにつれ、押し戻そうとする波が強くなる。→

2021-07-26 23:03:19
とかげのしっぽ @wr_erimark

もう少し、あとすこし、釜の縁へと手が届く。

2021-07-26 23:03:19
とかげのしっぽ @wr_erimark

「だめですよ」 静かな声が真後ろから聞こえ、伸ばした手を後ろからすくい取られた。そのまま手を引かれ、半回転。 「なに、やってるんですか」 たくさんの感情を込めてぶるぶると震える唇は、今にも泣き出しそうな音を連れていた。→

2021-07-27 00:40:46
とかげのしっぽ @wr_erimark

「しににいくように見えましたか」 「誰がどう見たって」 「……それなら、それは、そう見えただけです」 「けれど僕が止めていなかったら貴方は溺れていたでしょう」 「そうだね」 手首に回った指の力が強くなった。骨が軋み、血が塞き止められ、指先が少しずつ痺れてきている。→

2021-07-27 00:40:46
とかげのしっぽ @wr_erimark

酔いは既にさめていた。 「二度と、こんな真似はよしてください」 「ええ。前に約束も、したでしょう。だからもう泣きやみなさいよ」 「ないてません」

2021-07-27 00:40:46

一周年で出した短いもの

とかげのしっぽ @wr_erimark

① メンタルが地の底まで落ちた時の先生の話 前身となるとツイートでフォロワーが二次創作してくれたから私は気が向いたら書く pic.twitter.com/BYlQ2Brfb8

2021-08-16 00:32:01
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とかげのしっぽ @wr_erimark

②先生と友人の他愛ない会話 友人の話(過去編)は本編に入れる隙間がないので、長々と書きたい。 pic.twitter.com/hoQzudYQvc

2021-08-17 00:09:30
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とかげのしっぽ @wr_erimark

③お嫁に行く女性と取り立て屋さんの話 あの二人はこういう事だよ この話は八割できているので番外としていつか出します pic.twitter.com/KIFkWdDvfN

2021-08-18 00:31:17
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とかげのしっぽ @wr_erimark

④愛をこめてあこがれとじかいを 隣の花は赤く見える先生。美しいと惚れ惚れするのと同時に目を逸らしたくなるくらい苦しくなる。 pic.twitter.com/Bdfzo88eT5

2021-08-19 07:15:17
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とかげのしっぽ @wr_erimark

⑤葬式の帰り道 その考えに行き着くのは人に胸を張れる人生ではないと思っているからなのかもしれない。 pic.twitter.com/oATiB21toc

2021-08-20 00:25:12
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とかげのしっぽ @wr_erimark

⑥取り立て屋さんの吐露 取り立て屋さん視点の言葉は色々書いてあるけれど、それをどこで切るか。その展開が出てきません。 pic.twitter.com/12mJ1tjeBx

2021-08-21 23:51:04
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とかげのしっぽ @wr_erimark

⑦取り立て屋さんを褒めるだけの言葉を書きたかった。 「褒め過ぎやろww」って?分かる。私もそう思う 三時間ちょっとでここまで書けるんだから私もまだまだ捨てたものじゃないな。と思いました。 pic.twitter.com/2QEntbyfHf

2021-08-22 00:00:42
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先生と友人とその奥さん

とかげのしっぽ @wr_erimark

先生と友人と友人の嫁さん 「そろそろお暇します」 「なあんだもう帰るのかね。もっと居たらどうだ。飯も食っていきたまえ」 「いえ、そこまで世話になるわけには」 「うちのが作る料理は絶品なんだぞ。食っていけ」と押し問答していると 「あなた、ちょっとよろしい?」と奥さんが現れる →

2021-08-29 01:55:50
とかげのしっぽ @wr_erimark

「丁度いい所へきてくれた。こいつが帰ると言って聞かないんだ。キミからも何か言ってやってくれ。こいつは学生の頃からこうやって頑固者でなぁ」 「そのお話は耳にタコができるくらい聞きました。主人もこう言っておりますし、お夕飯を召し上がって行ってくださいな。→

2021-08-29 01:55:50
とかげのしっぽ @wr_erimark

もう三人分を作ってしまいましたから」 しまった、という顔をする先生。もっと早くに帰ればよかった。彼の話が長いからだ。などと思う。二人で食べきれないだの、食べないのなら持って帰れだの言われて根負けして夕飯を頂くことに。 夕食後に縁側(か庭)で一服してると、桶を持った友人が現れて→

