世界中に冬を運ぶという『冬の女王』の到来で、ヴォストニアは本格的な冬に。 それによりフロログが冬眠してしまうと聞いたリュウは冬の女王に一言文句を言ってやろうと単身女王が降り立つという冬の神殿を目指す。 その頃女王の護衛に当たることとなったファルコは或る熱い思いを胸に冬の神殿へと向かっていた。 女王の護衛にかけるファルコの思いとは?そして冬の女王とは何者なのか?ヴォストニアの冬の物語が今、始まる。
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セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「なあ、あれ!」 と、神殿の入り口の前に立っていたリチャードが空を指さし声を上げた。 渦を巻き天に登った青い光線はやがていくつもの光の柱を射出し、キラキラとガラスのような音を立てながら蒼い夜空に光の花を咲かせる。 まるで螺鈿で作った打ち上げ花火のような光の花が夜空を彩った。

2022-01-20 14:58:55
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

すると今度は螺鈿の花火のような青い光の花に彩られた夜空の向こう、四方から無数の流れ星のようなものが集まってくるのが見える。 流れ星がこちらに近づいてくるにつれ、その全貌が明らかになっていく。 「あれ…星じゃない…人?!」 流れ星を見つめていたリュウが声を上げた。

2022-01-24 14:10:36
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

リュウの言うとおり、夜空の向こうから飛来したのは流れ星ではなく、青白い肌をした人型の者たちだ。 人型だけではない。 白い色はだいたい共通しているが雪を固めて作ったスノウマンや雪玉を重ねた雪だるま、赤い帽子を被った小柄なひげの老人など様々な姿をしている。 「冬の住人達だ…」

2022-01-24 14:14:14
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

リチャードがポツリと呟いた。 「なんか初雪のあといつの間にか街にいるけどあいつらこんなふうにうちの国に来てたんだな…」 次々と飛来する冬の住人達を眺めながら呆然とアンジェロも呟く。 やがて早々にやってきた冬の精のうちの一人が大地に降り立った。 「ホーホーホー!冬の到来だ!」

2022-01-24 14:17:29
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

その声とともに今度は森の中や、土の中から冬の住人達たちが次々と姿を現し、 「冬だ!今年も冬がきたぞ!」 「よお、久しぶり!今年もよろしく」 銘々冬の訪れや再会を喜んでいる。 「…冬、始まっちゃったんだな」 先程までの悪辣さはどこへやら、しょんぼりとリュウは独り言ちた。

2022-01-24 14:20:03
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

するとぽん、と誰かがリュウの肩を叩いたのでリュウは振り返った。 リュウの傍らにあったのは今し方天下の儀式を終えた冬の女王であった。 「冬が来るのが嫌だったのかしら?」 女王は敢えて目線をリュウに合わせて幼子に問うように穏やかな声で問う。 「…うん、ちょっとだけ…」 小声で返すリュウ。

2022-01-24 14:23:19
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「どうして冬が嫌なの?」 問い詰めるような調子ではなく、あくまでも子供に接するように女王は続ける。 「友達が冬眠しちゃったんだよ。 冬眠が失敗したら、ひょっとすると死んじゃうかもしれないって…」 今度は訴えるようにリュウは女王の冬空色の目を見返した。 それを聞いて女王は小さく頷いた。

2022-01-24 14:26:11
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「私共の友人に蛙人がおりまして。蛙人は冬眠中に半覚醒すると餓死してしまう事例を知って、彼女は冬が来ることを警戒していたのです」 リチャードがリュウに寄り添って補足する。 それを聞きた女王は小さく笑うと、 「そうだったの、お友達思いなのね。 でも大丈夫よ、今年の冬は私が連れてきたから」

2022-01-24 14:32:04
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

女王の言葉に要領を得ずリュウは首を傾げた。 「あ、それはたしか…」 「冬の女王が冬を運ぶのは、季節の暴走による犠牲を抑制する為だ。 冬をコントロールすることにより季節の均衡が保たれ、気候の変動による被害を食い止めているのだ」 リチャードの言葉を遮るように言ったのはファルコだ。

2022-01-25 15:20:55
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「きこうの…へんどう?」 難しい話はわからないらしく、尚も首を傾げるリュウ。 「季節を司る四柱の神を知っているかしら。 春の神は芽吹きを司り、夏の神は実りを司るの。秋の神は収穫を司り、そして冬の神は休息を司る…」 女王は灯りの消えた燭台を手に鈴のなるような声で語りだした。

