心の在り処は如何に在るか、あるいは腹が満ちるとは。 死ぬほど燃費が悪い炭×料理上手善。 今のとこ人物設定のみ。またしても長男が病んでる。
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朴@色々と限界値 @hzy195

「君の教育はここではできないよ。君はどこに行っても迷惑しかかけないだろうけど、別のところにいってくれないかな」 つまりは、そういうことだった。 息が詰まる。

2021-10-02 13:31:41
朴@色々と限界値 @hzy195

そのほかにも、いろいろと言われた気がする。理不尽なことなのか、でも言われてみれば結局俺が至らなかったからなのか、判別はつかないし、未来になってもつかないだろう。ただ、最後に、「机は今日中に明け渡してね。もう何も手を付けないでね」と言われたことだけは覚えている。

2021-10-02 14:29:47
朴@色々と限界値 @hzy195

「善逸?」 「……」 「どうした?」 「どうしたって、」 「泣いてるぞ」 「……嘘だあ、」 自覚はなかった。でも、思い出はある。 俺は昔から涙腺が弱かった。いつの間にか泣いていて、それが気味悪い、私たちのせいみたい、そういわれるから泣くときは合図のように大声で喚くことにした。

2021-10-02 14:29:47
朴@色々と限界値 @hzy195

そしたら施設に返される。おれは本当に、事態を悪い方に突き進ませるのが得意だな、と、一瞬思う。 「悲しいことがあったんだな」 「……」 たんじろうが俺の髪を梳くようにして撫ぜた。 悲しくはないが、さみしさはある。 いつか、一緒にいていい誰かを。そう、夜になるたびに願っていた。

2021-10-02 14:29:48
朴@色々と限界値 @hzy195

「ごめんな」 たんじろうが急に俺に謝った。 「善逸が泣くの、褥でなら大好きなんだが、昼間は笑わせてやりたいなあ」 うるせえ閨事をにおわせるな。そう、どこかで思うが、前頭葉の辺りは冷静に、長男は俺を慰めるのがうまいなあと思う。

2021-10-02 14:29:48
朴@色々と限界値 @hzy195

お前、そういうやつだったんだな、とどこか、不思議な心地になるのだった。 「俺は米を炊くぞ、善逸」 「いいなあ、俺たんじろの米好き」 「そのうちパンも、絶対に焼く」 「ふひひっ楽しみ」 「そしたら善逸が一番だ。ぜひ父さんの前に品評してくれ」 うん。

2021-10-02 14:29:49
朴@色々と限界値 @hzy195

その時は、俺がとっときの、お前が苦手なパイをたくさん焼いてやろうと、少しだけ思った。 「お前の、お日様みたいな笑顔が好きだよ」 ころん、とした水の一粒を最後にそう言って笑うと、目の前のお日様は己こそが満たされたように幸甚をにじませ笑ってくれた。

2021-10-02 14:29:49
朴@色々と限界値 @hzy195

「伊之助さあ、なんかリクエストある?」 「こないだのピーチパイ?もっかいよこせ」 「気に入った?」 「俺様じゃねえ。健三郎の奴がもう一度食いたいって」 「お前、食い物分ける気遣いあったの。健三郎って誰だよ」 「健太郎は権八郎だ」 「わからん」 「悔しそうな顔してた。もう一度食って

2021-10-02 14:52:21
朴@色々と限界値 @hzy195

参考にしたいって」 こいつの友達って、と首を傾げて、「あ、」と思う。 どこか、こわばったような笑顔のあの子。 そういや、昼休みに飯一緒に食ってるんだって言ってたな。 「俺なんかのを参考にするの?」 「パイ生地とかでデニッ…でねーしゅ?とか作るの苦手なんだっつってたな。

2021-10-02 14:52:21
朴@色々と限界値 @hzy195

バターがすぐに溶けちまうんだと」 「パイ生地なんてカードでひたすらバターと粉と切り混ぜるだけじゃん…」 厨房の室温だか体温だかが高いのかもしれない。それとも製品としてたくさん作る際にはどうしても手が触れてしまうか。ううん、わからん。

