九尾の狐フェルディナンドと人間マインのほのぼの小話集。 ※思いつくまま書いているので落書きクオリティです。
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妖怪パロ0話

ゆきみだいふく @daihukutoyuki

なんか、需要がありそうな気がしたので、昔書いた九尾の狐フェル様と人間マインちゃんの話貼っときます。 カップリングというよりはフェル+マインな感じの小話集(?) 妖怪パロ privatter.net/p/3245936

2019-07-27 22:14:24

妖怪パロ1話

ゆきみだいふく @daihukutoyuki

さっきの妖怪パロの本編。出だしだけなら決まってるんだ。 マインが疫病で亡くなったことを知った九尾フェルは気力を失い。そこを継母に突かれて祠へと封印されてしまう。 それから長い時が過ぎ、山だった場所が切り開かれて街になり、マンションや住宅が立ち並ぶようになった頃。

2019-07-27 23:24:58
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

転生したマインが封印の祠がある街へ引っ越して来る。 前世の記憶を持たない普通(?)の子供のマインだけれど、学校からの帰り道。夕暮れに染まる森林公園を見て既視感を覚える。 人の気配がない公園は薄気味悪く、普段であれば恐怖を感じていただろうが、その時は不思議と恐怖や嫌悪感は無く。

2019-07-27 23:24:59
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

ただ、何かに導かれるように公園の奥へと進んでいた。 遊具のある開けた場所を抜け、開発されずに残された山の名残。木々の生い茂った場所を進む。散歩道として整備されている道を離れ、でこぼことした道無き道を迷い無く歩く。日は落ちかけ、ほとんど明かりはない。紺へ一筋の朱が差すだけの空。

2019-07-27 23:24:59
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

遠くでカラスの鳴く声が聞こえる。 「わっ!?」 鳴き声に気を取られたマインは、足元にあった木の根へ気づかずつまづいた。 そのまま急な斜面へと身体が放り出される。 (ど、どうしよう!?) 焦り、咄嗟に手を前へ突き出して、襲ってくるだろう衝撃に備えて目を強く瞑る。

2019-07-27 23:24:59
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

しかし、痛みはあったが、想定したほどではなく。高いところから落ちたにしては地面へ衝突する時間も早かった。 (なに?) マインは恐る恐る目を開ける。そこには、先程までは見えなかった石造りの祠があった。 混乱し後ろを振り返るが、そこには落ちてきたはずの斜面などはなく、平らな地面が続いて

2019-07-27 23:24:59
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

いる。 (なに、なんなの、ここ?) 鈍っていた思考が、呪縛から解かれたように戻ってくるが、状況を理解するには至らない。 むしろ、不可解な事象への戸惑いばかりが募り、軽く恐慌状態へと陥ってしまった。 その場へ座り込み、帰ることも進むこともできずに呆然とする。 リンッ ふと、背後から高く

2019-07-27 23:25:00
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

澄んだ鈴の音が聞こえた。反射的に音の発生源と思われる場所。石造りの祠へと目を向ける。 真っ白で、何か得体の知れない雰囲気を放っているそれは近寄り難く思える。けれど、何故か無性に触れたいと感じた。力の抜けた足は役に立たず、立ち上がることはできない。マインは汚れることを気にせず、地面

2019-07-27 23:25:00
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

へ手を突き、ズリズリと這って祠へ近づく。 近づいてみると、祠には何故か板が嵌め込まれており、それを留めるように何枚ものお札が貼りつけてある。 どう考えても触れてはいけないものだ。 だが、マインは躊躇なくお札の隙間へ指を差し込み、板を引き抜こうとする。 それへ対抗するようにお札からは

2019-07-27 23:25:00
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

バチバチと不自然な電流が飛び、マインの手へ小さな傷を作る。 「いっ!」 痛みへの耐性を持たないマインは思わず板から逃れようとしたが、接着剤でも付けられたかのように手が外れない。何とか逃れようと暴れる内にもお札からの電流によって手は傷つけられ、板やお札へマインの血が滲んでいく。

2019-07-27 23:25:00
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「もうやだあっ!誰かこれなんとかしてよぉ!」 『……マイン?』 あまりの痛みに涙を滲ませて叫ぶ。すると、祠の中から低く艶のある声で呼び掛けられた。 驚き、動きを止めるマイン。すると、急にお札に火がつき、あっという間に灰へと変わった。 「えっ、なに?」 燃え尽きたお札にも、それを燃やし