2022-01-25 15:24:25
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「人々は春、夏、秋の神をそれぞれ崇め奉ったけど、寒さと荒涼をもたらす冬の神を忌み嫌い信奉しなかった。 信奉を失った神は徐々に力を失い、遂に地上から冬が消えてしまったの」 女王の話を聞き、 「え、いいじゃんそのまま消えてりゃ!」 リュウは唇を尖らせて言うと女王は小さく頷いた。

2022-01-25 15:26:55
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「古代の人々も、皆あなたと同じように考えたの。冬なんて来なくていい、そうすれば一年中作物が育ち、国は豊かになると…」 尚もフンスと鼻を鳴らすリュウに女王は続ける。 「たしかに冬が来なくなって地上は緑が生い茂り、作物は実り、人々は豊かになったわ。…でもそれは最初だけ」

2022-01-25 15:29:41
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「やがて休むことなく作物を実らせ続けた土は枯れ、冬に冬眠するはずだった種族は体が気候に付いていかず異常を来たし次々に倒れていったわ。 冬の住人達は冬を失い目覚めを忘れそのまま消えていった。 楽園だったはずの冬の無い地上はたった数年で滅びの大地に成り果てたのよ」

2022-01-25 15:32:12
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

真剣なまなざしで語りかける女王からリュウは目を話せなくなった。 リチャードもアンジェロも彼女の話に真剣に聞き入り、女王のもつ冬の灯が消えた燭台を見つめた。 「そうしてようやく人々は冬の意味を理解したの。 でも、一度力を失くした冬の神にはもはや地上に冬をもたらす力は残っていなかった」

2022-01-25 15:35:01
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

女王は灯りの消えた燭台をリュウに見せた。先まで冬の灯を灯していた蝋燭からは不思議とひんやりした空気が感じられる。 「冬の神は最後の力を振り絞って自分の命の火をこの燭台に灯して一人の冬の精に託したの」 その言葉にリュウはハッとして、 「それが冬の灯…なの?」 小さな声で問うた。

2022-01-26 01:25:01
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「そうよ。冬の神は神としての実体を失くしたけれど、冬の灯として歴代の冬の女王達が各地に運ぶことによってその地に冬をもたらすことができるようになったの」 「じゃあ…あの青い火は神様なんだね」 リュウの言葉に女王は頷いた。

2022-01-26 01:27:14
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「季節を一日として考えてみて。 朝目覚めて、昼間は働いて日々の糧を得て、夕方には昼に得た糧を食べて、夜は眠りに就いて体を休ませて朝を待つでしょう? 季節も同じ。春に芽生えた命は夏の盛りに成長して、秋に種を落として冬は土の中で眠り、再び春にめぶくの」

2022-01-26 01:31:26
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

女王の易しい言葉でリュウはようやく季節の成り立ちを腑に落としたようで、黒目がちな目を瞬かせ、 「なるほど、そーいうことだんだ!」 エウレカの声とばかりに声を上げた。 「だからきっとあなたのお友達も大丈夫よ。春にはきっと元気な顔を見せてくれるわ」 女王は微笑んで返した。

2022-01-26 01:34:26
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「話の最中悪いが…」 そんな温かな空気を切り裂くようにファルコの低い声が響く。 リュウはぎくりとして女王の影にさっと隠れた。 「これから庁舎にて詳しい話を聞くとしようか」 依然冷たいファルコの視線がリュウに突き刺さる。 と、 「言ったはずよ、私はなんの危害も加えられていないって」

2022-01-26 01:37:43
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ファルコに向き直り、つんとした調子で女王が言うと、さしものファルコも少しばかり動揺した様子だった。 「しかし…」 言いさしたのへ、女王は溜息を吐いた。 「実際なにかあったわけじゃないじゃない。 それに…早く子供達の顔が見たいの。こんな日に荒事は見たくないわ。そうでしょ、あなた?」

2022-01-26 01:41:32
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

先までの落ち着き払ったようすとは打って変わって、切なげな視線をファルコに向ける女王。 ファルコもややあって… 「…そうだな。行こう、子供達も待ってる」 頷き小さく笑った。 「は、はぁ〜〜〜?!ちょ、こ、子供達って…え?!」 と、そんな和やかな空気に不似合いな声が上がる。 アンジェロだ。

