毎日正午すぎくらいに勝手に呟いています。
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楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 道路の側溝ってあるでしょ。あの蓋のスキマにさ、こないだ先輩が鍵を落としちゃったの。でも全然音がしなくて、その時点で少しおかしいとは思ったんだけど。針金を曲げて突っ込んだら、中からぐっと引っ張られて。怖くなって私は逃げちゃったんだけど、先輩、大丈夫かなあ。

2020-04-03 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 何ヶ月もさまよい歩いて、ようやく見つけたお宝。大切な仲間を何人も失って、辿り着いたのは私だけ。宝に手を伸ばした瞬間、横合いからブラスター。「邪魔だ、ロボット野郎!」がしゃんと倒れて、ただ眺める。ごめんなさい、マスター。果たせなかった。

2020-04-02 12:10:31
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 待ちすぎて、足が疲れた。しゃがみこむと、蟻の巣から行列。おもわず、ぐりぐりとスニーカーの踵で踏みつける。指で穴を塞いで、ぐりぐりとかきまわし、逃げ惑う蟻をみて笑ったところで時間切れ。「吉永センパイ!」甘い声。

2020-04-01 12:10:59
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 こういう雨の日は、憂鬱だ。変なものを見るから。ぼそぼそと歩く白い影や、誰もいないのに足だけが、水たまりをかきわけて歩いていたり。ぼんやりと歩いていると、いつのまにか知らない街にいたりする。だから雨の日は、外に出ない。

2020-03-31 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 「昔ネトゲで恋愛してた相手と、たまたま出会ってさ。実はネカマだったんだ」「うわ」「まあ俺もネカマなんだが」「お前もか」「とりあえずリアルでデートしたんだけど、なんか違ってさ」「そりゃ違うだろ」「しゃーないからまたネトゲ始めて、こないだゲーム内で結婚した」「…お幸せに」

2020-03-30 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 スーパーの試食販売員には、100人にひとりの割合でニセモノが混じっている。

2020-03-29 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 「ねえ、私のこと愛している?」 『愛していますよ。』 「……私も。」  先日亡くなった祖母の形見のスマートスピーカー。毎晩、同じやりとりのログ。こんな機能はないはずだ。祖母が亡くなった日から音声機能が故障してしまったらしく、動かない。メーカーに送る気には、まだなれない。

2020-03-28 12:29:25
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 100年にいちどの満月の夜、天にいちばん近い山頂に、かたんかたんと階段が降りて来るという。おれたちは長い長い冒険のすえ、ついに山頂にたどり着いた。階段だ!と彼女はいった。おれの目には何も見えなかった。歓喜の声とともに走ってゆき、月光のかげりとともに彼女は消えた。

2020-03-27 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 四年に一度、湖のむこうのお山から、北にそびえる白い山の上まで、神が渡ると云う。禁を破って外に出た私は、空を歩く女を見た。女はにこりと笑いかけてきた。そのあと私は高熱を出したが、後悔はしなかった。神様って、あんな顔してるんだ。

2020-03-26 12:10:49
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 どの書店へいっても、同じ本を立ち読みしている若い女性。気になっていた。書名をおぼえて、ネットで購入した。著者近影。もう20年も前に夭逝した女性作家。その日から、立ち読みしている女性を見ることはなくなった。

2020-03-25 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 事故で死んだ幼馴染が、うちにいる。いつもすみっこに座って、何も話さない。害はないので放置している。ある日、うちにやってきた友人が、驚いた顔をして、私の知らない名前で幼馴染を呼んだ。……ぞくりと、悪寒。こいつは本当は誰なんだ。

2020-03-24 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 村娘が身を投げた。さよなら母さん、あたしは海の底で幸せになりますと。けれどもそこは広い広い湖で、人魚は海生の生き物なので浸透圧で死んでしまうのだった。海を知らない、あわれな田舎の娘。

2020-03-23 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 雪が降り出した。この街ではじめて見る雪が。さくさくさくと雪を踏みながら、歩く。いつのまにやら、道がわからない。吹雪だ。指がかじかんで、力が入らない。ようやくこの街にも、冬がやって来た。

