旅徒然・鴻巣

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2023年5月12日。当時はまだ埼玉県民だったので、免許の更新のために鴻巣に来ました。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BC… 鴻巣といえばやっぱり埼玉県警運転免許センターである。なんせWikipediaに「埼玉県内においては『鴻巣に行く』という言葉は当施設に行くこと意味する」と紹介されてるぐらいなので…… pic.twitter.com/2oOQeruG3w

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出来れば午前の部に出たかったのだけど寝過ごしてしまったので、予定を変えて免許センターを後回しにして鴻巣を探索。 pic.twitter.com/Xx70uL0c0z

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浄土宗の勝願寺。伽藍が広くて立派だ。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D… ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2… 関東十八檀林（檀林とは僧侶の養成機関のこと）の一つ。徳川家康に所縁の寺院ということで三葉葵の使用が許可されているらしい。改めて写真を見返してみると、確かに本堂の屋根に三葉葵らしき紋章がある…… pic.twitter.com/aQi6wMxtrw

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そして境内に聳える仁王門！ kounosu-portal.jp/article/shogan… 有名な大寺院ともなれば境内に立派な門が複数並んでいるのは珍しくないが、何となく寄った鴻巣の寺院でこんな堂々たる仁王門に出会うとは思わなかった。本堂とともに明治以降に再建されたものであるが、当時の権勢を思わせる建造物だ。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/j4eMplY6sM

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明治15年の火災で本堂や仁王門などは焼失してしまったが、総門のみ江戸時代のものが現存しているとのこと。こちらの扁額には栴檀林（せんだんりん）と書かれているらしいのだけど、仁王門に懸かっていた「天照山」のように大抵の扁額は「山」である。「林」は確かに珍しい。 pic.twitter.com/fW2s41E1GW

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伽藍に隣接しているのは鴻巣公園。 pic.twitter.com/Ctw1ZFYWtI

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もうちょっと伽藍の様子を。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/JIWaafxP9V

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所縁のある人物の墓所もあるが、歴史に疎い人間なので余りピンと来ない……寺院を後にして高崎線の跨線橋へ。むしろこの跨線橋で線路の対岸に渡るのが本来の目的で、寺院のほうがついでだったりしたのだけど、ついでの割りには見応えがあった。やはり何気無い寄り道は大事。 pic.twitter.com/YRaVHzJdCF

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跨線橋から眺める鴻巣の街並み。土地はひたすらに平たく、民家が多くて瓦屋根が漣のように連なっている。平穏たる閑静なベッドタウンだが、同じベッドタウンでも河を挟んだら直ぐに都内という川口市に比べれば、東京までは結構な距離がある。郊外らしい郊外の景色、ここにはどんな物語があるのだろう？ pic.twitter.com/BI1ZZOHXlZ

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跨線橋からひたすら真っ直ぐ歩き続ける。ここは埼玉県道27号線、或いは東松山鴻巣線。1.5kmぐらい歩いたけど、今回の目的地はまさにこの道そのもの…… twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/VSevsdoc8u

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川幅日本一の標。ここは荒川左岸から伸びる御成橋。実際に川幅が最大になる地点はもうちょっと上流らしいけれど。 city.kounosu.saitama.jp/page/2976.html tabi-mag.jp/kounosu/ 日本一となる川幅は2537m。ここにおける「川幅」の定義は河川敷を含めた堤防間の距離なので、実際の河川の幅は数十mしかない。 pic.twitter.com/LzVVUURP4D

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実際の川幅は数十m……と聞くと騙された気分になりそうだけど、しかし僕達は荒川第一調整池を既に知っている。堤防間の河川敷というのは、河川が溢れた場合には尽く水没する前提にある。河川敷が水瓶となることで致命的な氾濫を防ぐのである。すなわち川幅とは、氾濫に対する備えの真剣さなのだ。 pic.twitter.com/P1hS2HEorg

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それにしてもこの壮大な景色！ 広大無辺な土地に綺麗に敷き詰められた鮮やかな麦畑と花畑が、穏やかな五月の青空に引き立てられて素晴らしく映えている。対岸なんて到底観えず、荒川を渡るというよりは、まるで未知の異国との国境を越えようとしているかのような高揚すら沸き起こす途方もない絶景だ。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/mNEeqJ0JcX