2022-01-26 01:44:38
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驚いて目を丸くしているのはアンジェロだけではなかった。 リチャードもリュウも呆然と二人を見つめている。 …ファルコは小さく咳払いをした。 「そなた達は知らぬことかとは思うが…彼女はリュドミラ・ルディガー。冬の女王であり…私の妻だ」 まさかの展開に子供達は 「えー?!」 の大合唱だ。

2022-01-26 01:47:59
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「いやー、こんなきれいなヨメさんを罠にかけて怪我でもさせられたらそりゃ誰だって怒るだろうよ。 俺だったらその場で4、5発ぶん殴ってるだろうな」 肩をすくめてアンジェロは言った。 「う、あ、その、おっちゃん、女王さま、ごめんなさい!」 リュウもルディガー夫妻に深々と頭を下げる。

2022-01-26 01:51:48
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「まさか閣下の御夫人であられたとは…知らぬこととはいえ大変なご無礼を…」 リチャードは再度帽子を取ると、 「連れが大変なご無礼を。何卒ご容赦下さい」 深々と頭を下げた。 女王・リュドミラはそれを見やるとリチャードの元に歩み寄った。

2022-01-26 02:02:51
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そしてそっとリチャードの耳元に顔を寄せると、 (どうぞお顔を上げて下さいませ、皇太子殿下。主人からかねがねお話は伺っておりますわ) ふふ、と鈴のなるような声で笑みをこぼし囁いた。 リチャードは慌ててリュドミラを見たが彼女は相変わらず涼やかな笑みを浮かべるばかりだった。

2022-01-26 02:05:35
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「このお嬢さんのことは気にしないでちょうだい、エリックには大したことはないって私から伝えておくわ」 リュドミラがさらりとファルコに言った一言に、リチャードは更に驚かされた。 どうやら彼女は伯父とも面識があるらしい。 「ってか…何者なんだよあのねーちゃん」 アンジェロも呆然と呟いた。

2022-01-26 02:10:22
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【Ⅷ】 「本当に送っていかなくていいのか?おそらく向かう先は同じだが…」 下山後、ファルコは子供達に向かって問うた。 「あ、いいッスよ、うちの親方が先に降りて待ってるんで」 ようやく自分の現在の立場を思い出してか、アンジェロは敬語とも言えない街場言葉で返した。 pic.twitter.com/Nfi8ChDvhr

2022-01-26 02:14:09
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実は先に女王が訪れた後、いつの間にか姿が見えないベアンハートに気がついたアンジェロは、 「おっちゃんはビリーと山下りてったよ。下で待ってるって」 リュウに言われて事の次第を知った。 …何故そんなことをしたかまでは考えが及ばないところではあったが。

2022-01-26 14:36:57
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「そういうことですので、どうぞお気になさいませんよう。私共もこれに手失礼致します、閣下も女王もどうぞ道中お気をつけて」 リチャードもルディガー夫妻に頭を下げる。 「あなた達も夜道には用心してね、知らない人について行っちゃだめよ」 リュドミラはまるで母親のような口調で子供達に告げた。

2022-01-26 14:40:41
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やがてファルコが馬の腹を軽く蹴ると夫妻を乗せた黒馬は雪の降る道を風のように颯爽と駆け出し、みるみるうちに夜闇に紛れて見えなくなっていった。 「…なんか世の中まだまだ知らねぇことだらけって思い知らされたな」 二人の行く末を見送るアンジェロが呟くのへ、 「ああ…」 リチャードも返した。

2022-01-26 14:43:23
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

と、 「用事は済んだか?見たところお咎めはなさそうだな」 背後からよく響く太い声が聞こえ、子供達は振りると、ビリーを伴ったベアンハートの姿がそこにあった。 「っつーか親方!なんで先に行っちまうんだよ、いきなりいなくなるから焦ったじゃねーか!」 アンジェロがベアンハートに食って掛かる。

2022-01-26 14:46:48
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「まあ、その、なんだ、大人には大人の事情があってだな…」 口籠るベアンハートであったが、先のファルコとの鬼気迫るやり取りを見ていた子供達はそれ以上詮索できなかった。 「さ、奥さんとお手伝いさんも待ってることだし帰るか。 お嬢ちゃんはその狼と後ろの荷車に乗りな」