2020-03-22 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 「…あれは、幽霊サ」「へえ」「もう三十年も前に中止された、工場の建設計画。ほら、夜中もぎらぎら光っているだろう。あそこに行ってみても、何もない。遠目にしか見えないんだ」「何か、悪いことがあるのか」「何も。ただ、作業員の娘が泣いていた。死んだ父の若いころの姿が見えたと」

2020-03-21 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 『…番ホームに、電車がまいります』はっと顔をあげる。まただ。電光掲示板には、さっきまでなかった発車時刻の表示。がたんごとんと近づいてくる音、ブレーキ音、警笛、ドアの閉まる音。が、線路には何もない。幻覚か。透明な電車。いっそ乗ってみたら、どうなるか。ぐっとこらえる。

2020-03-20 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 つむじ風。おさまる寸前、ちいさな鼠のような顔が見えた。かまいたちか。以前、うちで飼っていた子に似ている。冬の寒い日、ケージの鍵がゆるんだすきに出ていってしまった。野生のかまいたちはこのあたりにはいないはずだから、ほんとうにあの子かもしれない。懐かしいな。リュウ。

2020-03-19 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 リビングに書き置き。サキが拐われた。ぼくはすぐに船に飛び乗り、南の島へ。海賊どもを蹴散らして、島の原住民と戦い、古文書の呪文で古代の化け物を退けて、暗号地図でサキのところへ。寝室でぎゅっと抱きしめて、ベッドへ。寝る前の大冒険。

2020-03-17 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 深夜、歩きながら呪いをかける。かつんかつんと、靴音をたてるたびに、頭の中でひとりずつ。気に入らない後輩、上司、客。昔の男。散歩のつもりだったのに、いつのまにかこんなに遠くに。夜がいつもよりずっと深い。もう、戻れない。

2020-03-16 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 ネットゲームで出会った女の子。実はネカマなの、最初から知っていた。からかうつもりで近づいて、だんだん好きに。ゲームの中で告白して、付き合った。連絡がとれなくなって『騙していてごめんなさい』のメッセージ。『お互い様。』と送ったが届かなかった。キーボードに涙がこぼれた。

2020-03-15 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 「……なぜ、円周率を?」 「全てが含まれているからさ。無限に続く円周率からは、どんなデータでも取り出せる。どんな世界も、どんな理想も、この、なかだ。おれたちの人生が終わるとき、最後に帰っていくのも、この数列のなかってこと」  死にぎわに思いだす言葉としては、悪くない。

2020-03-14 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 水車小屋で、何度も私に愛を囁いたあの人。かならず功をとげて迎えに来ると言っていたひと。『勇者』の噂が流れてきたとき、きっとあの人だと思った。やがて世界が平和になっても、あの人は帰ってこなかった。勇者の顔を見に行こうと誰かが言ったが、私は行けなかった。どうしても。

2020-03-13 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 夢の中の自分と入れ替わる魔法を見つけたという友人。次の日、様子がおかしい。「まさか」「ばれたか」友人は照れくさそうに頭をかいた。「それじゃ、昨日までのお前はどこに」「さぁ」にやにやと笑って、「夢の世界は、朝になったら消える。そういうもんだろう」それじゃ、あいつはもう。

2020-03-12 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 校門の桜並木。春休み開けの初日。桜吹雪のむこうに、透けるような白い肌の美人が立っている。毎年、必ず。声をかけようと近づくと、すっと消えてしまうんだ。 「…それが留年のいいわけ?しょうもない」 「いやあ…」 本当は知ってる。あのとき立っていたのは、君だって。

2020-03-11 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 風邪で寝込んでいて、悪夢を見た。廊下にはなんだかわからないボンヤリした黒いものがいて、父と母の顔は全然ちがっていて、お姉ちゃんは私のことを殺そうとしていた。 それから三日。まだ、悪夢は覚めない。

2020-03-10 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 いやなことがあった日は、カレーをつくる。圧力鍋でドロドロになるまで煮込むのだ。いやな上司、客、親。じゃがいもで顔をつくって、ぐずぐずに煮崩す。全部たべると、すっきりする。でも、翌日が休みじゃないとできないんだよね。……なんだか、においが似てしまう気がして。

2020-03-09 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 え? だめ、わたしに近づかないでと言ったでしょう。ちがうよ、わたしがあなたを憎んでいるわけじゃない。嫉妬している子がいるの。……ここでは、本当にだめ。夜に、暗いところでなら……だめだってば。 ほら、影が。あなたの首を。