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しかしこの途方もない絶景は、荒川が溢れれば全て沈むだろう。繰り返すが、川幅とは致命的な氾濫に備えようとする人類の真剣さの現れである。いつか濁流に沈むことを運命付けられた土地に咲き誇る花畑。いや、まさか花畑が広がってるとは思ってなかったのだ。今回の旅はどうやらかなり運に恵まれてる。 pic.twitter.com/GjhY2hjg5D

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そしてこれが……荒川である。一体こんな穏やかな流れの何を恐れるのだろう？ と考えてしまいそうだけど、以前訪れたところで言えば、がっちりと舗装された用水路ぐらいにしか見えない藤右衛門川にさえわざわざ上谷沼調整池が設置されていたぐらいなのだから、水害とは容易に計り知れないものなのだ。 pic.twitter.com/1aFb4iPMCf

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Google Mapの航空写真を確認。標から標までが概ね堤防間＝川幅である。すると、荒川の横にもう一本の河川らしきものがあるのが分かる。しかしこれは途切れ途切れになっていて、河川というよりはどうやら細長い池のようなものらしい。そして重要なのは、これから西側には堤防内なのに集落があるのだ！ twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/sbmoUT8O16

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一先ず進んでみよう。荒川を越えると花畑はなくなり、果てしなく麦畑と水田が広がっているばかりになる。僕も地元が田舎だから田園風景には慣れているが、しかし谷間の土地に田圃が段々になって並んでいるのと、一面がひたすら平坦な土地を田圃が多い尽くしているのとでは景色の性質がまるで違う。 pic.twitter.com/iYvskBLg2I

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麦畑は大分育っているけれど、水田はまさにこの五月が田植えの時期だ。農道に沿って電柱が走っているが、はて、電源を必要とする建物などは見当たらない。農業機械のためだけの電源とは思えないが……だとすればこの電柱は、荒川の治水に関わる機械に電気を送っているのかもしれない。ただ確証はない。 pic.twitter.com/PY0zkjUaYJ

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引き続き、2023年5月12日。麦畑の奥に水田が広がっている。遠く田植え機も確認出来る。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/9QEQu0555E

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さて、ここからまた不思議な景色が始まる。一見すると、橋が途切れて対岸の林に辿り着いたように思える。だが勿論まだ僕は2500mも歩いてない。ここは「荒川」の真ん中なのだ。ならばこの鬱蒼と続く林は一体何だ？ 歩道は一旦車道から離れて降りていく。ここから水田に降りる道と、車道に戻る道がある。 pic.twitter.com/EPT4FV9YTR

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林を抜けると……集落が現れた。ここは堤防の内側であり、それも堤防と堤防の真ん中ぐらいの位置である。繰り返すが、堤防と堤防の間とは、ここまでは河が増水して沈む可能性がある範囲であったはずなのだ。だが集落があるということは……？ そして集落のなかに埼玉県吉見町との境目があった。 pic.twitter.com/BsvsN9Uxfv

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Google Mapの航空写真。鴻巣市と吉見町の境界線が引かれているのは……河？ いやそれとも細長い池だろうか？ ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7… Wikipedia先生に依れば、これは旧荒川、つまり荒川の旧河道が埋め立てられずに残されたものらしい。河川というよりはやはり湖や沼というのが正しいようだ。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/uog1wrjs7G

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ここで更に新しい情報として「横堤」なる治水構造物が現れる。 ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%8D%92… ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%A1… 本堤から河川に突き出すように設けられた堤防のことで、荒川には現在25本が存続している。そしてここまで僕が渡ってきた御成橋は、ここで東吉見第二横堤へと接続しているのだ。 pic.twitter.com/YOXcCXb3Nk

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Google Mapで確認出来る限りでは、北吉見横堤と東吉見第ニ横堤に沿うようにして住宅地がある。もうちょっと下流には東吉見第一横堤があるので、どうやらこの三つの横堤（及び旧荒川）の存在が、この土地の集落を荒川の増水から守っているようなのだ。詳しいこの土地の事情については要勉強だが…… pic.twitter.com/1qZ96T3u40

