3. 競争 「私の祖父は祖母を支配していた」や「私の祖父は弱虫で、皆にこき使われていた」などだ。精神分析家は、これらは両親より力を持ちたいという子どもの欲求を示す「神経症的な」反応だ、と解釈する。それは、「祖父は、母に言い返すことができる唯一の人だった…僕は祖父になりたい」や
2018-10-23 07:07:58「もし僕がお父さんのお父さんだったら臆病者にはならない。僕が証明してやる」だ。母親に怒られて「いいよ、ボク、おばあちゃんと結婚するから」と言った少年は、その時点での少年の(無意識ではないが)秘密のプランは、自分が祖父になって自分の両親より強くなる、というお伽話に基づいていたのだ。
2018-10-23 07:12:544. 個人の体験 これは、子どもと祖父母の間の実際の交流に関係し、子どもの脚本を形作ることに強い影響を与える。祖母は、少年をヒーローとして送り出すことができるし、祖父は少女を誘惑して赤ずきんちゃんに変えることができる。
2018-10-23 07:16:59両親が称賛や恐れの対象と見なされるように、祖父母は一般に畏敬や恐怖の対象と見なされる。畏敬や恐怖の感情が原初的なものであればあるほど、脚本形成の早期の段階で、その子の世界の心象形成に影響を与える。 p.76
2018-10-23 07:20:30C. 受胎のシーン ジェダーがどのように受胎したかは、彼の人生プランと最終的な運命の決定に強い影響を与えるかもしれない。両親が結婚式を挙げていたとしたら、話はそこから始まる。
2018-10-23 07:26:43若いカップルの息子は人生の行程に合わせて養育され、彼の脚本はすでに書かれた状態で渡され、それを放棄するには大胆な棄権行為が必要だ。こういう状況で、最初に生まれるのが男の子ではなく女の子の場合、その子は困難にぶつかるだろう。状況によっては、男の子を産めない母親と父親が離婚し、娘は、
2018-10-23 07:29:37女性に生まれたという原罪を強烈に感じることになる。一方、父親は母親と結婚する意志がなく、母親が妊娠したと聞いた瞬間にその場から逃走し、二度と行方がわからなくなってしまうかもしれない。若い主人公はこのような場合、生まれた日から、ほぼ自分で自分の人生を歩まなければならなくなる。
2018-10-23 07:33:33時には母親が逃げてしまうことがある。しかし、所得税の控除や生活保護の請求のために、望まない子どもをいやいや受け入れる親がいるかもしれない。ティーンエイジャーはこれをよく知っていて、自分がどんな人物でどのような脚本を持っているかを尋ねられると、「ボクは所得税控除用さ」と答えるのだ。
2018-10-23 07:38:42実際に受胎した後の態度は受胎態度と呼ばれる。受胎は、偶然、情熱、愛、暴力、偽り、悪意、服従のどれによるものだったのか?これらのどれかだったなら、そのような出来事の背景や準備はどんなものだったのか?それが計画されたものだったなら、その計画は冷淡なものだったのか温かかったのか、
2018-10-23 07:44:05単純だったのか疑われたものだったのか、たくさん話し合われたのか強硬で無口な交流だったのか?子どもの脚本も同じような性質を持つかも知れない。セックスは汚いもの、軽いもの、神聖なもの、楽しみなものとされていたのか?子どもも、同じように扱われるかもしれない。
2018-10-23 07:48:11ここでは無数のいろいろなレベルの細かい質問が可能で、これらの全要因がまだ生まれていない赤ん坊の脚本に影響を与える可能性がある。 D. 誕生の順番 ここで最も大切な要素は両親の脚本だ。ジェダーは、両親の脚本にうまく合っているか、それとも両親の脚本とは違う性か?タイミングが悪いか?
