「良いから逃げろ!とにかく逃げろ! 撤退!撤退ーっ!」 爺はあらん限りの声を張り上げ、 舎弟達に逃走を促した。 だが、連中ギャアギャアと反論する様に鳴き喚き、 爺の言う事を中々聞かない。 「うるせぇ!馬鹿! 死んだらぶち殺すぞ!」 爺は負けずに叫び返した。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/VJW9SpxyRf
2022-07-29 21:33:05何度も爺は命令を繰り返し、 やっと言う事を理解した舎弟達は慌てて逃げ始める。 だが、トリケラの執拗な追撃終わらない。 背後から突進し舎弟達を弾き飛ばしていく。 「砂浜だ!砂浜に逃げろ!」 砂浜に飛び降りる舎弟達。 だがその集団にもトリケラは容赦なく飛び込んだ。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/XUZg670S3O
2022-07-30 09:01:05だが、終わる事のない追撃は唐突に終わりを迎えた。 砂浜にはトリケラの突進でも破壊不能な大岩が多数転がっているのだ。 「うっしゃ!隙間から逃げろ!」 爺の声に舎弟達は岩の隙間を縫って逃げる。 逆に図体のデカいトリケラは岩の隙間に挟まり、 それ以上追えなかった。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/iCj00Eg6gb
2022-07-30 21:54:09辛くもトリケラトプスの追撃から逃れた、 爺とディロフォ舎弟達一行。 だが、集まった数を数えて爺は焦った。 どう見ても数が足りない。 「クソ。はぐれたか!」 慌てて探し始める爺。 1匹は見つかった。 そして残りの1匹は岩の上で静かに待っていた。 物言わぬ骸となって。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/nZt7HmcmMz
2022-07-31 08:53:16最早、骸とも呼べない代物と化した、 かつてディロフォサウルスだった荷物に爺はボソリと呟いた。 「……馬鹿野郎。 死んだらぶち殺すって言っただろ。 なのに、その姿じゃぶち殺しようがねぇじゃねぇか」 爺はため息を吐くと、 その後はただただ無言で荷物を眺め続けた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/JQHN7vMldy
2022-07-31 19:37:47さて。 珍しく爺がシリアスに黄昏ている頃。 猫娘さん達はと言うと。 裁縫師ギルドに訪れていた。 挨拶する猫娘さんの恰好を見て、 裁縫師ギルドマスター、レドレント・ローズは当たり前の様に言った。 「あら、また珍しくそんな改まった格好して。 また何かやらかしたの?」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/TqUzas3UmG
2022-08-01 08:26:15「いや、別にそういう訳では……」 ローズの牽制に不満げな猫娘さん。 「貴方は問題無いんだけど、 貴方のツレは問題児しか居ないのよね」 げんなりとした顔をするローズ。 そして、猫娘さんの横の人物に目を向けた。 「だって、見るからに問題児じゃない。 このマスクの子」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/gtsMZU2QMy
2022-08-01 20:33:45その後、本日の訪問の目的を告げる猫娘さん達。 「つまり、弟子入りを頼みに来たって事? やる気があるなら別に構わないんだけど……」 ジト目で眺めるローズに対し、あらくれララ娘さんは慌てて反論した。 「マ、マスクマンだからといって、問題児とは限らないでござるよ!」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/e5lqrJN0pc
2022-08-02 09:04:52「おかしな口調してるけど、 その声どうも聞き覚えあるのよね」 ローズの指摘に固まるあらくれララ娘さん。 「取って食べたりしないからそのマスク脱いでみてくれない?」 ニヤリと迫るローズ。 「…逃げるなよ?」 猫娘さんにまで釘を刺されるあらくれララ娘さんであった。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/Qnkp3ZgkcQ
2022-08-02 20:54:50「何ですぐにバレるんですかね。この変装…」 観念したかの様に口調を戻すと、ララ娘さんはマスクを外した。 「やっぱり貴方ね。 目立つ変装にするからバレるのよ。 変装するなら目立たない様にしなさい」 至極真っ当なローズの意見だが、 ララ娘さんはすごく微妙な顔をした。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/vyrWOTlGKA