2021-08-29 01:55:50
とかげのしっぽ @wr_erimark

銭湯に引き摺られて行く。電車もないし、風呂入ったら歩いて帰るか。と思って、最後に奥さんへ礼を言いに友人宅に戻ったら、そこには客間に敷かれてある布団。頭を抱える先生。 善意を断れなくて結局泊まりました。 めでたしめでたし

2021-08-29 01:55:50

現代軸

とかげのしっぽ @wr_erimark

現代時空の先生と取り立て屋 電子レンジの隣に見慣れぬものが置いてあるので今日も今日とて取り立てに来ていた男に「何です、これ」って聞いたら「コーヒーメーカーですよ。この家、水以外何もないので僕が飲む用に」「家主に断りもなく……」「粉代も本体代も僕が出してるんだからいいでしょう」→

2021-08-01 12:00:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

「先生も飲みたくなったら使っていいですよ」 まぁコーヒー嫌いじゃないし良いか……って許したのが最後、それから色んな物を家に置かれるようになる

2021-08-01 12:00:08
とかげのしっぽ @wr_erimark

先生も先生でコーヒーで空腹を誤魔化すようになるから駄目

2021-08-01 12:04:32
とかげのしっぽ @wr_erimark

自創作二人コ○トコ行って 先生は袋いっぱいに入ってるパン買って 「食べられるんですか?」 「冷凍して一個ずつ食べます」 「(一個ずつ……)二袋買いましょ」 「冷凍庫に入りませんよ」 「冷凍庫買ってあげますから」 「????????」

2021-09-11 00:37:23
とかげのしっぽ @wr_erimark

現代時空の自創作 「お前ね、ランニングコストって知ってます?」 「ラン……?」 「維持管理費の事です。お前が何でもかんでも買ってうちに置いていくからほら、電気代がこんなに。持って帰んなさい」

2021-09-11 00:39:33
とかげのしっぽ @wr_erimark

「この冷凍庫だって買い換えるからって言うから貰ったけどね、一人暮らしでこれは大き過ぎるし入っている物の八割はお前の買ってきた物ですよ」 「勝手に食べていいですよ」 「賞味期限が過ぎそうな物は貰ってます」 「左様で」

2021-09-11 00:43:38
とかげのしっぽ @wr_erimark

ペアフレグランスの話 取り立て屋さんが香水を二つ貰う。「一つは気に入ったけどもう一つは自分には似合わないな。先生は似合いそう」って思って「貰ってください」って渡しに行く。 その後、二人でどこか出かける時に、二人ともつけて行って周りのモブが「は??」ってなる のはライン超えてますか

2021-09-13 22:33:01

先生がまた体調崩す話(取り立て屋さん視点)

とかげのしっぽ @wr_erimark

秋の寒い日と暑い日が交互に続き、流石の僕ですら身体のだるさを実感し始めた肌寒い日に、先生は再び病床に伏した。 僕が部屋を訪れた時、先生は押入れの下部で薄い布団にくるまり、隠れるように小さくなって眠っていた。 先生、驚かせないよう、囁くほどの声で呼びかける。→

2021-09-21 20:10:09
とかげのしっぽ @wr_erimark

起きる兆しはない。ふぅふぅと荒い呼吸と共に揺れる肩は触れるだけで分かるほどに熱い。静かに仰向けにし、顔を見ると目元が赤くなっていた。 泣いていたのだろうか、こんな、狭くて、くらい場所で、誰にも見つからないように、ひとりで。 どうしてもっと頼ってくれないのか。→

2021-09-21 20:10:09
とかげのしっぽ @wr_erimark

なんて恨み言のような想いが噴き出てくる。 四六時中一緒に居ないは自分の方だ。誰だって居ない奴を頼りはしない当たり前だ。近くに居たって、頼ってはくれないだろうけれど。 悔しさに歯噛みする。しかし、そこまでの信頼を得られていないのだと自覚して、勝手に落ち込んでいる暇はない。→

2021-09-21 20:10:10
とかげのしっぽ @wr_erimark

起こさぬようゆっくりと弛緩しきった身体を抱え、布団へ降ろす。 布団を掛け直す時に見えた腹の薄さや顕著に浮き出た頬骨に眉をひそめた。食事をされていないのだろうか。「毎日三食も食えるだけの稿料を払ってくれるなら別です」などと言っていたのを思い出す。→

2021-09-21 20:10:10
とかげのしっぽ @wr_erimark

元々、食に頓着のない人だ。食事を抜くことだってあるし、食べる量だって少ない。 「もっと食べないと」 諌めるように言ったって眠っているから無駄なのに。 この人と出逢って無駄なことを多くするようになった。こうして、眠るこの人の胸に手を置いて、一定に刻まれる心臓の鼓動を、→