2019-07-27 23:25:01
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

た青白い火にも驚いてマインは目を瞬く。と、今度は祠へ嵌められた板がガタガタと揺れ始めた。 あまりにも連続で奇怪な現象が起こり、驚くことへも疲れたマインはただ呆然と揺れる板を見つめる。 ガコンッ 「…………きつね?」 板を外して表れたのは、水色がかった不思議な毛並みの小狐だった。

2019-07-27 23:25:01
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

小狐になってしまうのはね、私の趣味だよ。 マインちゃんがピンチのときに仕方なく妖力を使って人型になるんだけど、力が足りなくてショタになってしまうフェル様。 小さくなった不馴れな身体でも、大きな妖怪相手に一生懸命マインちゃんを庇うおきつねフェル様とか見たいです。

2019-07-27 23:40:50

妖怪パロ2話

ゆきみだいふく @daihukutoyuki

妖怪パロの続き 簡易設定 マイン(8才)もう既に本の虫。虚弱ではないが背は低く、体力もない。 小狐(???才)妖力を使い果たし、身体が縮んでしまった九尾の狐、フェルディナンドの姿。 祠の中から現れた狐らしき生き物の姿に、マインはパチパチと目を瞬いた。 (狐って、水色のもいるんだ)

2019-07-28 21:19:47
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

そんなはずはないのだが、生まれて初めて野生の狐を目にする幼児に分かるはずもない。 祠から地面へと降り立った小狐は、身体を解すように短い手足をグッと伸ばした。が、ふらりとよろけそのまま地面へと倒れてしまう。 「あっ!」 ドサッという痛そうな音に、マインは思わず小狐へと駆け寄った。

2019-07-28 21:19:48
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

倒れたまま立ち上がる素振りを見せない小狐の呼吸は浅く、触れてみても薄く目を開けてこちらを見ただけで動かない。 野生にしてはずいぶん手触りの良い毛並みは心地良いが、その下へ隠れた身体は骨の感触がよく分かるほどに痩せていた。 「ど、ど、どうしよう?」 明らかに衰弱している生き物を前に、

2019-07-28 21:19:48
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

何の知識も持たないただの幼児であるマインは狼狽えた。 どうすれば良いのか分からないが、このままにしていてはいけないという予感はしている。 (母さんか父さんならどうにかしてくれるかな?) 自分でできないのならばできそうな人へお願いしてみよう。そう考えたマインは、小狐の身体を抱え上げた

2019-07-28 21:19:48
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

(うわっ、軽い!) ご近所の猫よりもずっと軽いその身体に、驚くと共に不安が募る。 抱き締めた身体は冷たくて、本当に生きているのかと、小狐を凝視した。 腕の中で大人しくしている小狐と目が合う。 (きれいな金色。お日さまみたい) 薄暗がりの中でもピカピカと光って見える小狐の瞳に、マインは

2019-07-28 21:19:48
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

ほんの数瞬みとれた。 狐の表情は分からないが、どことなくその瞳には暖かな感情が含まれているような気がして、マインの心もホコホコと暖かくなる。 おかげで幾分か気持ちの落ち着いたマインは意気揚々と歩き出した。 が、ここへ来たときに倒れこんだ場所を通った時、景色がほんの少し歪んだように感

2019-07-28 21:19:49
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

て、気持ちが悪くなった。 軽い酩酊感が収まった後、なんとなく来た道を振り返る。と、そこには先ほどの祠はなく、急な斜面があった。 「え、なんで?」 本日何度目かになる超常現象にマインは深く首を捻った。恐る恐る斜面へ片手を伸ばしてみるとある地点を境に手が視界から消えた。 「ひえっ!?」

2019-07-28 21:19:49
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

慌てて手を引っ込めるが、そこには消えたはずの手がある。自分の手と斜面を何度も見比べ、怖いもの見たさで先程手が消えたように見えた辺りへ顔を突っ込んだ。 すると、そこには斜面などなく、平たい地面と石造りの祠が見えた。頭をそこから離せば、また祠は見えなくなり、代わりに急な斜面が現れる。

2019-07-28 21:19:49
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「なに、これ……」 自身の常識を越えた現象に不気味さを感じ、マインは身を震わせた。腕の中にある小狐の身体を思わずギュウッと強く抱き締める。と、わずかに小狐が身動ぎした。 「きゅ」 「あ、ご、ごめんね。だいじょうぶ?」 苦しそうな鳴き声を聞いて我に返る。覗きこんだ小狐の顔が心なしか険し

2019-07-28 21:19:49
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

いような気がしてマインは「あー」と意味のない声を漏らし、誤魔化すように視線を逸らせた。 くーきゅるるるるっ 突然辺りへ鳴り響いた音に、小狐の耳がピルピルと反応する。そして、音の発生源である自身のお腹を片手で擦った後、マインはハッと目を見開いた。 「ばんごはん!」