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堤防間とは、増水したら水没する前提にある土地である……けど恐らくここでは横堤（及び旧荒川？）のお陰で容易に沈まない土地があって、人間が住むことが出来る。だとしたら、川幅日本一といっても実はわりと見かけ倒しなのだろうか。それとも、ここもまた場合によって沈みかねない場所なのだろうか？ twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/A0ww5HIZWe

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まぁ調べてみなければ適当なことは語れぬ。流石に対岸まで歩く時間はないので、この辺りで引き返すことにする。ただ折角なので周辺をぶらぶら散策してみると……これは……藪のなかの沼！ 池という感じでも湖という感じでもない、沼としか言い様がない感じが漂う沼！ そして一面の田園風景である。 pic.twitter.com/f1XAEZZvsV

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田圃なんて地元ですっかり観飽きているが、しかし地元の田圃は土地の傾斜によって段差状になっているのが当たり前だった。ここはひたすら観渡す限り真っ平らである。ましてや隣には沼っぽい感じの旧荒川と、それを覆い隠す藪っぽい感じの林。同じ田園風景でもうちの地元とは景色の道理がまるで違う。 pic.twitter.com/seoGgXduey

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「水」田というように、稲作には沢山の水を行き渡らせる灌漑システムが必要だ。うちの地元なら斜面に従って自然と流れていくが、ここは真っ平らな土地であり、かつ河川敷……つまりこの場所自体が既に堤防の内側（≒河のなか）であるという条件のなかで、満遍なく一面の田圃に水を流さねばならない。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/OFlPtxMdou

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一面の田圃に青空と雲が映る季節…… pic.twitter.com/uuArqgvlZ1

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用水路。一体どのように張り巡らされているのだろう。どのような仕組みで張り巡らされているのだろう…… pic.twitter.com/UZkWxQdfTM

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一ヶ月も更新が止まってた……旅徒然の振り返り、2023年5月12日、こちら荒川の堤防内にある田植えの季節の田園風景。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/YWiE6S0Wrh

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堤防の内側の平たい土地に、水を行き渡らせる仕組み。恐らくこの四角くて真っ黒なコンクリート製の何かも、その仕組みのうちの一つ……なんじゃないかなとは思うのだけど勝手になかを覗くわけにもいかず。田圃の土手は所によってかなり細くて薄い。田圃の外まで水が溢れ出しているような場所もある。 pic.twitter.com/c64rXtkMbw

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「水」の在り方が、僕の知っている田園風景とは違っている……でもそれを言語化するにはまだ知識や経験が足りない。興味深い景色なのだけど、あんまりうろうろと長居し過ぎて田植え中の農家の皆さんに不審に思われるのも不味いので、再び御成橋へ引き返す。 pic.twitter.com/ujWtiIB5mL

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田園風景に別れを告げて御成橋へ登る。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/PGecZyfAP4

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そう、忘れちゃいけない、この日の本来の目的は免許の更新なのだ。冒険にのめり込み過ぎて帰れなくなる事態だけは避けなくてはならない。とはいえやっぱり橋からの雄大な眺望は素晴らしい。 pic.twitter.com/yuExE18bQE

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行きで散々写真を撮ったはずのに、また懲りずに眺望を撮りまくってる。荒川を越えたら再び花畑が絨毯のように。 pic.twitter.com/UVHyLpiyHl

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……でもまだ正午前だ。慌てて戻らなきゃならない時間ではないはず。ということで、御成橋を渡り切ったところから河川敷に降りて、花畑の観賞に向かうことにした。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/tO1uVM0OR1

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これは本当に全然意図してなかったのだけど、翌日の5月13日が第13回こうのすはな祭りの初日だったらしいのだ。 city.kounosu.saitama.jp/site/hanamatsu… 河川敷を埋め尽くす鮮烈な赤い花はシャーレーポピー。ポピーはケシ属のことで、シャーレーポピーとはすなわちヒナゲシ……雛芥子、或いは虞美人草である。 pic.twitter.com/zvm8NK8N1d

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まさに観頃。桜や紫陽花なら何度も観に行ったものだけど、このような花畑は余り意図して訪れたことがないから新鮮である。 pic.twitter.com/iNW99iFhHE

