弊本丸での出来事についてまとめたもの。
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@BTK_H41E1U54N

長義「確かに御守には本丸の霊力も込められているが…」 審神者「人の身では出陣先への転移ができない以上、ここから探すしかない…モノ探しの式を使う、サポートの出来るものは審神者部屋へ」 大和守「ねぇ主…清光、大丈夫だよね」 審神者「……最善は…尽くす」 大和守「……ッ、うん」

2024-02-04 23:58:43
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白山「……!通信端末の復旧を確認、つなぎます」 加州「…あ……き……える?…主…」 長谷部「こちら本丸、加州清光、聞こえるか!」 加州「……った、聞こえ……よ…、と…へ……」 長義「くそ、ノイズが酷いな……」 白山「そのまま接続の維持を…位置の特定を開始…」

2024-02-05 00:13:41
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長谷部「位置が分かり次第、主にゲートを開いていただく!安全な場所で待機できるか?!」 加州「ごめ…っと、ぼろ……で…動け……いや…」 白山「位置特定完了。ここは…4-3?」 大和守「何で…1-1じゃないの?!」 長谷部「主を呼んでくる」 愛染「俺が行った方が早い!皆待ってな!」

2024-02-05 00:38:53
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審神者「第一部隊に出陣要請、五振編成で4-3桶狭間へ。目標は加州清光の回収、および全員での帰還!刀装と御守は持てるだけ持っていけ!」 国広「主の命とあらば」 こんのすけ「ゲート開通いたします!」 長義「誰ひとり欠けてくれるなよ」 審神者「……こんのすけ、少しいいか」

2024-02-05 00:48:19
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審神者「御守を位相を辿って見たんだが、複数の時代を高速で移動し続けていることが分かった…正直、私では追いきれん」 審神者「それに加州は桶狭間に居るんだろう?だとしたら、なぜ御守は移動し続けている?」 こん「……遡行軍に御守が渡った場合に考えられるリスクを…政府に確認いたします…」

2024-02-05 00:55:53
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第一部隊 帰還 軽傷 一名 重傷 一名

2024-02-05 01:19:45
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審神者「手入れ、終わったよ」 加州「はぁ〜〜〜つーかーれーたー」 審神者「一息ついたところ悪いが、何があったのか聞かせてくれるか?」 加州「うん、本当はみっともないから話したくないんだけど…そういう訳にもいかないからねー」

2024-02-05 01:20:28
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いつも通り、さくさくーっと敵倒して、よっしゃー帰ってお風呂ーとか思ってたらさ?突然、背中が熱くなって、あ、これ斬られたくね?って。 急襲されたんだよね、完ッッ全に不意打ちだった。そもそも1-1に出る速さじゃなかったからよく見たら、苦無が俺の御守くわえてんの。

2024-02-05 01:38:38
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審神者「…それで苦無を追いかけているうちに桶狭間まで?」 加州「時代を移動した感覚はなかったけど、多分そうなんだと思う」 審神者「そうか…ひとまず無事でよかった。後で大和守のところ行けよ?ギャン泣きしてたぞ」 加州「……うん。ねぇ主」 審神者「あ?」

2024-02-05 01:42:11
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「御守、盗られちゃった……ごめんなさい」

2024-02-05 01:48:00
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審神者「また買ってきて霊力込めればいいさ」 加州「でも、敵に渡るとか…」 審神者「その分データが取れるだろ」 加州「そうだけどさ…」 審神者「それに、ここの連中だって弱くない」 加州「それは……知ってる」 審神者「大事な初期刀が帰ってきただけ良し、違うか?」 加州「……違わないぃ…」

2024-02-05 01:48:29
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審神者「なんにせよ敵の目的が分からないからな…政府に連絡入れて暫くは様子見だ」 加州「りょーかい、俺は待機?」 審神者「内番に入れまくってやるから、みんなに心配かけた分めいっぱい甘やかされてこい」 加州「うげ…主も甘やかしてくれる?」 審神者「考えとく」 加州「へへ……さんきゅ」