2021-10-02 14:52:22
朴@色々と限界値 @hzy195

でも、そうか。 俺の菓子は、パン屋の息子に認められるくらいではあるのか。

2021-10-02 14:52:22
朴@色々と限界値 @hzy195

成長ね。俺だって、手ごたえがないなあとは思っていた。 ろくな研修もなく、簡単な仕事からね、といきなり放り込まれた部署。製品開発や営業ならば、責任の重圧の反面、成功すれば神のように崇められることになったのだろう。俺が放り込まれたのはパソコンだらけの、全くそういうのには無縁な部署で、

2021-10-02 15:12:37
朴@色々と限界値 @hzy195

でも大好きなこの業界で、近くで働きたいと思っていたから頑張ろうとは思っていた。 時節も悪かったのだろう。右も左もわからない俺なんかにできる業務はなくて、仕事を何とか覚えようと意気込むと、このクソ忙しいのにって、かえって嫌な音を立てられる。バイトよりも居場所がないような冷たい感覚。

2021-10-02 15:12:37
朴@色々と限界値 @hzy195

だったら俺はいったいどうすればよかったのだろう。何にも不安なんかないですよって、せめて生意気で構いやすい下っ端のふりをしていた。舐められていても構わなかった。

2021-10-02 15:12:38
朴@色々と限界値 @hzy195

「君は周りの邪魔しかしない」って言われたことだけは、そうだな、ちょっと寂しかったな。

2021-10-02 15:24:33
朴@色々と限界値 @hzy195

伊之助 「お前ほんといつまでも裸足だよな…」 「うっぜえなお前までンなこと言うのかよ」 「いや俺は風紀委員だから言うよ…というか、伊之助。別にそれが信念でそうしてるって言うなら俺は朝以外はなんも言わんけどさ。警察ってここ以上に服務厳しいんだけど、平気?」 「エ」

2021-10-16 19:41:07
朴@色々と限界値 @hzy195

みてえな会話をな…。 「待て話が違くねえか千逸、お前がそれを推したんだろ」 「いや俺性分的にはあってるとは思うけど服務についての話はしたことねえよ。そんで街のおまわりさんになっても自転車でパトロールとかするんだと思うけど、お前自転車乗れんの?裸足で?犯人追って走るの?裸足で、

2021-10-16 19:41:07
朴@色々と限界値 @hzy195

あらゆる状態の地面の場所を?」 「……」 「自転車乗るの手伝う?」 「……」 「こういう時は『お願いします』って言うんだ、親分」 「……オネガイシマス」 「おう、自転車…はひとまず俺のがあるから、靴買っとけよ。……一緒に選ぶかあ……」 「オネガイシマス……」

2021-10-16 19:41:08
朴@色々と限界値 @hzy195

「あーいいいい。やめろよそんな貼り付けた笑顔、くそくらえだ」 「うんうん話に頷かなくていい。会話についてこようなんて気ぃ回す必要ねえよ。誰かと飯食うのだってほんとはめっちゃつらいだろ、竈門君」 「愛想は、脳のリソースを物理で喰ってきやがるからな。せめて好きなように、好きなの食べて」

2021-10-23 13:55:52
朴@色々と限界値 @hzy195

「…味、しないです」 「いいよ。俺一口目で噛んだ瞬間すっげえ眠くなったこと何度かあるし。食えるだけでいいから食ってよ。ましな方だよ」 もちろん眠くなったならすぐ寝ていいし。 こく。 うん、と少しだけ頷いた。

2021-10-23 21:35:04
朴@色々と限界値 @hzy195

何かしようとするもその途端に眠気がひどいって言うあるある 「眠いなら寝ろよ。それは『無理』なんだよ」

2021-10-26 09:29:32
朴@色々と限界値 @hzy195

「俺はオープンエロでいきますね!エロは人を救うからな!」

2021-10-26 09:29:32
朴@色々と限界値 @hzy195

もうさ、胃に血が回るってああいうことなんだな。手足がガーッと冷えてさ、ブルブル震えやがるの。いや動物の消化にかけるエネルギーってすげえよ。

2021-10-26 09:29:32
朴@色々と限界値 @hzy195

――俺のパンだから駄目なのか? ――応。 ――父の味なら大丈夫なのか? ――否。 だったら俺は、これからどうしていけばいいのか。

2021-10-26 14:36:07
朴@色々と限界値 @hzy195

医療費は保険に入っていたので賄えた。 生活費も、補助だのなんだので何とかなった。 「あとは、この店舗の維持費の借金が何とかなればね」 「ああ。みんなよく耐えてくれた。これだけで済んでよかった。ありがとう」 夜中、そう話している両親の言葉を聞いてしまった。嫌味などもちろんなかったが。