2018-10-23 07:53:27父親の脚本は学者を望んでいるが、ジェダーはその代わりにフットボールの選手になるか?その反対か?母親の脚本はこの点で父親と同じか?正反対か?これらに加え、ジェダーにはお伽話や現実の生活から耳にする教えもある。
2018-10-23 07:58:46両親の脚本は、その子どものひとりから称えられるか罰を受けるか、という事態を招くようだ。そのため子どもは、すばらしく成功するか見事に失敗するか、という結果になる。多くの場合、最初に生まれた息子がこの特別な者に選ばれる。
2018-10-23 08:01:39母親の脚本が晩年に配偶者がいない病弱な人になるというものなら、子どものうちひとりは生まれた時から家にいて母親の面倒を見るように育てられ、ほかの子どもたちは道を外れて恩知らずの役割を果たすように教えられるに違いない。40歳の独身の息子や独身の娘が脚本を破って家を出たり、
2018-10-23 08:05:44さらに悪い場合には結婚して家を出ると決めたりしたら、母親は哀れを催すような深刻な病気の発作を起こすことでわかりやすく反応する。このような仕組みが持っている脚本的な特性は、母親が「予想に反して」尽くしてくれた子を雀の涙ほどの物で切り捨てて財産の大半を恩知らずたちに譲るよう遺言すると
2018-10-23 08:10:03いう、よくある切り替えによって示される。一般的なルールとして子どもは、ほかのことが同じなら、家族の布置について両親の脚本に従う。これは、最も単純な要素である子どもの数とその間隔を見ると一番よくわかる。人が家族計画を行う時には子どもの人数や間隔について親の例を踏襲する傾向がある。
2018-10-23 08:15:41(a) 「大人になったら、3人の子どもを作りなさい。その後はあなたがしたいようにしていいのよ」これは、最も柔軟で、急ぐ必要性や強制を含まないものだ。彼女は閉経までに3人という結果を求められていたが、結果を出せなかった時にだけ「脚本の失敗」や母親からの愛を失う恐れが生じる。
2018-10-23 08:22:45しかし、彼女は3人目の子どもを産むまでは自由にはなれない、という点に注目して欲しい。これは、「~までは」脚本だ。 (b) 「大人になったら、少なくとも3人の子どもを作りなさい」ここには強制はないが、急ぐ感覚があるかもしれない。これは「結末のない」脚本で、3番目の子ども以降
2018-10-23 08:27:44何人子どもを作ってもよいことになる。 (c) 「大人になったら、3人以上の子どもは作らない」ここには、急ぐ必要性はないが、強制がある。これは「~の後では」脚本で、3人目の後に子どもができたときに問題が起こることを暗示している。
2018-10-23 08:34:23さてここで、ファンの視点で、これらの脚本指示の下で4人目の子どものペドワーを持つべきかを考えてみよう。 (a)は、「最初の3人の子どもはグラニーのものなので、グラニーのやり方で育てなければならない」ということを意味する。そして、その後生まれたペドワーこそまさにファン自身の子になる pic.twitter.com/DFAjZHEbG7
2018-10-23 08:42:29ので、ペドワーはカル、ハル、ヴァルと同じように育てられるかもしれないが、そうでないかもしれない。ファンはペドワーに対しては自律的にふるまうことができるので、ペドワーは他の3人よりも自由で自律性に富んだ大人になるかもしれない。ファンは、自分のラゲディ・アン人形にしたようにペドワーを
2018-10-23 08:47:59扱うかもしれない。ファンは子どもの頃、他の人形は皆グラニーのやり方で扱ったが、ラゲディ・アンだけは自分がそうしたいように愛した特別な人形だった。言い換えれば、ラゲディ・アンはペドワーのために用意された「脚本の隙間」で、その隙間は、グラニーによって課せられた義務を果たした後に
2018-10-23 08:53:29ファンが埋めることができるものだったかもしれない。 (b)は(a)に似ているが、(a)の計画に比べてグラニーがペドワーにより強い影響力を持つものだ。それは、ペドワーが、自由な選択によるものでなく、グラニーが与えた追加ボーナスと見なされるからだ。