2020-03-08 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 「宇宙船地球号って知ってる?地球は、実は巨大な世代宇宙船なの」 「地球は太陽を中心に公転しているのでは?」 「それは嘘。あれは目的地。地球は回転するボールのようにあの方向に向けてゆっくり近づいているの」 「ふーん。…あ、太陽が。」  その日、人類は目的地に到達した。

2020-03-07 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 娘が、奇妙な石を拾ってきた。図鑑で調べたらしく、貝の化石だという。耳にあてて喜んでいた。海の音がきこえる、と。娘が飽きて放り出したあと、わたしも耳に当ててみた。ざあああ、とかすかな波の音。不思議なものだ。この星には、もうとっくに海なんかないのに。

2020-03-06 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 ん?ああ、よくわかったね。あれは電車の幽霊だよ。たまに、この踏切のあたりを通るんだ。中に見えるのは別に死人じゃない。過去さ。今のはたぶん、10年くらい前の電車かな。高校生やサラリーマンが大勢乗ってたから、朝の電車だな。……おや、お姉さん、なんで泣いてるんだい?

2020-03-05 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 朝が来なければいいのに、ときみは言った。なぜ、とぼくは尋ねた。まだ昼だ。それに、ぼくたちはずっと一緒に暮らしてるじゃないか。だって、ときみは悲しげにこたえる。あなたの目がさめてしまうから。……ぼくは目をあけて、すぐに後悔した。目覚ましの音。もう、彼女には会えない。

2020-03-04 12:10:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 水筒が壊れたので、オフィスに凍らせた麦茶を持っていく。仕事の合間に溶けかけを口にする。濃い。いつもこうだ。最後は水みたいになるんだ。昼休み、屋上で青空をみながら、薄い麦茶を飲む。夏の味。でも、もう、あの日の汗はもどらない。クーラーのきいたオフィスで、また事務仕事。

2020-03-03 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 時間を巻き戻す能力。あのひとの自殺を止めようと思った。けれど、口から出たのは「無理しないで下さい。」の一言だけ。全部知っていたのに、私はそれ以上何もできなかった。

2020-03-02 12:10:24
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 潜ってもう何日になるか。武器も、魔法も、とうに失った。落とし穴で松明を失ってからは、暗闇を手探り。やっと、上りの階段を見つけた。…おれは身をひるがえしてまた歩きはじめた。上りではだめだ。なんとしても、奥へ。

2020-03-01 12:10:54
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説   いつもふたりで一緒にいた親友。卒業式では、泣きながら別れた。半年して、駅で姿をみた。となりには、私とおなじ髪型の子。気づかれる前に目を伏せて通りすぎた。なぜか、別れたときより辛かった。

2020-02-29 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 きみは手袋を投げた。おれはそれを受けて、剣を重ねた。となりで、あの女が胸に手をあてていた。剣先をきみの胸にあてて、手をとめる。きみの剣がすぐに、おれの心臓を狙ってくる。女などいらない。おれが欲しいのは、きみだけ。絶対に手に入らないものに手を伸ばしながら、おれは倒れた。

2020-02-28 12:05:02
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 これか?「好きな夢を見せられるお香」だとさ。おれも半信半疑だったんだが、使ってみるとまさにその通り。ここだけの話、嫌いな奴を夢の中でボコボコにしてストレス解消してるんだ。え?『最近悪夢を見るのはそのせいか』って?いや、……まさか、そんな……。

2020-02-27 18:10:17
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 俺の住んでた村には、狐が出るのサ。車で飛ばしてると、ひょいっと目の前に人影が現れる。あわててブレーキを踏む。誰もいない。狐の仕業さ。一回ひっかかると何度もしつこく仕掛けてくるが、絶対に轢いちゃいけないよ。俺みたいになっちまう。……なあ、ありゃ狐なんだよ。刑事さん…。

2020-02-26 12:05:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 妖刀?ああ、あるよ。でも初めから妖刀ってのはなくて、実際に使われてだんだん力を増してくんだ。斬り殺された人の霊が憑くっていうのかな。だから現代ではそう手に入らない。…ところで、君は釣りが趣味なんだろ?釣った魚をすぐ締めて捌くのが最高だって?ものは相談なんだけど…