2021-10-26 14:36:07
朴@色々と限界値 @hzy195

――そうか、俺は、足りなかったのだ。 なぜだかそう、思えてしまった。

2021-10-26 14:36:07
朴@色々と限界値 @hzy195

竈門君がげえげえ吐きながら路上に散乱させたパンを丁寧に袋に入れなおして手をつないで自宅に持ち帰る我妻君 「――え」 「ん?」 「何、食べようと、してるんですか…?」 「んエッアッ駄目だった!?ちぎればうまいと思ったんだけど!」 この我妻君は幼少期の体験からこんな味のパン屁でもないです

2021-10-26 14:36:08
朴@色々と限界値 @hzy195

「脳みその拒絶反応だけはどうにもならんからな」 彼は、どこか感慨深げに、いとわしそうにそれを言った。

2021-10-26 14:41:57
朴@色々と限界値 @hzy195

「…なん、ですか」 「いや、うまいなと思って。なんだかんだ言って俺、在学中に竈門ベーカリーのパン食ったことなかったから」 「…俺にはもうわからない、です、それ」 「そう。今はそれでいいんじゃない」 「そんなわけない…」 「いいんだよ。俺はこれ、うまいと思ったよ。そんだけしか言わん」

2021-10-26 14:44:59
朴@色々と限界値 @hzy195

あっしまった匂いでダメな竈門君の時期だった

2021-10-26 17:04:25
朴@色々と限界値 @hzy195

逆に考えるんだ 竈門ベーカリーのパンだからこそ匂いで吐かずにここまで持ち歩けていたんだと

2021-10-26 17:52:46
朴@色々と限界値 @hzy195

揺れる紙袋の中、自分の饐えた胃液の匂いが気持ち悪い。 なんでこんなものを、平気で口に入れてしまうんだろう。変態か何かなのか。

2021-10-27 15:41:55
朴@色々と限界値 @hzy195

「…まあすげえ顔だこと」 「……」 「ほとんど砂で汚れただけで、しかも一部だろ。ちょっと匂いはするけど充分食える。伊之助だって似たようなタイプだったと思うけど」 「…伊之助は人の吐いたものは食いません」 「その部分寄り分けて食っとるわ。舐めんな」

2021-10-27 15:53:08
朴@色々と限界値 @hzy195

「お前は本当に他人のことばかりにかまけて」という養父の言葉に首を傾げた。どうにも、己に合致しない。何かの夢を見てるんじゃないかと疑う。「てめえはほんとに、自分のことばかりだな」という兄貴の侮蔑の言葉の方が真実味がある。

2021-10-29 06:35:52
朴@色々と限界値 @hzy195

いつか、知るだろう、爺ちゃん。あんたの甘さが、あんた自身を殺すときには、遅くとも。 あんたが信じてたもののあまりの儚さと醜さを、その時初めて恥じて、悔いる。

2021-10-29 06:35:52
朴@色々と限界値 @hzy195

それでも、信じててくれ。俺自身があまりに信じられない俺を、死の刹那にまで信じててくれ。 ――ああ、それこそが、俺の身勝手さの表れであると、そう思うたびに知るのだと。 あなたの誇りの一部にすらもなれなかった俺を、どうか、いつか。