2018-10-23 08:58:10(c)では、ファンがグラニーに背いてペドワーを産んだので、ペドワーは窮地に陥る。そのためペドワーは「望まれなかった」子で、反抗的で、難しく、やましさを持った子として育てられる。このような場合、ペドワーの周りの人は、彼が他の3人の兄たちといかに違うかを繰り返し語るだろう。
2018-10-23 09:02:21次に考えねばならないのは、家族の大きさについて両親が行う心理ゲームだ。 「11人の子どもを持つ女性が、そのうち5人はいらなかった、と不満を言った。彼女の長女は、何人の子どもを持つ可能性が一番高いか?」という質問がなされたら、脚本分析家は「11人」と答えるだろう。
2018-10-23 09:09:14「6人」と答える人は、人間の反応を理解して予測することが難しいだろう。なぜならこの答えは、重要な行動もそうでない行動のように「合理的に」動機づけられている、と仮定しているが、実はそうではないからだ。重要な行動は普通、脚本の「親」の指示によって決定される。 p.84
2018-10-23 09:16:47両親がもし自分の自我状態の正しい判別の仕方を理解していたら、構造式で第二、第三の質問を尋ねると、さらに多くの情報を得ることができる。「あなたの(「親」「成人」「子ども」)は何人の子どもを(欲しがっているか、期待しているか)?」 pic.twitter.com/8gdS4h78Qa
2018-10-23 09:22:53この質問は、3つの自我状態の間、またふたりの親の間における、別の、隠された葛藤を引き出すかもしれない。この葛藤は、親が患者に与える脚本指示に重要な意味を持っている。より洗練するなら「あなた方の(養育する、コントロールする)「親」、「成人」、(自然な、順応する、反抗する)「子ども」は
2018-10-23 09:32:12何人の子どもを(欲しがっている、期待している)か?」と尋ねればよい。患者本人に聞くべき最も有益な質問は、だいたい本人が答えを知っているもので、「家族内であなたは何番目ですか?」それに続く「あなたはいつ生まれましたか?」だ。
2018-10-23 09:38:15姉妹や兄弟がすでに占有している状況でこの世に登場したら、兄弟が11か月年上か、36か月年上か、11年年上か、20年年上かによって、人の脚本決断はかなり異なる。この違いは、兄弟との関係だけでなく、子どもの間隔に対して患者の両親が持つ態度にもよる。
2018-10-23 09:42:29一般に、人が7歳になるまでに生まれたすべての兄弟がその脚本に決定的な影響を及ぼすが、重要な要素のひとつは兄弟間の月単位の違いだ。これは、本人自身だけでなく、両親の態度にも影響を及ぼすからだ。もしその人が双子だったり、双子の前後に生まれたりしたら、明らかな違いが起こる。
2018-10-23 09:49:19患者が占星術、気象学、聖人伝に興味を持っているケースでは、誕生の正確な日付が脚本上強い意味を持つ。これはもし、両親がカレンダーに対して同様の興味を持っている場合は、特に重要だ。 P.85
2018-10-23 09:56:10E. 誕生脚本 オットー・ランクは、誕生それ自体の状況、すなわち誕生トラウマが乳児の心理に刷り込まれて後の人生で象徴的な形で登場することはよくあることだ、と考えた。彼の弟子であるフォダーが言うように、それは特に、この上なく平和な子宮に戻りたい、という欲求として現れる。
2018-10-23 10:02:56もしそうだとしたら、誰もが再び通過できない、言わば自然で原初的な一方通行路のアーチを通る時に起こる恐怖と切望が、間違いなく脚本の重要な要素として現れるだろう。 臨床現場で見られる「誕生脚本」のうち、最も一般的なものは、「孤児脚本」と「傷ついた母親脚本」の2つだ。
2018-10-23 10:12:19孤児脚本は、養子、あるいは実子でさえも持つ「本当の」親に関するファンタジーに起因し、オットー・ランクの同名の著書に述べられたヒーローの誕生神話のいずれかの変化形として生じてくる。 傷ついた母親脚本もよく見られるもので、男女にほぼ同じ頻度で起こる。
2018-10-23 10:16:44この脚本の基盤は、母親が子どもに、お前が生まれて以来私はずっと病気がちだったのよ、と言うことだ。もっとひどい形では、お前の出産でボロボロになってしまって二度と元には戻らないの、と言う。その子の反応と脚本は、それに関するその子自身の観察に基づく。
