抜粋)①『スタンフォードの自分を変える教室』＆『図解でわかるスタンフォでんでん』

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【戦略1】「自分に厳し過ぎないで」 スタンフォードの自分を変える教室 ケリー・マクゴニガル, 神崎 朗子 本 youtu.be/WcPlyvfT2uQ @YouTubeさんから

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↓　夏休み終盤につき、『#スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房2012.10)と『図解　〃　』(大和書房2014.5)から、第８章「意志力は感染する」第９章「欲求の波を乗り越える」を抜粋したく。前フリは下の動画をご覧下さい。 pic.twitter.com/l9qH7tLSIG

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↓　#摂食障害 や #リスカ など様々な人たちの呟きを拝見していると、感染する(うつる)心情が垣間見えたりします。刺激についてはオブラートに控えるという態度もありがちですけれど、ぼくはオープンでもいいと思う。特に、ついったらんどでは。というわけで、前掲書第８章「感染した！」から。

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私たちの脳は、驚くほど他の人たちの目標や、信念や、行動を、自分自身の決定に取り込んでいます。他の人たちと行動を共にしたり、あるいはその人たちのことを考えたりしただけで、その人たちは私たちの心の中で「もう一人の自分」と化し、自己コントロールに影響を及ぼします。

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その逆もしかりで、私たち自身の行動も、無数の人々の行動に影響を及ぼします。自分の行なった選択が、他の人たちにとってよい刺激となったり、あるいは誘惑になったりするのです。　Id, at 301

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(なお、今晩は、本書のほうから引用しますが、『図解でわかる～』の本も見やすくてお薦めです。こんな感じで、 pic.twitter.com/i0AnGTki39

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承前) こんな感じです。) pic.twitter.com/UdDuqrMCyz

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第８章「意志力の感染」に戻ります。アメリカ疾病対策予防センターの調査では、1990年に肥満率が15%以上の州はひとつもなかったのに、1999年には肥満率20～24%の州が18 、2009年には25%以上の州が33もありました。公衆衛生当局はこれを「肥満の感染」と呼びました。

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肥満は家族や友人の間で感染していました。一方では禁煙も感染する確率が高くなりました。他にも、薬物の使用や睡眠不足、ゆううつなどが同様のパターンで広まっていました。つまり、悪い習慣も好ましい変化も、人から人へと感染します。そして、その影響をまったく受けない人はいないということです。

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自分の「感染源」を発見する。あなたの習慣は、友人や家族の習慣がうつったものだと思いますか？　仲間うちで、あなたと同じ問題の改善に取り組み始めた人はいますか？ Id, at 275

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人間は他人と関わって生きていくようにできており、脳にはミラーニューロンという特殊な細胞があります。これは、他の人たちが考えていることや感じていること、行っていることを把握するためにのみ存在する細胞です。

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あなたは私と台所にいて、私が右手をナイフのほうへ伸ばすのを見ます。あなたの脳はこの動きをただちにコード化します。すると、あなたの脳は私の動作をあなたの体の中で再現しようとします。まるで、探偵が犯行現場を再現して何がどのように起きたのかを理解しようとするかのように。

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ミラーニューロンは他人の動作を再現しようとします。それによって、あなたは私がなぜナイフを手に取ろうとしているのか、次に何が起ころうとしているのかを予測しようとします。私はあなたを襲おうとしているのか？　それとも私が狙っている獲物はカウンターの上のキャロットケーキなのか？

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ナイフを持った時、私がうっかり指を切ってしまったとしましょう。それを見ていたあなたの脳では、痛みをつかさどる領域に存在するミラーニューロンが反応します。あなたの脊髄の神経は、右手から送られてくるはずの痛みの信号を捉えようとさえします。まるであなたが実際に手を切ったかのように。

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私は指にバンドエイドを巻き、ケーキを一切れ自分のお皿に載せました。すると、あなたの脳の報酬システムに存在するミラーニューロンが活性化します。ミラーニューロンが他人の心の中に報酬を期待する気持ちを読み取ると、自分にもごほうびが欲しくなってしまうのです。

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脳は「目にした失敗」をまねたがります。社会脳が意志力の問題における失敗をまねる３つのパターンは、①無意識にまねをする(ミラーニューロンがお互いのしぐさをまねることで相手を理解したり親近感が湧く)、②感情に感染する(ミラーニューロンは感情にも反応します。嫌な気分に感染すると、