2021-10-29 06:35:52
朴@色々と限界値 @hzy195

――しかし、同じ人間を形容するのにこんなにも百八十度評価が違うのもおもしれえよな。

2021-10-29 06:37:32
朴@色々と限界値 @hzy195

善逸君はハーブティー芸人でもある。炭さんは善逸君の住まいの匂いの洪水に最初割と混乱した。リラックス・安眠ハーブがやたらと多い。

2021-10-29 06:37:32
朴@色々と限界値 @hzy195

善逸君の朝の目覚ましは牛乳八割の無糖カフェラテとかインスタントのコンポタとか 炭さんが匂いに反応して起きちゃうので(音で分かる)最近はベランダでぼうっと啜るようになった

2021-10-29 06:46:34
朴@色々と限界値 @hzy195

善逸君、炭さんを甘やかすときは(基本甘やかしてるけど)レモネードを作ってくれる リアル友人が匂いと味が合致しないもの駄目って言って教えてくれたエピソードなのでたぶん炭さんもそれ系

2021-10-29 13:01:12
朴@色々と限界値 @hzy195

「おおーゆしろーくんこっちだこっち、久しぶり」 「死ね」 「ひどくない!?」 「珠世様のお手を煩わせるお前なぞその扱いで十分だ」 「アッはい。いや珠世先生が精神科の診察経験お持ちでよかったわ。さすがすぎる」 「死ね」 「無限ループ…」

2021-10-30 11:10:55
朴@色々と限界値 @hzy195

善逸君が炭さんのことを報告&一応の診察をお願いする先は養護教諭珠世様で(もちろん薬とかは出せないし正式な診察ではない)(ほんとうに金がないと暴れられたのに疲れたのと学校側への報告も兼ねる)

2021-10-30 11:10:55
朴@色々と限界値 @hzy195

「俺、竈門君の…真面目さ…?(ろくろ)は鱗滝さんと冨岡先生のご指導のたまものだと思ってました」 「それもあるだろうが竈門家生来の気質だ、あれは」 竈門家家庭面談の後冨岡さんと。「金を出させろ」と竈門夫妻にめちゃくちゃごねられた

2021-10-30 14:23:26
朴@色々と限界値 @hzy195

竈門ベーカリー含むあの辺のご近所さんはたいてい一度は鱗滝さん門下になる さびとくんとかもいる(師範代)

2021-10-30 14:23:27
朴@色々と限界値 @hzy195

実はたんじろうくんのなんちゃってバイト代は竈門家の支払うたんじろうくんの食費

2021-10-30 14:33:33
朴@色々と限界値 @hzy195

――おそらくこの長男は、誰かのためならば、理由があるならばどこまでも頑張れるタイプの人間なのだろう。 だから、理由が無くなった瞬間に崩れてしまった。

2021-11-05 10:15:52
朴@色々と限界値 @hzy195

ご飯を作る時、泣きわめきたくなるのはなぜだろう。作るのはうさぎの餌みたいなどうでもいいようなもんなのに、どうも、人間らしい振舞いをしている己が解釈違いなのかもしれない。

2021-11-09 12:51:44
朴@色々と限界値 @hzy195

ちょっとでもまともなご飯ってさあ、作っても食ってもなんでか泣けてきちまうんだよな だから目の前の少年もなんだか泣いてしまったのかもしれないな、と善逸は思った

2021-11-09 14:09:46
朴@色々と限界値 @hzy195

心臓に穴が開いて壊死する感覚を知っているか。

2021-11-18 13:38:22
朴@色々と限界値 @hzy195

あがつまくん菓子業界のチェーン(事務方)(正社員のくせに金髪地毛ゆえ店舗に立てない)に就職した 周りの噂好きの奥様方から「パティシエさんになられるの?専門学校はどちら?あのお爺様とあのお兄さんの兄弟ですからねえ、よっぽどご優秀なのね」とか言われて愛想笑いしつつも地獄み(高卒就職)

2021-11-20 11:55:20
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まとめたひと
朴@5/17目標 @hzy195

甘味の海に溺死しろ|Fate赤弓とkmt善逸|R18腐ゆえに鍵です ある程度まとまった壁打ち等々はプロフカードへ オタクというより軽率な腐女子 タイッツー垢:同じIDです(鍵)暫くこちらで遊んでます Bluesky垢も新規で作りました:同じIDソーシャル Xは今のところ情報収集目的で覗くことが多いです