2019-07-28 21:19:50
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

色々なことがあったのですっかり忘れていたが、辺りは既に日が落ちてしまっている。 「暗くなる前には帰りなさい」そう親や姉から口すっぱく言われていることを思い出したマインは、つい今しがた目にしたおかしな光景のことなど瞬時に頭の中から追いやった。 「早く帰らなくっちゃ!」 「きゅー」

2019-07-28 21:19:50
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

慌てて走り出すマインへ、抗議するように小狐が鳴く。 まるで『あまり揺らすな』とでも言いたげな顔をしているが、マインは別の意味に捉えたらしい。 へらりと笑みを浮かべ、歩調は緩めたが足は止めずに、狐の頭へ頬をすり付ける。

2019-07-28 21:19:50
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「君も、あんなところに閉じこめられてたからお腹が空いちゃったんだよね。待っててね、家に帰ったらすぐに何か食べさせてあげるから。母さんのごはんはどれもおいしいんだよ」 「きゅー!きゅー!」 「んー、ふわふわさらさらで気持ちいい」

2019-07-28 21:19:50
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

前をあまり見ずに歩いているため、マインの足取りは非常に危なっかしい。ながら歩きを止めさせたいのか、小狐は今出せる精一杯の声で抵抗の意を示す。 しかし、マインはまたも小狐の意思を汲み取ってはくれず。力が入らなくて抵抗らしい抵抗のできない小狐を、自身が満足するまでモフモフし続けた。

2019-07-28 21:19:50
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

複雑な心境だけれども、愛弟子の生まれ変わりと再会できたことは嬉しくて、甘んじて幼児の保護を受けることにしたお狐様の話。

2019-07-28 21:19:51
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

妖怪パロ3 前回のあらすじ 妖力を使い果たして衰弱していた九尾フェルディナンドが幼児に拾われた。 小狐の毛並みを堪能しご機嫌なマインだったが、家に帰ると当然家族全員から叱られた。 「こんなに服を汚して!手も傷だらけじゃない!」 「マイン、弱ってる生き物を放っておけなかったのは

2019-07-29 10:52:20
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

分かる。だが、家は家族が食べていくのがやっとで、コイツを動物病院へ連れて行ってやれる金はないんだ」 両親から心配されたり冷静にお説教をされてマインはショボくれた。 それでも、小狐を放っておけなかったマインは両親へ頼みこみ、小狐が元気になるまで家に置いておく許可を得た。

2019-07-29 10:52:20
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「ちゃんと面倒みるんだぞ」 「はーい!」 良い返事をし、マインはヤル気満々な顔をしているが、家族からは途中で投げ出すのではないかと心底不安がられていた。 そんなこととは知らないマインは、さっそく小狐のお世話をしようと台所へと向かう。 「母さんミルクちょうだい」 「はいはい」

2019-07-29 10:52:21
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

母が浅めの皿へ注いでくれたミルクを、こぼさないように慎重に慎重に運んだマインは、小狐のところへたどり着くと、一仕事終えたかのように大きく息を吐いた。 「ふいー。はい、お待たせごはんだよー。いっぱい食べて、早く元気になってね」 ニコニコと笑みを浮かべマインは小狐の前へ皿を差し出す。

2019-07-29 10:52:21
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

しかし、小狐はマインのことを見つめるばかりでミルクを口にしようとはしなかった。 「どうしたの?ミルク、きらいだった?でも、狐が食べれるものって何か分からないから、今あげられるのってミルクしかないんだよ。明日になったら図書館で調べるから、それまでこれでがまんしてほしいんだけど」

2019-07-29 10:52:21
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

病院へは連れて行ってやれないので、せめて何か口にさせなくてはいけないと、マインは必死だ。 更に皿を小狐の方へ寄せてみる。 だが、小狐は嫌そうに目をすがめただけでミルクには見向きもしてくれない。

2019-07-29 10:52:22
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

と、何を思ったのか、マインはおもむろに皿へ手をかけるとミルクを少し口に含んだ。 「ん、く……うんおいしい」 満面の笑みを見せ、再び小狐の前へ皿を置く。 「ね、このミルクとってもおいしいよ。これのんだらきっとすぐ元気になれるからのんでみて?ね?」 「…………はぁー」 長い沈黙の後、

2019-07-29 10:52:22
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

幼児の純粋な好意に圧されたのか、それとも皿をグイグイ押し付けられることへ嫌気がさしたのか。 小狐は一度深い深いため息を吐き出すと、皿へ顔を近づけミルクを飲み始めた。 「わあっ!やった、のんでくれた。ねぇねぇトゥーリ、この子ミルクをのんでくれたよ!」 「良かったねマイン」 「うん!」

