~修身科の廃止から「道徳」の特設まで~
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花びんに水をدعونا نملأ المزهرية بالماء☘️ @chokusenhikaeme

本田由紀教授が書評で触れておられた、著者のあとがきの部分から真っ先に抜粋することでモーメントを起こしたい。かくも困難な道程を乗り越えられた著者の存在は希望であり、粛然としてわが襟を正さざるを得ない。asahi.com/articles/DA3S1…

2019-05-22 18:46:01
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『戦後日本の道徳教育の成立~修身香科ーの廃止から「道徳」の特設まで~』佟 占新、六花出版、2019.2.28. (p.205-6) あとがきより 日本における道徳教育に関する研究に手をつけたのは、2005年に大連民族学院(中国、現大連民族大学)に提出した卒業論文「日本の小学校における道徳教育についての考察」 pic.twitter.com/DDMZdQbWik

2019-05-22 18:55:58
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が最初であった。そこから紆余曲折を経て、本書の刊行に至るまで十数年の年月がかかった。2008年3月、日本への留学のチャンスに恵まれ、2009年4月に京都大学大学院人間・環境学研究科の修士課程に入学できた。ここから本格的に戦後日本における道徳教育をテーマとして研究をスタートさせたが、

2019-05-22 19:01:42
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そこからの道程は決して平たんなものではなく、非常に辛いものであった。というのは、元来日本語教員であった私は、日本での日常生活にはスムーズに慣れることができたが、私費留学であったため生活は困窮そのものであった。応募可能なすべての奨学金に応募したが、いずれにも採用されず、

2019-05-22 19:06:24
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「今回は残念ながら…」から始まる不採用通知が届くだけだった。その結果、長時間のアルバイトを余儀なくされた。そして、なによりも研究上のプレッシャーが大きかった。ゼミでの研究発表のたびに戦後教育史、道徳教育史に関する知識のなさを痛感させられ、日本人と同じ土俵で戦うことの大変さを

2019-05-22 19:11:02
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思い知った。つぎつぎに研究成果をあげていく先輩を横目に、私の焦りは募るばかりであった。こうしたなか、なんとか修士論文を提出し、2011年3月に修士学位を授与された。しかし、自分が何を研究しようとしていたのかが見えなくなり、完全に自信をなくしてしまった。そのため、博士課程への進学を

2019-05-22 19:14:58
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断念せざるを得なかった。帰国後は再び日本語教員として働きながら、見失った自分を探していた。そして、自分の最大の問題関心は戦後日本における道徳教育の成立過程、なかでも「道徳」が特設された経緯にあることに気づいた。2014年4月に再び京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程に編入でき

2019-05-22 19:21:01
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研究を再開した。博士課程の研究生活もたいへんな道程であった。博士二回生までは修士課程と同様、アルバイト先と研究室と寮の三点をただひたすら行き来する生活であった。こうした中でも学会での研究報告ができ、投稿論文も学術誌に掲載されるようになった。そして、2016年度からは日本学術振興会特別

2019-05-22 19:26:11
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研究員(DC2)に採用され、ようやく研究に専念できるようになった。そのおかげもあって、2017年10月に博士論文を提出し、同年11月に開催された博士論文審査公聴会における審査員の先生方からの貴重なご意見をふまえて加筆修正して、ついに本書の刊行に至ったのである。

2019-05-22 19:30:53