2022-08-03 08:33:24「……そうですよね。 マスク・ド・某さんなんかバレっバレですもんね」 ファッションチェックの某氏を引き合いに、 サラッと当てこするララ娘さん。 「あら、何のことかしら?」 平然とすっとぼけるローズ。 最初からバッチバチの二人を見て、 猫娘さんは思わず天を仰いだ。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/7cO1SIpc3s
2022-08-03 20:33:11「それでどういう風の吹き回し? 貴方が裁縫を習いたいって」 さっそく本題に切り込んでくるローズ。 「ぁー……もしかして警戒してます?」 不穏な空気を感じ聞き返すララ娘さんにローズは答えた。 「てっきり、自分の手で布商売を牛耳る下準備かと思ったんだけど違うの?」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/lfS9hfNnAX
2022-08-04 08:05:29「無人島のサバイバルで裁縫したいから習いたい。 ……面白い理由ね」 ララ娘さんから詳しい事情を聞き出したローズは、しばし考え込んだ。 「……だそうだけど本当なの?」 やがて、横の猫娘さんに尋ねた。 「一応本当のハズ。 ただ、他意は一切無いとは言い切れないかも」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/JAjuHZ1c8O
2022-08-04 21:12:00「……やっぱりそう思うわよね」 猫娘さんの懸念に同意するローズ。 だが、ララ娘さんは突っ込んだ。 「あの、ローズさんが疑うのは分かるんですが…… おねーさんまで微妙に疑ってるのはどういう事です?」 「いや、お前ならついでで何か仕掛けてても不思議じゃないよなと」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/MWUV6wg1Z0
2022-08-05 07:54:20「そこまで疑われてますかー?!」 猫娘さんの言葉に思わず叫ぶララ娘さん。 「今更なに言ってんだ。 味方でも身内でも平然と騙す、歩く謀略家だろお前は」 「そうね。一般常識よ」 呆れた顔で言い返す猫娘さんに、 隣のローズも納得顔で同意する始末である。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/kmjE21gQ23
2022-08-06 07:32:57「何で裁縫の基本学びに来ただけで、 ここまで言われなきゃ……」 ガックリと膝をつくララ娘さん。 「革細工も生皮剥がされそうになるし」 嘆くララ娘さんに、 猫娘さんとローズが呟いた。 「…日頃の行いとしか言いようが無いな」 「そうね」 残念ながら味方は皆無だった。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/pNDVsACLT1
2022-08-07 08:22:51「まぁ良いわ。 今回は保証人付きって事で、信用しておいてあげるわ」 そう言って猫娘さんに目配せをするローズ。 「……じゃ、そういう事なんで、 後よろしくお願いします」 そのままララ娘さんを置いて帰ろうとする猫娘さん。 「え。おねーさん先に帰っちゃうんですか?」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/UuvbB3byfY
2022-08-08 08:53:34「ブリーチ辺り縫えればそれで良いんで、すぐ終わりそうですけど」 が、ララ娘さんの言葉に猫娘さんは手を振り続ける。 「……その程度で帰す訳無いでしょう? 基礎どころか奥義に至るまで全部仕込んであげるから覚悟なさい」 満面の笑みを浮かべたローズが背後に立っていた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/fmUAX7v9Vg
2022-08-09 07:48:41さて、こちらはアウラ娘さん。 FCハウスに顔を出してみると猫娘さんがポツンと一人で佇んでいた。 「あれ?一人? あの子はどうしたの?」 「……マスク・ド・強化合宿に連行中」 「ぁー……裁縫覚えに行ってローズのおっちゃんに捕まった?」 猫娘さんは黙って肩を竦めた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/ow4yZVIA12
2022-08-10 06:58:00「なら、当分帰ってこないね。 あの人しぶといってより、しつこいから」 心当たりがあるのか、 お手上げといった風情のアウラ娘さん。 「いまだにお前の事狙ってるらしいしな」 「私は弟子じゃないから付き合う義理は無いし」 苦笑する猫娘さんにアウラ娘さんは突っぱねた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/x6js78yE1Y