2019-07-29 10:52:22
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「……」 嬉しくて仕方がないといった様子で大はしゃぎし、自身も食事を取るようにと姉から諭されるマイン。 そんな幼児へ、小狐は呆れたような、けれどどこか、遠い過去を懐かしむような目を向けていた。

2019-07-29 10:52:22
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「あ、そうだ。狐君、ごはんが終わったら一緒にお風呂入ろうねー」 「きゅうっ!?」 ……小狐になったフェルディナンドの受難は、まだまだ始まったばかり。

2019-07-29 10:52:22
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

お狐フェル様を病院へ連れて行かせようか迷ったけど、水色の毛並みとかどう考えても騒がれそうだから、自宅療養ということにしました。 今後もこんな感じで、話を進めて行くためにご都合主義な部分が多々出てくるかと思いますがご容赦ください。

2019-07-29 11:14:55
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

妖怪パロ4 前回のあらすじ 小狐フェルディナンド、マインとお風呂へ入る。 「マインは先に上がってタオルを取ってくれ、外で水を飛ばされたらかなわんからな」 「はーい!」 お風呂から上がったマインはギュンターの言葉に従って脱衣場からタオルを一枚取り、すぐに風呂場へ引き返した。

2019-07-29 22:17:53
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

そこには、濡れてすっかり萎んでしまった小狐の姿がある。 水に濡れるのがよほど嫌だったのだろう、小狐は風呂へ入れようとするとマインの手から逃れ、家中を走り回った。 衰弱していて体力の無い状態でなければ窓でも破って逃走しかねないほどの勢いで、捕まえるのにそれはもう苦労したものだ。

2019-07-29 22:17:54
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

だが、走り回って疲れたのだろうか。一度風呂へ入ってしまえば、捕まえているギュンターが拍子抜けするほどに大人しくなった。 今も、憮然とした雰囲気ながら、ギュンターの手の中でジッとしている。 「父さん父さん、わたしがふきたい!」 「おお良いぞ。父さんが押さえておいてやる」 「きゅー!」

2019-07-29 22:17:54
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

親子のやり取りに小狐は「良くない!」と言いたげな声を上げたが、もちろん考慮されることはない。 小さくて不器用な手が、タオル越しにワシャワシャと毛並みをかき混ぜる。力が無いので痛くはないが、正直あまり心地良いとは言えない。 「きゅー!きゅきゅー!」 「あはは、おふろ楽しいね」

2019-07-29 22:17:54
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

「きゅん!」 小狐の小さな抵抗は笑って流されてしまった。 お風呂から上がった後もドライヤーで毛並みを乾かされ、小狐はすっかりへそを曲げてしまったようだ。 「きつね君どうしたの?」 「……」 「もう眠い?」 「……」 部屋の隅で丸くなり、いくら話かけても顔を向けてくれなくなって

2019-07-29 22:17:54
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

しまった小狐に、マインは寂しそうに眉尻を下げた。 しばらくその場でうろうろとしていたが、やがて諦めて立ち去っていく。その姿をちらりと横目で見た小狐だったが、後を追うことはなく目を閉じた。 「んーしょっ!んーしょっ!」 5分ほど経っただろうか。ズリズリという音とともに幼児の変な掛け声

2019-07-29 22:17:55
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

が聞こえてきた。 小狐は片目を開け、うろんげな視線をマインへ向ける。 何やら大きな段ボールを引っ張ってきている。その中へはタオルが4、5枚乱雑に入れられていた。 段ボールを小狐の前まで押してきたマインはハーハーと荒く息を吐き、床へ座りこんだ。 幼児とはいえ、いくら何でも体力が無さすぎる

2019-07-29 22:17:55
ゆきみだいふく @daihukutoyuki

のではと、小狐が眉を寄せる。 と、どうにか呼吸を整えたマインがどこか誇らしげな顔をして話かけてきた。 「きつね君、君のおふとん作ったよ。今日はここでねてね」 「……」 「え、っと……ダメ?」 初めは自信に溢れた表情をしていたマインだったが、小狐の雰囲気があまりにも冷ややかであるため、

2019-07-29 22:17:55
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ゆきみだいふく @daihukutoyuki

無言フォロー失礼します。 本好きの下剋上中心の雑多垢。 フェルディナンド受けを好む腐女子。 ※現在FGOでヘクマンにドはまり中のためそちらの話の方が多いかと思われます。 鍵垢→@daihukukagi アイコンはゆきかにさん @yukikani_8225からお借りしました。 ヘッダー画像は姪っ子からの借り物です。