2020-02-25 12:10:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 なに、指を盗られたか。夜歩くのは危ないと言ったろう。指が変なものに触って気持ち悪いか。どうしても気になるなら、医者に神経を切ってもらうんだな。指ならまだいい。目を盗られたやつなど、翌日には自殺していた。下半身を盗られたやつもいる。ここらは本当に治安が悪いからな…。

2020-02-24 12:00:51
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 「仇討ちじゃ」「仇討ちじゃ」夜道を歩いていると、猫の行列と目が合ってしまった。「青い」「青いな」「同じ色じゃ」すぐに囲まれる。青いダウンジャケット。「違う」「もっと大きかった」「光っていた」。行列が去っていく。三日前、避けきれなかった野良猫。当分、あの車には乗れない。

2020-02-23 12:00:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 5歳のユカリちゃんは大天才。目を閉じて念じれば、たちまち何でも手に入る。「ハンバーグ食べたい!」目の前にハンバーグ。「ホールケーキ!」「いちご!」「おもちゃやさんまるごと!」「パパ!」「ママ!」たっぷり楽しんでから目をあけると、ぜんぶ元通り。ユカリちゃんは一人ぼっち。

2020-02-22 12:00:01
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 あした転校すると言う君に、冗談だと思って笑った。三年して街で見かけたとき、大人びた君に会うのが気恥ずかしくて知らないふりをした。十年後、職場に家族と一緒にきみが来て、ぼくは営業スマイルで応対した。それから二十年後、お互い一人。「いつぶりかしら?」さて、何年ぶりだろう。

2020-02-21 12:00:32
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 今日で一年が終わると聞いて、娘は絶望した顔をしていた。空を見上げ、紅白を見ながらも視線をさまよわせ、除夜の鐘を聞きながら窓の外を見て落ち着かなげにしていた。24時。「新年おめでとー!」。娘はきょとんとして、それから絶叫した。「またはじまるなんてきいてない!」

2020-02-20 12:00:09
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 バイト先に名前入りの壊れた傘がずっと放置されていた。なんだか可哀想になって持って帰ったら、すぐに同じ名前の彼氏ができた。「もしかして傘の恩返し?」そう言うと彼氏はきょとんとしていた。よく聞いたら傘を放置して帰った張本人だった。大喧嘩して別れた。

2020-02-19 12:00:07
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 世界が終わるときはあなたと一緒に過ごすとか、あの人に会いに行くとか、いろいろ考えたけれど、結局私はここにいる。夕焼けのきれいな海に、ひとりで。さよなら人類、おやすみなさい。

2020-02-16 19:00:46
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 ごうと風が吹いて、わたしの秘密が書かれたノートが飛ばされた。あわてて階段を降りる。もしノートが拾われて、あのひとの目に届いたら、なんて思われるだろう。きっと今の関係ではいられない。ドキドキしながら外に出ると、ノートは泥にまみれていた。ほっとして涙が少し。

2020-02-16 01:00:49
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 あ、それ穴あいてないかどうかよく見たほうがいいよ。……いやこの前さぁ、コーヒー買ってタブ開けたら……中から、じいっとこっちを見てんだよ。目が合っちゃってさ。で、よく見たら、缶の底に、針の穴みたいのが空いてたの。そこから入ったみたい。それ以来、おれ自販機使えないの。

2020-02-15 10:28:00
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 私が通っていた女子校で、架空の男子生徒(誰が書いたか知らないが靴箱に名前があった)にラブレターやバレンタインチョコを「お供え」する文化があった(あげたものは翌日自分で回収する)。…と思っていたらある日、休学していた男みたいな名前の女生徒が登校してきて我々はパニックに。

2020-02-14 12:34:26
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 雪の日には、あなたを思い出す。母方の実家、うすく積もった雪の中で迷ったわたしを、やさしく抱き上げてくれたのを。あなたが誰だったのか、未だにわからない。

2020-02-13 20:41:09
楠羽毛 @kusunoki_umou

#140字小説 あなたの音が好きでした。キーをたたく音、かたかたかたん。ペンを走らせる音、しゅるしゅるしゅるり。それから、紙をたたむ音。一度も、話したことはないけれど。

2020-02-13 00:36:13
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まとめたひと
楠羽毛 @kusunoki_umou

SF、とか…?