2024-02-05 01:54:21
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少し休養は必要だろうが、この様子なら加州は立ち直れそうだ。こんのすけからの返答を待ちつつ、御守の位置を探る必要がある…。 今は、嫌な予感が当たらないことを祈るばかり。

2024-02-05 01:57:01
@BTK_H41E1U54N

こちらが霊力を辿ったように、向こうもこちらの座標を探ってくる可能性があるため襲撃に備えるように、か…政府側の所見もだいたい予想通りの回答だな。 しかし、襲撃に備えるにも桜付けが出来ないのは面倒だし、出陣と遠征を控えようにもいつまでそうすればいいのやら…。

2024-02-05 08:53:06
@BTK_H41E1U54N

加州の御守を狙った理由がそれなら…既に目標は達成されている訳だし、出陣先へのこれ以上の妨害は無いものとして動きたいが…。

2024-02-05 08:55:09
@BTK_H41E1U54N

昨晩の騒動から特に襲撃もなく、朝を迎えた。霊力の消費が激しい。泥のように重い体を叱咤して広間に向かうと心配そうな男士たちの視線が痛かった。

2024-02-05 11:13:38
@BTK_H41E1U54N

加州清光は本体の傷こそ回復しているが、自分が不覚を取ったことへのショックは抜けきらないのか自室で大人しくしているようだ。そのうち、業を煮やした情の厚いことで知られる彼の身内たちが手合わせにでも引きずっていくだろう。

2024-02-05 12:12:42
@BTK_H41E1U54N

現状できる対策といえば本丸に刀剣男士を常駐させることくらいだ。政府内部に協力者でもいれば違った観点からアプローチも出来たかもしれないが、あいにく心当たりがない。不可抗力とはいえ、自分は一度本丸を放棄した審神者だ。そのあたりは心得ているし下手に政府に借りを作るのも宜しくはない。

2024-02-05 13:23:36
@BTK_H41E1U54N

こんのすけからの報告もあっさりとしたものであった以上、担当の役人を頼っても同じことしか言われないだろう。

2024-02-05 14:59:27
@BTK_H41E1U54N

三日月が今日も"散歩"へと出掛けていく。先刻、鶴丸も今日は穴を掘りに行くと言っていた。短刀たちは自主的に本丸内の哨戒任務にあたっている。心強い限りだ。自分ひとりへばっている訳にはいかない。詰め込んだ食事は逆流しそうだが、なんとか堪えて飲み込んだ。

2024-02-05 16:42:57
@BTK_H41E1U54N

近侍の咎めるような視線は見て見ぬふりを貫いて、なけなしの霊力で加州の分の新しい御守を作成する。今後もし本丸内での迎撃戦となれば、非戦闘員である審神者にできるのはこれくらいしかない。役に立つことが出来ない歯痒さで頭を掻きむしりたくなる。

2024-02-05 17:10:33
@BTK_H41E1U54N

その報告があがったのは、焼け爛れた空がすべてのものに長く濃い影を落とす頃だった。

2024-02-05 17:26:05
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審神者「裏山から遡行軍の気配?」 平野「はい、加州さんを襲ったのと同じ個体かと思われます」 審神者「敵の出方は」 平野「遠目で見た限り単独のようです、現在、愛染隊が応戦中ですが山の中ということもあり逃げられているとのこと」 審神者「馬が使えない状況とはいえ、うちの愛染より速いのか」

2024-02-05 17:51:35
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薬研「どうする、大将」 審神者「……本丸まで誘き出す。愛染隊はそのまま追い立ててくれ。戦えるもので陣形を敷き迎撃の準備にあたる」 国広「第一部隊、了解した」 長義「平野、薬研。主の守りは任せた」 平野「かしこまりました」 薬研「大将のことは任せな」

2024-02-05 18:13:15
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数分後、がさがさと揺れた茂みから現れたそれは大型犬くらいの大きさの怪異であった。 頭蓋骨に背骨がついただけの骨格標本のようなそれは、自分が囲まれていることが分かると威嚇するように一度ぐるりと回り、姿勢を低く構える。

