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ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「なんだお前、結構やるじゃねぇか。」 そう言いつつも表情一つ変えやしない。 本当にそう思ってんのか? 「まー……その、何だ。お前何て言うんだ?俺は伊予」 「先輩、本名を名乗るのはご法度です。」 すかさず隣から阻止される。

2016-06-03 22:52:05
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「ああ、そっか…魔法少女名を言えばいいのか?…えっと…俺達なんて言うんだっけ?」 「先輩がわからないのなら俺にもわからないです。」 「伊万里がわからないなら仕方ないな。」 おい、思いっ切り本名言ってるじゃねぇか。

2016-06-04 00:09:33
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL つーか何なんだ。こいつら。 二人揃って表情一つ変えねぇし、淡々と喋るし。 「これが…一位有力候補… 」 アザミンが足元でボソッとつぶやいた。 俺と同じことを感じたようだ。

2016-06-04 00:23:37
ナナシ @darkmoon_souji

「あ。」 廊下を歩いていると、見覚えるのある二人と出くわした。 「あん?なんだてめー、やんのか?」 すかさず潮がメンチを切る。 やめろ。と、俺は後ろから頭をひっぱたいた。 「おーおー元気なこった。さすがにこんな所ではごめんだぜ。」 目付きの悪い方がため息をつく。

2016-03-04 01:09:52
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 「…アンタ、意外とまともなんだな」 俺は率直に思ったことを言った。 「あ?どういう意味だ、それは」 やつは片眉をピクリとさせた。 「颯は案外普通だぞ」 優男は俺の言いたいことをわかってくれたようだ。 「うるせ、野々原。黙ってろ」 「本当の事だろう」

2016-03-04 01:13:53
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji そういやこの二人が一緒にいるところは初めてみる。 「あんたら仲いいのか?」 「ん?俺と颯か?もちろんマブダチだぜ!」 「だから黙ってろって!」 ……仲がいいのはよくわかった。 「名前、何だっけ」 「俺は野々原世那。こっちは五百川颯」

2016-03-04 01:22:56
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 優男こと、野々原が教えてくれた。 呼び捨てにしているが、よく考えたらこいつら年上だ。 「おめーは?アマリリスさんよ」 ニヤニヤしながら五百川が言った。 その名前で呼ばないでもらいたい。 「…天宮睦月。」 「天宮君。よろしくな!」

2016-03-04 01:25:12
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 野々原はかなり友好的な人物のようだ。 「あんたらって別にあのときと変わりないんだな」 「あぁ?キャラ作ってるとでも言いたいのか?んなわけねぇだろ、バカバカしい」 「俺たちはいつも通りだぞ」 敵キャラを演じているのかとてっきり。 さすがに痛いか。

2016-03-04 01:28:17
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 「でも痛いやつ沢山いるよな」 薊がボソッと言った。 そう。そうなんだよ。 俺が一番痛いんだけど、キャラはさすがに変えていない。 「…あー…あいつらは普段からあんな感じだし…」 誰のことをいっているのかわかったらしく、五百川は遠い目をした。

2016-03-04 01:31:20
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 「…あ。あれ…」 野々原が何かを見つけたらしく、指をさした。 俺たちもそちらの方を見る。 眼鏡をかけた一見地味めな男子が、先生の手伝いをさせられているのか、沢山ノートをもって歩いていた。 そこへ、やって来た女子たちがぶつかり、ノートが散らばる。

2016-03-04 01:34:23
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 「ご、ごめんね!向坂君。大丈夫?」 散らばったノートを集めながら、女子は平謝りする。 「俺より君は大丈夫?」 「え?」 「ケガはない?」 「う…うん…」 「そう…ならよかった。」 フワリと微笑んだ彼を見て、女子たちは頬を赤く染めた。

2016-03-04 01:36:54
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 「……向坂……」 キャーキャー言いながら去っていく女子たちを見送り、ため息をついていた彼の背後から五百川は声をかけた。 ビクッとして振り向き、そこにいる面々を見た瞬間……眼鏡こと向坂郁の表情に焦りが浮かんだ。 「…お前…」