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私たちは気晴らしのためにいつもの作戦に出ようとします)、③誰かが誘惑に負けるのを見ると、私たちの脳が誘惑に反応してしまうのです。 自分が誰かの行動のまねをしているかどうか注意してみましょう。Id, at 280

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無意識に誰かのまねをし、相手と同じ目標を抱くことを「目標感染」と呼びます。目標が感染するのは自分もある程度は経験のあることだけです。インフルエンザのウイルスに感染するのとは違って、まったく経験のないことに少し触れたくらいでは感染しません。

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目標感染には二つのタイプがあります。自己コントロールが感染する場合と、自分を甘やかそうとする誘惑が感染する場合があります。私たちはとりわけ誘惑の感染に弱いようです。

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誰かが誘惑に負けるのを見て、逆に自己コントロールが強くなる場合もあります。これは「反作用的コントロール」と呼ばれます。自己コントロールを脅かすものに対する免疫力のようなものです。

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どんな誘惑にかられたら目標に反する行動を取ってしまうかを考えます。　自分の目標をあらためて思い起こすことは、誘惑のウイルスからあなたを守るワクチンのように、あなたの心構えをいっそう強化し、望ましくない欲求が感染するのを防ぐ助けになります。

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ルール違反も感染します。その行動を目にしなくても、他人がルールを無視して好き勝手に振る舞った「形跡」を見ただけで、私たちも衝動に負けやすくなります。自制心が低下してしまいます。 一方、自制心の強い人のことを考えると、自分自身の意志力も強くなることが研究によって明らかになっています

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風邪やインフルエンザなどの「単純性接触感染」では、誰から感染しようと影響力は変わりません。一方、肥満や喫煙などの社会的流行は「複雑性感染」のパターンによって広まります。この場合、肥満や喫煙の“保菌者”と接触するだけでは感染しません。その人とあなたの関係が決め手となります。

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同僚の影響力など、親友の影響力に比べたら足元にも及びません。なぜ親しい間柄では振る舞いが感染しやすいのでしょうか？　誰かのことを「自分たちとは違う」と認識した場合にかぎって、私たちの免疫システムは、その人の欲求や振る舞いが自分に感染するのを防ぎます。

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体の免疫システムも、自分の細胞を攻撃したりはしません。自分と同じだと認識するものは攻撃しないわけです。しかし、「自分とは違うもの」だと認識した場合は、脅威とみなします。そして、病気が自分にうつらないようにそのウイルスやバクテリアを隔離したり破壊したりします。

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それと同じで、私たちが愛情や尊敬や親しみを抱いている人たちのことを考えるときには、私たちの脳はその人たちのことを「自分とは違うもの」としてとらえるのではなく、自分と同じものとみなします。

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私たちが「自分」と思っているものには、自分が大事に思っている人も含まれるのです。私たちの自己意識は、他の人たちとの関係の上に成り立っており、多くの場合、他の人たちのことを考えることによってのみ、自分というものをとらえることができます。

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私たちの自己意識には、このように他の人たちが含まれているために、その人たちの選択が私たちの選択にも影響を及ぼすのです。　Id, at 288

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誰の影響を最も受けていますか？ 自分にとって「親しき他人」とは誰だろう？　いつのまにか、その人たちと同じこと(いいことでも、悪いことでも)をやっていませんか？　あるいは、その人たちのほうが、あなたと同じことをするようになりましたか？ #摂食障害　#リスカ

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スタンフォードの学生たちの飲酒に対する介入実験では、次の２種類のチラシが用意されました。「一晩飲み過ぎただけで、抽象的な思考力がその後３０日間衰えます」と「スタンフォードの院生は酒飲みが多い。あんなろくでなし連中と間違えられたら最悪」です。

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後者のチラシを寮で見た学生たちの２週間後の飲酒量は、前者のチラシを見た学生たちのそれを50%も下回っていました。アンケート回答が真実であれば、不健康な行動をやめさせるためには、「そんなことをするのは、あなたが絶対に仲間になりたくないような人たちの習慣ですよ」と言えばよいのですww

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私たちは仲間がやっていることは、よいことであれ悪いことであれ、自分もやったほうが賢明だと判断します。これは「ソーシャルプルーフ(Social Proof)」と呼ばれるものの一種です。