2018-10-23 10:23:25もしその子が生きている間、実際に母親がずっと病弱だったり障害を持っていたりしたら、その子は、すべての責任を取らざるを得ない、と感じる。🚼それは自分がしたことではない、という「成人」の理屈は、その子の「子ども」を説得できない。
2018-10-23 10:28:39しかし、もし障害が明らかでなく、特に父親など、家族の誰かが母親の病気は嘘だと暗示したりそのように言ったとしたら、患者の脚本にはあいまいさ、偽善、利己的利用がたくさん詰め込まれることになる。
2018-10-23 10:32:21時として母親は、自分では子どもを責めず、その任を父親、祖母、叔母に託す。こうして展開される脚本は3人で作るものとなり、通常は「悪い知らせ」である重要なメッセージや知らせを第三者からもらうことになる。
2018-10-23 10:37:04孤児脚本がヒーローの誕生神話に由来し、傷ついた母親脚本が悪役の誕生神話に由来していることは容易にわかる。その悪役は、生まれた時から母親殺し、より正確には母体破壊という恐ろしい罪を負わされた。
2018-10-23 10:40:07「母親は(私を)出産して死んだ」というのは、おおよそ誰にとっても助けなしに耐えられる話ではない。母親がケガをしたり膀胱脱になったりしたとしても、治療するのに遅すぎることは決してなく、それについてはなるべく話さないほうが良い。 p.87
2018-10-23 10:43:17F. 姓名 それは、両親がその子にどのようになってほしいかをはっきり示している。その影響は別の形でも続くだろうし、その子が両親の明らかな示唆から抜け出そうとすれば、その影響と闘わねばならない。 脚本の方向指示としての名前は、おそらくハイスクール時代に定着する。
2018-10-23 10:49:25そこで少年少女は、同名の有名人の神話や歴史を読むし、クラスメートたちによって多かれ少なかれ残忍に、名前に隠された意味を痛感させられる。これは親がコントロールできることであり、予測してかかるべきことだ。 名前が脚本化される道は4つある。意図的に、偶然に、不注意に、必然的に、だ。
2018-10-23 11:03:251. 意図的に 息子に父親の名前を付けたり娘に母親の名前を付けたりするのは、通常両親側に目的がある行為だ。それは、成し遂げたいと思わない、むしろ積極的に反抗したい、と思う義務を負わせるものであり、そのため子どもの人生プラン全体は、ほろ苦さや活発な憤りで満たされることになる。
2018-10-23 11:10:112. 偶然に ダーリーンやアスパシアと呼ばれる女の子や、マーマデュークと呼ばれる少年は、ある州、国、高校では難なくやっていけるかもしれない。しかし両親が他の土地に引っ越したら、敏感に名前を気にせざるを得なくなるし、立場をはっきりすることを強いられるかもしれない。リンやトニーも同様だ。
2018-10-23 11:16:213. 不注意に バブ(Brotherの略。少年への親しみを込めた呼びかけ)、シス(Sisterの略)、ジュニアといった愛称は、ずっと貼られることを意図していないだろうが、往々にしてそのようになり、好むと好まざるとにかかわらず、その人は一生バブ、シス、ジュニアのままだ。
2018-10-23 11:21:344. 必然的に 名字は、両親が祖父から受け継いだものを順送りにする以外、ほとんど選択の余地がないので、別問題だ。 患者に「誰があなたの名前を選んだのですか?」と「名前は何に由来していますか?」の他に、すべてのケースで尋ねるべきことは「自分の出生証明書を読んだことがありますか?」だ。
2018-10-23 11:27:45読んだことがなければ、そうするように指導すべきで、それを持って来て治療者に見せればさらに良い。初めて注意深く出生証明書を読むと、ほぼ50%の人たちが驚くべきことを発見する。そこには、遺漏、誤解、自分が知らなかった情報などがある。
2018-10-23 11:31:42証明書の名前がこれまでの人生でずっと呼ばれていたものと違っていて、驚いたり、残念な思いをしたりすることがよくある。これらの驚きのほとんどすべては、両親の脚本と患者の誕生の事情の解明に役立つ。 p.89
2018-10-23 11:40:37