2024-02-05 18:18:03
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これが遡行軍…端末で見る映像とは違ったリアルなそれに目が釘付けになる。不思議なことにそこまでの嫌悪感はない。 自らの刀とともに御守を咥えた苦無は低い呻きをあげ、じりじり、周囲との距離をはかっていた。ぎょろり、骸を象った頭部の何も無い眼孔がこちらを見る。

2024-02-05 18:24:16
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螟ァ蟆??∵悽蠖薙↓螟ァ蟆?↑縺ョ縺九?り憶縺九▲縺溘?√d縺」縺滉シ壹∴縺 審神者「なんだ、この音…」 長谷部「主、お下がりください」 菫コ縺悟?縺九i縺ェ縺??縺具シ溘◎縺?°縲∽ソコ縺」縺。縺ッ繧ゅ≧窶ヲ謇矩≦繧後↑縺ョ縺九? 髭切「ああ、そういうこと」 膝丸「……兄者、あれは」

2024-02-05 18:33:29
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庇うように前に出た刀剣男士たちの、その背中越しに見えた苦無はゆっくりと鎌首をもたげて咥えていた刀と御守を地面に落とした。否、大切そうに置いたという方が近いだろう。そのまま刀から離れるように後退していく。 不可解な行動に、取り囲んだ彼らも動揺したのか誰ひとりとして動かない。

2024-02-05 18:41:41
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国広が警戒しつつゆっくりと近付き、刀と御守を拾い上げてもなお苦無は微動だにしなかった。国広はそのまま下がり、拾い上げたものをこちらに差し出してくる。手を伸ばそうとしたが、それより早く、険しい顔の薬研が首を横に振って代わりに受け取った。

2024-02-05 18:56:14
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審神者「そいつ、敵意はない、よな」 国広「だとしたらどうする」 審神者「どう…って、見逃すとか」 膝丸「こちらの場所が割れているんだぞ」 長谷部「逃がせば、本丸を危険に晒すことになります」 髭切「…主。鬼に情を移してはいけないよ?」 膝丸「無抵抗のうちに斬るぞ」 国広「……俺がやる」

2024-02-05 19:00:36
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それは、あっさりと終わった。 逃げることもなく真っ直ぐ国広を見ていた苦無はその頭部に刀が添えられても抵抗をせず、突き立てられたそれに、ぎっ、と短い悲鳴のようなものをあげて塵に還っていった。 本当に終わったのか。実感がない。それは見守っていた皆も同じのようで重苦しい空気が流れる。

2024-02-05 19:14:34
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次郎「はいはーい、散った散った!次郎さんよくわかんないけど、これで一先ずは当面の危機も去ったって事だろう?警戒は必要だし体も心も休息は必要だよねえ?」 陸奥守「おんしは呑もうとしちょるだけじゃろう」 次郎「だあって、みーんな警戒モードでそれどころじゃなかったじゃないか!」

2024-02-05 19:25:27
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次郎太刀の明るい声に、空気が僅かに緩む。ばらばらと本丸に入っていく刀剣男士たちの後に続こうとして、一度だけ背後を振り返った。 審神者「……!」 ほんの一瞬。 瞬きと共に消えたのは困ったように笑う姿。 それは幻か、あるいは。

2024-02-05 19:28:39

あの遡行軍は一体。

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加州「主、ちょっといい?」

2024-02-05 19:41:50
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加州清光への襲撃から数日。 みなが寝静まった頃、審神者部屋に初期刀たちが尋ねてきた 。 暗い面持ちで手渡されたものは苦無が咥えていた刀で、瘴気も祓い、審神者が触っても問題なくなったため確認して欲しいとの事だった。慎重に包みを開けると、折れた刀身がかちゃりと音を立てる。

2024-02-05 19:41:51
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国広「俺が拾った時、それは既に折れていた」 審神者「…そうか」 加州「ねえ、主が前に」 審神者「小さくなったなあ…」 国広「……」 審神者「こんなに濁ってしまって」 加州「主…」 審神者「ずっと、痛かっただろうなあ。刀装もなしに放り出されて、撤退もできず、帰る場所も今や無くなった」