2021-09-21 20:10:10
とかげのしっぽ @wr_erimark

呼吸と共に膨らむ肺を、布越しに滲む体温を確かめたって意味はない。 生きているかどうかなんて見れば分かるからだ。それなのに確かめずにはいられない。 胸から手を離し、肩まで布団を掛ける。押入れから冬用らしき掛け布団を見つけ、それも掛けてやる。 傍で見ていたい気持ちをぐっと堪え、→

2021-09-21 20:10:11
とかげのしっぽ @wr_erimark

部屋を後にした。まずは冷たい水とそれを汲める桶、手拭いだ。 「あ、先生、どうでした?」 と女中さんに声を掛けられる。 「熱を出されておりました」 「それはタイヘン!。朝炊いたお米が残ってるから、それでお粥でも作りましょうか」 「ありがとうございます。是非お願いします」→

2021-09-21 20:10:11
とかげのしっぽ @wr_erimark

女中さんの言葉に甘え、調理を任せる。こうして世話を買ってでてくれる人間は時に助かる。時に面倒だと思うこともあるけれど。 先生が起き次第食べさせるから完成したらそのままにしておいてほしい。とだけお願いして、借りた桶に水を張り、先生の部屋へと戻った。→

2021-09-21 20:10:12
とかげのしっぽ @wr_erimark

先生は仰向けから横向きに転がり足を小さく折り畳んで眠っていた。眉間には深い谷が刻まれており、夢見が悪いと告げている。 先生の身体を仰向けに戻し、水に浸した手拭いを固く絞って額に乗せようとして、額の熱さに驚いた。 ひどい熱だ。冬の時もそうだったけれど、先生は体調を崩すと高熱を出す→

2021-09-21 20:10:12
とかげのしっぽ @wr_erimark

体質らしい。いつも頭を酷使していらっしゃるから、熱暴走のようなものなのかもしれない。 兎にも角にも一度起きてもらって解熱剤を飲ませよう。 熱が移ってすぐにぬるくなってしまった右手と手拭いを外そうと持ち上げようとして、下から伸びてきた手に阻まれた。 →

2021-09-21 20:10:12
とかげのしっぽ @wr_erimark

起こしてしまったか。と顔から手を避けると、先生はとろりと目を溶かし、夢うつつな表情で捕まえた手を見つめていた。 つめたい、と声に出さず呟いて手に頬を寄せると、またころりと横向きに転がって、そのまま眠ってしまわれた。 ──まいった。ほんとうに参ってしまう。どうしたらいいんだろう。→

2021-09-21 20:10:13
とかげのしっぽ @wr_erimark

空いている手で手拭いを水に浸し、適当に絞って自分の頬に当てると、すぐにぬるくなってしまった。 終

2021-09-21 20:10:13

④の後、先生が誘拐未遂される話

とかげのしっぽ @wr_erimark

④の数日後っぽい 数日泊まっていた取り立て屋さんが帰った日?先生が煙草を買うついでに散歩していたら「先生」って後ろから声を掛けられる。 それが取り立て屋さんの声だったので「忘れ物でもしましたか」って振り返った所で暗転。 潮で腐食した木の匂いとカビと埃っぽい薄暗い場所で目が覚める→

2021-10-24 11:03:01
とかげのしっぽ @wr_erimark

そんな場所で寝転がされているだけなのに身体と頭が痺れている感じがして上手く動かせない。 誰かと誰かの喋り声が聞こえるからそれに耳を傾けていると、「やっぱり脳だろ」「心臓だって」「馬鹿、少しでも痛かったり怖がられたりすると苦くなんだよ。生きたまま、夢見心地が一番旨いの。→

2021-10-24 11:12:20
とかげのしっぽ @wr_erimark

お前食ったことないだろ。騙されたと思っていっぺん食ってみろよ」「旨くなかったら次もお前取ってこいよ」「分かった分かった」 とか何とか魚の調理の仕方で口論してるくらいの調子で言い合ってる。 食べる?いやまさか、そんな訳。じわ、と嫌な予感が胸に広がる→

2021-10-24 11:12:20
とかげのしっぽ @wr_erimark

「しかもこいつ、アイツが目を付けてるだけあるからきっと上玉だぜ」「そうだな。アイツ……、兄ィのこと蹴りやがったから仕返ししてやりてェ」「アイツの目の前で食ってやろうぜ」「それがいい」 ぎゃひぎゃひと下品な笑いを聞きながら、この間の奴の仲間か何かだと気づく。→

2021-10-24 11:28:35
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