2016-03-04 01:41:11
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji 「にゃーっ!これはこれはー!五百川先輩に野々原先輩じゃにゃいですかぁーっ!それにアマリリスさんまでー!」 アマリリスさんて。初めて呼ばれたわ。 「お前…それ作ってたんだな…」 「はい?にゃんのことですかにゃ?」 「いや…無理しなくていいから…」

2016-03-04 01:43:43
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL いつかの昼。屋上。 「お前ら何なんだよ!もっとやる気出せよ!こいつはちゃんとやってるのに!」 パンを頬張る後輩の背中をバンと叩く。 むせる。 「…やってないやつはそう言えるからええよな。」 「全くです。」 「はぁ!?俺だったらちゃんとやるね!」

2015-10-21 19:03:31
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji @sousakuTL 「絶対嘘やん…」 「同感です」 「くっ…お前らなぁっ………とにかく、毎度毎度その死んだ魚のような目はやめろ!大体おめー、三年目だぞ!?いい加減慣れろよな!」 「3年目でも慣れるわけないやろ!!3年目やから嫌やねん!!」

2015-10-21 19:13:19
ナナシ @darkmoon_souji

@darkmoon_souji @sousakuTL 噛みつかれて聞きたくないというふうに耳をふさぐ。 「何でお前はそれっぽく振る舞えるんだ?」 「え!?な、何でだろう…夢中であまりわかんないや」 「…理解できない…」 「ほんまに!だって俺ら男やで?やのにあんな格好させられて…」

2015-10-21 20:13:54
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「綾崎君、よかったの?」 「んー?何がや」 「あのお友達」 「…ええねん。うるさいだけやし」 「ふーん…」 「そんなことより、ごめん。せっかく勉強してたのに」 「ううん。気にしないで。綾崎君、白羽に沢山知り合いいるんだね」 「知り合いというか…」

2015-12-05 09:18:39
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「何だかいつもの綾崎君じゃないみたいで新鮮だったよ」 「…?どういうこと…?」 「…それじゃあ、受験、頑張ろうね。また明日!」 「お…おう…また明日…」 「バイバイ!」

2015-12-05 09:20:47
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「可愛いなぁ、白木さんは…」 ほくほくしながら帰路に着く。 アホに邪魔されたり、腹立つことばっかやってけどあの笑顔を見てると癒される。 …うん。頑張ろう。色々。

2015-12-05 09:25:02
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「ただいまー…」 「奏ー?帰ったんー?おかえりーあんたちーちゃんからまた手紙きてんでー机の上置いてるからー」 「…げー…」 また手紙? あいつこの一週間でどんだけ送ってくんの? …返事書いたらおさまるんやろうか…

2015-12-05 09:28:33
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「手紙?今時珍しいなぁ」 「ぎゃっ!!!!ね、姉ちゃん!?おったんか!」 「おったらあかんのか」 「…いつも帰り遅いから…」 「今日は早く帰ってくる気分やってん。それがおかんの言うてたちーちゃん?女の子?」 「…ちーちゃん女の子ちゃう…」

2015-12-05 09:33:21
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「男の子!?へぇー男同士で文通…それはまた珍しい…」 「やろうな…俺もこんなん書くん初めてや…」 「あたしだってそんなことしたことないわー今はメールで済むし。そのちーちゃんって遠いとこ住んでんの?」 「いや…近くはないけど、遠くもない…」

2015-12-05 09:36:41
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…ほんまや。会おうと思えば会える距離やん。何で文通してんの」 「こっちが聞きたいわ……姉ちゃん、俺もう部屋行ってええか」 「お?勉強すんのか?頑張れ受験生!」 「どーも」

2015-12-05 12:06:02
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 勉強机の上には何通もの手紙。一応読んではいる。 返事も出さん上に読まんのはさすがに心が痛い。 今日届いたやつも仕方なく封を開ける。 いつ書いたやつなんやろうか。