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主役は花畑だけど、やはりその脇の景色も一緒に拾っておこう。例えば花畑の隣には普通に麦畑がある。草だらけの土手や用水路もある。この花畑は別に植物園の花壇ではないのだから、完璧に人為的に制御された景観というわけではない。そこまで含めて、僕達はこの景色を楽しまなくてはならないと思う。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/1CN1f1KbZJ

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主役は花畑なのに神社に逸れるのもまた旅。そしてたまに観掛ける、この穴の空いた石柱の用途を僕は未だに知らない。 pic.twitter.com/uQeOOnoZF0

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氷川神社。氷川神社は荒川の流域に多いとのことで、ここはまさに荒川を望む台地のうえにある氷川神社である。 jyuunintoiro634.blog.fc2.com/blog-entry-218… また滝馬室的祭（たきまむろ まといさい）という鴻巣市指定無形民俗文化財の行事があり、この神社の境内で子供達が弓矢を構えて的を射たりするのだそうな。 pic.twitter.com/YIDs1ikCTE

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さて、これから花畑の写真を一気に挙げていくのだけど、その前にこういう「脇」の写真を消化しておこうと思う。特に用水路……どうやらコンクリートで舗装されてるわけでもない道端の用水路に僕は何かしら興味を惹かれたようなのだけど、半年も経過してると全然当時の記憶がないもので困ってしまう。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/SW3dRQKz5Y

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お待ちかね、荒川河川敷を覆うシャーレーポピーの花畑である。場所によっては開花が進んでなかったり、いまいち密度が薄かったりするのだけど、ぎっちりと満開になった花畑ともなると一面の深紅が淡く白がちな空を背景にして残酷に……写真で振り返れば殊更に、残酷なまでに大地を焼き払っている。 pic.twitter.com/yJ6At7cC0N

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写真には画面の枠がある。画面の枠の外を写すことは出来ない。だから風景の性質によっては、その雄大さを表現しきれないこともしばしばある。一方で画面の枠に収まる範囲の景観であれば、この通り、むしろ現実以上の迫力でもって世界が何かに覆い尽くされている禍々しさを表現してしまうだろう。 pic.twitter.com/cE617jqYMF

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実際のところは周囲には道路や建物があり、観光客や自動車などがいる。確かに広大で美しく素晴らしい景観ではあるのだけど、それはあくまで有限に収まる程度の壮大さである。だけど僕にはその有限を画面から放逐することで、何処までも終わりのない真っ赤な世界を表現することも出来てしまうだろう。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/P1plIsTAo2

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だからこそ、僕は無闇やたらに沢山の写真を撮るのだろうと思う。僕は邪魔なものを放逐して完成された絶好の写真を撮りたいという願望と、なるべく現実の状況を記録した創作のための参考資料を集めたいという要求、その両方を達成するために取り敢えず片っ端から写真を撮ろうとしてしまうのである。 pic.twitter.com/fmwCjiYOJM

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まぁでも、本当に絶好の写真を撮りたければこんなスマホのカメラ機能程度で満足せず、カメラの知識を勉強してちゃんとした性能のものを購入するべきということになってしまうので、本来優先されるべきは参考資料としての……例えばTwitterで振り返るための記録としての役割なのだろうとも思うのだが。 pic.twitter.com/Ddwe5lXrZQ

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なにせここは花畑なので、花畑を背景にしたいい感じの人物写真を撮ろうとする人達は当然にいる。それは至極真っ当な行動ではあるのだけど、でも「花畑を背景にしていい感じの人物写真を撮ろうとする人達」はまさに僕の撮りたい景観を乱す存在でもある。そんな僕達のエゴが、花畑で交錯しているのだ。 twitter.com/lousism/status… pic.twitter.com/9gCpLjVnNJ

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黄色いのは……カルフォルニアポピーかな。 city.kounosu.saitama.jp/site/hanamatsu… 直ぐ近くにテントや駐車場があるうえに、真っ赤なシャーレーポピーが大地を埋め尽くすなかに残された貴重な黄色い花畑なものだから、観光客が集まってきて混雑している。これでは絶好を求めるのは難しい。諦めるしかあるまい。 pic.twitter.com/qgCwlpujlr

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