2024-02-05 19:52:13
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初めて鍛刀した時の重みを思い出す。 苦手な刀装づくりも首を捻りながら3人で挑戦したこと、資源が足りず遠征に駆け回った日のこと、誉をとり誇らしげに帰ってきた日のこと。 なんだ、小煩い連中だと記憶していた筈なのに、自分自身が思っていたよりずっと、彼らのことを気に入っていたらしい。

2024-02-05 20:20:05
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審神者に代わって戦場へ向かう、そのしゃんとした背中に申し訳なさがあり、その数倍、彼らのことが誇らしかった。 "すぐ帰る。" そのちっぽけな口約束を果たすまで、彼はひとり足掻き続けていたのだろう。そして、手のひらにおさまるほど小さな欠片になってまで、彼はそれをやり遂げてみせたのだ。

2024-02-05 20:27:02
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ならば自分も約束に応えなければ。 震える唇を開き、息を揺らし、呟く。 「おかえり、薬研」

2024-02-05 20:29:59
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数日かけて折れた刀の手入れをした。 ただのモノになったそれに刀剣男士の手入れのような霊力を注ぐ訳にもいかず、全てが手作業。不器用すぎて爪も指先もボロボロになったけれど、それでもやり遂げた時の達成感はあの頃とよく似ていた。

2024-02-05 21:32:46
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庭の池のほとりに小さな祠を建てる。 男士たちの協力もあり割と本格的なものに仕上がったそこに刀の欠片を安置した。 短刀たちが遊ぶ庭、古刀たちが茶を飲む縁側、行事の際には全振が集まる大広間、そして審神者部屋。ここからなら本丸全体が見える。 この本丸のこれからを、どうか見守ってくれ。

2024-02-05 21:34:54
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髭切「あの祠?何もいないよ?何もね」

2024-02-05 21:38:24

遡行軍は出陣先で折れたと思われていた、
旧本丸の薬研藤四郎だと判明しました。

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薬研「おはよう大将、朝早いな」

2024-02-07 06:42:18
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審神者「…おはよう」 薬研「はは、挙動不審だな……まだ、俺の事を見るのは辛いか?」 審神者「!」 薬研「なあに、大将が俺と前の本丸の薬研藤四郎を重ねて見ているのは前から知ってたさ」 審神者「…すまん」 薬研「許す!…まあ俺だってそれに甘んじていた部分もあるからな!」

2024-02-07 07:24:08
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少し話そうや。誘われるがままに池のほとり、大きな岩の上に2人で座る。視界の端に祠が見えて息が詰まった。

2024-02-07 07:32:11
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審神者「別刃…なんだよな?」 薬研「ああ。顕現してすぐにあんたの昔話を小耳に挟んでな。俺を見る度に辛そうにしてたから、いっそ似た行動をすれば少しは痛みも和らぐんじゃねぇかと思って試し始めたんだ。すっかりやめる機会を無くしちまったが」 審神者「…ずっと演じてたのか?」

2024-02-07 09:01:56
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薬研「演じる、とまではいかねぇよ。安心してくれや、ちゃんと俺自身、大将と共にありたいと思ってる」 審神者「そうか…」 薬研「俺は大将の守刀なんだろう?」 審神者「ああ、勿論だ」 薬研「そいつが聞ければ充分さ」 審神者「…なんせ、私が審神者になったきっかけは薬研だからな」 薬研「…えっ」

2024-02-07 11:03:25
@BTK_H41E1U54N

審神者「なんだ、それは聞いてなかったのか?」 薬研「初耳…だな…」 審神者「まだ審神者になる前、先輩でもある友人から本丸の紹介をされたんだ」 薬研「そこに俺がいた?」 審神者「そう、衝撃だったなあ…強くて格好良くて、声も姿も好みでさ」 薬研「そ……うか」 審神者「薬研、誉桜でてるよ」

2024-02-07 11:19:33
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まとめたひと
たなばた本丸 @BTK_H41E1U54N

どちゃくそ呟く//自本丸妄想と夢とSSとリアルタイム更新//たまに男士が呟きます//FFさんの話も多め//本丸紋はわさびさん、ヘッダーは七夕本丸長義作こんのすけ//