2022-08-11 07:28:34「……つまり、当分ARKに入り浸ってて良いって事だよね」 アウラ娘さんは状況を都合良く解釈しだした。 「まぁお前の好きにすれば良いんじゃね」 最早、呆れるのも面倒な猫娘さん。 「じゃそういう事なんで、じさま弄りに行ってくるね!」 アウラ娘さんは颯爽と出て行った。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/A2Ts5llezL
2022-08-12 06:53:29さて。 こうして、久々にARKに訪れたアウラ娘さん。 爺の拠点がどんな具合か見に行くと…… いつのまにかそこには造船所が。 「おー?なんかでかいのが何隻もある!」 爺ご自慢の汎用船を発見し、 駆け寄って眺めるアウラ娘さん。 「へー……これは建物ってより船だよね」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/aMrKFhiw1E
2022-08-13 07:38:40「なるほど。ベースは私が作った桟橋船と同じかな。 船として動かす前提で作ってて、コスト削減も重視してる?」 一通り眺めたあと、 構造をサクッと当てるアウラ娘さん。 「……問題はこっちの船。変わった作りだよね」 そう言って、ドック中央に浮かぶ作業船に目を向けた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/FdRPPOVmsd
2022-08-13 20:05:12何故か右半分しかなく、枯れ枝のような構造をした謎の船。 何のための船か分からず首を傾げるアウラ娘さん。 やがて船の構造を一通り調べ、 備え付けの収納棚を開いてようやく何の船か理解した。 「積まれた建築材……これもしかしてアレかな。 船を造るための足場ってやつ?」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/wdIMLob0wI
2022-08-14 08:55:00作業船である事を理解したアウラ娘さんの行動は早かった。 爺の略奪船の収納棚を漁り資材を確保。 ドックにイカダを設置すると、手際良く船を造り始める。 「こうなったら徹底して操縦性能を上げてっと。 せっかくだから傾斜も付けてみよう」 彼女はニンマリとほくそ笑んだ。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/l8SqWDno99
2022-08-15 08:16:31さて。 こちらは上機嫌でFCハウスに向かうアウラ娘さん。 どうやら船を造り終えたらしい。 だが、FCハウス近くのマケボで、 ボードを眺める猫娘さんと遭遇した。 「あれ?買い出し?」 「ん?あぁ素材が足りなくなってな。 補充してるとこだよ」 猫娘さんは普通に答えた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/8LhXUj9h71
2022-08-15 09:27:03あからさまに上機嫌なアウラ娘さんは、 若干興奮した様子で猫娘さんに言った。 「聞いて聞いて。 じさまがね。ついに船を造ったんだよ!」 「……船?あぁイカダがまた増えたのか?」 適当に答える猫娘さん。 「違う違う。ちゃんとした船」 そう言って沖の船を指差した。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/eom0NEK3hT
2022-08-16 08:41:48そのまま雑談しつつ、 FCハウスに戻る猫娘さんとアウラ娘さん。 「で、じさまの船を参考に私用の船も造ったの」 「ぁー……要するにパクリってやつか」 「そそ。基本構造パクって、私風のアレンジを加えたら。 良い改造が出来たの!」 アウラ娘さんはさも嬉しそうに語った。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/pD9oDoEjo6
2022-08-16 16:29:48「それでね。楽しいのはここから」 アウラ娘さんの言葉に、 どういう事かと視線で問う猫娘さん。 「私が何か作ると、じさまが対抗して何か作って来るの」 その答えに猫娘さんは呆れたように言った。 「……競ってんのかお前ら」 その言葉にアウラ娘さんは艶然と微笑んだ。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/VSPQKJ3Q6H
2022-08-17 08:12:15さて、当の爺はというと、 いまだに舎弟狩りを続けていた。 「……そろそろ帰っかな。 コイツら一回置いて来た方が良さげだしな」 拠点を留守にしていた爺は久々に帰る事にした。 だが、途中でアウラ娘さんの港に妙な船がある事に気付いた。 そして、近づいた爺は唖然とした。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/a15WCUtcyr