2022-01-26 14:55:52
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

ベアンハートが自らの馬に繋いだ荷車を指して言うと、 「うん、ありがと!」 リュウはビリーと共に荷車に乗り込んだ。 と、 「ねえおっちゃん、アンナさん…怒ってなかった?」 今更ながらすくみ上がるリュウ。 「さあ、俺からはなんとも言えないな」 はぐらかすとベアンハートも馬の腹を蹴った。

2022-01-26 14:58:02
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

こうして一行は無事アンナの元へリュウを連れ帰ることができた。 案の定アンナにこっぴどく叱られたリュウは、パチコを抱きかかえながら背中を丸めてアンナと共にチェーザレの運転する馬車で紅の森に帰っていった。 これでしばらくは無謀なことはしないだろう…リチャードもアンジェロもそう思った。

2022-01-27 15:10:04
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

先にリュドミラが呼んできた初雪は降り止むことなく振り続けており、木々も大地もまるで白い綿帽子を被ったようになっている。 ひと目見てももう冬だと誰もがすぐにわかるほどだ。一悶着あって疲れたのかアンジェロもリチャードも今夜は早めに床に就いたようである。

2022-01-27 15:12:18
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

静かに降りしきる雪を窓辺で眺める影が一つ…ベアンハートだ。 どこか物思いに耽るような面持ちで白い雪模様の群青色の空を見つめている。 …事実、ベアンハートは降りしきる雪の影の中に幻を見ていた。 鋼鉄色の瞳の奥、揺れる白雪が映し出したのは遠いの記憶だった。

2022-01-27 15:17:31
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

**** 先に伸ばした自分の手足さえ見えない程の吹雪のはずなのに何故だろう、その女の姿だけは青白く浮かんで見えた。 濡れた衣服は凍って肌に張り付き、睫毛に付着して凍りついた自らの息が視界の中でチラチラと光る。 冷えて感覚のなくなった手足は重く自分の体がそこにあるという感覚すら朧げだ。

2022-01-27 15:21:45
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「…良い気味だろう」 口をついて出た言葉は半分無意識、半分は本音だった。 「お前の国も家族も滅ぼした男が今、こんな惨めな姿でここにいる…」 冷笑気味に口走る自分とは異なり、女はにこりともしなかった。 ただ帰ってくるのは氷のような冷たい視線のみ。

2022-01-27 15:24:02
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「もう船も仲間も残っちゃいない…何もかも、海の底に沈んだ。 もう俺にはなにもない…この命以外はな」 尚も女は答えることはなかった。 この言葉を聞いているかどうかすらわからない。 なのに勝手に言葉だけが口からこぼれ落ちていく。 「殺せ…今のお前なら容易いだろう…冬の女王であるお前なら」

2022-01-27 15:26:31
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

尚も女の視線だけを感じる。 言葉は帰ってこない。 聞こえるのはごうごうと鳴く吹雪の声のみだ。 が、ややあって… 「…死んで逃げようなんて甘えは許さないわ」 返ってきた女の声は、冷たく抑揚がなかった。 ゆっくりと視界から消えた女の手が、自分に翳されたのを感じる。 何をする気なのだろう。

2022-01-27 15:29:10
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

刹那、骨まで凍りつくような冷気が体を包み、息すらできなくなった。 苦しい、という感覚はなく、ただ深い闇に音もなく落ちていくような感覚に襲われる。 「あなたは…生きるの」 闇の中で女の声がした。 「生きて罪を償いなさい。そして…」 落ちていく闇は不思議と温かかった。

2022-01-27 15:32:12
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「生きて問い続けなさい、自分が何のために生まれたのか------ 言葉は、そこで途切れた。 意識は完全に温かい闇に飲まれて---- ******

2022-01-27 15:34:00
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

「みゅーん!」 足元から聞こえてきたオスカーの鳴き声に、ハッとしてベアンハートは声の方を見やった。 小首を傾げながらオスカーは心配そうにベアンハートを見つめている。 「おお、ボーッとしてたな。ありがとうよオスカー、立ったまま寝るところだった」 おどけながらオスカーを抱き上げる。

2022-01-27 15:36:42
セーリュー(Seiryu) @SeiryuD

オスカーの暖かさを腕の中に感じながら、もう一度ベアンハートは群青色の外の景色を見やったが、やがて明かりを消してオスカーと共に寝室へと向かっていった。 ヴォストニアの冬が始まる。 【To be next episode...】

2022-01-27 15:38:32
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