2015-12-05 13:31:06
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 内容は特別変わったことはない。 風邪は引いていないか、受験勉強は順調か。やっぱりメアド教えてほしい。学校で起きたできごと。 そんなんばっかり。 そういや今日、誕生日を教えてくれとか言うてたな。 何で突然誕生日やねん。 あいつは何なんや、ほんまに。

2015-12-05 13:47:44
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「……やる気失せた……」 机に顔を伏せる。 俺はあいつに何も教えてない。 メアドも電話番号も。誕生日も。 でも俺は知ってる。 聞いてないのに勝手にあいつが全部教えてくれた。 誕生日、血液型、好きな食べ物嫌いな食べ物。休みの日は何をしているか…

2015-12-05 14:14:05
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…千景…俺はお前のことなら何でも知ってるんやで…」 でも。あいつが何を考えているのかわからない。 そして、自分がどう思っているのかも。

2015-12-05 14:15:12
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL シリアス? カナちゃんの千景呼び一覧。 ・ちーちゃん ・ダーリン ・千景(怒ってるとき)

2015-12-05 14:17:05
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「あー…疲れたな…さすがに疲れた…ファミレスとかで働いたらあんな感じなんやろか…」 「お疲れ、カナちゃん。これは俺からの差し入れだ」 「おぉ、悪いな…ってまだおったんかよ!!!!」

2015-12-01 23:20:43
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「なんだ、いてはいけないのか」 「休憩中までおしかけてくんな。図々しいな、ほんま」 「ありがとう!」 「褒めてないけど!」 「お前ええんか、ここにおって。あいつらはどうしてん」 「神凪君と一緒に他の所を回っているんだろう。俺はカナちゃんと話したかったから」

2015-12-01 23:39:06
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…あっそう…」 「一緒に写真を撮るかメアド交換してくれるまで俺は帰らないぞ!」 「帰れ!!!!つーかさっきお前、盗撮してたやろ!」 「なんのことかな」 「しらばっくれても無駄や!気づいてないと思ったか!」

2015-12-01 23:40:19
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「それでも俺はしらばっくれよう!」 「じゃかましいわ!ほれ、そのスマホよこせ。もう使えんように愛情をこめて壊したるわ」 「スマホじゃなくて俺に愛情をこめてくれ!」 「お前とはほんまに話が噛み合わんな」

2015-12-02 08:01:32
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「今日は楽しかったよ。高校最後のいい思い出になった」 「あーそうですか…こっちは最悪やけどな…」 「カナちゃんのメイド服姿も見られたしな!」 「俺はもう何も言わん」 「これでメアドも聞けたら最高なのだが」 「……。」 「無視はつらいよ」

2015-12-02 15:55:11
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「家の住所知っているだけで十分やとは思わんか?」 「メールの方がいつでもどこでも連絡とれるじゃないか!今時文通って!いや、文通もなかなか味わい深いが。あのなかなか返事がこない焦れったさ…毎日開けてしまうポスト…」

2015-12-02 16:01:21
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「なんや詩人みたくなってきたぞ」 「文通もしたい!しかしメールもしたい!あわよくば電話も!」 「欲張りか」 「なぜダメなんだ!?」 「自分の行動を思い返してみろや…このストーカーめ…」 「ストーカーとは心外な!」 「ストーカーです」

2015-12-02 16:37:13
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「そんなきっぱりと言われるのもつらい」 「ちょっとは自覚しろ」 「俺は単に仲良くしたいだけだ」 「お前の仲良くはいきすぎてる」 「時にカナちゃん」 「話変えやがったな」 「どこを受験するんだ?」 「…絶対教えん」 「それもか!!」

2015-12-02 16:47:54
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「くっ…まぁいい…そんなものは他の連中から聞き出せばいいんだ…」 「聞き出してどうする気や。…ろくなこと考えてるやろうから聞かんとくけど。他のやつらに聞いたって無駄やで」 「どういうことだそれは」 「誰にも言うてへんからな」

2015-12-02 16:50:08
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「誰にもって…」 「先生と家族だけ。友達にも誰にも言うてへん」 「そんな…カナちゃん友達がいたのか…」 「おい、いい加減にせえよ。ぶん殴んぞ」