2022-08-17 18:37:33「なんだこりゃ……」 そこに鎮座していた船は見た目が違った。 所々傾斜した鋭角的なフォルムを持つ船体。 船は船でも宇宙船じみた外見になっていたのである。 だが、当然宇宙船などという概念を爺は知らない。 というかアウラ娘さんも知らない。 爺は、ただただ絶句した。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/um7ENhgWUi
2022-08-18 08:08:06ともあれ、内部を確認せねばどんな船かは分からない。 爺は桟橋からサイドドアに侵入すると、 船内へと足を踏み入れた。 「なんだこれ……思った以上に広いぞ」 設備は汎用船としてはかなり揃ってる方だろう。 しかし、室内は爺の船の様に設備が詰め込まれた印象は無かった。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/2fbqyGykv1
2022-08-18 19:28:50更なる調査のため後部デッキに駆け込む爺。 デッキ中央に設置された収納棚と端の昇降口、 その特徴的な構造を見て爺は気付いた。 「まさか……」 ハシゴを使い甲板へ上がると、 見慣れた甲板風景に爺は確信した。 「コイツ、ワシの船と同型だ」 半ば呆然としつつ爺は呟いた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/a5hpMZs1qU
2022-08-19 08:13:18同型であるなら、実際に何がどう違うのか。 爺はより詳しく調べる事にした。 「コイツ、船体が一段後ろに下がってんだな。 視野はワシの船より良いって事か。 ……んで、船室の余裕の正体はコイツか」 そう言って、上部にトラップドアを備えた、 左右のサイドドアに着目した。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/oLbT5f2Lp2
2022-08-19 19:26:38「……なるほど。通路部分と部屋に船室を分けたって事か」 しばらく考えて、自分の推論に当たりを付ける爺。 つまりこういう事である。 従来の爺の船では、 船室内を前後に貫く通路が部屋を狭くしていたが、 この船は前方に通路部分を集約する事で、部屋を広く使っているのだ。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/I2lYswPrem
2022-08-20 09:27:35「横ドアにする事で船室自体広くしてる訳か。 この傾斜した天井も船室を広く……それだけじゃないな。 これ、上への階段代わりにしてんのか」 操縦性のために船体を削り、 徹底した船室の拡充で居住性も確保し、 拡張性も高い。 その設計の完成度に、 爺は唸るしかなかった。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/Vy062T0LLZ
2022-08-20 11:14:15って事で、久々の船舶開発ツリー更新です。 アウラ娘さん改造のレザー級の決定版、D型。 『探求号』 の紹介です。 新技術の傾斜甲板による特異な外見。 そして、ほぼ全ての性能を底上げした、走甲守揃った万能汎用船です。 欠点らしい欠点が、外見以外無いとかいう代物です。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/VMpRaB6W9k
2022-08-20 15:08:22朝焼けの光に包まれながら、 爺は作業船の上に呆然と佇んでいた。 「……いや、無理だわ。 あの船でアレ以上の出来は造れねぇ」 夜通し悩み考え抜いた末に辿り着いた結論がそれだった。 「特に操縦性。後ろに下げるのはもう限界だ。 あとは天井低くするくらいしか方法がねぇ」 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/gTDbxtzq7D
2022-08-21 08:21:27だが、船の天井を低くすると居住性がゴミになる。 高さ1マス船の狭さを知る爺にその選択は無かった。 「とりあえずアレだ。 舎弟どもを載せる藁小屋船でも造るか」 重い腰を上げる爺。 そこで動きが止まる。 「両サイドの桟橋……」 今見ている景色に、ふと何かを見出した。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/zdR3cXDYez
2022-08-21 15:38:13両側に置かれた2本の桟橋。 それを見て爺は何かを閃めき、即座に船を組み立て始めた。 「そうだよ。要は真ん中の視界がひらけてりゃ良いんだ。 ならいっそ、2隻の長細い船作って真ん中をイカダで繋げば」 そう言って中央に土台を置くと、 左右別々に細長い船体を伸ばし始めた。 #FF14 #ARK #ARK爺記 pic.twitter.com/MHxZlbcTzt
2022-08-21 19:41:45