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「40%のアメリカ人は運動を全くしておらず、成人一人当たりの砂糖の年間消費量は50kg」という情報は、私たちは自分も多数派に属しているんだと知って、仲間意識を目覚めさせるだけです。この手の情報を聞けば聞くほど、自分もこのままでいいやと思ってしまいます。

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アメリカ国民の86%と同じだと言われたのに、なぜあえて自分だけ変わる必要があるのでしょうか？

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ある研究では、他の家庭に比べて光熱費の使用量が少ないと知らされた世帯では、電気をつけっ放しにしたり、設定温度を上げたりする傾向が見られました。「よいことをしたい」という思いより、「みんなと同じでいたい」思いのほうが強いかもしれないのです。

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ソーシャルプルーフに関しては、他の人たちが実際に行っていることよりも、他の人たちが行っているだろうと【思っていること】のほうが重要だったりします。私たちすべてが詐欺師ではありません。正直に納税している人々に関する正確なデータを与えられれば、正直な納税をする人の数は増えるはずです。

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自分では変えたいと思っている行動でも、他のみんなもやっていると思うと、ソーシャルプルーフの効果でせっかくの努力が妨げられることがあります。 「みんなだって同じことをしているのだから、自分だけ変えようなんてがんばる必要ないのかも。」

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もしそうなら、そんな考え方でいいのかどうか、疑ってみたほうがよいでしょう。いちばんいいのは、あなたができるようになりたいと思っていることを習慣にしている人たちに出会うことです。あなたが見習いたくなるような新しい「仲間」を見つけましょう。

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同じ目標を目指す仲間に囲まれていれば、「みんなやっていることだから」と、努力することがふつうに思えてくるでしょう。

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どうすべきか迷っている時、私たちはつい、人にどう思われるだろうかと考えます。これをうまく利用することによって自己コントロールを強化することができます。禁煙という目標を達成したらどんなに自分を誇らしく思うだろうと想像する人は、最後までやり遂げて成功する確率が高くなります。

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他方、「人に呆れられるかもしれない」と想像するのも効果的です。「プライド」や「恥」などの社会的な感情は、長い目で見た損得をふまえた理性的な議論よりも、私たちの選択に対して速やかで直接的な影響を及ぼす、としてデステノは「非理性的な自己コントロール」と呼んでいます。

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私たちは、「自己コントロール」は一般的に非理性的な衝動に対する冷静な理性の勝利だと考えています。けれども、プライドや恥というのは、論理的な前頭葉皮質ではなく、感情をつかさどる脳の領域の働きによるものです。社会的な感情は、仲間とよい関係を保つために発達したのかもしれません。

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恥の意識は、予防策としては役に立ちます。しかし実際に何かをやらかしてしまった場合には、恥の意識がもたらすのは自己コントロールではなくて、むしろどうにでもなれ効果です。(←「どうにでもなれ効果」は、先に紹介したユーチューブ動画の 3:46 に出てきます。)

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誘惑がふいに目の前に現れると、報酬を期待する気持ちにあっけなく負けてしまいます。ドーパミン神経細胞がいったん活性化すると、後ろめたい気持ちはかえって欲望に火をつけ、誘惑に負けやすくなってしまいます。

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一方、プライドは誘惑にさらされても持ちこたえます。チーズ・ケーキ・ファクトリーのケーキを目の前に置かれても、この誘惑に打ち勝ったらどんなに自分を誇らしく思うだろうと想像した結果、40%の実験参加者は一口も手をつけませんでした。

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それとは対照的に、ただ恥をかかないように用心していた場合は、なぜかケーキを見たとたんにわくわくしてしまいました。

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臨床検査によって、罪悪感を抱いていると心拍数の変動が減少することがわかっています。すなわち、生理学的な意志力の保有量が減ってしまうのです。これに対してプライドは、意志力の保有量を維持するばかりか増やしてくれます。

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プライドの効果を得るには、他の人たちが見ているつもりになるか、みごと誘惑に打ち勝ったことを後でみんなに自慢しよう、と考えます。自分の意志力のチャレンジをみんなに宣言すること。成功を願って応援してくれる人たちが、自分の行動をいつも見守っているのだと思えば、モチベーションも上がります

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この最終講義の後、自分でやると言ったことをちゃんとやったかどうか受講生同士でメール交換し合わなければならない、という義務感は役立ったそうです。それがやがて仲間として支え合う、良い関係になったと。