2015-12-02 16:58:38
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「冗談だよ…。じゃあ大学生になったらせめてどこの大学か教えてくれるか?」 「しゃーないな。それくらいなら約束したる」 「上から目線だな…」 「お前に言われたくない」 「ちなみに俺はどこへ進学するか聞きたいか?」 「いらん」 「即答!!」

2015-12-02 17:01:47
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「興味ないし、お前がどこ行くとかどうでもええ」 「ひどい…俺はつらいよ、カナちゃん…」 「人のこと気にしてる場合ちゃうし」 「カナちゃん、俺は文学を学びたいと思っているんだが…」 「聞いてないから!お前の話とか聞きたないから!」

2015-12-02 17:04:47
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「できれば日本文学いいなと思っているんだ…古文とかな…俺は百人一首が好きなんだよ…」 「知らんがな。平安時代にでもタイムスリップしたら?」 「カナちゃん!共に日本文学に触れよう!!」 「何でそうなんねん!大体俺は古文が苦手や!」

2015-12-02 17:14:25
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「俺と同じ大学に来てくれ!それか俺がカナちゃんと同じ大学を受ける!!」 「やっぱりそれが狙いか!お断りじゃボケ!」 「いやだ!!離れたくない!」 「元から離れてるがな!ていうかくっつくな!!」

2015-12-02 17:29:21
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「俺と楽しい大学生活を送ろう!!」 「ない!ないない!」 「ただでさえこの距離が遠いというのに、もっと遠くなってしまうなんて嫌だ!」 「知らんし!何でもええから離れろ!人に見られたらどないすんねん!」 「見られたからなんだって言うんだ!」 「はぁ!?」

2015-12-02 17:47:36
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「人の目なんてどうでもいい。それより今は!お前と一緒にいたいということが、何よりの問題なんだ!」 「ち…ちか…」 「あ!綾崎君、こんな所にいたんだ!」 「!?」

2015-12-02 18:31:40
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「し、白木さん…」 「あ、ごめんね。お友達と一緒だったんだ。」 「お友達?あぁ、これか?気にせんでええよ、どないしたん」 「これってなんだ!これって!」 「えーと…良かったらどうぞ。差し入れ」 「え!?ありがとう!くれんの?」

2015-12-02 18:38:30
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「うん。かなりお疲れだったみたいだから少し心配になっちゃって」 「白木さん…!」 「それで…ね。後でいいんだけど、一緒に写真撮ってもらっても…いいかな?」 「写真?かまへんよ」 「なっ!?」 「ありがとう!綾崎君すごく似合ってるから…写真撮りたくて」

2015-12-02 18:42:26
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「それは素直に喜ばれへんけど…白木さんもよー似おとるで」 「やだ、照れるじゃない。ありがとう。じゃ、また後で!後半も頑張ろうね!」 「おー頑張ろー」

2015-12-02 18:44:42
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「………………カナちゃん………………」 「な、なんや、その目は。クラスメイトと喋ったらあかんのか。わざわざ差し入れ持ってきてくれたんやで、めっちゃええ子やん」 「カナちゃん……………」 「だから何やねん!言いたいことあるんならはっきり言えや!」

2015-12-02 18:46:22
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「…なぜあの女子はカナちゃんに差し入れを持ってきたのか…」 「いや、何でって。別にええやん。白木さんはみんなに優しいんやで」 「…納得がいかん…」 「はぁ?わけわからん…何言うてんねん…」 「というかものすごく邪魔された感が…」 「…俺、そろそろ戻るわ」

2015-12-02 18:50:39
ナナシ @darkmoon_souji

@sousakuTL 「ちょ、ちょっと待ってくれ!まだ言いたいことが…」 「あとはお手紙にでもどーぞ。お前もいい加減あいつらと合流せぇや」 「カナちゃん!」 「ほんなら元気でな、ダーリン」 「ぐっ……今ここでそれを言うか…ずるいぞ!カナちゃん!!」

2015-12-02 18:53:43
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