Ⅰ) 修道女研究 ポジティブな考え方について、よく引き合いにだされるものに「修道女研究」があります。 修道女になるには、審査を受ける時に、それまでの自分の人生について、数百語程度の経歴を書いて提出しなければなりません。
2015-01-19 15:25:401917年以前に生まれた180人の修道女について、保管されていた本人の経歴の文書中に、ポジティブな感情語とネガティブな感情語がいくつ入っているかを集計してみました。1990年代までに既に約40%の修道女が亡くなっていたので、彼女たちの生存年数と感情語の集計との相関を調べたのです。
2015-01-19 15:28:46すると、ポジティブな感情語が多かった上位25%の修道女は、下位の25%の修道女の集団よりも平均で10年も長寿であったのです。 若いときに、自分の人生についてポジティブな感情語を用いて表現することが、その人の寿命をある程度予想できるのではないかという結論でした。
2015-01-19 15:30:51(もちろん、この研究は相当古いもので、疾患の有無とかの交絡因子をどう扱ったのかとか、いくらでも疑義は出て来る程度のものではありますが。)
2015-01-19 15:38:02Ⅱ) 説明(帰属)スタイル 次に自分についてポジティブに語るか、ネガティブに語るかの違いについて、すこし考えてみます。 人は、自分自身に起きた出来事を説明しようとするときに習慣的なスタイルをとるのではないか、とセリグマン(Seligman.M.E.P)らは考えました。
2015-01-19 15:40:50出来事を楽観的に、あるいは悲観的に説明するスタイルを習得するのは、経験によって学習されるというのです。 そもそも、この説明スタイルの研究は、学習性無力感の動物実験から始まりました。
2015-01-19 15:42:11電気ショックから逃げることも避けることもできない条件で電気ショックを受け続けるという経験をしたイヌを、その24時間後に、今度は、ごく簡単に電気ショックを逃れることができる場面でテストしてみると、多くのイヌが、その場でまったく何もしないでおとなしく電気ショックを受け続けたのです。
2015-01-19 15:43:37事前の電気ショック経験のないイヌが同じ場面におかれると、逃げることをすぐに学習したのとは対照的でした。 経験によって、何をしてもだめだということをある場面で学ぶと、その考えが、かなり違う別の場面でも発揮されてしまいます。
2015-01-19 15:45:42無力だという考え方が学習され、絶望的でない場面でもその考え方が持続されてしまい、手も足も出なくなってしまいます。これが学習性の無力感と呼ばれるものです。
2015-01-19 15:47:06無力感だけではなく、オプティミズムも学習されます。やればなんとかなるという楽観的な考え方も、経験によって学習されます。ある場面でうまくやれたという成功を経験すると、それによってオプティミズムを学習し、まったく別の場面でもあきらめることなく挑戦するようになります。
2015-01-19 15:49:11こちらは、学習性のオプティミズムと呼ばれます。 さまざまな良い出来事や悪い出来事をどう説明するか、という説明スタイルの違いから両者は分けられ、原因を何に求めるか(帰属するか)ということにもなるので、帰属スタイルとも呼ばれます。
2015-01-19 15:53:11Ⅲ) レパートリーの拡張 どうせならポジティブな説明スタイルをとった方が、人生は充実できそうです。なぜならいわゆる自己実現や自己成長、自己の可能性の実現とそれによってもたらされる充実感につながるからです。 (ただいま、かなり雑駁につぶやいておりますw)
2015-01-19 15:57:31思考や行動は、ポジティブ感情によってそのレパートリーが拡張され、恐怖と怒りというネガティブな感情状態では狭められるとバーバラ・フレドリクソン(Fredrickson.B.L.)は言っています。
2015-01-19 15:59:25ポジティブ感情は接近行動を促進するといわれます。環境に積極的にかかわっていくモティベーション(動機づけ)を高めるのです。 楽観的な傾向の人は、行動の結果生じる将来の価値を高く(イリュージョンも含まれますが)見積もるので、行動に対するモティベーション(動機づけ)が高くなります。
2015-01-19 16:02:34ポジティブ感情によってレパートリーを拡張すると、さまざまな活動を通じて、自己効力感のような自分自身への態度や、世界観という周囲の世界への考えも身につけていくので、それらが将来に役立つ資源を形成します。
2015-01-19 16:04:35結果として、ポジティブな出来事に出会いやすくなり、それがまたポジティブ感情を生み出しやすくする、らせん的な変化と成長を人にもたらすのだとフレドリクソンは云っています。
2015-01-19 16:06:00Ⅳ) 自己充足的予言 人は「こうなるはず」と思うことと一致する方向に無意識に行動する傾向があります。その結果、予言された状況が現実につくられていきます。このことを、マートン(Merton.R.K)は、「自己充足的予言」(self-fulfilling prophecy)
2015-01-19 16:07:23あるいは「予言の自己成就」と呼んでいます。 目標を達成した自分の姿を思い描き信じることで、自分の行動が無意識のレベルで動き出し、目標が現実に近づいていく、ということもありうるのです。
2015-01-19 16:09:15なりたい自分に近づくには、を考えることは、前向きの刺激を与えてくれます。こうなれたらいいのになあ、とか、こういう自分が好き、と常に思って生活してみると、そういうパターンに行動が変わっていきます。 あなたの人生はあなたの言う通りになるのです。 以上です。連ツイ失礼しました。
2015-01-19 16:13:00